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中国を始め世界は「超高齢化社会」へ 「シニアビジネス先進国」日本が持つ優位性とは?

掲載日:2018年03月12日

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本稿では、急速に加速する「世界の高齢化」と、そこから派生する「世界の高齢者(シニア)ビジネス」の可能性、さらには大国・中国を凌駕する「超高齢化社会」へと突入した日本ならではの「世界の高齢者(シニア)ビジネス」における優位性について解説します。

近年の日本の高齢化率(65歳以上)を例に挙げると、大国・中国を遙かに超えて、海外でも類をみないほどの上昇率となっています。そのような超高齢化社会を要因とする「2025年問題」と呼ばれるような、将来的な数々の深刻な事態が懸念されているのもご承知の通りです。

そのように国内ではややネガティブな響きのある「高齢化」というワードですが、海外から見たグローバルな視点でとらえ直し、そこに新たな価値観を見いだせば、「世界の高齢者(シニア)ビジネス」という新しい海外進出モデルが見えてくるのです。

1. 急速に加速する世界の高齢化

高齢化の波は日本や中国だけでなく途上国にも押し寄せる

高齢化は世界中で急速に加速しています。国連は「高齢化する世界人口:1950-2050」(2016年6月発表)というレポートの中で、「現在、世界が直面している人口の高齢化は人類史上例のないものである」といった旨の見解を述べています。

2015年の世界の総人口は73億4,947万人ですが、それより45年後の2060年後には、101億8,429万人になると見込まれています。

大国である中国を例にとると、2030年には総人口の20.2%にあたる2億8,000万人が、65歳以上の高齢者となり、2055年には総人口の27.2%となる4億人に達するという報告もされています。

そもそも高齢化の問題は、先進国地域を中心とした問題ととらえられがちですが、それは21世紀前半のケースであり、今世紀の後半ともなると、高齢化の波は途上国にも押し寄せてくるのです。

下記の表1「高齢化の国際的動向」は、内閣府による「平成29年高齢社会白書」から抜粋したものですが、21世紀の後半辺りから、世界の高齢化が急速に発展していくことが読み取れます。

表1:「高齢化の国際的動向」 世界の高齢化_01
出典:内閣府HP 「平成29年版高齢社会白書」

上記を踏まえると、世界の総人口に占める65歳以上の人の割合(高齢化率 = 老年人口<高齢者人口>÷ 総人口 × 100)は、1950年の5.1%から、2015年には8.3%に上昇しています。さらに、2060年になると18.1%にまで上昇することが見込まれており、先述のように21世紀の後半を迎えると、世界規模の高齢化が急速に進展していくことになるのです。

さらに世界の地域別に高齢化の推計を見てみましょう。1950年における先進地域(ヨーロッパ、北米、日本、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域)の高齢化比率が7.7%に対して、同年の開発途上地域(アフリカ、アジア<日本除く>、中南米、メラネシア、ミクロネシアおよびポリネシアからなる地域)は3.8%でした。

しかし2015年になると、先進地域が17.6%、開発途上地域が6.4%と、それぞれ上昇し、45年後の2060年ともなると、先進地域が27.4%となり、開発途上地域が16.8%と、共に大きくアップする推計となっているのです。

2. 2050年には世界各国が「高齢化社会」に

日本は大国・中国を抜いて、世界No.1の超高齢化社会に

ここからは、各国別に高齢化人口を見ていきましょう。

表2-1は各国の65歳以上人口の実数を表したデータ。表2-2は各国の65歳以上人口の比率を表したデータとなっています。

表2-1:世界主要国における老年人口(65歳以上)の推移 .png
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構 「データブック国際労働比較2017」

まずは、表2-1のデータ上もっとも近い未来である、2020年を基準に見ていきます。65歳以上人口の「実数」のランキングとなると、当然のことかもしれませんが、中国を筆頭とする総人口の多い順となっています。

■「65歳以上人口の実数」のランキング ※2020年

1位 中国:16,961,000人
2位 インド:9,054,000人
3位 アメリカ:5,53,000人
4位 日本:3,655,000人
5位 ドイツ:1,828,000人

■「65歳以上人口の実数」のランキング(アジア) ※2020年

1位 中国:16,961,000人
2位 インド:9,054,000人
3位 日本:3,655,000人
4位 インドネシア:1,591,000人
5位 タイ:1,828,000人

トップ5としてまとめると上記の順位となっていますが、概ね想定内といえると思います。

続いては、表2-2の「65歳以上人口の比率」のランキングを見てみましょう。

表2-2:世界主要国における老年人口(65歳以上)の推移_比率
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構 「データブック国際労働比較2017」

■「65歳以上人口の比率」のランキング ※2020年

1位 日本:28.5%
2位 イタリア:24.0%
3位 ドイツ:22.7%
4位 フランス:20.8%
5位 スウェーデン:20.7%

■「65歳以上人口の比率」のランキング(アジア) ※2020年

1位 日本:28.5%
2位 香港:18.2%
3位 韓国:15.8%
4位 シンガポール:15.1%
5位 タイ:13.0%

2020年の時点で、日本は大国・中国を抜いて、世界No.1の高齢化比率を誇っている(?)ことが分かります。

解説の前に、ここでWHO(世界保健機構)と国連による、高齢化についての定義を紹介しておきましょう。

・65歳以上人口の割合が7%超で「高齢化社会」
・65歳以上人口の割合が14%超で「高齢社会」
・65歳以上人口の割合が21%超で「超高齢社会」

※ 高齢化率 = 老年人口(高齢者人口)÷ 総人口 × 100


この定義によると、2020年の時点で「超高齢化社会」へ突入するのは、日本、イタリア、ドイツの3国。さらに「高齢社会」となると、マレーシア、インドネシア、フィリピン、インド、ベトナム以外のすべての国々(※今回のデータ限定)となってしまいます。

さらに2050年に目を向けてみましょう。

■2050年に超高齢化社会となる国:

日本(36.3%)・イタリア(35.1%)韓国(35.1%)・香港(34.5%)・シンガポール(33.9%)・ドイツ(32.3%)・タイ(30.1%)・中国(27.6%)・カナダ(26.4%)・フランス(26.3%)・イギリス(24.7%)・ニュージーランド(24.1%)・スウェーデン(23.8%)・ブラジル(22.8%)・オーストラリア(22.5%)・アメリカ(22.5%)・ベトナム(21.0%)

■2050年に高齢社会となる国:

ロシア(20.9%)・マレーシア(16.8%)

■2050年に高齢化社会となる国:

インドネシア(14.0%)・マレーシア(16.8%)・フィリピン(9.7%)

…と、今回のデータ上のすべての国々が「高齢化社会」の定義に含まれるという結果となりました。

3. 高齢化は21世紀における世界的なトレンド

日本は世界の最先端を走る「高齢化」の先進国

改めてここまでのお話を整理してみましょう。

●世界では高齢化が加速している

●すでに日本は「超高齢社会」ランキングの世界No.1であり、今後もトップをキープし続ける

●将来的には開発途上地域と呼ばれるアジアの国々も軒並み高齢化社会に突入する


これらをまとめると…

高齢化とは中国などのアジア諸国も含む21世紀における世界的なトレンドであり、その最先端を走っているのが日本である。

ということになります。確かに、超高齢化社会を要因とする、医療や介護や年金などの破綻による「2025年問題」と呼ばれるような、数々の深刻な事態も懸念されています。しかし物事には常に二面性があり、視点を変えれば、これはチャンスでもあるのです。

なぜなら社会に存在する問題の中には必ずビジネスチャンスが存在するからです。

次項では、そんな高齢者市場を対象とした「世界の高齢者(シニア)ビジネス」について解説します。

4. 多様な日本の「高齢者(シニア)ビジネス」

ひとくちに「高齢者(シニア)ビジネス」と言っても、その領域は多岐に渡ります。そもそも高齢者というくくりはあくまで年齢上のセグメントであり、それこそ健康でアクティブな高齢者もいれば、深刻な医療や介護を必要としている高齢者はもちろん、経済的な問題を抱えている高齢者も存在します。

それらの多様性のあるライフスタイルを考慮した上で、「高齢者(シニア)ビジネス」を大きく分けると、「1. 住宅分野」「2. 娯楽・サービス分野」「3.飲食分野」の3つになります。順を追って見ていきましょう。

1. 住宅分野

高齢者(シニア)ビジネスにおける住宅分野とは、有料老人ホームや養護老人ホームなどの介護施設となります。その種類も幅広く、要介護度が低い順に「健康型」「住宅型」「介護型」に分類されています。



2. サービス分野

サービス分野では家事代行サービスや訪問医療マッサージが代表的です。また、高齢者ならではの多様なニーズを反映して、外出支援サービスや介護旅行にも注目が集まっています。さらに遺品整理や終活と呼ばれる新しいビジネスも生まれています。



3. 飲食・フード分野

高齢者を対象とした飲食・フード分野では「配食サービス」に大きな需要があります。高齢者のみの単身世帯の増加と比例して、その食に関する不安も増加していきます。そのような中で栄養バランスを考慮したお弁当の宅配サービスなどが求められています。

5. 海外進出を見据えた新たな「高齢者(シニア)ビジネス」の可能性

アジアを中心に世界に進出する日本の「高齢者(シニア)ビジネス」

前項を踏まえて誤解を恐れずに言えば、これらの「高齢者(シニア)ビジネス」が世界でもっとも発展している国のひとつが日本なのです。

事実、官民に関わらず、世界中から日本の高齢化問題が注目されています。国連が声明を出しているように、今後の世界的な高齢化は人類史上例のない、前人未踏の未来の領域なのです。

例えば、公的な年金や医療補助といった高齢者福祉制度の整備は各国が抱えている課題でもあります。それらの制度の構築と実行には膨大な資金が必要であり、特に途上国にとっては大きな負担にもなり得ます。

そのような状況の中、世界に先がけて高齢化社会に突入する日本が、それらの諸問題をいかに解決していくのか、その動向に各国が注目するのはいわば当然でもあり、すでに日本の「高齢者ビジネス事業」の海外進出は始まっているのです。

例えば、日本政府は、カンボジア国内にカンボジア人看護師向けの新たな訓練センターをオープンさせることを発表しています。

■【日本人の介護を見据えた(?)「カンボジア看護師訓練センター」が4月にオープン】「DIGIMA NEWS」より

また、高齢化の波が忍び寄りつつあるミャンマー注目した日本の介護企業が、将来の同国における介護市場の獲得を目的とした進出事例も報告されています。

■【ミャンマーで日本の介護サービス需要が高まる】「DIGIMA NEWS」より

さらに中国では、認知症の高齢者に特化した住居型介護サービス事業が北京市内で始まっています。

■【ニチイ学館、中国で認知症の高齢者介護事業を開始】「DIGIMA NEWS」より

日本は世界の「高齢化先進国」

このように国内ではややネガティブな響きのある「高齢化」というワードですが、それをグローバルな視点でとらえ直すことで、そこに新しい価値観を見いだすことが可能になるのです。

高齢化に関して日本は世界の「先進国」です。つまり、ここ日本で需要がある「高齢者(シニア)ビジネス」のショーケースは、日本よりも後に高齢化が進んでいく、中国を始めとするアジア諸国でも横展開が可能な、「海外進出の新たなビジネスモデル」と言えます。

「グローバル市場で成功する日本企業を10,000社作る」というミッションを持つ、海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima~出島~」には、毎月200件以上の海外進出相談が寄せられています。海外進出に関することでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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