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ASTM規格の基礎知識-ASTM規格について日本企業が知るべきこと

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ASTM規格とは、米国試験材料協会(ASTM International)によって策定される、材料、製品、システム、品質、安全性、性能に関する技術的基準を指します。

ASTM規格は、安全性、信頼性、効率性を保証するための試験方法、仕様、ガイドラインとして、世界中の製造業者、政府機関、技術専門家に採用されています。

本記事では「ASTM規格の基礎知識」として、ASTM規格とは何か、ASTM規格は任意なのか、ASTM規格とISO規格・JIS規格の違いや、ASTM規格の調べ方と購入方法などについて、わかりやすく解説します。

1. ASTM規格とは?

まずはASTM規格とは何なのか、その歴史と概要、ASTM規格の構造、ASTM規格が国際社会で受け入れられている理由について解説します。

ASTM規格とは

ASTM規格は、アメリカの標準化団体である「ASTM International」によって策定される一連の基準で、ASTM Internationalの旧称である米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)の略称になります。

ASTM規格のの起源は1902年にさかのぼります。これらの規格は、製品の安全性、品質、および性能を確保するためのもので、幅広い分野をカバーしています。プラスチック、金属、塗料、繊維など、約130の異なる産業分野における標準試験方法、仕様、ガイドラインが含まれています。

ASTM規格の策定は、世界中の約32,000人の専門家による自発的な協力に基づいています。これらの専門家は、製造業者、使用者、消費者、学術界、そして政府の代表者で構成されており、共同で規格の開発、レビュー、そして更新を行っています。広範囲にわたる利害関係者の意見を取り入れるプロセスを採用することで、その規格が公平で信頼性が高いものになるようにしているのです。

ASTM規格の構造

ASTM規格の構造は、規格番号で独特に識別されます。この番号は、一般的に「ASTM」の後に続く分類記号(AからGまでの7種類および追加のPとPS)、番号、そして規格の発行年から構成されています。例えば、「ASTM D-3951-10」は、2010年に作成された、おもに包装材料に関連する規格であることを示しています。

ASTM規格は、アメリカを始め、多くの国で法規制や基準として組み込まれており、グローバル市場において重要な役割を果たしています。特定のASTM規格は、特に高い信頼性や安全性が求められる製品に対して、必須の基準となることもあるので注意が必要です。

2. ASTM規格は任意なのか?

ASTM規格は、世界中で認知され、広範囲にわたる産業分野に影響を与える、重要な技術標準のひとつです。ASTM International(米国試験材料協会)によって策定されたこれらの規格は、基本的には任意で採用されるものですが、実際のビジネスの場や規制の文脈においては、その採用が事実上必須となるケースも少なくありません。

この項では、そんなASTM規格の「任意性」について見ていきましょう。

ASTM規格は任意だが事実上必須の場合もある

ASTM規格はその性質上、任意で採用される技術標準です。つまり、これらの規格を採用するか否かは、企業や組織に委ねられています。しかし、多くの産業分野において、ASTM規格は製品の品質や安全性を保証する基準として広く認識されており、そのために事実上の必須要件となることがあります。特に、建設材料、航空宇宙、医療機器などの分野では、ASTM規格に準拠することが市場へのアクセスを得るための重要な条件となっています。

また、法規制や国際貿易の文脈においても、ASTM規格が直接的または間接的に要求されることがあります。例えば、特定の製品に対する規制がASTM規格に基づいている場合、その市場で製品を販売するためには規格への準拠が必須となります。さらに、公共プロジェクトや大規模な建設案件においては、入札条件としてASTM規格への準拠が指定されることもあります。

企業にとってASTM規格への準拠は、製品の品質を保証し、消費者やクライアントからの信頼を獲得する手段です。また、規格への準拠は、リスク管理の観点からも重要であり、製品の安全性や性能に関する訴訟リスクを低減する効果があります。そのため、多くの企業は、法的義務がない場合でも、自発的にこれらの規格を採用し、製品の設計や製造プロセスに組み込んでいます。

以上のことから、ASTM規格は「任意」の枠組みを超え、多くの産業分野における事実上の標準として機能していると言えるでしょう。

3. ASTM規格はどのように策定されるのか?

ここからはASTM規格の策定のプロセスについて解説します。

世界140ヵ国以上の3万人以上のメンバーによって策定

ASTM規格の策定プロセスは、メンバーによる自主的な取り組みによって支えられています。世界140ヵ国以上から3万人以上のメンバーが参加しており、これには製造業者、消費者、政府機関、学界の代表者などが含まれます。

これらの規格は任意でありながらも、その品質と信頼性から、多くの国で法的要件として採用されているものもあります。特に、ASTM規格は、製品が特定の基準を満たしていることを示す信頼の証として、商談先や消費者からの信頼を得る上で極めて重要です。

ASTM Internationalでは、規格に準拠するかどうかの認証を直接行ってはいませんが、製品がASTM規格を満たしていることを証明するために、製品パッケージやパンフレットに規格番号を記載することが許可されています。このプロセスを通じて、製品の品質と安全性が保証され、国際的な市場においても認識されるようになるのです。

ASTM規格の普及と受容は、グローバルな市場における製品とサービスの標準化を促進し、国際ビジネスの障壁を低減する上で不可欠な役割を果たしているのです。

4. ASTM規格が日本企業にとって重要な理由

ASTM規格は、海外市場で事業を展開する日本企業にとって、非常に重要な基準となっています。これらの規格を活用することで、製品の国際的な品質保証が可能となり、グローバル市場へのアクセスが容易になるからです。

この項では、ASTM規格の準拠が日本企業にとって重要な理由について解説します。

ASTM規格の準拠は日本企業が成功するための重要要素のひとつ

ASTM規格の採用は、製品の品質向上だけでなく、国際市場での競争力を高めるための重要なステップとも言えます。

例えば、建設材料や電子機器など、ASTM規格に準拠した製品は、アメリカをはじめとする複数の国で受け入れられやすくなります。これは、ASTM規格が広く認知されている証であり、製品が一定の品質基準を満たしていることを示す信頼の証明となるためです。

特に、アメリカ市場への進出を考える日本企業にとって、ASTM規格への準拠は、商談の成立や市場へのスムーズな進出を可能にする重要な鍵となります。

またASTM規格を活用することで、製品開発や品質管理のプロセスを国際基準に沿って最適化することができます。これにより、製品の品質向上はもちろんのこと、生産効率の向上やコスト削減にも繋がり、結果として企業の競争力を大きく強化することが可能になります。

さらに、ASTM規格への準拠は、製品開発の段階で国際的な要件を考慮に入れることを促すため、イノベーションの加速にも貢献します。

以上のように、ASTM規格を活用することで、日本企業は製品の品質を向上させ、国際市場へのアクセスを拡大し、競争力を強化することができます。ASTM規格の準拠は、日本企業が世界市場で成功するための重要要素のひとつであると言えるでしょう。

5. ASTM規格とISO規格・JIS規格の違いについて

ASTM規格と他の国際規格との比較は、日本企業が国際市場での活動を考える際に重要な視点となります。

例えば、ISO(国際標準化機関)はグローバルに広がるさまざまな業界で利用されるISO規格を提供しています。また、日本のJIS(日本工業規格)は、おもに日本国内での製品規格を定めていますが、ISO規格との整合性を持たせる努力がなされています。

この項では、ASTM規格と、ISO規格やJIS規格との違いについて見ていきましょう。

ASTM規格とISO規格・JIS規格との違い

まずASTM規格とISO規格のおもな違いは、それぞれの規格が策定されるプロセスと適用範囲にあります。ASTM規格は、特定の材料、製品、サービスに関する詳細なテスト方法や性能基準に焦点を当てています。これに対して、ISO規格は、より幅広いアプローチを取り、品質管理システムや環境管理システムなど、組織が準拠すべき一連の管理プロセスに関するガイドラインを提供しています。

またJIS規格は、日本の特定の産業基準に合わせて作られていますが、国際標準との互換性を持たせることで、日本製品の国際市場への展開を支援しています。JIS規格がISO規格と整合している場合、日本企業は国際的に認められた基準に従っているという信頼を得ることができます。

それぞれの規格の相違点を知る重要性

日本企業が国際市場で直面する可能性のある課題に対処するためには、これらの規格間の相違点を理解し、製品やサービスが目指す市場の要求に合った規格を選択することが重要です。

例えば、アメリカ市場における製品販売を目指す場合、ASTM規格への準拠が求められることが多く、その製品の性能や安全性をASTM規格に基づいて証明する必要があります。一方、欧州市場や他の地域での販売を考える場合は、ISO規格や該当地域の特定の規格への準拠が必要となることがあります。

このように、ASTM規格・ISO規格・JIS規格といった、それぞれの規格の相違点を知ることは、日本企業がグローバルな競争の中で自社製品の市場拡大を図る上で重要な判断基準となるのです。

6. ASTM規格の調べ方と購入方法

日本企業がASTM規格を利用する際、その閲覧方法と購入方法を理解することは、グローバルな市場での競争力を保持するうえで重要です。

最後に日本企業がASTM規格にアクセスするための方法を紹介します。

ASTM規格の調べ方

① ASTM International

ASTM Internationalの公式Webサイトは、最も直接的で広範なASTM規格の情報を提供しています。

公式サイトでは、「Products & Services」のセクションから「Standards」を選択し、「Search Standards by Keyword or Designation」の検索ボックスに規格番号やキーワードを入力して検索します。これにより、特定の規格の詳細情報や、商用梱包を含む様々な分野の推奨手順にアクセスできます。

https://www.astm.org/


② 国立国会図書館

日本の国立国会図書館では、「Annual Book of ASTM Standards」を含む多くのASTM規格が保管されています。国立国会図書館のサイトを通じて所在地を確認し、対象の規格がどの巻に収録されているかを調べた上で、直接閲覧が可能です。

https://ndlsearch.ndl.go.jp/


③ 一般財団法人 日本規格協会 JSA

日本規格協会では、ASTM規格の一部を購入することができます。JSAのウェブサイトやJSAライブラリサーバを通じて、必要な規格をPDF版で購入し、ダウンロードすることが可能です。

https://webdesk.jsa.or.jp/

ASTM規格の購入方法

① ASTM International

ASTMの規格は、公式Webサイト上で直接購入することができます。検索機能を利用して目的の規格を見つけた後、オンラインで購入手続きを進めることができます。クレジットカード決済が可能で、規格はPDF形式で提供されます。

https://www.astm.org/


② 一般財団法人 日本規格協会 JSA

日本規格協会では、ASTM規格を購入することもできます。こちらもPDF版の規格を購入し、ダウンロードする形式です。購入プロセスは日本語で行えるため、言語の壁を感じることなく利用可能です。

https://webdesk.jsa.or.jp/

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

貴社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

今回は、日本企業が知っておくべき「ASTM規格の基礎知識」について解説しました。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。海外進出のサポート企業を探すにあたっては、1社だけに絞るのではなく、複数のサポート企業を「比較する」ことが重要です。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、貴社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。

(参考文献)
・「ASTM規格への合致要求とは何か:米国」JETRO
・「ASTM規格 〜製品仕様や試験方法に関する世界的な規格〜」国立国会図書館リサーチ

(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
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