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2030年に6000万人?! 東京オリンピック後のインバウンド市場を大予測

掲載日:2017年02月28日

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本記事では、2020年東京オリンピック後の、2030年インバウンド市場を予測していきます。2020年に向けて急拡大しているインバウンド市場は、オリンピック終了後は縮小していくのでしょうか。そこで、2030年のインバウンド市場にフォーカスをし、予測を立てていきます。

東京オリンピック開催決定に伴い、日本は今まで以上に世界から注目を集めています。それと同時に、数年で訪日観光客数は急増し、政府も日本企業も2020年に向け、対応を急いでいます。2020年に向けて急がれるインバウンド対応ですが、2020年以降のインバウンド市場はどうなるのでしょうか。オリンピック終了後、訪日観光客は日本から離れていき、「衰退する」と言う仮説もあります。その一方で、日本政府は2030年に6000万人の訪日観光客を受け入れる目標を立てています。日本政府は2020年以降のインバウンド市場も「衰退」ではなく、さらなる「拡大」を見込んでいるのです。

インバウンド市場の拡大は2020年までという仮設の根拠を探ると、現在の訪日観光客の増加は、オリンピック効果のみによるという見解があります。しかし、オリンピックはきっかけに過ぎず、本質的に日本人気や訪日人気が高まっていると考えることもできます。日本は潜在的に高度な文化を要しています。観光立国として世界でプレゼンスを高める素質は十分にあるのです。では、実際に本記事では、過去のオリンピック開催国のオリンピック前後のデータなどを紐解きながら、2020年東京オリンピック後の2030年インバウンド市場予測をしていきます。

東京オリンピック開催決定から脅威の成長率を見せるインバウンド市場

2013年9月に東京オリンピックの開催が決定した後、インバウンド市場は急激な拡大をみせています。2015年度の訪日観光客数は、前年度比約47%増の約1900万人で過去最高を記録しました。しかし、2016年の訪日観光客数は、過去最高を記録した2015年からさらに20%増の成長率で2400万人を突破しました。日本政府は、2020年の訪日観光客数の目標は2000万人、訪日外国人旅行消費額は4兆円を掲げていました。しかし、2016年の時点で目標を達成したのです。

『2020年に4000万人』

2015年時点で2000万人の目標達成間近であった事を受け、日本政府は2016年3月、新たな目標数値を発表しました。訪日観光客数の目標は4000万人、訪日外国人旅行消費額は8兆円と、前回の目標数値の2倍となる目標を発表したのです。年率約11%の成長を続けると、2020年には4000万人を突破する試算です。2017年度1月期の訪日観光客数は前年度比24%増の約229万人。この成長率を維持すれば、2017年度は2800万人を突破する予測となり、2020年の4000万人突破に現実味が帯びてきます。

その背景には先進する欧米諸国からの観光客に加え、近年著しい経済発展を遂げた新興国からの訪日客が増えていることがあります。特に目立つのが、隣国中国からの訪日客です。2014年に「爆買い」という言葉が流行したように、国内の経済発展とともに多くの中国人が訪日し、高級品やブランド品を買いあさり、インバウンド消費が大きく伸びました。現在は、当時の消費行動からはひとまず落ち着きをみせています。しかし、今後は消費から体験へとニーズが変化する中で、1度訪日した中国人観光客の継続的なリピート訪日が見込まれています。

さらに、インドネシアやマレーシアなどのハラル市場からの訪日客も増加しています。そのため、2020年オリンピック開催時には、新興国のさらなる経済発展によるさらなる訪日客の増加が見込まれています。そういった増加傾向は、2020年東京オリンピック終了後の訪日観光客の増加も予期させます。ところで、2020年東京オリンピックに向かい、インバウンド市場の拡大予測が注目されていますが、その後の日本のインバウンド市場はどのように変化していくのでしょうか。オリンピックが終了したら衰退に向かってしまうのでしょうか。

オリンピック終了後のインバウンド市場はどうなる?

2030年、日本はインバウンド大国として2020年以上に世界でプレセンスを高めることを予測します。日本観光庁も、2030年には訪日観光客の数が6000万人となる事を目標に掲げているのです。確かに、インバウンド市場拡大のきっかけは東京オリンピックの開催でしたが、オリンピック終了後も同市場は拡大を続けるのです。では、実際に過去のオリンピック開催国の、オリンピック後の観光客増加傾向のデータを紐解き、2020年後の日本インバウンド市場の予測を立てていきます。

過去のオリンピック開催国のインバウンド成長データから紐解く

1996年のアメリカ・アトランタオリンピックの前年、約4200万人であったアメリカへの観光客数は一時期低迷をみせたものの、2015年には7700万人を突破し、外国人観光客数で世界2位となりました。

2008年の中国・北京オリンピック前後に、中国への外国人観光客も急増しました。2003年時、約3000万人であったその数は、オリンピック後も成長を続け、2011年には約6000万人となりました。

他にも、2000年のオーストラリア・シドニーオリンピック、2004年のギリシャ・アテネオリンピック、2012年イギリス・ロンドンオリンピック前から終了後も、各国では外国人観光客の増加が続きました。

こういった過去のデータから読み取れることはまず、オリンピックにより世界から注目を集め、観光客が増加するのは間違いないということです。

そして、それにより、政府や国内企業もそれまで整っていなかったインバウンドインフラの改善をして、インバウンド受け入れ体制を優先的に強化します。整えられていくインバウンドインフラに、外国人観光客からの評価は高まります。つまり、世界でのインバウンド国としてのプレゼンスが高まるのです。オリンピック開催前にはある程度整えられるインバウンドインフラは、もちろんオリンピック終了後も残り続け、そこから拡大するインバウンド市場にも対応していきます。

今がオリンピック開催後のインバウンド市場への準備期間

つまり、東京オリンピック開催までの期間は、終了後のさらなるインバウンド市場拡大に向けた準備期間なのです。お世辞にも英語が得意ではない日本では現在、外国時労働者のサービス業などでの受け入れも拡大しています。さらに、空港などの交通インフラや通信インフラと同時に、ホテル客室の拡大、体験型アクティビティも急増していて、訪日客向けのビジネスが拡大ししているのです。

そして、大前提として、今世界で海外旅行する人口も増加しているのです。世界銀行のWorld Development Indicatorsによると、その数はほぼ右肩上がりで増加し、14年は約12億人に達しました。世界の経済水準が高まるとともに、外国への旅行者が世界で増加しています。今までコスト面での問題で訪日が叶わなかった新興国の人たちが、より訪れてくるようになるのです。オリンピック後の日本インバウンド市場のさらなる拡大が予期されます。

インバウンド大国「フランス」に学ぶ

では、日本がさらなるインバウンド大国として世界にそのプレゼンスを高めていくためには何が必要で、日本企業にはどのような対策が求められているのでしょうか。本記事では世界1位のインバウンド大国であるフランスの成功事例からその答えを導き出していきます。

フランスは30年連続で外国人観光客の数が世界で1位となっているインバウンド大国です。2015年は8400万人でした。では、その理由を掘り下げていきます。

まず、多くの観光スポットが集約しているということがあります。首都パリには、世界でも有名な世界遺産や有名美術館などが多くあります。代表的なモン・サン・ミッシェルやヴェルサイユ宮殿を始め、世界遺産に登録されているのは42箇所で世界4位となっています。多くの観光スポットが集約していることが、人気を集めている理由の一つです。そして、パリは直径約10kmの小さな街で、その中で多くの観光地を回れるのは観光客にとって非常に便利です。

そして、国と国内企業が協力して外国人にとって利便性の高いインフラを整えてきたことにあります。多言語アナウンスに対応しているメトロやトラムを始め、バスなどでパリ市内の移動は大変便利となっています。また、地方への高速鉄道や高速バスもあります。そして、町の中には外国人でもわかりやすく利用できる設置型のレンタルサイクルが多くあります。集約している町で、観光客にとって自転車での移動は大変便利となっているのです。町中にはWi-Fiも多く設置されていて、観光パンフレットも多言語に対応しています。そういった外国人観光客向けのインフラ整備が、顧客満足を高め、「フランスファン」を多く生み出しているのです。それこそが、フランスがインバウンド大国として成功した大きな一因なのです。

「日本ファン」を作ることが今後の拡大につながる

インバウンド大国であるフランスの例から見てわかるように「自国ファンをいかにして生み出していくか」ということが、インバウンド大国として成長するための鍵となります。潜在的に高度な文化を持ち合わせる日本は、その可能性を十分に持ち合わせています。質の高い「日本製品」や、「おもてなし」と形容される「日本式」サービスは世界でも評価されています。

交通や宿泊インフラが整備され始めている中での今後の課題は、多様性に対する受け入れ拡大です。急拡大しているインバウンド市場には、今まで以上に、馴染みのない多様な文化が流入してきます。英語への対応はもちろん、新興国インドネシアからの訪日客は日本と異なる文化があります。イスラム教の文化である彼らは「ハラル」といって、特に飲食において我々とは異なる文化を持っているのです。例えば、豚やアルコールの摂取などが禁じられているといます。そういったハラル市場への対応を国のみならず、1日本企業も施策していかなければならないのです。

日本企業の、多様な文化に対する受け入れ体制を整えることが「日本ファン」を増やしていく鍵となります。多様な文化を受け入れ共生する。今が日本の新たな「開国」すべきタイミングなのです。

まとめ

日本の今後のインバウンド市場において、政府の掲げる2030年の訪日観光客数6000万人の目標を突破することも非現実的ではありません。オリンピック後も、日本のインバウンド市場は確実に成長を続けます。その一方で、日本企業には今後さらに急増する訪日観光客を受け入れ、「日本ファン」を獲得するためにも、国内のインバウンドインフラの整備やサービスの展開が急務となります。

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