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RCEP(アールセップ)の基礎知識 | 参加国は? 関税の影響は? 日本企業のメリット&デメリットは?…ほか

掲載日:2021年04月30日

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RCEP(アールセップ)とは「東アジア地域包括的経済連携」と呼ばれる、日本・中国・韓国・ASEAN10ヵ国に、オーストラリアとニュージーランドを加えた15カ国が参加している、自由貿易の協定です(RCEPとは「Regional Comprehensive Economic Partnership Agreement」の頭文字をとった略称)。

RCEPは、日本にとって、中国、韓国との間で締結される初の経済連携協定です。

経済連携と言えば、日本が2013年に交渉に参加することを表明し、日本の農業に多大なダメージを与えるとして連日メディアでも報道された環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を思い浮かべる方も多いでしょう。

近年、そのTPPにかわって注目されている経済連携が今回解説するRCEP(=アールセップ / 東アジア地域包括的経済連携)なのです。

このテキストではRCEP(アールセップ)の基礎知識として、RCEPによって決まったことや、具体的に関税がどう変わるのか、また参加国や日本企業にとってのメリット&デメリットについて解説していきます。

RCEPが締結されことによって、今後世界の自由貿易はさらに拡大していくことは確実です。本テキストを読んで、これからの海外ビジネスに及ぼすが影響が大きいRCEPについて理解を深めましょう。

1. RCEP(アールセップ)とは?

RCEP(アールセップ)を簡単に言うと?

RCEPとは、2012年11月に交渉を開始し、2020年11月に署名された経済連携協定のことです。RCEPとは「Regional Comprehensive Economic Partnership Agreement」の頭文字をとった略称で、直訳すると「地域的包括的経済連携協定」ですが、日本では「アールセップ」「地域的な包括的経済連携協定」「東アジア地域包括的経済連携」とも呼ばれます。ASEAN加盟国とそのFTAパートナー国からなる15カ国が署名しています。

RCEPによって世界のGDPの3割を占める広域経済圏が実現し、世界でも多くの注目が集まりました。日本にとっては中国、韓国との間で締結される初の経済連携協定となり、国内でも多くのメディアに取り上げられました。

RCEP(アールセップ)の全体像

RCEPによって世界のGDPの30%を占める広域経済圏が実現したことは前述したとおりですが、RCEPはGDPだけでなく貿易総額や人口においても世界の約3割を占めており、日本の貿易総額の半数近くを占める地域をカバーする経済連携協定です。

大きく話題になったTPPの規模は世界のGDPの12%ほどなので、その規模が非常に大きいものであることがおわかりいただけると思います。

RCEPへの署名はアメリカの大統領選でバイデン氏が当選確実となった直後に行われていますが、前大統領であるトランプ氏はアジア地域を軽視した政策をとっており、アジアを中心とした経済連携協定であるRCEPが今後のアメリカの外交や通商に対してどのような影響を及ぼすのか、アメリカがアジアとの関係を強化すべくTPPへ復帰することはあるのか、アメリカの挙動に注目が集まっています。

また、アメリカとの対立を始めとして国際社会から孤立しかけていた中国には、RCEPへの署名によってアジア地域でこれ以上の孤立を食い止め、同地域での存在感を高める目論見があるとも言われています。

2. RCEP(アールセップ)で決まったこと

RCEP(アールセップ)の合意内容とは?

RCEPでは農林水産品や工業製品などへの関税の減免に加え、輸出入の手続きの簡素化、サービスや投資のルールなどさまざまな分野について定められており、参加国全体での関税の撤廃率は品目数で見ると91%となっており、これは撤廃率の品目数が99%以上のTPPなど他のFTAと比較するとやや低い数値と言えます。

2012年11月にカンボジアで開かれた第21回ASEANサミットにおいて発表された「RCEP 交渉の基本指針および目的」にはRCEP 交渉における8つの原則と8つの交渉分野が記載されています。

<RCEPにおける8つの原則>
① WTO協定との整合性が取れていること
② 既存のASEAN+FTAを大きく上回る改善
③ 貿易と投資の円滑化と透明性を向上させること
④ 加盟国の発展段階によって配慮がなされること
⑤ 加盟国における既存のFTAの存続
⑥ ASEANのFTA パートナー国や域外の経済パートナー国がRCEPに新規参加できるよう、開かれた加盟条項の設定
⑦ 途上国への技術協力や能力開発
⑧ 物品・サービス貿易、投資およびその他の分野の交渉を並行して行うこと

<RCEPにおける8つの交渉分野>
① 物品貿易
② サービス貿易
③ 投資
④ 経済・技術協力
⑤ 知的財産権 ⑥ 競争
⑦ 紛争解決
⑧ その他

3. RCEP(アールセップ)で関税はどう変わる?

RCEP(アールセップ)による輸出入の影響

RCEPによって、加盟国間の関税が減免されるのは前述したとおりです。 では、日本からの輸出入にはどのような影響があるのでしょうか?

日本から輸出する場合

自動車部品や家電、鉄鋼製品などの日本から輸出する工業製品は91.5%の品目について関税が撤廃されました。中国への帆立貝の輸出やインドネシアへの牛肉、中国と韓国への日本酒・焼酎は段階的に関税が撤廃されます。

日本に輸入する場合

コメや牛肉・豚肉、乳製品などの重要5項目は関税の減免対象からは除外されており、中国製の冷凍野菜惣菜や紹興酒、韓国のマッコリなどは段階的に関税が撤廃されます。

4. RCEP(アールセップ)の参加国

RCEP(アールセップ)の加盟国

RCEPの加盟国は、ASEAN加盟国とそのFTAパートナー国からなる15ヵ国で、具体的な国名は以下です。

<ASEAN加盟10ヵ国>
ブルネイ
カンボジア
インドネシア
ラオス
マレーシア
ミャンマー
フィリピン
シンガポール
タイ
ベトナム

<ASEANのFTAパートナー5ヵ国>
オーストラリア
中国
日本
ニュージーランド
韓国

RCEP(アールセップ)でインドが離脱した理由と背景

RCEPは前述した15カ国にインドを加えた16カ国で交渉が進められていましたが、最終的に署名を見送りました。 中国製品を始めとした安い製品が国内産業に多大な被害を与えることを懸念したことが背景にあるようです。

RCEP加盟国は、インドが希望すれば交渉再開をすぐにでも進めるとしており、今後インドが参加するのか、そのタイミングも気になるところです。

5. RCEP(アールセップ)にともなう日本企業のメリット&デメリット

RCEP(アールセップ)にともなう日本企業のメリット

RCEPは日本の貿易総額のおよそ半数をカバーする地域との経済連携協定であり、これらの地域との貿易の活性化が見込めることは、日本にとっても日本企業にとっても大きなメリットと言えます。

アジア地域は2030年には世界のGDP6割を占めるまでに成長すると言われており、今後の発展に期待が持てるASEAN市場へ参入しやすくなるRCEPが日本企業にもたらす利益は計り知れません。

その他にも、ASEANで製造した製品を例えば中国などで安価に販売することができたり、知的財産権をRCEP加盟国内で守ることができたりするのも日本企業にとってのメリットと言えます。

RCEP(アールセップ)にともなう日本企業のデメリット

今後の発展が見込めるASEAN市場はすでに進出を進めている企業も多く、競争が激化するため、今後ますます中小企業の参入が難しくなる可能性が考えられます。また、日本への輸入関税が減免されることによって、国内産業が海外製品に価格などの面で負けてしまうというデメリットも。

6. RCEP(アールセップ)が海外ビジネスに及ぼす影響

世界の更なる自由貿易を促進するRCEP(アールセップ)

世界のGDP3割を占めるアジア地域において、関税が撤廃され、自由貿易が盛んになることは、世界経済の成長にもつながります。

中国がよりアジアでの存在感を増すことも予想されますし、アメリカのTPPへの復帰にも影響を与えるとも言われているRCEP。

日本には中国に進出に不安を感じている新興国との連携強化が求められており、インドのRCEPへの参加を促すべく、インドとの関係性をさらに強いものにしていくことも必要とされています。

RCEPはアジア圏にとどまらず、世界の経済に影響を与えると考えられます。今後の世界貿易がより大きな発展していく足がかりの一つになることは間違いないでしょう。

RCEPのような大きな経済圏の取り決めが世界中で締結されれば、やがて関税はなくなり、更なる自由貿易が促進されれば必然的に世界の経済成長は拡大していくからです。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

今回は「RCEP(アールセップ)の基礎知識」として、RCEPによって決まったことや、具体的に関税がどう変わるのか、また参加国や日本企業にとってのメリット&デメリットについて解説しました。

近年、成長が目覚ましいアジア圏での大規模な経済連携協定であるRCEP。アジアへの進出だけでなく、海外の貿易を考える上では絶対におさえておきたい協定の一つです。

RCEPによって自社のビジネスがどのような影響を受けるのか、また、海外に進出する際にRCEPをどのように活用できるのか、そういったこともしっかり把握しておきたいところです。

海外進出を考える上では、RCEP以外にもさまざまな協定について知っておくべきでしょう。EPAやFTA、各国の関税制度だけでなく、進出先の風習や最新の流行など、調査すべき項目はたくさんあることも事実です。

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