ロジスティクスとは物流を効率化させるソリューションである | 物流との違い / SCMとの関係性 / 効果とメリット…ほか
「ロジスティクス」とは〝物流の一連の流れ〟を顧客のニーズに合わせて効率的な形で計画・実行・管理することを意味します。
21世紀を迎えて消費者のニーズは多様化を極めています。生産者および供給者は、絶えず移り変わる市場の流れを正確に読み取りながら、そんな消費者の多様なニーズに応えるべく、自社の商品生産から流通、および販促企画を効率的かつスムーズに実行しなければなりません。
ロジスティクスとは、そんな現代における生産・流通、および物流の業務効率化のために必要なソリューションなのです。
本テキストでは「ロジスティクスの基礎知識」として、ロジスティクスとは何か、ロジスティクスと物流はどう違うのか、またロジスティクスとサプライチェーンの関係性や、ロジスティクスの目的とメリットについて解説していきます。
ロジスティクスを円滑に機能させるために何が必要なのか、今後のロジスティクスの展望についても理解を深めていきましょう。
▼ロジスティクスとは物流を効率化させるソリューションである | 物流との違い / SCMとの関係性 / 効果とメリット…ほか
- 1. ロジスティクスとは何か?
- 2. なぜロジスティクスが重要なのか?
- 3. ロジスティクスと物流の違いについて
- 4. ロジスティクスとサプライチェーンマネージメントの関係性
- 5. ロジスティクスにおける目的とは?
- 6. ロジスティクスの効果とメリット
- 7. ロジスティクスを円滑に機能させるために
- 8. 今後のロジスティクスの展望
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1. ロジスティクスとはなにか?
ロジスティクスの意味
「ロジスティクス」とは、物流を顧客のニーズに合わせて効率的な形で計画・実行・管理することを意味します。
ロジスティクスとは、もともとは「兵站(へいたん)」を意味する軍事用語でした。兵站とは後方支援や戦闘支援を含む、戦闘地点より後方の、軍のさまざまな機関や活動などを総称した言葉です。
兵站においてもっとも重要なのは「必要な物資を必要な時に必要なだけ補給すること」であり、これは物流にも通じるため、ロジスティクスという言葉は物流における管理を指すビジネス用語としても使われるようになったのです。
ロジスティクスとは現在の物流システムのソリューションである
ロジスティクスとは、「原材料調達から生産・販売に至るまでの物流やそれらを管理する過程」を意味します。
ちなみに、必要な商品を輸送し、必要なときに使える状態を作るのが「物流」ですが、物流は6つの基本要素から構成されています。
具体的には「輸送・配送」「保管」「荷役」「包装」「流通加工」「情報」の6つになります。
後述しますが、この6つを高度化し、一元管理して最適化するというのが現在の物流システムのソリューションとされており、それらを最適化するために必要とされているのが「ロジスティクス」なのです。
2. なぜロジスティクスが重要なのか?
ロジスティクスとは、生産者にとっても消費者にとっても、双方にメリットがあるソリューション
では、なぜロジスティクスは必要かつ重要とされているのでしょうか?
21世紀を迎えて、消費者のニーズは多様化を極めています。情報とモノが溢れる現代社会においては、限られた予算と時間の中で最良のモノを手に入れることが、消費者にとっての大きなニーズのひとつとなっています。
そんな消費者のニーズに応えるべく、生産者および供給者は、絶えず移り変わる市場の流れを正確に読み取りながら、自社の商品生産および販促企画を効率的かつスムーズに実行しなければなりません。
ロジスティクスとは、そんな現代における生産および物流の業務効率化のために必要であり、結果、消費者のニーズにあわせて商品を届けることで、消費者の満足度も上げることができるという重要な概念なのです。
つまりロジスティクスとは、生産者にとっても消費者にとっても、双方にメリットがあるソリューションなのです。
3. ロジスティクスと物流の違いについて
続いては、ロジスティクスと物流の違いについて解説します。
先ほどから「ロジスティクス」に加えて、「物流」という言葉が頻出していますが、ロジスティクスと物流の違いとは何なのでしょうか?
ロジスティクスは物流の上位概念
「ロジスティクス」はモノの流れを効率化する仕組みを表しますが、「物流」はモノの流れを表します。
つまり、ロジスティクスは物流の上位概念になります。
前述したとおり、物流は「輸送・配送」「保管」「荷役」「包装」「流通加工」「情報」の6つの要素から成り立っています。
それらの「物流」をスムーズに進めることも重要ですが、ロジスティクスを導入することにより、物流の前の過程(原材料の調達、商品の生産工程など)までも効率化ができるため、原材料の調達から消費者に届けるまでの全体的なパフォーマンスを高めることができるのです。
4. ロジスティクスとサプライチェーンマネージメントの関係性
このセクションでは、ロジスティクスとサプライチェーンマネージメントの関係性について解説します。
まずはサプライチェーンとサプライチェーンマネージメントについてそれぞれ見ていきましょう。
サプライチェーンとは商品や製品が消費者に届くまでの生産流通プロセス
サプライチェーンとは、「調達」「製造」「在庫管理」「物流・流通」「販売」といった、商品や製品が消費者に届くまでの生産流通プロセスのことです。
そしてサプライチェーンの連鎖の中には「モノ・お金・情報」の流れも含まれます。
ビジネスにおいて、「モノ・お金・情報」の流れを把握しておくことは非常に重要です。
経済および企業のグローバル化が進む現在、製造業を含めたすべての事業において「サプライチェーン」の重要性は高まるばかりですが、だからこそ後述する「サプライチェーンマネジメント」が必要なのです。
サプライチェーンマネジメント(SCM)とはサプライチェーンをマネジメントすること
続いては、そんなサプライチェーンマネジメントについて見ていきましょう。
サプライチェーンマネジメントとは、サプライチェーンをマネジメントすること、つまりサプライチェーンを最適化し、商品の供給を効率化させる手法のことであり、SCMと略されることもある言葉です。
サプライチェーン・マネジメントを実施するとなると、「モノの流れ」、「お金の流れ」、「情報の流れ」を連携させて、サプライチェーン全体の最適化に取り組んでいくことになります。
つまり、サプライヤー、メーカー、物流業者、小売業者、エンドユーザーからなる「サプライチェーン」の全体を統括する必要があるのです。
SCM > ロジスティクス > 物流
そして本文のテーマである「ロジスティクス」ですが、ロジスティクスはサプライチェーンマネジメント(SCM)の一部になります。
ちなみに先述したように物流はロジスティクスの一部です。
サプライチェーン全体を管理するSCMに対し、ロジスティクスはサプライチェーンを構成する小売業者や物流業者などそれぞれのプレイヤー間の最適化と効率化を目指すのです。
ロジスティクスについて理解が進んできたところで、次項では、そんなロジスティクスの持つ目的について解説します。
5. ロジスティクスにおける目的とは?
結論から言うと、ロジスティクスの目的とは「品切れ防止」、「物流の効率化」、「在庫の削減」、「コスト削減」の4つになります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
① 品切れ防止
例えば原料の供給にトラブルが起こると生産に遅れや狂いが生じます。生産が滞ると、商品を配送する以前の問題となってしまいます。そんな事態が起こらないように、調達計画を立てるのがロジスティクスの役割のひとつです。
② 物流の効率化
生産や保管、輸送といった物流のさまざまな業務を効率化するのもロジスティクスの目的であり大切な役割です。生産や保管、輸送の無駄を削減し効率化するための計画を立案します。
③ 在庫の削減
無駄な在庫を抱えることはどの企業・メーカー・小売店も避けたいことです。在庫管理もロジスティクスの重要な役割です。需要や供給を見極め、販売予測を正確に立てることができれば、不良在庫だけでなく欠品も避けることができます。
④ コスト削減
前述した物流の効率化や在庫の削減にも通じることですが、生産や輸送、保管などすべてのプロセスにおいてトータルで多くの無駄を省き、コストカットにつなげ、事業の収益を上げていくのがロジスティクスです。
6. ロジスティクスの効果とメリット
ロジスティクスの目的に続いては、ロジスティクスの効果とメリットについて見ていきましょう。具体的には以下の3つが挙げられます。
① 生産や在庫が適正化される
ロジスティクスによって需要や供給の予測を行い、生産や在庫を適正化することができます。
② 業務効率化によりコストカットができる
生産や在庫が適正化されることによって、コストが削減されるのはすでに解説したとおりですが、それ以外にもロジスティクスでは物流拠点を集約するなどの輸送計画の見直しなどでコストカットすることもできます。
③ 営業支援ができる
営業が在庫を管理している企業は意外と多いものですが、ロジスティクスによって適正な在庫管理を行うことで、営業担当が在庫管理をする必要がなくなります。
7. ロジスティクスを円滑に機能させるために
社内にプロジェクト体制を作りロジスティクスを継続的に行っていく仕組みを
多くの企業にとってメリットのあるロジスティクスですが、そんなロジスティクスを円滑に機能させるためには何が必要なのでしょうか?
結論から言えば…「組織におけるさまざまな部門を総合的に管理することで「全体最適」を行っていくこと」になります。
ロジスティクスによって成果が上がる多くの企業は、社内にしっかりとプロジェクト体制を作りロジスティクスを継続的に行っていく仕組みを作り上げています。
ロジスティクスによって管理する対象やコストを把握する項目などを明確にし、「輸送・配送」「保管」「荷役」「包装」「流通加工」「情報」の6つの要素ごとにそれぞれ情報を収集することが重要なのです。
8. 今後のロジスティクスの展望
グローバル時代に適応した最適なロジスティクスを
最後に今後のロジスティクスの展望について解説します。
大量生産大量消費時代が終わりを告げ、サスティナブルが叫ばれる現代では、日本の産業構造が大きく変化しており、これはロジスティクスにおける「全体最適」の意味がこれまでとは違ったものになっていくことも意味しています。
これからのロジスティクスは環境汚染を軽減するシステムの構築や、人材の育成や働きやすい労働環境を整えることなど、さまざまな視点から「全体最適」を実現していくことが求められます。
また、今や生産や物流は国境を超えることが当たり前になっており、モノの動きを最適化することは、複数の国をまたぐ取引を最適化することへもつながっていきます。日本独自の価値観や国内だけで通用するようなやり方ではグローバル時代を乗り切っていけないこともあるでしょう。そういった観点からも全体最適を考えていく必要があります。
以下より企業の事例として、サッポロビールが実施したロジスティクス改革を解説します。
ロジスティクスの企業事例:サッポロビールのロジスティクス改革
サッポロビール株式会社は、ロジスティクスの課題解決がそのまま全社における業務改革になる、という考えのもと、数年前からグループ全体のロジスティクス体制を再整理しています。
かつてはグループロジスティクス部が戦略を策定しており、「戦略はグループロジスティクス部が考えているからそれを待とう」という姿勢が現場に定着していたため、物流拠点での問題を現場が知っていても動かない、という問題がありました。
グループ会社ごとに物流事情が全く違うことをかねてより問題視していた髙島英也氏は、サッポロビール株式会社の代表取締役社長に就任後、グループ戦略機能と物流機能を一体化させ、体制の最適化へと走り出しました。
グループ戦略機能と物流機能が一体化したことで、コミュニケーションがうまくいくようになり、現場からの意見をスムーズに戦略に反映することができるようになりました。まさに、「全体最適」を行い、成果を上げた好例と言えるでしょう。
9. 優良な海外進出サポート企業をご紹介
御社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します
今回はロジスティクスの基礎知識として、ロジスティクスとは何か、ロジスティクスと物流はどう違うのか、またロジスティクスとサプライチェーンの関係性や、ロジスティクスの目的とメリット …などについて解説しました。
グローバル時代において、ロジスティクスのあり方も変化しつつあります。今後のロジスティクスを考える上では、日本国内だけでなく世界にも目を向ける必要があります。
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