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海外展開の補助金はいつ申請する?外国出願・展示会・輸出体制づくりに使える国の制度と申請時期の決め方

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海外展開の担当になった中小企業の方に向けて、外国出願・海外展示会・輸出に向けた設備づくりに使える国の補助金と、費用を使う予定から申請時期を逆算する方法、交付決定と後払いの決まり、申請前にそろえるものを示す記事です。

海外展開の補助金は、使える制度を見つけるだけでは使えません。たとえば持続化補助金では、交付決定(補助金を出すことが正式に決まる手続き)の前に展示会の出展料を払ったり、航空券を買ったりすると、その費用は補助の対象から外れます。補助金が入るのは、事業を終えて報告と検査が済んだあとです。

Digima〜出島〜の海外進出白書(2025-2026年版)では、自社の海外ビジネス展開を検討したことのある担当者193名のうち、資金調達の方法として「公的機関からの助成金・補助金」を挙げたのは17.1%でした。最も多かったのは「自社資金のみ」の83.4%です。

この記事では、外国出願、海外展示会と出張、輸出に向けた国内の設備づくりに使える国の補助金を比べ、費用を使う予定から申請時期を逆算する方法をまとめます。

この記事でわかること

  • ・外国出願、海外展示会、輸出体制づくりに使える国の補助金と補助率・上限額
  • ・交付決定の前に発注した経費が対象外になる決まりと、後払いのしくみ
  • ・展示会や外国出願の予定から申請時期を逆算する方法
  • ・GビズIDプライムの取得など、申請の前にそろえるもの

1. 海外展開で使える国の補助金|外国出願・展示会・輸出体制の3制度

海外展開で使える国の補助金を使い道で3つに分けた図。外国での出願は海外出願支援事業で費用の2分の1、展示会と出張は持続化補助金で海外展示会の出展費と海外旅費、輸出の体制づくりはグローバル枠で国内拠点の強化と海外旅費・通訳
図:海外展開で使える国の補助金(使い道で選ぶ3制度)

海外展開の補助金は、何に使う費用なのかによって調べる制度が変わります。この章では国の制度のうち、外国での特許や商標の出願、海外展示会への出展と海外への出張、輸出に向けた国内の設備づくりに使える3つの制度を取り上げます。

最初に補助率と上限額と申請先を表で比べ、そのあと制度ごとに、対象になる費用と申請の条件を確かめます。社内で予算の相談をするときは、近いうちに使う予定の費用が3つのどれに当たるかを先に分けておくと、調べる制度を絞り込めます。

国の海外展開補助金の補助率と上限額

制度 主な使い道 補助率 上限額 申請先
海外出願支援事業(特許庁) 外国の特許庁への出願手数料、国内・現地の代理人費用、翻訳費用 2分の1 1企業300万円(特許は1案件150万円、商標は1案件60万円) 都道府県等中小企業支援センター
小規模事業者持続化補助金(第20回) 海外展示会の出展費、海外旅費などの販路開拓 3分の2(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3) 50万円(特例に当たる場合は上乗せ) 補助金事務局へ電子申請。事業支援計画書は地域の商工会・商工会議所が発行
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 グローバル枠(第1回) 輸出に向けた国内の製造拠点などの強化。海外旅費、通訳・翻訳費も対象 3分の2 従業員数に応じて2,500万円〜7,000万円(下限750万円。賃上げ特例に当たる場合は引き上げ) 中小企業基盤整備機構の事務局へ電子申請

表:海外展開に使える国の補助金3制度の比較(2026年10月時点の公募要領・案内)

3つの制度は、想定している取り組みの大きさが違います。持続化補助金の上限は50万円、グローバル枠は補助される額の下限が750万円です。外国出願の補助は、出願の案件ごとに上限が決まっています。

補助率は、補助の対象と認められた経費のうち、補助金で賄われる割合です。補助率が2分の1なら、残りの半分は自社の負担になります。上限額は補助金として受け取れる額の上限で、使える経費の総額ではありません。上限を超える部分は、すべて自社の負担です。

表の補助率と上限額は、海外出願支援事業は令和8年度、持続化補助金は第20回公募、グローバル枠は第1回公募の内容です。公募の回が変わると、条件が変わることがあります。申請する回の公募要領(補助金ごとに対象や条件、申請の方法を定めた募集の案内)で、あらためて確かめます。

出典:特許庁「外国出願に要する費用の半額を補助します」、小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>「第20回公募 公募要領」(2026年7月)、中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)」(2026年9月)

海外出願支援事業|日本で出願してから応募

特許庁によると、知的財産権は国ごとに独立しているため、日本で特許を取ったり商標を登録したりしても、進出先の国では権利になりません。進出先の国で権利を持つには、その国ごとに出願が必要です。海外出願支援事業は、この外国出願にかかる費用の半額を補助する制度です。

申請の時期を決めるうえで大事なのは、応募の時点で、日本の特許庁への出願を済ませておく必要があることです。採択(審査を通って補助の対象に選ばれること)されたあとに、その日本の出願をもとに優先権(先にした日本での出願の日を基準に、外国での出願を扱ってもらえる仕組み)を主張して、年度内に外国へ出願する予定であることが条件です。商標は、優先権を主張しない外国出願も対象になります。

窓口は、都道府県ごとに置かれた都道府県等中小企業支援センターなどです。公募の期間や申請の方法は窓口によって異なると、特許庁は案内しています。自社の所在地の窓口が、いつ公募するかを先に確かめます。悪意のある第三者に先に商標を出願されることへの対策として出す商標も、1案件30万円を上限に対象になります。

出典:特許庁「外国出願に要する費用の半額を補助します」

小規模事業者持続化補助金|海外展示会の出展費と海外旅費

持続化補助金は、小規模事業者が経営計画をつくって取り組む販路開拓を支援する制度です。対象は、製造業などでは常時使用する従業員が20人以下、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)では5人以下の事業者です。

第20回公募の公募要領では、対象経費に展示会等出展費と旅費が含まれ、海外展示会の出展費用や海外旅費を計上する場合の書類の出し方まで書かれています。外国語の請求書や領収書を出すときは、内容を日本語で要約した書類も一緒に出します。

注意したいのは、対象にならない展示会があることです。国から出展料の一部の助成を受けて出る展示会(国以外の機関が国の補助金を使って実施する場合を含む)は、持続化補助金の対象外です。補助事業の実施期間の外に開かれる展示会も対象になりません。

第20回の申請受付は2026年11月から12月までで、地域の商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)の受付締切は、申請の締切より前に設けられています。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>「第20回公募 公募要領」(2026年7月)

グローバル枠|新たな海外市場に向けた国内拠点の強化

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠は、海外市場の開拓(輸出)に向けて、国内の輸出体制を強化する取り組みを支援する枠です。補助の対象は、自社の製品などを使って自ら新しい海外販路を開拓するうえで必要になる、国内の製造などの拠点の強化です。

公募要領によると、事業で作る製品などの市場が、自社にとって新たな海外市場であることが条件です。新たな海外市場とは、既存の事業で対象にしていなかった国・地域の市場を指します。取引先の主導で行う事業は、自発的な取り組みとはいえないとして対象外です。

対象経費には、機械装置・システム構築費や建物費などのほか、海外旅費と通訳・翻訳費が含まれます。補助事業の実施期間は交付決定日から14か月以内です。第1回の公募期間は2026年6月から10月までです。国内の拠点の強化を伴う計画になるため、輸出する国と製品の見込みが立ってから検討する制度です。

出典:中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)」(2026年9月)

2. 補助金の申請から入金まで|交付決定と後払いの順番

補助金の申請から入金までの順番の図。申請、採択と交付決定、事業の実施、報告と入金の順に進み、発注と支払いは交付決定のあと、補助金の入金は実績報告と確定検査のあと
図:補助金の申請から入金までの順番

補助金は、申請してすぐにお金が届くしくみではありません。申請、採択、交付決定、事業の実施、実績報告、検査を経て、最後に入金されます。この順番を知らずに動くと、補助金を使うつもりだった費用が対象外になったり、入金までの資金が足りなくなったりします。

この章では、申請時期を決める前に押さえておく2つの決まりを確かめます。1つは、交付決定の前に発注や契約をした経費は対象にならないことです。もう1つは、補助金が後払いであることです。どちらも、持続化補助金と新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領に書かれています。外国出願の補助を使う場合は、申請する窓口の公募要領で、対象になる費用の時期を確かめます。

交付決定前の発注と契約|補助対象外になる経費

持続化補助金の公募要領は、交付決定の前に発注・契約、購入、支払い(前払いを含む)などをしたものを補助対象外としています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領も、交付決定日より前に補助事業に関わる製品の購入や役務の提供の契約(発注を含む)をした経費は、補助対象にならないとしています。

ここで間違えやすいのが、採択と交付決定は別の手続きだという点です。持続化補助金では、採択のあとに見積書などを出し、そのあとに交付決定が出ます。採択の通知を受けた段階で発注すると、まだ交付決定の前なので対象外になります。

展示会には例外が1つあります。持続化補助金では、展示会への出展の申込みだけは交付決定の前でもかまいません。ただし、請求書の発行日や出展料の支払日が交付決定日より前になると対象外です。公募要領は、採択結果の公表と交付決定が当初の予定より遅れる場合があるとして、日程に十分な余裕をもって計画するよう求めています。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>「第20回公募 公募要領」(2026年7月)、中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)」(2026年9月)

補助金は後払い|入金までの費用を立て替える資金

持続化補助金の公募要領は、補助事業を行う際には自己負担が必要で、補助金は後払いであると明記しています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、事業を終えたあとに実績報告を出し、確定検査で交付額が確定してから補助金を請求し、支払いを受ける流れが示されています。

つまり、これらの補助金を使う場合、展示会の出展料も海外への渡航費も、いったんは自社で全額を支払います。補助金が入るのは、すべての支払いを終えて報告と検査が済んだあとです。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、補助事業の実施期間内に、契約、納入、検収、支払いのすべてを終えることも求められています。

社内で予算を組むときは、補助金を差し引いた自己負担の額だけでなく、入金までに立て替える総額を用意できるかを確かめます。立て替えができない場合は、対象にする費用を絞るか、立て替えの資金の調達をあわせて考えます。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>「第20回公募 公募要領」(2026年7月)、中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)」(2026年9月)

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3. 申請時期の決め方|使う予定から逆算する順番

申請時期の決め方の図。使う予定を決める、公募回を調べる、GビズIDを取る、計画と見積を作る、申請と交付決定、発注と支払いの順に進む
図:使う予定から申請時期を逆算する順番

補助金の申請時期は、補助金の公募の予定から決めるのではなく、自社がその費用を使う予定から逆算して決めます。展示会に出る月や外国へ出願したい時期が先にあり、そこに間に合う交付決定を得られる公募の回を探す、という順番です。

この章では、海外展示会に出る場合と外国へ出願する場合の2つの例で逆算のしかたを確かめ、公募に間に合わないときの考え方を整理します。持続化補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を使う場合は、発注と支払いを交付決定の後に置くことが前提です。

海外展示会に出る場合の逆算

持続化補助金を使って海外展示会に出る場合、確かめることは3つあります。1つ目は、その展示会が補助事業の実施期間の中に開かれるかです。2つ目は、出展料の請求書の発行と支払いを、交付決定の後に置けるかです。3つ目は、国から出展料の一部の助成を受けて出る展示会ではないかです。

出展の申込みは交付決定の前でもかまわないので、人気のある展示会の枠を先に押さえることはできます。ただし、主催者が申込みと同時に請求書を出す場合は、その請求書の日付が交付決定より前になり、対象外になります。申込みの前に、請求書を出す時期を主催者に確かめておきます。

渡航費も同じ考え方です。航空券の購入が交付決定より前になれば、その費用は対象になりません。展示会の開催日から、航空券の購入日、出展料の支払日、交付決定の見込み日、申請の締切へと順に日付をさかのぼって書き出すと、使える公募の回が見えてきます。

外国へ出願する場合の逆算

海外出願支援事業では、応募の時点で日本の特許庁への出願が済んでいることが条件です。そのため、外国で権利を取りたい製品や商標があるときは、日本での出願の時期から計画を立てます。

採択されたあとに、日本の出願をもとに年度内に外国へ出願する予定であることも条件です。年度の途中で公募がある場合、外国出願を終えるまでの期間は年度末までに限られます。出願を代理人に頼む場合は、翻訳や書類の準備に必要な期間も含めて、年度内に出願を終えられるかを確かめます。

公募の時期は都道府県等中小企業支援センターごとに違います。外国へ出願したい国と時期が見えた段階で、自社の所在地の窓口に、今年度の公募の予定を確かめておきます。国選びと並行して窓口の公募時期を調べておくと、出願の時期を逃しにくくなります。

出典:特許庁「外国出願に要する費用の半額を補助します」

公募に間に合わないときの判断

使いたい時期に間に合う公募の回がないときは、次の公募を待つか、補助金を使わずに自己資金で進めるかを決めます。判断の材料は、待つことで失うものと、補助金で減らせる負担の大きさです。

待つことで失うものには、その年の展示会に出る機会や、外国への出願が遅れているあいだに他社に商標を出願されるおそれがあります。補助金で減らせる負担は、対象経費に補助率を掛けた額で、上限額を超えることはありません。たとえば補助率2分の1の制度で対象経費が40万円なら、補助される額は最大20万円です。

自己資金で先に進めると決めた費用は、あとから補助金の対象にはできません。持続化補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金には、交付決定前の経費は対象外という決まりがあるためです。先に進める費用と、次の公募を待って補助金を使う費用を分けて、社内で合意しておきます。

4. 申請前にそろえるもの|GビズIDと補助金の探し方

申請の締切が近づいてから準備を始めると、書類はそろっていても、申請に使うアカウントが間に合わないことがあります。この章では、電子申請に使うGビズIDプライム(法人や個人事業主が行政の電子申請に使う共通のアカウント)の取り方と、国や都道府県の補助金を探すときに使える公的なサイトを確かめます。

どちらも、使う制度が決まる前から進められる準備です。特にアカウントの取得は、申請する制度が決まってからではなく、補助金を使う可能性があると分かった時点で済ませておくと、締切の直前に慌てずに済みます。

GビズIDプライム|電子申請に使うアカウント

持続化補助金は電子申請でしか受け付けておらず、申請の流れの最初の手順として、GビズIDプライムのアカウントの取得を挙げています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領も、申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要だとしています。

GビズIDのよくある質問によると、オンライン申請ではGビズIDプライムのアカウントを最短で即日発行できます。オンライン申請には、マイナンバーカードと、マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンなどが必要です。書類を郵送する申請では、書類が届いて不備がなければ、最大1か月以内に作成されます。

一方で、持続化補助金の公募要領はアカウントの取得に数週間程度を要するとし、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領は発行に1週間程度かかるとしたうえで、取得の遅れを理由にした申請期限の延長は一切認めないとしています。どの制度を使う場合でも、締切から逆算して早めに取得しておきます。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>「第20回公募 公募要領」(2026年7月)、中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)」(2026年9月)、GビズID「よくある質問」

補助金の探し方|J-Net21と日本商工会議所の施策一覧

この記事で取り上げた3つの制度のほかにも、都道府県や市区町村が独自に海外展開の補助金を設けていることがあります。国と都道府県の制度をまとめて調べるには、中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21の支援情報ヘッドラインが使えます。国・都道府県の補助金・助成金などの支援情報をまとめて検索できるサイトです。

海外展開の段階に合わせて調べたいときは、日本商工会議所の海外展開支援施策一覧が役に立ちます。各支援機関の海外展開支援施策を、事業検討から事業拡大までの8つの段階に分けてまとめており、資金調達の段階もあります。

検索で見つけた制度は、まず公募要領を開き、対象者の要件、対象経費、受付期間の3つを確かめます。補助金を組み合わせるときも注意が要ります。持続化補助金のように、国の助成を受けている展示会を対象外にしている制度もあるため、組み合わせる前にそれぞれの公募要領で確かめます。

出典:J-Net21「支援情報ヘッドライン」、日本商工会議所「海外展開支援施策一覧」

5. 海外展開の資金計画と補助金|海外進出白書の調査結果

補助金は、海外展開の費用の一部を補うものです。海外展開の資金の大部分をどう用意するかは、補助金とは別に計画しておく必要があります。この章では、海外進出白書の調査から、海外展開を検討・実施する企業の担当者が、資金調達の方法として何を挙げているかを確かめます。

あわせて、海外進出を支援する企業や専門家が、海外展開を始める企業にどのような準備を求めているかも見ていきます。いずれも、補助金の申請書に書く事業計画にもつながる内容です。

海外展開の資金調達|自社資金のみが83.4%

海外進出白書(2025-2026年版)で、自社の海外ビジネス展開を検討したことのある担当者193名に資金調達の方法を尋ねた結果、最も多かったのは「自社資金のみ」の83.4%でした。3年以上海外事業を続けている成功企業に絞ると、86.5%でした。

「公的機関からの助成金・補助金」を挙げた割合は全体で17.1%、成功企業では10.8%でした。海外展開の資金は、多くの企業が自社の資金でまかなっており、資金調達の方法として補助金を挙げた担当者は、全体の2割に届いていません。

白書の結果は、多くの企業が自社の資金で海外展開を進めていることを示しています。補助金には審査があり、持続化補助金の公募要領も不採択になる場合があると明記しています。採択されても後払いです。自社の資金で進める計画を先につくり、そのうえで補助金の対象になる費用があれば申請する、という順番にすると、不採択でも計画が止まりません。

支援企業が求める準備|財務(予算策定)は43.0%

海外進出白書(2025-2026年版)で、海外進出支援に携わる企業・専門家の担当者151名に、海外展開する企業に準備してほしいことを尋ねた結果、最も多かったのは「事業計画策定」の74.8%でした。3位には「財務(予算策定)」が43.0%で入っています。

補助金の申請でも、事業計画が求められます。持続化補助金では、事業計画(様式2)をつくり、地域の商工会・商工会議所から事業支援計画書(様式4)の発行を受けてから申請します。

事業計画と予算を先につくっておけば、補助金の申請書を書くときに一から考える必要がなくなります。反対に、補助金の申請をきっかけに事業計画をつくる場合でも、補助金がない場合の予算をあわせて書いておくと、社内で説明するときに使えます。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>「第20回公募 公募要領」(2026年7月)

6. 海外展開の補助金の申請前チェックリスト

ここまでの内容を、申請の前に確かめる問いの形にまとめます。上から順に答えていくと、自社がいま申請に向けてどこまで準備できているかが分かります。

答えに迷う問いは、まだ確かめていないものとして扱い、その問いに当たる章を読み直します。社内で補助金を使うかどうかを相談するときも、この問いの答えをそろえてから話すと、決める内容がはっきりします。問いは、制度を選ぶ、日程を組む、資金を用意するの順に並べています。

申請時期を決める前に確かめる問い

次の問いに「はい」と答えられるかを確かめます。

  • 使う予定の費用を、外国出願、展示会と出張、国内の設備づくりのどれに当たるかで分けたか
  • その費用を使う時期と、間に合う公募の回の受付期間を確かめたか
  • 自社が対象者の要件(従業員の数など)に当てはまるかを公募要領で確かめたか
  • GビズIDプライムのアカウントを取得したか
  • 発注、契約、支払いを交付決定の後に置く日程にしたか
  • 補助金が入るまでの費用を、自社で立て替えられるか
  • 持続化補助金で展示会に出る場合、国の出展料の助成を受ける展示会ではないことを確かめたか
  • 外国へ出願する場合、日本の特許庁への出願を済ませたか

最初に「いいえ」になった問いが、いま取り組む準備です。8つの問いのうち、アカウントの取得と日本の特許庁への出願は、公募が始まる前から進められます。

受付期間と対象者の要件は、公募の回ごとに変わることがあります。前の回の公募要領で確かめた場合は、申請する回の公募要領が出た時点で、もう一度確かめます。発注と支払いの日程は、社内の購買の担当者や経理の担当者とも共有しておくと、交付決定の前に誤って発注することを防げます。

7. 海外展開の補助金のよくある質問

海外展開の補助金について、よくある質問に答えます。

取り上げるのは、使える国の制度、申請の時期、補助金を受け取る時期、相談先の4つです。回答は、この記事で取り上げた制度の公募要領と案内にもとづいています。質問ごとに、制度の名前と条件を回答の中に書いているので、社内で補助金の使い方を相談するときの説明にも使えます。条件は公募の回ごとに変わることがあるため、申請する回の公募要領もあわせて確かめてください。

海外展開で使える国の補助金にはどのようなものがありますか?

外国出願、展示会と出張、輸出に向けた国内の設備づくりに使える制度があります。特許庁の海外出願支援事業は外国出願の費用の2分の1を1企業300万円まで、小規模事業者持続化補助金は海外展示会の出展費や海外旅費を含む販路開拓を上限50万円で補助します。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠は、輸出に向けた国内拠点の強化が対象です。

海外展開の補助金は、いつ申請すればよいですか?

費用を使う予定の日から逆算し、その前に交付決定を受けられる公募の回に申請します。持続化補助金も新事業進出・ものづくり商業サービス補助金も、交付決定の前に発注や契約をした経費は補助の対象外です。展示会の出展料や航空券の支払いが交付決定の後になるよう、日程を組みます。

補助金はいつ受け取れますか?

持続化補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は後払いで、事業を終えたあとに受け取ります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、実績報告、確定検査による交付額の確定、補助金の請求を経て支払われます。それまでの費用は自社で全額を立て替えるため、入金までの資金を用意しておく必要があります。

海外展開と補助金の活用は、どこに相談すればよいですか?

補助金の要件と受付期間は各制度の公募要領で確かめられますが、補助金を使って何を進めるか、つまり国選びや展示会、代理店探しの進め方は、海外展開の専門家と一緒に決めるのが近道です。Digima〜出島〜では、海外ビジネス専門のコンシェルジュが状況をうかがい、貴社に合う専門家を無料でご紹介しています。

8. 海外展開の補助金はDigima〜出島〜に相談

海外展開の補助金は、外国出願、展示会と出張、輸出に向けた国内の設備づくりといった使い道ごとに制度が分かれています。持続化補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、交付決定の前に発注した経費は対象にならず、補助金は後払いです。申請時期は、費用を使う予定の日から逆算して決めます。

補助金の申請書に書く事業計画は、どの国に、何を、どの売り方で届けるかが決まっていないと書けません。海外進出白書(2025-2026年版)でも、支援企業の担当者151名のうち74.8%が、海外展開する企業に準備してほしいこととして事業計画策定を挙げています。

Digima〜出島〜では、海外ビジネス専門のコンシェルジュが状況をうかがったうえで、貴社の海外進出に合う専門家を無料でご紹介しています。ご紹介のあとに契約する義務はありません。補助金を使って進めたい海外展開の計画があるときは、Digima〜出島〜にご相談ください。

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