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工業団地の基礎知識 | 日本企業がアジアの工業団地を活用するメリットを解説

掲載日:2020年11月04日

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「工業団地」とは、ある一定の区画内で、複数の工場や倉庫が計画的に設置された地帯のことを指します。

日本はもちろん世界各地に「工業団地」は存在しますが、本テキストでは、日本の製造業が海外進出する際に、工業団地を活用するメリット、さらにはアジア新興国のおすすめの工業団地について解説します。

日本企業が海外で製造事業を展開するにあたって「工業団地」を活用することは、様々なメリットがあります。特にアジア諸国では、日本の大手商社などが現地の土地を買収し、日本から製造企業を集めて、現地にそれらの企業が集積した工場地帯を築き上げています。

工業団地は、現地の貸工場や貸事務所の提供から、インフラ整備や現地会社設立の代行、さらには入居後の保守管理や点検サポートも提供しています。つまり、これらの工業団地に〝入居〟することで、日本の一企業として単体で海外進出するよりもさらにコストダウンすることが可能となるのです。

しかし、進出国や運営企業が異なれば、それぞれの工業団地の特徴や適性も当然異なります。したがって、実際に工業団地に入居して事業を成功させるためには、自社のビジネスに適した国および工業団地を選択する必要があるのです。

本テキストでは「おすすめの国の工業団地」と銘打って、アジア新興国における工業団地の活用メリットをわかりやすくレクチャーします。具体的には、フィリピン・ベトナム・ミャンマーの3ヵ国に存在するオススメの工業団地をフィーチャーしていきます。

ぜひ、本テキストでご紹介するアジア諸国の工業団地の活用メリットを理解し、御社の海外での工場展開にお役立てください。

1. 工業団地とは

工業団地とは複数の工場が計画的に集積している地帯

まずは「工業団地」について解説します。

複数の工場が計画的に集積している地帯を「工業団地」と呼びます。複数の工場が集まって工業団地を形成することのメリットは効率の最適化にあります。人材から作業やインフラ、工場地帯を集積することによって、工場設立・運営におけるコストダウンや工場から出る煙や騒音等による近隣への影響も最適化することができます。

また、工業団地に工場が集積すれば、労働者が集まり、労働者の生活が生まれ、消費財などの商業が盛んになります。そのため、発展途上国の経済成長を目的として、工業団地が設立されます。また、工業団地内では、自動車や電機などの製造工場だけでなく、地域によっては輸出型産業に加え、地域需要を取り込むための食品や生活品など内需型メーカーの工場進出も増加しているのです。

2. 注目のアジア新興国の工業団地

アジア新興国は積極的に外資企業を誘致して海外からの投資を集めている

戦後の日本が、工業団地の設立・運営により著しい経済成長を遂げたように、現在アジアの発展途上中の新興国各国にも工業団地が設立され、経済発展を遂げようとしています。

新興国各国は積極的に外資企業を誘致し、海外からの投資を集め、工業団地設立に取り組んでいるのです。その中で、日本企業の大手商社もアジア各国に進出しており、工業団地を設立しています。新興国では、日本より低コストで製造することも可能であり、大手企業のみならず中小企業も工場設立のため、進出しています。

その中で、資金力のある大手企業が工業団地を設立し、工場インフラ・事業環境を整えて、日本の中小企業の進出を促しているという構図ができています。資金力のあまりない中小企業は工業団地に工場展開することで、海外進出を成功させるチャンスが拡大するのです。

そして、アジアを中心とする新興国各国は、自国の経済発展のために先進する日本の技術を求めており、誘致するために外資規制や税制を緩和しています。そのうえ日本より低コストで製造できる新興国の工業団地に、大手企業のみならず中小企業にとっても、大きなチャンスが広がっています。

3. 海外で工業団地が設置される流れを知る

ここからは、海外の工業団地が設置されていく流れを解説します。この流れを理解することで、製造業における工場の海外展開にチャンスがあることをさらに理解していただけるはずです。

① 大手企業による海外現地の土地を買収

まず、工業団地ビジネスは資金力のある大手企業などが現地の土地を買収するところから始まります。しかし、過去の戦争地などでは、開発時に不発弾が出て来るなどのリスクも伴います。そして、土地の買収後は工業団地の入居企業が安定した生産活動を行い、さらに拡大していけるように最大限の支援を用意していきます。

② 安定した生産活動のためのインフラ整備

安定した生産活動を行うためには、浄水場、排水処理場、変電所などのインフラ整備も必要になります。新興国においてはインフラの面で未整備な面が多く、インフラ開発が急務となります。

③ 中小企業向けの貸工場の設置

そして、団地内に中小企業向けの貸工場の設置も進められていきます。近年は、海外進出する日本の中小企業も増えていることから、工場の建屋を建設しなくてもすぐに操業でき、初期投資も抑えられる貸工場需要が高まっています。そのため、大手企業が中小企業の海外進出を促しているという構図があるのです。

そのほかにも海外の工業団地では、海外進出を検討している日本企業に対して、事業化調査の段階からきめ細かいサポートを行っており、入居企業に対しては毎月開催する情報連絡会にて情報交換を行なったりもしています。

4. おすすめの「アジア新興国の工業団地」をご紹介

フィリピン・ベトナム・ミャンマーの3つの国の工業団地の特徴および概要を解説

このセクションからは、いよいよ実際に海外工業団地を活用するにあたってメリットと、注目の国および日本企業が運営しているオススメの工業団地をご紹介します。

日本国内では人口が減少するとともに少子高齢化が進み、国内市場が縮小しています。それに伴い、製造業における人材も不足している状況です。

戦後の日本は、国内の豊富な人材による製造業を中心に、著しい経済成長を遂げてきました。しかし、現在約1億3,000万人の人口が、2050年には1億人を切ってしまうことが予測され、国内における製造業のかつてのような勢いはありません。

そして、労働力の低下とともに人材コストも上がり、国内製造にかかるコストはアップしているのです。

だからこそ、豊富な労働力を持つ成長著しいアジア新興国に工場を展開し、人材コスト、インフラコスト、運営コストを抑えることが日本の製造業に求められているのです。そして先述したように、アジアの新興国各国も自国の経済発展のために先進する日本企業の技術を求めているという背景もあります。

アジア新興国における工業団地とは、そんな国同士のメリットを追求したWin-Winの関係で成り立っているのです。

もちろん、一口にアジアの工業団地といっても、設置されている国や運営企業ごとによって特徴は異なってきます。

以下より、フィリピン・ベトナム・ミャンマーの3つの国の工業団地の特徴および概要を解説していきます。

5. フィリピンの「ファーストフィリピン工業団地

フィリピンの概要

フィリピンは、人口の平均年齢が約23歳と、ASEANの中でも特に若く豊富な労働力にあふれています。また、公用語が英語ということも大きなメリットです。また、2016年に就任したロドリゴ・ドゥテルテ大統領は親日であり、日本と良好な関係を築いています。そのため、外資導入政策や税制・ビザ取得緩和など、日本企業の誘致も積極的に行っていることも大きなメリットです。

特に、輸出型製造業に対しては、所得税の免税、輸入部品・原材料等の関税免除、通信・電力・水道代を含む現地購入品の付加価値税の免除、輸出税・埠頭(ふとう)税等の免除など、多くの優遇措置が用意されています。そのため、日本企業の製造業においても進出メリットは大いにあるといえます。

おすすめのフィリピンの工業団地

■ファーストフィリピン工業団地:住友商事

  1. ・立地:首都マニラ中心部(マカティ)から52km(約50分)
  2. ・設立:1996年11月
  3. ・賃貸物件:貸工場
  4. ・入居企業数:100社(キヤノン・村田製作所など)
  5. ・サポート体制:日本人2名常駐

「ファーストフィリピン工業団地」を運営する住友商事は日本国内も含め、多国における長年の工業団地運営により蓄積されたノウハウを活かし、フィリピンで工業団地ビジネスを展開しています。

インフラなどが整備された工業団地の提供のみならず、会社設立から従業員の採用、原材料の調達サポートから物流サービスも提供している中で、入居企業の海外進出をフルサポートしていることも大きなメリットとなります。

6. ベトナムの「ロンドウック工業団地

ベトナムの概要

ベトナム政府は、工業製品、輸出製品、ハイテク製品の製造業または、それに対するサービス業を行う投資家を誘致する目的で、工業団地、輸出加工区、経済特区の制度を設けています。

工業団地は毎年の全国工業部門における生産価値の40%、輸出価値の60%を生み出し、2013年6月時点では、累計210万人超の雇用を創出しています。そのため、ベトナムが工業団地の誘致に積極的であることがわかります。

また、ベトナム人は手先が器用であり、製造などに向いていると言われています。消費活動の活発化により、内需も拡大しています。さらに、ベトナムは比較的治安が良く、日本人にも暮らしやすい生活環境年々インフラ整備が進んでおり、先進の技術を持つ日系企業の誘致を積極的に推進しています。そのため、ベトナムにおける製造業の進出メリットも大いにあるのです。

おすすめのベトナムの工業団地

■ロンドウック工業団地:双日株式会社

  1. ・立地:ドンナイ省 ロンタン地区 ロンドウック(ホーチミン市中心部から車で40分)
  2. ・設立:2013年
  3. ・賃貸物件:レンタル工場
  4. ・サポート体制:入居前サポート(会社設立申請代行から人員雇用サポートまで)。入居後も24時間365日の保守管理及び定期点検

ロンドウック工業団地の一番の強みは、安心感です。工業団地にとっていちばん重要なインフラである電気と水のインフラ整備が整えられています。電気と水の確保を現地の電力公社や水道公社と、排水に関してはドンナイ省と日々調整を行っています。

変電所を工業団地のできるだけ近くに設置し、電力の安定供給も実現しています。また、電力会社と交渉の結果、すぐ近くの工業団地で計画されていたものをロンドウックに持ってきています。そして、日本語サポートも可能になっています。

7. ミャンマーの「ティラワ工業団地

ミャンマーの概要

長く続いた軍事政権や国内紛争、他国から経済制裁を受けていたこともあり、ASEANの中でも特に経済発展が遅れ、「アジア最後のフロンティア」と言われていたミャンマー。しかし、昨年アウン・サン・スー・チー国家元首が就任したことにより、積極的な外交政策が進められ、米国などから経済制裁が解除されるとともに、外国から多くの投資が集まりました。

スー・チー氏は日本企業にも積極的な投資を呼びかけており、日本企業のミャンマー進出を促しています。そして、今後インフラが整備されることにより、中国やインド、タイなどと面する好立地などが生かされ、著しい経済発展が期待されているのです。

おすすめのミャンマーの工業団地

■ティラワ工業団地:双日株式会社

  1. ・立地: ティラワ経済特別区(ヤンゴン市より20キロ)
  2. ・設立:2015年9月
  3. ・賃貸物件:レンタル工場
  4. ・サポート体制:日本人常駐・優遇税制・迅速・円滑な各種許認可取得可

輸出加工拠点に留まらず、ミャンマー内需向けの生産拠点としても優位な立地です。3社の長きに亘るASEAN地域での工業団地ビジネスのノウハウを生かした高いレベルのインフラ、ユーティリティサービスを提供し、日系企業を中心とした外資系企業のミャンマーへの誘致をしています。

また、ティラワ工業団地の開発事業は日本・ミャンマー初の官民連携事業であり、日本政府からのサポートによりインフラ整備が進められています。そのため、成長著しい同国内の中でもとりわけ急成長する工業団地なのです。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

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今回は、日本の製造業が海外進出する際に、工業団地を活用するメリット、さらにはアジア新興国のおすすめの工業団地についてついて解説しました。

日本の大手商社が事業展開している海外工業団地。国や企業が異なれば特徴やシステムも異なります。経済成長著しいアジア新興国で工場展開する際は、現地の工業団地選びも事業成功の重要な要因のひとつです。

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「Digima〜出島〜」編集部

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