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海外自社事業を50件立ち上げた実体験に基づく「7つの課題と対策」【海外ビジネスEXPO東京2020セミナーアフターレポート】

掲載日:2021年03月19日

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『海外ビジネスEXPO東京2020』のプログラムとして、11月5日に東京国際フォーラム、11日にはオンライン開催にて、YCP Solidianceによる『海外自社事業を50件立ち上げた実体験に基づく「7つの課題と対策」」セミナーが開催されました。 登壇したのは、YCP Solidiance・マネージングパートナー・粕本晋吾氏。サポート側ではなく、実際の実行者として海外事業50件を手掛けてきた経験をもとに海外事業における7つの課題を共有、それらの対策について解説する内容です。 本記事では、その様子をピックアップし、アフターレポートとしてまとめています。是非ご覧いただき、自社の海外ビジネス活動に活かしてください。また、セミナー資料の無料閲覧申込みフォームもございます。是非、ご利用ください。

Border-s <登壇者>
YCP Solidiance
マネージングパートナー
粕本 晋吾

前職P&Gでは、マーケティング部門にて、スキンケア商品開発/マーケティング戦略立案/プロモーション開発などに従事した後、ヘアケアおよびヘアスタイリングカテゴリーのブランドマネージャーとしてシンガポールで勤務し、東南アジア地域でのビジネス責任者を務める。YCP Solidiance創業に参画後は、幅広いカテゴリーで新規事業構築や事業再生に係るハンズオンコンサルティング業務に従事する傍ら、多数の自社事業立ち上げを統括。現在は、東南アジア地域統括責任者として、主に日系企業の新規海外進出および既存海外事業展開に係る、事業戦略/ファイナンス/マーケティング/オペレーションなど様々な側面からのワンストップソリューションを提供。

1. 海外事業における7つの課題とは?

セミナーでは実際に課題を紹介していく前提として、YCP Solidiance の事業について簡単に説明されました。海外ビジネスの支援事業者として、コンサルティングサービスを提供するだけではなく、自社で多数の海外事業を手掛けている特異性が、豊富な実例とともに紹介されました。

その上で、粕本氏は海外事業における7つの課題として以下を挙げます。

① マクロ市場データに潜む嘘
② 過度な初期投資や自前主義による、柔軟性の欠如
③ 国内価格を基準にした積み上げ価格設定による、現地消費者感覚との乖離
④ 現地市場実態を理解しないままでの、日本クオリティの押し付け
⑤ 販路開拓における焦りに起因する、現地パートナーによる暴走と管理不足
⑥ 潜在顧客開拓における、プッシュ型営業や展示会出展への固執
⑦ 構造的な欠陥がある、中小規模の海外M&A案件発掘プロセス

実際のセミナーでは、7つの項目について、事例を交え解説されていますが、本稿ではポイントを絞って、ご紹介していきます。

2. マクロ市場データに潜む嘘

1つ目の落とし穴は、マクロ市場データを過信しすぎてはいけない、です。決して、マクロ市場データに意味がないという訳ではないのですが、市場の裏側にあるデータに表れないものこそ重要であると粕本氏は述べます。実例としてタイにおける排気ダクトの販路拡大の事例などが紹介されました。

例えば、ある商材のランクが大別して2つあるとして、その分水嶺が「最低賃金」にあるというマクロデータが見つかったとします。そのマクロデータのみで判断し、販路拡大計画を立てたところ、実はその裏側に別の要因があり、失敗してしまったというような事例です。

対策としては、定量的な調査でマクロデータを集めるだけではなく、特に東南アジアにおいては、インタビュー調査などを時間と手間、コストをかけ、あらゆる手段を尽くした、現地「生の声」調査の徹底を行っていくことが重要だとされます。

3. 過度な初期投資や自前主義による、柔軟性の欠如

続いて、日本企業にありがちな落とし穴として、「過度な初期投資や自前主義による、柔軟性の欠如」が紹介されました。この傾向は少しずつ変化してきていますが、まだまだ多く、過度な初期投資や自前主義によって、身動きがとりにくくなってしまう企業が多いことが挙げられていました。

事業性検証期間などに合わせ、駐在員だけではなく外注スタッフの活用なども視野にいれることにより、「想定外」を想定した、身軽なスキーム構築をすることができます。

4. 国内価格を基準にした積み上げ価格設定による、現地消費者感覚との乖離

次に紹介されたのは「国内価格を基準にした積み上げ価格設定による、現地消費者感覚との乖離」です。海外事業において「価格設定」は非常に重要なファクターであるとともに、それを単純に国内価格を軸に輸送コストや販売コスを乗せて決めてしまっている企業が多く、それが失敗要因になってしまっていることが解説されました。

重要なのは、現地「価格受容性」に沿って価格をゼロベースで設定することです。その受容性に合わせた価格調整をするために、商品自体の原価や提供方法も検討する必要があるとします。現地「価格受容性」に沿って価格をゼロベースで設定するただし、東南アジアでの販売価格を必ずしも国内よりも安くすべきだ、という話ではなく、商材によっては10倍に設定することで、消費者のニーズを満たし、成功するケースがあったことも紹介されました。

5. 現地市場実態を理解しないままでの、日本クオリティの押し付け

続いて、「日本クオリティの押し付け」や「メイドインジャパンの陳腐化」といったキーワードが語られました。クオリティの押し付けというのは、現地で高いとされているクオリティが70点のものだったとしても、100点のものを提供しようとして、その結果単価が上がり、誰にも買ってもらえなくなるということです。ローカルが知覚できる範囲での最上位を目指す事が重要です。例えば飲食店も、料理人が経営する店舗より、いわゆるビジネスマンが経営する店舗のほうが、いい妥協点を見つけ、成功しているケースが多いそうです。

また、似たような事例として、日本での売上実績などを売りにする企業が多いですが、結果としてそれらが東南アジア市場に溢れ、バイヤーや代理店、そして消費者からも陳腐なものと捉えられてしまい兼ねないということが解説されました。

6. 販路開拓における焦り

次は、「販路開拓における焦り」です。海外事業を行う企業によくある事例として、本社側からのプレッシャーとして、とにかく「いつ結果が出るのか」を求められることがあります。そうした中で、多くの売り場を確保するために必要以上の投資で売り場を確保してしまうケースが散見されるようです。というのも東南アジアにおいて売り場を得るためには、お金を積めばいいという側面が日本よりも強いからです。

そのような、焦りから来る大きな結果を求めていくのではなく、「小さな成功(=局地風)」を得ることに専念することが必要だと粕本氏は述べます。例えば、シンガポールの伊勢丹の局所的な売り場に専念し成功する、といったことを積み上げていくことが重要だということです。

7. 潜在顧客開拓における、プッシュ型営業や展示会出展への固執

東南アジアにおいてはデジタルマーケティングに対しての受容性が高く、マーケティング活動としての効率がいいケースが多いです。それはBtoCだけでなく、BtoBにおいても顕著であるのですが、日本での体験を元に、BtoBはとにかくプッシュ型や、展示会出展などを活用しなければいけない、と思い込んでいる企業が多いそうです。

B2B領域での浸透が進むWEBマーケティングの活用によって、顧客各単価を大幅に改善した実例などが紹介され、非常に説得力を持った説明がされました。

8. 構造的な欠陥がある、中小規模の海外M&A案件発掘プロセス

近年、海外販路拡大の手段としても注目されるクロスボーダーM&Aですが、中小規模の案件が見つかりにくいという課題があります。これには、金融機関や仲介企業のフィーのモデルのためであるとし、案件発掘を金融機関やFA任せにせず、自ら探しに行くことで解決できると説明されました。

コロナ禍において、販売パートナーを探すよりも、海外M&Aで販売会社などを参加に収めていくことは、有効なケースも多くなっています。そうした中で、海外M&Aは規模が大きいものしかないから、と諦めずに、積極的に情報収集し、選択肢として考えておくことが重要となります。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか? 実行者だからこそ感じている「海外事業のコツ」がイメージできたのではないでしょうか。

なお、実際のセミナーは盛りだくさんの内容でしたので、簡易的にまとめてしまっている部分もあります。是非、下記フォームにて公開中の資料もご確認ください。

(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
海外ビジネスに関する情報につきましては、当サイトに掲載の海外進出支援の専門家の方々に直接お問い合わせ頂ければ幸いです。

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