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コマツ(KOMATSU)の海外進出 | 売上の約9割が海外市場! その成功を支える3つのグローバル戦略とは!?

掲載日:2021年04月28日

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コマツ(KOMATSU)の海外進出の歴史や海外事業、海外展開を成功させたグローバル戦略など、コマツの海外進出について分析していきます。

結論から言えば、コマツは、日本でもいち早くグローバル化に着手した企業のひとつであり、世界中で85の生産拠点を持ち、売上の約9割が海外売上となっています。

世界的な建設機械メーカーである「コマツ」の名で広く知られる株式会社小松製作所。世界1位のアメリカ・キャタピラー社に次ぐ世界2位の売上を誇る世界2大建機メーカーの一つであり、近年、新興国においてはキャタピラー社を上回るトップシェアメーカーとなっています。

本テキストでは、そんなコマツの海外進出について詳しくわかりやすく解説していきます。

Photo by Elmarie van Rooyen on Unsplash

▼コマツ(KOMATSU)の海外進出 | 売上の約9割が海外市場! その成功を支える3つのグローバル戦略とは!?

▼アナタの海外ビジネスを成功させるために

1. コマツ(KOMATSU)とは?

1917年に小松鉄工所として開設

1917年に開設された小松鉄工所は、佐賀の竹内鉱業が現在の石川県小松市において銅山開発に進出する際に工作機械や鉱山用機械を生産するための鉄工所として作られましたが、1921年には竹内鉱業から分離独立し、株式会社小松製作所となります。これが現在のコマツの始まりです。

独立した後は農耕用のトラクター、ブルドーザーなどの国産化を進め、建機メーカーとして確固たる地位を築き、小型機械や林業・産業用の機械の生産なども行っています。

世界85の生産拠点で売上の約9割が海外売上

株式会社小松製作所は現在、呼称を「コマツ(KOMATSU)」とし、世界に85の生産拠点を持っています。売上の9割近くは海外売上で、全社員のうち6割が外国人という、国際的な企業へと成長しました。 冒頭でもご紹介したとおり、建機メーカーとしては世界2位のシェアを持つコマツは、モノづくりの国日本が誇る世界のトップメーカーの一つです。

2. コマツ(KOMATSU)の海外進出の歴史

初の海外事業は1955年のアルゼンチンへのモーターグレーダー輸出

日本では戦後の建設ブームを経て、高度成長期には建設投資額が大幅に増加。建設業は時代の追い風を受け、順調に成長を続けていました。第二次産業(鉱業・建設業・製造業)の割合は1955年には36.8%でしたが、1970年には46.4%へと上昇しています。

建設業界が高景気ムードの最中にある1955年、コマツは初めての海外輸出としてアルゼンチンにモーターグレーダー(※整地用途の産業用車両)を輸出しています。これは自動車メーカーが本格的な海外輸出を始めるよりも早く、コマツがかなり早い段階からグローバル化を視野に入れていたことが伺えます。

国内市場減少を想定して早くから海外進出を選択

なぜコマツはそんなにも早く海外進出に着手したのでしょうか?日本国内の建設業界は確かに好調の波に乗っていましたが、建設機械の買い手である企業となると、国内市場においては数に限りがあることから、国内での成長には限界があるということがすでにわかっていたからです。1956年には中国への輸出も開始。これは日中国交正常化の16年も前のことでした。

1960年代、アメリカのキャタピラー社が日本に進出。当時、キャタピラー社の建機の性能や品質は圧倒的で、コマツの建機が売れなくなると誰もが予想しましたが、コマツは全社をあげて製品の品質を高めることに成功し、その後も日本市場で6割のシェアを得ることとなります。トップシェアの座をキャタピラー社に明け渡すことはありませんでした。

1973年、コマツは初の海外生産拠点をブラジルに設立します。その後はアメリカや中国、ヨーロッパやアジア地域など世界中に拠点を増やし、現在コマツが世界に持つ生産拠点数は85ですが、そのうち海外拠点の数はなんと73。生産拠点の85%を海外拠点が占めています。

3. コマツ(KOMATSU)の海外事業

海外拠点と日本を繋ぐブリッジ人材(=日本人で現地拠点のナンバー2を務める人材)の存在

コマツは建設・鉱山機械、小型機械(ユーティリティ)、林業機械、産業機械といった事業を主に展開しており、事業別の2019年度の売上高構成は90.2%が建設機械の売上となっており、同じく2019年度の建設機械・車両事業の地域別売上高構成は86%を海外売上が占めています。

建設機械・鉱山機械の生産拠点は世界で85拠点。建設機械や車両の販売・サービス代理店の数は148ヵ国で210社となっています。

海外拠点数が増えると、心配になるのが本社と海外の子会社の間に距離ができてしまうこと。本社の管理が行き届かなくなると、不正発覚や破綻という最悪のケースも起こりかねません。

そこでコマツは「ブリッジ人材」や「トランスレーター」と呼ばれる人材による解決方法を採用。これは日本の本社と海外の拠点をつなぐ人材のことであり、一言でいうと「日本人で現地拠点のナンバー2を務める人材」です。

経営自体は現地の人材に任せますが、ナンバー2である日本人駐在員が本社とのパイプ役となりながら現地の経営をサポートすることで、現地での最適化と本社によるガバナンスをバランス良く行っているのです。

4. コマツ(KOMATSU)の海外展開を成功させた3つの海外進出戦略とは?

ここまでの海外進出の歴史や海外事業内容を踏まえて、この項ではコマツ(KOMATSU)の海外進出戦略について解説していきます。

コマツの海外進出戦略を3つに絞り込むと下記の3つに集約することができます。

① コマツウエイのグローバル展開
② コムトラックスというICTによるビジネスモデルの変換
③ ダントツ経営によるイノベーション戦略


それぞれを詳しく見ていきましょう。

① コマツウエイのグローバル展開

コマツには、2006年に制定された「コマツウエイ」という社内規定があります。コマツのホームページにはこのように書かれています。

コマツウェイは、当社の成長・発展の中で創業者の精神をベースに先人たちが築き上げてきた当社の強さ、強さを支える信念、基本的な心構えと持つべき視点、それを実行に移す行動様式(スタイル)を明文化したものであり、当社ではコマツウェイを全社員に浸透させるよう、伝承・定着を図っています。

参照:経営の基本「コマツウェイ」

コマツの社員教育のベースともなっているコマツウエイには「マネジメント/リーダーシップ編」と「“ものづくり”編」「ブランドマネジメント編」があります。

コマツには、コマツウエイを全社員に浸透させるべく、社長直属で啓蒙活動を専門とした部署「コマツウエイ推進室」が存在します。また、反復することが大切という考えから、日本では入社時と入社3年目、副主事、新任管理職という4つの段階でコマツウエイの研修を行っているのだとか。

2011年には海外拠点の意見が反映された改訂版が出されており、コマツウエイの内容は理念こそ変わらないまでもすべてが不変のものではなく、時代の流れに合わせるために数年に一度改訂されることになっています。

コマツウエイには日本語版と英語版があり、内容も国によって多少異なるのだとか。コマツはこれによって海外拠点にも理念を浸透させることに成功しました。コマツウエイは行動基準や価値観、心構えなどを明文化したものですが、「全社員がこのような人間でいるべき」などの人格的な拘束要素はないため、海外の人材にも好意的に受け入れられたそうです。

コマツウエイはコマツのモノづくりにおける世界共通語となり、海外拠点と本社の円滑な意思疎通にもつながっています。

② コムトラックスというICTによるビジネスモデルの変換

1998年ごろに日本で多発していた、盗んだ建機でATMを壊して現金を持ち去るという犯罪への対策として、コマツは建設機械にGPSを搭載するというアイデアから、機械稼働管理システム「KOMTRAX(コムトラックス)」を開発します。

また海外進出先である途上国においても、日本よりもなお建設機械は高額な商品となるので、その盗難被害も深刻なものでした。しかし日本同様にコムトラックスを建設車両などに搭載することで、被害を激減させることができているのです。

そもそもコムトラックスは、機械の居場所だけでなくエンジンが動いているかどうか、燃料の残りはどれくらいかなど、さまざまな機械の状態がわかるシステムであり、実用当初はオプションとしてつけていた機能でした。この機能のおかげで「コマツの機械は盗んでも犯罪には使えない」と評判になり、盗難が減少。結果、盗難保険が安くなり販売先に喜んでもらえるという、思わぬ効果をも生みました。

2001年に社長に就任した坂根正弘氏は、このコムトラックスを利益度外視で標準装備とすることを決断します。氏はサービス部の部長を努めたことがあり、修理や点検で機械を取りに行くときに機械がどこの工事現場にあるのかわからないという経験から、機械の居場所がわかることの価値を誰よりも知っていたのです。

コムトラックスはその後、さらに進化。コムトラックスから得られた情報をもとに、エンジンが無駄に動いていた時間の比率や、部品交換のタイミングなど、さまざまなフィードバックや提案を販売先に行うことができるようになりました。現在もコムトラックスはさまざまなデータを収集し、コマツが世界の市場を占うための材料としても活用しています。

盗難対策としてつけた機能が、故障した重機の場所を追跡できるなどの新たなビジネスモデルを生み出したコムトラックスは、現在のICTの先駆けと言えるでしょう。

③ ダントツ経営によるイノベーション戦略

前述したコムトラックスのような、競合が真似できないほどの際立った特長を持つ商品のことを、コマツでは「ダントツ商品」と呼んでいます。「ダントツ商品」であるコムトラックスによって顧客へ適切なフィードバックを行うことが「ダントツサービス」。これによって売上の拡大が見込めます。

ですが、どんなに際立った商品であっても、そのまま売り続けていては他社にいつかは追いつかれてしまいます。「ダントツ商品」や「ダントツサービス」の先にあるのが、売れ続ける仕組み、ニーズを先取りして問題解決を提案する、新たな価値を創造する「ダントツソリューション」です。

「ダントツ経営」とは前社長の坂根正弘氏の著書のタイトルでもあり、この本には「ダントツ商品」を開発する製品開発手法「ダントツ・プロジェクト」について書かれています。

技術開発を重点的に進めることで売上拡大と顧客への新たな価値を創造したコマツは、「ダントツ」をつきつめた経営によってイノベーションを起こし、それがグローバルな成功につながった、と言えるでしょう。

思えば、日本に進出してきたキャタピラー社にトップシェアを奪われないため、全社をあげて品質の向上に取り組んだコマツは、グローバルトップであるキャタピラー社をライバルとして技術や経営を革新し、研き抜いてきました。グローバルトップと競う中で生まれた「ダントツ経営」によって、コマツは世界のトップメーカーに成長できたのでしょう。

5. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

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今回は「コマツ(KOMATSU)の海外進出」について解説しました。

コマツにも赤字に転落した暗黒時代とも呼ぶべき時代がありましたが、当時の社長である坂根正弘氏は、赤字の本当の原因を探すことで、固定費にコストが掛かりすぎていただけであり、日本における生産コストは世界に引けを取らないということを突き止めます。

開発力や生産力で負けていないのだから、余計な贅肉をそぎ落とせばよみがえるという考えから、固定費や日本でしか売れない商品を減らす、といった施策を取り、赤字を黒字へと転換させます。

いち早く市場の流れを読み、成功も失敗も冷静に分析し、糧にしてきたコマツの歴史は、世界に通じる日本企業のお手本とも言えるものです。

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この記事を書いた人

「Digima〜出島〜」編集部

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株式会社Resorz

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    海外ECはたくさんありますが、一言で言えば"置く場所"です。
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