外国人採用にかかる費用・相場まとめ|ビザ申請・エージェント・在留資格別コスト比較
外国人採用への関心が高まる一方、「実際にどれくらいの費用がかかるのか」を正確に把握できている企業はまだ多くありません。採用ルートや在留資格の種類によってコスト構造は大きく異なり、相場を知らないまま進めると予算超過や採用計画の見直しを余儀なくされるリスクがあります。
外国人採用にかかる費用は、採用活動そのもの(エージェント手数料・求人媒体掲載費)だけでなく、ビザ・在留資格の申請費用、入社後の定着支援コストまで幅広く発生します。また技能実習・特定技能という在留資格を選ぶ場合は、送出機関や登録支援機関への費用も見込まなければなりません。
本記事では、採用ルート別・在留資格別のコスト相場を整理しながら、費用を抑えるためのポイントや活用できる助成金もあわせて解説します。外国人採用の予算計画を立てる際にぜひお役立てください。
この記事でわかること
- ・外国人採用で費用が発生する主な場面と全体像
- ・採用ルート別(エージェント・技能実習・求人媒体・直接採用)の費用相場
- ・ビザ申請・在留資格変更にかかる費用と行政書士報酬の目安
- ・入社後の定着支援コストと費用を抑えるためのポイント
▼目次
1. 外国人採用でかかる費用の全体像
コストが発生する3つのフェーズ
外国人採用にかかる費用は「採用活動フェーズ」「ビザ・在留資格フェーズ」「入社後フェーズ」の3段階に分けられます。国内の日本人採用と比べると、ビザ申請や在留資格変更に関するコストが追加で発生する点が大きな違いです。
採用活動フェーズでは、人材紹介会社への紹介手数料(年収の15〜40%)、求人媒体への掲載費用、海外現地採用の渡航費などが主なコストです。ビザ・在留資格フェーズでは、申請印紙代(4,000円)と行政書士費用(5〜15万円程度)が発生します。入社後フェーズでは、社宅・住居補助、日本語研修費用、通訳・翻訳費用などが継続的に発生します。
人材紹介会社を活用して就労ビザの人材を採用する場合、紹介手数料・ビザ申請・定着支援を合わせると初年度トータルで150〜200万円を超えることもあります。技能実習・特定技能には法定の費用負担ルールもあるため、事前の制度理解が欠かせません。
2. 採用ルート別の費用相場
人材紹介会社(エージェント)利用:紹介手数料は年収の15〜40%が相場
人材紹介会社は成功報酬型が一般的で、採用が決まった場合にのみ費用が発生します。費用の相場は採用者の年収の15〜40%とされていますが、2026年現在は世界的な人材獲得競争と円安の影響を受け、ITエンジニアや特定技能の即戦力層では25〜35%に達するケースも増えています(出典:一般社団法人 日本人材紹介事業協会の業界慣行)。紹介手数料の相場は、採用するターゲットの年収帯によって変動します。例えば、年収400万円ほどの一般職であれば、相場である30%~35%が標準的です。45%に達するような高い料率は、年収800万円クラスのエグゼクティブや極めて希少価値の高い職種で発生するため、一般的な採用であれば120万〜140万円の範囲に収まるのが目安となります。「安さを売り」にするエージェントは候補者の質や定着率が低くなるリスクもあるため、料率だけでなくサービス内容・実績で選ぶことが重要です。
エージェントはビザ対応サポートや面接調整も含めたサービスを提供するため、初めて外国人採用に取り組む企業にとっては費用対効果が高い選択肢です。
技能実習・特定技能:送出機関費用・登録支援機関費用(月2〜5万円)など
技能実習や特定技能という在留資格で外国人を受け入れる場合、通常の採用とは異なる費用体系となります。技能実習では、海外の送出機関への費用が1人あたり50〜100万円程度、監理を担う「監理団体」への監理費が月3〜5万円程度、さらに外国人技能実習機構(OTIT)への申請手数料も別途必要です。
特定技能では、支援計画の実施を「登録支援機関」に委託する費用として月2〜5万円程度が相場です(出典:厚生労働省「特定技能外国人の受入れに関するガイドライン」)。いずれの在留資格も、法律上採用者(外国人)本人から費用を徴収してはなりません。費用負担ルールへの違反は在留資格の取消し事由にもなるため、注意が必要です。
求人媒体(Indeed等)・直接採用の費用目安
在日外国人や留学生を採用する場合、Indeed・外国人向け求人サイト(Jobs in Japan、GaijinPot Jobs など)の活用が有効です。Indeedは基本掲載無料で、クリック課金型の有料掲載は1クリック数十〜数百円が相場です。外国人向け求人サイトは月額3万〜15万円程度のプランが主流です。採用人数が増えても追加手数料がかからないため、継続的な採用を行う場合はコストを大幅に抑えられます。
海外大学・現地人材を直接採用する「現地採用」では、採用担当者の渡航費・滞在費(20〜50万円程度)、現地就職フェア参加費(数万〜数十万円)、来日時の渡航費・引越し補助(10〜30万円程度)が加わります。初期投資は大きいですが、海外拠点のマネジメント人材確保には有効な選択肢です。
3. ビザ申請・在留資格変更にかかる費用
見落とされがちな「社内工数」コスト
外部に支払う費用とは別に、採用担当者の工数も「見えないコスト」として計上が必要です。ビザ申請書類の準備補助・入管や役所への同行・生活オリエンテーション(住民登録・銀行口座開設の付き添いなど)にかかる工数は、初めての受け入れ時で1人あたり30〜50時間程度が目安です。担当者の人件費換算で数万円規模になるこの「見えないコスト」を把握しておくことで、登録支援機関や行政書士へのアウトソーシング費用の妥当性も判断しやすくなります。
申請印紙代と行政書士費用の目安
在留資格の変更・更新にかかる申請印紙代は比較的低額です。在留資格変更許可申請(例:留学→就労ビザへの変更)の印紙代は4,000円、在留期間更新許可申請も同様に4,000円です。在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ時)は無料となっています(出典:出入国在留管理庁「申請手数料一覧」)。
初めて外国人採用に取り組む企業は書類不備による不許可リスクを下げるために専門家への依頼を検討してください。「申請取次行政書士」に依頼すると、企業担当者が入管に出向く必要がなくなり業務効率も向上します。
4. 入社後のコスト
社宅・住居補助(特に技能実習・特定技能は必須ケースが多い)
外国人従業員の入社後に発生する主なコストとして、まず住居に関する費用があります。特に技能実習・特定技能の在留資格では、受入機関(企業)が住居の確保を支援することが義務または強く推奨されており、多くの企業が社宅の提供や家賃補助を実施しています。都市部では月5〜10万円前後の家賃を企業側が全額または一部負担するケースが多く、複数名の受入れでは年間数百万円規模になることもあります。
日本語研修・定着支援費用
外国人従業員が職場に馴染み、パフォーマンスを発揮するためには日本語能力の向上支援と定着支援が不可欠です。日本語スクールへの通学補助は月1〜5万円程度、オンライン日本語学習サービスは月額1,000〜5,000円程度(1人あたり)が相場です。JLPT(日本語能力試験)の受験料補助(1回5,500〜6,000円)を設ける企業もあります。
メンター制度(担当者への手当:月1〜3万円程度)や研修への通訳派遣(1日あたり3〜8万円程度)といった定着支援コストも見込んでおくことが重要です。
なお、2027年4月開始予定の育成就労制度では、日本語教育への企業負担が義務的な色彩を強める方向で制度設計が進んでいます。2027年以降を見据えた予算計画では、現行の日本語教育費より10〜20%程度の上乗せを見込んでおくことを推奨します。
5. 外国人採用コストを抑えるポイント
採用ルートの最適化(エージェント vs 直接採用)
外国人採用コストを最適化する第一歩は、自社の採用状況に合った採用ルートを選ぶことです。初めての外国人採用や社内ノウハウが少ない段階では、多少費用が高くてもエージェントを活用してノウハウを蓄積することが合理的です。採用経験を積んだ段階では、求人媒体や直接採用へのシフトで採用コストを大幅に抑えられます。
在日留学生の採用は、定着率が高くコストを抑えながら優秀な人材を確保できる有力な選択肢です。
コスト判断では「採用単価」だけでなく「3年定着した場合の月あたりコスト」で比較する視点が重要です。たとえば直接採用で初期費用を100万円節約できても1年で離職すれば再採用コストが発生します。一方、特定技能で月3万円の支援費を3年支払った場合の追加コストは計108万円ですが、3年定着した場合の月あたりコスト増はわずか約3万円です。さらに特定技能2号への移行(永住への道)を前提とすれば採用コストの消却期間も長くなり、中長期で見た費用対効果は高まります。
外国人雇用助成金・定着率向上によるコスト削減
外国人採用に使える主な助成金として、厚生労働省の「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」があります。就労環境整備を行った企業に対し、対象経費の最大3分の2(上限72万円)が支給されます(2026年5月時点・出典:厚生労働省「人材確保等支援助成金のご案内」)。
コスト削減で最も効果的なのは定着率の向上です。入社前に母国語で業務・職場環境を丁寧に説明してギャップを防ぎ、入社後3ヶ月のオンボーディングを手厚くすることが直結します。キャリアパスを日本人と平等に提示することも長期定着の鍵です。
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 外国人採用でかかる費用の総額はどのくらいですか?
採用ルートや在留資格によって大きく異なります。人材紹介を利用した場合は紹介手数料(年収の15〜40%)が主なコストとなり、年収400万円の人材では60〜120万円程度かかります。ビザ申請費用・定着支援費用を加えると、初年度トータルで100〜200万円前後になるケースも珍しくありません。
Q2. 特定技能と技能実習ではどちらのほうが費用が高いですか?
一般的に技能実習のほうが初期費用は高い傾向があります。技能実習では送出機関への費用(50〜100万円程度)と監理費(月3〜5万円)が発生します。特定技能は登録支援機関への委託費用(月2〜5万円)が主なランニングコストです。技能実習は長期間(3〜5年)にわたる人材確保ができるため、コスト対効果の評価軸が異なります。
Q3. 外国人採用に使える助成金はありますか?
厚生労働省の「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」が活用できます。就労環境整備に取り組んだ企業に対し、対象経費の最大3分の2(上限72万円)が助成されます(2026年5月時点)。要件・助成額は年度によって変わるため、最新情報は厚生労働省ホームページでご確認ください。
Q4. 求人媒体と人材紹介会社、どちらを使うとコストを抑えられますか?
採用コストだけ比較すると、求人媒体(掲載型)のほうが安く抑えられるケースが多いです。ただし人材紹介会社は成功報酬型のため、採用が成立しなければ費用はゼロです。外国人採用特化型エージェントはビザ対応サポートも含まれることが多く、初めての外国人採用では費用対効果が高い場合もあります。自社の採用ノウハウの蓄積状況に応じて使い分けることが最善策です。
7. まとめ
外国人採用にかかる費用は採用ルートや在留資格によって大きく異なります。人材紹介の場合は年収の15〜30%(高需要職種では25〜45%)の紹介手数料が主なコストで、ビザ申請・定着支援を加えると初年度100〜200万円前後になるケースもあります。技能実習・特定技能では独自のコスト構造があるため、事前の制度理解が重要です。
コスト最適化のポイントは採用ルートの最適化・助成金活用・定着率向上の3点です。「採用単価」ではなく「3年定着した場合の月あたりコスト」で比較することで、より精度の高い予算計画が立てられます。費用・手続き・受入体制の準備に不安がある場合は、ぜひ「Digima〜出島〜」でご相談ください。
8. 外国人採用支援の専門企業をご紹介
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参考文献
・厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和6年10月末現在)」(2025年1月)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_xxxxxx.html
・厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)のご案内」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160866.html
・出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関するガイドライン」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri06_00103.html
・出入国在留管理庁「申請手数料一覧」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/fee.html
・外国人技能実習機構(OTIT)「技能実習制度について」
https://www.otit.go.jp/
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