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海外事業戦略の作り方:3C分析とファイブフォース分析~『中小企業のための海外ビジネス成功完全マニュアル』Vol.3

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海外展開に興味を持たれている日本の中小企業の皆さんこんにちは、サウスポイントです。

海外展開への夢を抱き、新たな市場へ挑戦しようとする意欲は本当に素晴らしいものです。しかし、その情熱だけで突き進むのは時に危険な賭けになりかねません。これまでの記事でもお伝えした通り、良い海外事業戦略こそが、海外事業を成功へ導く地図となります。

今回は、その羅針盤を使いこなすための強力なツール、「3C分析」と「ファイブフォース分析」について、海外事業戦略に応用する際のポイントも交えながら詳しく解説していきます。これらのフレームワークを正しく理解し活用することで、精度の高い海外事業戦略を策定し、成功への道を切り拓きましょう。

1. 顧客・競合・自社で考える海外事業戦略「3C分析」とは

まずは、海外事業戦略の基礎となる、顧客・競合・自社の3つの軸で考える、「3C分析」から見ていきましょう。

1-1. 3C分析の概要

3C分析とは、Customer(顧客・市場)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から、事業環境を総合的に分析するフレームワークです。これら3つの要素を客観的に分析することで、自社の強みと弱み、そして市場における機会と脅威を明確に把握し、最適な事業戦略を導き出すことができます。
 
3C分析を構成する3つ軸になる「C」は下記のようになります。

①Customer(顧客)

進出を検討している国の市場規模、成長性、顧客のニーズ、購買行動、文化・慣習などです。マクロな視点では市場と言い換えてもいいかもしれません。また、ミクロな視点で具体的な顧客像(ペルソナ)まで描き切れるとよりよいでしょう。
最初から具体的に考えることが難しいと感じる方は、PEST分析という、政治、経済、社会、技術の4つの視点で市場をとらえる分析方法から入るといいかもしれません。

②Competitor(競合)

現地の競合企業の数、規模、シェア、強み・弱み、価格戦略、マーケティング戦略などを分析します。この後でお話ししますが、潜在的な競合品がある場合には、それらを含めて競合を分析するとよいでしょう。

海外事業戦略の策定の場合、競合となる企業がどこかを見極めるのは語学やネットワークがないと見極めが難しいため、コンサルタントや市場調査会社の起用を検討することが良いかと思います。

③Company(自社)

自社の技術力、製品・サービスの品質、ブランド力、人材、財務状況、強み・弱みなどを客観的に分析します。進出実行フェイズに備え、できるだけ自社を客観的に言語化・数値化し、優位性と弱みを明確にしておくのがよいでしょう。海外市場に詳しい外部人材の眼を入れて分析すると、より客観的に分析が可能かと思います。

1-2. 3C分析でわかること

3C分析を行うことで、主に以下のような重要な情報が明らかになり「最適な戦略の方向性」が明確になります。

① ターゲット顧客の明確化

どのような顧客層が、どのようなニーズを持っているのかを具体的に把握できます。海外進出においては、顧客が誰かということを明確にすることが非常に大事になります。

② 競合優位性の発見

競合他社と比較して、自社の製品やサービスがどのような点で優れているのか、あるいは劣っているのかを特定できます。

コストでは優位性の出しづらい日本企業の海外進出では、競合優位性の発見は、競合との差別化の上で、大変重要になります。

③ 自社の課題と強みの再認識

客観的な視点から自社の内部環境を評価し、海外市場で通用する強みと克服すべき弱みを明確にできます。自社の強みだと思っていたことが、海外では強みにならなかったりすることもあります。客観的な分析が海外展開では重要になります。

ここから導き出してほしいのは、海外展開での「最適な戦略の方向性」です。つまり、顧客ニーズと競合の接点が競合他社の立ち位置だとすると、自社の強みを分析することで、顧客ニーズと自社の優位性の接点が、自社がとるべき立ち位置として見えてきます。そして、どのように自社の製品やサービスの良さを、どのように周知して、どのチャネルで提供すべきかという、差別化すべきポイントが見えてきます。

1-3. 3C分析を海外事業戦略に応用するときに気を付けること

国内市場での3C分析とは異なり、海外事業戦略に応用する際には、特に以下の点に注意が必要です。

① 情報の精度と鮮度

海外の顧客情報や競合情報は、国内に比べて入手が困難な場合があります。信頼できる情報源から、常に最新の情報を収集する努力が必要です。現地パートナーやコンサルタントからの情報、専門機関のレポートなども有効活用しましょう。

② 文化・宗教・慣習への配慮

顧客・市場の分析においては、単なるデータだけでなく、その国の文化や慣習、宗教・国民性などに敬意を払い、十分な配慮することが不可欠です。現地の商習慣や消費行動が、日本とは大きく異なるケースも少なくありません。

③ 競合の多様性

海外市場では、日本国内ではあまり知られていないローカル企業が強力な競合となるケースも多々あります。大手企業だけでなく、中小規模の現地企業まで視野に入れて分析することが重要です。

④ 自社のリソースと適応力

海外展開には、人材、資金、時間など、多くのリソースが必要となります。自社のリソースと、現地の環境への適応能力を現実的に評価し、無理のない計画を立てることが肝心です。自社のリソースだけでは不足すると考えられる場合、ジョイントベンチャーやフランチャイズ等での海外展開も検討するとよいでしょう。

2. ファイブフォース分析とは

3C分析を行うことで、以下のような重要な情報が明らかになり「最適な戦略の方向性」が明確になります。

2-1. ファイブフォース分析の概要

ファイブフォース分析は、米国の経営学者マイケル・E・ポーターが提唱したフレームワークで、業界の魅力度や収益性を決定する「5つの競争要因」(ファイブフォース)を分析することで、自社の戦略立案に役立てるものです。

その具体的な5つの競争要因は下記のようになります。

① 新規参入の脅威

新たに市場に参入してくる企業がどれくらい参入しやすいか、あるいは参入障壁が高いかを分析します。

② 代替品の脅威

自社の製品やサービスの代わりとなる製品やサービスがどれくらい存在するのか、その脅威を分析します。

③ 買い手の交渉力

顧客(買い手)が価格や品質についてどれくらいの交渉力を持っているかを分析します。

④ 売り手の交渉力

サプライヤー(売り手)が原材料や部品の価格決定権などについてどれくらいの交渉力を持っているかを分析します。
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⑤ 既存企業・業界内の競争

同業他社との競争がどれくらい激しいのか、価格競争や差別化競争の状況を分析します。

2-2. ファイブフォース分析でわかること

ファイブフォース分析を通じて、以下の点を把握することができます。

① 業界の収益構造

参入を検討している海外市場の業界が、どれくらい収益を上げやすい構造になっているのか、あるいは厳しい競争環境にあるのかがわかります。

販売価格は高くてもコストも高い先進国、販売価格は低くてもコストが安く市場が成長している発展途上国など、収益構造の見極めは海外展開を図る上で重要です。

② 潜在的なリスクの特定

新規参入や代替品の脅威など、将来的に自社の収益を圧迫する可能性のあるリスクを早期に特定できます。一般的に海外展開をしやすい国は、同時に新規参入の脅威も高い国とも言えます。

③ 自社のポジショニング

5つの競争要因の中で、自社がどのような優位性を確立できるのか、あるいは改善すべき点はどこかを把握できます。日本と同じ競争モデルが成り立たない可能性のある海外展開では、自社のポジションを見極めるのは重要です。

④ 適切な戦略の選択

業界の構造を理解することで、価格戦略、差別化戦略、ニッチ戦略など、どのような戦略が有効であるかを判断できます。

最初にどれぐらい確度の高い戦略を立てられるかで、海外展開の成否は大きく左右されます。

2-3. ファイブフォース分析を海外事業戦略に応用するときに気を付けること

ファイブフォース分析を海外事業戦略に適用する際には、以下の点に特に注意が必要です。

① 地域性を考慮する

同じ業界でも、国や地域によって5つの競争要因の強さは大きく異なります。例えば、ある国では新規参入が容易でも、別の国では規制によって非常に困難な場合があります。一般的に新規参入が容易な国や業界ほど競争が激しい傾向があります。ターゲットとする国・地域に特化して分析を行いましょう。

② 政府の規制と政策

各国の政府の規制や政策は、新規参入の障壁や、買い手・売り手の交渉力に大きな影響を与えます。政治的・法的な側面も考慮に入れる必要があります。外資系企業の進出や進出可能業種、外国人による投資、土地の売買等に規制を設けている国は少なくありません。

③ サプライチェーンの複雑性

海外での事業展開では、サプライチェーンが国内よりもはるかに複雑になることがあり、国内では簡単に調達できるものが海外では入手困難になることもあります。売り手の交渉力分析では、現地のサプライヤーの状況や調達ルートの安定性なども考慮に入れるべきです。

④ 代替品の広がり

特に新興国市場などでは、日本国内では考えられないような低価格の代替品が存在する可能性があります。固定観念にとらわれず、現地の実情に基づいた代替品の脅威を評価しましょう。
例えば航空機を「移動手段」としてみた場合、代替品は自動車や鉄道と考えられますが、「会議をするための出張の手段」と見た場合、代替品はウェブ会議システムとも考えられます。何を代替品と見るかによって、分析も変わってくるでしょう。

⑤ 情報収集の難易度

各国の業界に関する正確な情報を網羅的に収集することは容易ではありません。日本は政府が信頼できる統計を多数提供していますが、そのようなサービスを行政が行っていない国は少なくありません。口コミやニュースはどの国でも情報ソースとしては有効ですが、その真偽を見極める必要があります。

情報収集では信頼できる現地のパートナーや専門家との連携が、より精度の高い分析に繋がります。

3. まとめ~分析結果をどう活用するかが大事

いかがでしたでしょうか。今回は、海外事業戦略を策定する上で不可欠なフレームワークである「3C分析」と「ファイブフォース分析」について、その概要と海外応用時の注意点について解説しました。

これらの分析は、単なる机上の空論ではなく、貴社の海外展開におけるリスクを低減し、成功確率を高めるための強力な武器となります。漠然とした感覚や推測に頼るのではなく、データに基づいた客観的な分析を行うことで、より堅実で具体的な事業戦略を構築することが可能になるのです。

しかし、これらのフレームワークを「ただ埋めるだけ」では意味がありません。重要なのは、得られた情報を深く考察し、貴社独自の強みや戦略にどう結びつけるかです。

海外事業戦略の策定・実行なら「サウスポイント」にお任せ下さい!

「具体的にどう分析を進めればいいのか?」

「自社の場合はどの情報に注力すべきか?」

もし、そういった疑問や不安をお持ちでしたら、ぜひ私たち合同会社サウスポイントにご相談ください。私たちは世界と日本を結ぶ架け橋「沖縄」から、これまで数多くの日本企業様の海外展開をサポートしてまいりました。貴社の現状と目標に合わせて、最適な市場分析のサポートと戦略立案をご支援いたします。

なお、本シリーズ「中小企業のための海外ビジネス成功完全マニュアル」は全12回の連載です。次回以降も、海外進出を成功させるための情報を順次公開予定です。これからも応援よろしくお願いします!

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