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海外進出の利益を最大化する『為替リスクヘッジ法』

掲載日:2017年04月04日

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本記事では、海外進出の収益を最大化する、『為替リスクヘッジ法』をご紹介します。海外と取引をする上で、為替の変動によるリスクは避けては通れません。世界の情勢や投資家の心理により変動する為替により、売上が下がったり、逆に上がることもあります。為替の実態を掴み、その特性を理解し、リスクヘッジをすることが海外進出を成功させるためのカギとなります。

そこで、為替の基本解説から実際の為替変動により生まれる海外ビジネスへの影響・リスク、そしてその為替リスクヘッジ方法をご紹介いたします。本記事を読んでいただき、為替の実態からヘッジ方法まで理解していただくことで、為替レートの変動により生まれる支払う必要のなかった差損を最大限減らすことが可能です。すなわち、海外進出による収益を最大化させることが可能となるのです。ぜひ、本記事を御社の海外ビジネスにお役立てください。

そもそも、為替とは?

為替という言葉のそもそもの意味は、現金輸送を伴わない決済を表します。つまり、ネットショッピングなどの決済で用いる銀行振込や口座振替は為替取引の一種になるのです。その中で、国内で行われる為替取引は、内国為替と呼ばれます。

その一方、国境を越えて、異なる通貨間で行われるものが外国為替取引となります。企業の海外進出や商品の輸出入、外国証券や海外不動産への投資など、国際的な取引の多くは外国為替を利用して金銭の受払いが行われます。その中で、通貨の異なる国際的な為替取引では、「通貨の交換」が必要となります。そして、尺度の異なる通貨を交換する際に必要となるのが、通貨の交換比率です。それを「為替レート(外国為替相場)」と呼びます。

円高と円安

為替レートの変動により、円が他通貨に比べて高くなるのが「円高」、安くなるのが「円安」です。例えば、「1ドル=100円」が「1ドル=110円」となるのが「円安・ドル高」です。つまり、1ドルの商品を100円で買えたのに、110円必要になるということは、円の価値が下がったことになるということです。「円安・ドル高」は「円はドルよりも価値が下がった」ことを意味します。反対に、「1ドル=100円」が「1ドル=90円」となり「円高・ドル安」となった際は、「円はドルよりも価値が上がった」ことを意味します。

為替レートは、世界各国の経済や金融、政治状況、投資家の心理などの要因により日々変動しています。そして、円の相場が変わることによって、海外と取引を行う海外ビジネスは影響を受けます。では、具体的にどのような影響を受けるのでしょうか。

海外ビジネスと為替レート

為替レートにより影響を受ける海外ビジネスは、貿易(輸出・輸入)をはじめ、海外企業のM&A(合弁・買収)、海外現地でのビジネスなどがあります。では、為替レートが及ぼすそれぞれへの影響を解説していきます。

輸出の場合

海外に、1本1ドルで輸出している抹茶飲料があります。

・1ドル100円の時:100円で売る
・1ドル110円の時:110円で売れる
・1ドル90円の時:90円で売る

1ドル=100円時に比べ、円が安くなっている1ドル=110円のときが一番高く売れています。一方、円が高くなっている1ドル=90円の時に一番安く売れてしまっている事がわかります。つまり輸出において、円安が好影響を与え、逆に円高の時は、売上が減少してしまうのです。

輸入の場合

アメリカからコーラを1本1ドルで輸入しています。

・1ドル100円時=100円で輸入する
・1ドル=110円時:110円で輸入する
・1ドル=90円時:90円で輸入できる

1ドル=100円時に比べ、円が高くなっている1ドル=90円のときが一番安く輸入できます。一方、円が安くなっている1ドル=110円の時に一番高い値段で輸入していることがわかります。つまり輸入において、円高時に安く輸入し、国内で販売した際の差益が高くなるため、円高が好ましくなっています。

海外現地ビジネスの場合

例えば、海外現地で1万ドルの売上を上げたとします。売上金を円建てで日本に送金する際、為替レートの変動によって手元に届く金額も変化してきます。

・1ドル100円時=100円×1万(ドル)=100万円
・1ドル=110円時:110円×1万(ドル)=110万円
・1ドル=90円時:90円×1万(ドル)=90万円

海外現地で売上を上げた際は、円安の時に日本へ送金することで利益を出せます。その一方で、現地に進出し出店などをする際は円高のときが良いです。海外企業をM&A(買収・合弁)するときも同じく、現地の企業を安く買収することができるので、円高の方が良いです。

安く買って、高く売ること

以上の例からわかるように、利益を出すためには基本的に「安く買って、高く売ること」です。為替レートの変動によって生まれる利益を「為替差益」、反対にその損失を「為替差損」といいます。海外ビジネスで効率的に売上を上げるためには、この「為替差益」と「為替損益」の理解が大事になります。為替を制するものが海外ビジネスを制すると言っても過言ではありません。

為替リスク

そして、海外ビジネスを成功させるためには、為替レートの変動による「為替リスク」をつかむことが1番重要になります。では、為替によるリスクを解説するとともに、リスクヘッジの仕方をご紹介いたします。

例えば、輸出企業はそのときの為替相場や将来の予想に基づいて輸出・販売計画を立てていきます。もし想定した水準を超えて為替相場が変動すれば、別通貨で輸出した後に円建てをする時に、受取額が大きく変動し、差損や差益が発生します。2016年6月に英国国民投票の結果、大方の予測を裏切り英国が欧州連合(EU)離脱をすることを決定した際は、ユーロやポンドだけでなくドルまでもが急落し円高が進みました。輸出企業は思わぬ円高に打撃を受けました。その一方で、輸入品の販売が好調となったのも事実です。

逆に、2016年11月の米国大統領選の結果、こちらもまた大方の予測を裏切り共和党のドナルド・トランプ氏が次期大統領に就任した際は、一時は英国離脱決定時と同様円高に進むことが予測されましたが、こちらもまた大方の予測は裏切られ、トランプ氏の「アメリカ第1主義」への期待からドルが高騰し、円は急落しました。輸出産業には追い風になったものの、輸入企業にとっては大打撃となりました。輸出企業においても輸入企業においても、政治的動向によるリスクはつきものなのです。

そして、このような大きな為替変動が起こった際でも、契約通貨ベースの輸出価格の水準はほとんど変わらないということもリスクの1つです。つまり、円高になった際、輸出においてコスト回収のため、商品価格を値上げしたくても、向こう価格は変動しないため、容易に現地通貨建ての輸出価格を引き上げることができないのです。他方で、現在の円安局面でも契約通貨ベースの輸出価格の水準はほとんど変わらないのも事実です。

また、この為替変動のリスクを輸出企業と輸入企業のどちらが負担するかというのも問題となります。米ドル建てで取引が行われると、差損であれ差益であれ、為替リスクは避けられません。

そして、海外現地で事業を展開した際、売上を上げたとしても、円安傾向が強まった際には現地基準のその価値は、日本円に交換すると下がってしまうというリスクもあります。度々の補足になりますが、逆もまた然りなのも事実です。円高となった際は差益が生まれます。海外に進出し、日本国外と取引をして海外ビジネスをするということは、リスクがつきものであるということなのです。

海外ビジネスの収益を最大化する「為替リスクヘッジ法」

上記のような為替リスクに対してのヘッジ方法はいくつか上げられます。まずは、先物取引法です。あらかじめ、現レートでの交換を確定させることで、それ以上の差益は期待できなくなりますが、差損は回避できます。また、究極を言ってしまうと現地通貨で持ち続けるというのもある意味リスクヘッジ法の1つです。通貨を交換する必要がなければ相場を気にする必要もなくなるのです。

しかし、1番のリスクヘッジ法は上記で述べたようなリスクが起こりうるということを、「理解」することにあります。円が高くなった時にどうなるのか、円が安くなった時にどうなるのか、そしてこれから円はどの方向に向かっていくのかということを理解することです。

リスクを紹介する上でも解説したとおり、単純に「円安がリスク」、「円高がリスク」という結論は出せないのです。海外ビジネスの事業の内容や、現状況などによって、円安も円高もリスクになりうると同時に、メリットでもあるのです。海外ビジネスをする際に必然的に関わることになる為替レートにおいて、リスクはつきものです。

大事なのはそれぞれの変動によって、どのような効果が起こりうるのかということを「理解」することなのです。その特性を理解した上で適切なタイミングで、適切な投資をすることが海外進出・海外ビジネスを成功させるために必要なことなのです。

まとめ

本記事を読んで頂けたら、ひとえに為替レートのリスクといっても一元的に捉えることではないことがお分かりいただけると思います。多角的にその実態を捉え、「理解」することが、海外進出・海外ビジネスにおける最良のリスクヘッジとなるのです。

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