【海外展示会・見本市】のビジネス活用方法をわかりやすく解説

自社の製品やサービスを海外で広めるために、「まずは展示会や見本市に出展しよう」と、考える企業は多いのではないでしょうか。「展示会や見本市への出展」は、限られた時間やコストの中で海外進出をするために、大変有効な方法であると言えます。 しかし、「どの展示会や見本市に出展するべきか」というところから始まり、申し込み方法、ブース造り、来場者への対応など、初めて海外に進出する企業にとっては、未知の部分が多いのも事実でしょう。また、「思ったほど手ごたえがなくて…」という他社の失敗談を聞き、海外の展示会や見本市出展を足踏みしているという企業もあるかもしれません。 そこで、本記事では海外の展示会や見本市で成功するポイント、代表的な海外の見本市・展示会をまとめました。是非、御社の海外展開にお役立てください。

▼【海外展示会・見本市】のビジネス活用方法をわかりやすく解説
1. そもそも「海外の展示会/見本市」とは?
国内の展示会や見本市と同様に、海外の展示会や見本市も、業種ごとに分かれており、同業者が集まって展示を行います。来場者は一般消費者ではなく、その業界のバイヤーであることが多いでしょう。いわゆるBtoBの場であると言えます。 ブースを間借りし、そのブースを訪れたバイヤーと商談するというスタイルが一般的で、国内の展示会や見本市と大きな相違はありません。
2. 「海外の展示会/見本市」のメリットは?
メリット① 商談のための時間と手間をカット
海外で営業周りをしようと思っても、限られた滞在期間の中で、訪問できる会社数は限られてきます。展示会/見本市では、その業種の専門であるバイヤーが一同に会するため、返信が来ないかもしれないアポ取りのメールを海外の企業宛に送ったり、相手の会社を訪問したりすることなく、商談のチャンスを得られます。また、展示会や見本市の場で直接のセールスに繋がらなかったとしても、商品に触れてもらい、名刺交換をして顔を合わせた相手なら、信用関係も築きやすく、今後のセールスに繋げられる可能性も高くなります。
メリット② コストの削減
展示会/見本市で1ブースを借りるのは、海外でいきなり店舗を経営するより、遥かにコストもリスクも低くなります。そうはいっても、中小企業にとっては決して「安い」ものではありません。しかし、現在は日本政府や地方自治体が、企業の海外進出に力を入れており、事業内容によっては、出展の助成金や補助金を受け取ることができる場合があります。コストの面で不安がある場合は、こういった制度を利用するのも良いでしょう。 また、日本の製品やサービスを集めてグループ出展するという方法もあるため、ブースをシェアしてコストを抑えることも可能です。
メリット③ 市場調査や情報収集ができる
海外の展示会/見本市では、、当然のことながら現地の企業や、別の国の企業も出展しています。人気のあるブースと、そうでないブースを比較し、良い部分を吸収することで、次回の出展や、先々の商品開発やサービスの向上に生かせることでしょう。また、他の出展者はライバルであるのと同時に、業務提携できるパートナーとなり得ることも、念頭に置いておくと良いでしょう。
3. 「海外の展示会/見本市」の成功例と失敗例
成功しているブースの特徴は?
こちらの写真は、ロンドンで行われた食品業界の展示会で、人気のあったブースの一例です。
オーガニックやナチュラル志向を上手く取り入れており、多くの出展者の中で一際目を引いていました。展示会や見本市で商談のチャンスを掴むには、バイヤーにブースの前で足を止めてもらうことが、第一関門となります。
ところで、このブースは何を販売している企業か、お分かりいただけるでしょうか?飲み物の入っている瓶や、試飲のコップを持っている女性、ナチュラルな色使いから、野菜や果物のジュースだと思う方は多いでしょうが、そうではありません。
実は、「コンブチャ」を作っている企業のブースなのです。英語の「kombucha」は、日本の「昆布茶」が語源だという説が有力のようですが、昆布は入っておらず、お茶を発効させた飲料水で、ダイエットや美肌の効果が期待できるとして知られています。しかし、こちらのブースを一目見ても、健康食品(飲料)である「コンブチャ」を売っているということが分かりません。また、「コンブチャ」は、ハワイから人気が出たものだと言われていますが、こちらのブースからは、どこの国発祥のものなのかも判断することができません。実はここに成功の秘訣が隠れているのかもしれません。
「コンブチャ」のブースの成功の秘訣とは?
「コンブチャ」の認知度は、イギリスでも「美容に興味のある女性なら知っている」という程度で、誰もが知っているものだとは言えません。そのため、「コンブチャ」という呼称や、ハワイのイメージを前面に出して展示を行った場合、「よく分からない」、「ハワイの食品は自分には関係ない」と、多くのバイヤーに足を止めてもらえなくなってしまいます。そこで、それらのイメージをあえて隠して、「自然派の飲み物を置いている」というイメージを視覚的に作ることで、今が旬のナチュラルやオーガニック趣向の飲食店経営者などのバイヤーが、思わず足を止めたくなるブースとなります。そうすることで、結果的に「コンブチャ」や販売メーカーの認知度の向上に繋がるのです。こういった現地の人に伝わりやすいイメージを作ることを「ローカライズ」と呼びます。 また、もう一つの成功要因は、試飲用の「コンブチャ」を配っている女性でした。ブースに配置する人材は、セールスの上手な営業マンやショップ店員のような資質を持っていることが、望ましいでしょう。海外の展示会や見本市では、ネイティブレベルの言語を話す、フレンドリーなスタッフがいる方が、成功に結び付きやすいと言えます。
「海外の展示会/見本市」で、よくある失敗例とは?
失敗するブースの共通点として挙げられるのは、やはり「ローカライズされていない」ことです。費用対効果の大きいはずの展示会や見本市ですが、「出展のコストや時間を費やした割に、得られるものが少なかった」という経験談を耳にしたことはないでしょうか。こういった失敗の裏には、「日本で認められているものなら、そのまま海外に持って行っても売れる」という思い込みのある場合が少なくありません。 逆の立場の立てば、分かることもあります。ヨーロッパ人は半熟卵を食べる際に、「エッグスタンド」というものを使います。そこで例えば、日本で行われている展示会に、ヨーロッパ風の華美な装飾を施した「エッグスタンド」のブースが出展していたら、いかがでしょうか。「使うシーンが想像できない」、「使い方が分からない」「そもそもエッグスタンドとは何?」という疑問は浮かぶものの、購入したいとは思う人は少ないでしょう。「コレクション用に」と、興味を持つ人は稀にいるかもしれません。しかし、「分かる人にだけ分かってもらえたら良い」という姿勢では、展示会や見本市で成果を得るのは難しくなります。なぜなら、現地の習慣や文化に根付いていないもの、すなわち「ローカライズされていない」ものは、販路が見出しにくく、あえて仕入れたいバイヤーは稀有だからです。

4. 【業界別】 海外の代表的なオススメ展示会/見本市
どの展示会や見本市に出るかによっても、成功の可否は分かれるため、来場者が多く、自社の持っている商品やサービスに合ったバイヤーが訪れるものを選ぶ必要があります。そこで、業界によって押さえておきたい展示会や見本市をざっと紹介していきます。
【機械・機器】
Innovfest Unboundhttps://unbound.live/innovfest-unbound(公式サイト) 場所:シンガポール 世界100か国以上から、イノベーティブな出展者が集まる展示会。東南アジア最大級の展示会で、総来場者は1万5000人。「全てのイノベーティブな技術を持つ業種向け」と、裾野が広いのも特徴です。技術提携をする企業の発掘など、マーケティングリサーチを兼ねた出展にも適しています。
【食品・飲料】
IFE The international Food & Drink Eventhttps://www.ife.co.uk/(公式サイト) 場所:ロンドン 1350ブースが集まる、イギリスで最大、ヨーロッパでも最大級の食品と飲料の展示会です。世界中から様々な規模の食事や飲料に関わる企業が参加するため、外国からの出展者であっても、ビジネスチャンスを掴みやすいのが特徴です。また、提携できそうなビジネスパートナーを見つけるのにも適しています。次回の募集は2021年のため、十分な準備期間もあります。
【インテリア・家具・雑貨・テキスタイル】
メゾン・エ・オブジェクト・パリhttps://www.maison-objet.com/en(公式サイト) 場所:パリ 9万人の来場者を誇る、ライフスタイルに関わるものを集めた展示会。展示会後6か月以内に半数近くの来場者が、出展者から商品を購入しているというデータもあり、高確率でセールスに繋がる展示会でもあります。また、来場者の半数がフランス国外から訪れており、一度の出展で世界を股にかけるビジネスの可能性も広がります。
【ファッション・アパレル】
① Tranoi Paris https://www.tranoi.com/(公式サイト) 場所:パリ or 上海 パリで年に数回開催されている展示会。メンズ・レディース両方の展示があり、洋服だけではなく、服飾雑貨や小物の展示も可能。既に日本のデザイナーやアパレルメーカーが複数参加した実績があり、ファッションの本場パリであるにも関わらず、比較的出展しやすい雰囲気も特徴です。しかしながら規模は大きく、世界中から出展者を募っており、世界各国からバイヤーも集まります。上海でも開催されているため、まずはアジア圏からと考えている場合にもおすすめです。
② ファッションウィーク https://fhcm.paris/en/(パリ公式サイト) https://londonfashionweek.co.uk/(ロンドン公式サイト) 場所:パリ or ロンドン ファッション関係者にとっては最高峰のイベントともいえるファッションウィーク。ファッションショーというイメージが強いものの、展示のみでの出展も可能なため、初めての海外進出でも、決して敷居が高すぎるというわけではありません。展示コストに不安のある若手デザイナーが、グループで出展するということも珍しくないため、一度検討してみてはいかがでしょうか。
5. 「展示会/見本市」から海外進出を目指してみませんか?
上手に活用すれば、大変高い費用対効果の得られる海外での展示会や見本市。他社の失敗談を聞いたり、過去に失敗の経験があったりしても、諦める必要はありません。そこからの反省点をよく見極めることで、次のビジネスに繋がる有意義な機会となるはずです。海外進出の一歩目を展示会や見本市から始めてみてはいかがでしょうか。 展示会や見本市での成功の鍵となる「ローカライズ」ですが、現地で市場調査を徹底的に行う必要があるため、なかなか現実的ではないように思えるかもしれません。Pointblank Promotionsでは、「ローカライズ」を行うためのアドバイスもいたします。お気軽にご相談ください。
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