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訪日外国人のレンタカー対応ガイド|免許確認・事故防止・多言語案内で選ばれる事業者になる

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訪日外国人へのレンタカー貸し出しを担う事業者・自治体向けに、2026年時点の事故の傾向と国の対策、道路交通法107条の2に基づく国際運転免許証・外国運転免許証の確認手順、貸し出し時の多言語案内、事故時の対応、予約や受け渡しの工夫を一次資料で解説します。

空港から観光地へ自由に巡れるレンタカーは、訪日外国人にとって身近な移動手段になりました。一方で、国際免許または外国免許を持つ外国人運転者によるレンタカーの交通事故は、2020年の47件から2025年には212件へ増えています(出典:国土交通省・観光庁 報道発表資料 2026年7月17日、以下「2026年7月の報道発表」)。
増加は訪日客の回復に伴うものですが、右折時など事故の型には、左側通行や標識など母国と異なる交通ルールへの不慣れが表れています。だからこそ、免許を正しく確かめ、わかりやすく案内できる事業者は安心して選ばれます。本記事では、レンタカー会社・カーシェア事業者や自治体の交通・観光担当の方に向けて、免許確認から事故時の対応、集客までの実務を一次資料に沿って整理します。

この記事でわかること

  • ・訪日客のレンタカー事故の傾向と、2026年の国の対策
  • ・日本で運転できる免許の種類と、貸し出し前の確認手順
  • ・貸し出し時の多言語案内と、事故・故障時の対応の備え
  • ・予約から返却まで、訪日客に選ばれるための工夫

1. 訪日客のレンタカー利用の現状

利用が増える背景と、事故の傾向(右折時・左側通行)

訪日客のレンタカー利用は空港を起点に広がっています。国土交通省(国交省)の「令和6年度 国際航空旅客動態調査」を基にした集計では、出国空港までの最後の移動にレンタカーを使った外国人旅客は那覇空港が329,642人で最多、福岡空港240,550人が続きます。那覇・福岡・新千歳では、出国した外国人旅客の8割以上が右側通行の国・地域から来た人でした(出典:2026年7月の報道発表)。
事故の特徴は交差点での右折です。2019〜2023年の合計で、外国人レンタカー運転者の事故は、日本人運転者と比べて右折時事故の割合が約2.7倍高くなっています(出典:同上。交通事故総合分析センター〈イタルダ〉のデータを基に作成)。右側通行の国では右折が小回りにならないため、日本では右折後に対向車線へ入ってしまうおそれがあります。

国の動き(国交省の事故対策・レンタカー協会の取り組み)

国交省は2017年9月から、ETC2.0(道路と車が通信するETCの発展版)の急ブレーキデータなどで事故の起きやすい箇所を特定し、注意喚起の看板を置く「ピンポイント対策」の社会実験を進めてきました。一定の効果を確認したとして、2026年7月に本格展開を発表しています。
先行実施は新千歳・福岡・那覇の各空港周辺です。右折の通り道を示すカラー舗装や、対向車線への誤進入を防ぐラバーポールを設け、レンタカー事業者が集まる地域では運転開始直後に左側通行を促す看板を置きます。2026年度中をめどに順次整備されます。観光庁も利用実態の調査を行います(出典:2026年7月の報道発表)。
業界では、全国レンタカー協会が免許の確認方法を示した小冊子「日本国内で運転が認められる国際・外国運転免許証の確認ポイント」(以下「確認ポイント」、2025年7月版)を作り、会員事業者が使っています。訪日客向けの安全運転啓発動画も日本語を含む5言語で無償提供しています。

2. 貸し出し前の免許確認

日本で運転できる免許の種類(ジュネーブ条約の国際免許/日本語翻訳文が必要な国・地域)

日本の免許証以外で運転できるのは、次の2つです(道路交通法第107条の2)。
1つ目は、1949年のジュネーブ条約に基づく国際運転免許証です。パリ条約・ワシントン条約・ウィーン条約に基づく様式では運転できず、締約国でもジュネーブ様式を発給していない国があります(出典:警視庁、確認ポイント)。警察庁は主な非加盟国として中国、ベトナム、ブラジル、インドネシアを挙げています(出典:警察庁「日本で自動車等を運転するための方法」)。国ごとの最新の扱いは、警視庁「ジュネーブ条約締約国等に関する情報」(2026年7月更新)で確かめましょう。
2つ目は、スイス連邦、ドイツ連邦共和国、フランス共和国、ベルギー王国、モナコ公国及び台湾の免許証に、決められた者が作成した日本語翻訳文を添えたものです。作成者は発給した行政庁や在日大使館・領事館、国家公安委員会が指定した法人(JAFなど)などに限られ、外国の法定翻訳家の翻訳は認められません(出典:警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」)。

免許の種類 主な条件 運転できる期間
国際運転免許証 ジュネーブ条約の様式 上陸から1年と有効期間(発給から1年)の短い方
外国運転免許証+翻訳文 5か国・1地域に限る 上陸から1年と有効期間の短い方
上記以外 運転できない 日本の免許が必要

確認のポイント(有効期限・上陸日から1年・3か月ルール・偽造への注意)

パスポートで本人と上陸日を確かめてから免許証を見る順が基本です。確認ポイントは国際運転免許証について、大きさ(縦148mm×横105mm)、発給国、「CONVENTION ON ROAD TRAFFIC OF 19 SEPTEMBER 1949」の記載、発給から1年以内か、顔写真、車の区分のスタンプを確かめるよう示しています。自動化ゲートで入国し証印がない場合は、航空券の半券なども使えるとしています。
日本に住む外国人にも注意が必要です。住民基本台帳に記録されている人が出国から3か月未満で戻った場合、その上陸日は起算日になりません。警察庁は、この場合に前回の上陸から1年を過ぎていれば、有効な国際運転免許証があっても無免許運転になると説明しています(出典:警察庁「Q&A」)。
様式に不自然な点がある、翻訳文の作成者が判断できないといった場合は無理に貸し出さず、運転免許センターに問い合わせましょう。

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3. 安全に乗ってもらうための案内

貸し出し時の説明(左側通行・標識・ETC・給油・駐車)と多言語の資料

総務省中部管区行政評価局が2019年10〜11月に中部国際空港でレンタカーを借りる訪日外国人等117人に行った、中部地域の調査では、「一時停止」標識の正答率は29.9%、「駐車禁止」は35.0%でした。29.9%はレギュラーガソリンのノズルの色(赤)を軽油の色(緑)と答えています。同局は2020年2月、ガイドブックなどで交通ルールを十分に説明するよう事業者に周知することを、中部運輸局に通知しました(出典:総務省中部管区行政評価局「レンタカー事業に関する行政評価・監視」)。
説明では、左側通行と右折時の注意、「止まれ」での一時停止、ETC(自動料金収受システム)カードの有無と専用レーン、燃料の種類、駐車禁止と違反時の手続きを短く伝えましょう。同調査では、予約者への事前の資料送付や、道路標識の多言語掲示といった工夫も紹介されています。

事故・故障が起きたときの対応(連絡の流れ・保険・補償の説明)

道路交通法第72条は、事故の際に運転者が直ちに運転を止め、負傷者を救護し、危険を防ぎ、警察官に報告するよう定めています。小さな物損でも報告が必要だと伝えておきましょう。
国交省自動車局長の通達では、借受人に渡す貸渡証に、事故や故障時の処置方法と連絡先を書くことになっています。レンタカー型のカーシェアは貸渡証の交付対象外のため、アプリや車内表示で同じ内容を示しましょう。「救護・110番(救急は119番)→警察に報告→営業所に連絡」の流れを多言語カードにして車内に置くと安心です。JNTO(日本政府観光局)の「Japan Visitor Hotline」(050-3816-2787、24時間・英中韓)も案内できます。
同じ通達は、対人8,000万円以上・対物200万円以上などの保険加入を求めています。また、借受人の損害賠償と営業補償(NOC:事故で車が使えない間の休業補償)の責任、保険・補償の内容、事故・盗難時や違法駐車・返却遅れの際の措置を貸し出し前に明示するよう努めることを、事業者に指導するとしています。補償の中身は各社の約款で異なるため、自社の約款を多言語で示しましょう。

4. 訪日客に選ばれるための集客

予約の経路(自社サイト・予約比較サイト・旅行会社)と多言語・海外カード決済

予約の経路は、主に自社サイト、複数社を比べられる予約比較サイト、旅行会社の3つです。比較サイトや旅行会社は海外への露出を広げやすい一方、手数料がかかります。
大切なのは、来店してから「この免許では貸せない」とならないようにすることです。必要な書類と対象の国・地域を予約画面で多言語で示しましょう。予約フォームで免許の発給国・免許の種類・日本への上陸予定日の3項目を聞いておくと、受付時の確認がスムーズです。事前の質問には「多言語チャットボット」も役立ちます。
支払いは海外発行のクレジットカードに対応し、事前決済にすると窓口の手間が減ります。選び方は「訪日外国人の決済対応ガイド」をご覧ください。

口コミ・受け取りの利便性(空港での受け渡し・ワンウェイ・返却時の案内)

空港でレンタカーを使う訪日客は多く、受け渡しの便利さは選ばれる理由になります。到着ロビーから送迎の乗り場までを、写真付きの多言語で案内しましょう。
別の営業所で返せるワンウェイ(乗り捨て)も周遊客には魅力です。
返却時は、燃料を満タンにして返すか、返却の締め切り、駐車違反があった場合の手続きを、貸し出し時と同じ言語で改めて伝えるとトラブルを防げます。丁寧な説明は口コミに表れやすい部分です。返却時に投稿をお願いするカードを渡すのも効果的で、進め方は「訪日外国人の口コミを増やす方法」が参考になります。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. どの国の国際運転免許証でも日本で運転できますか?

いいえ。ジュネーブ条約の様式に限られ、ウィーン条約などの様式では運転できません。国ごとの最新の状況は警視庁の締約国一覧で確かめましょう。

Q2. 国際運転免許証を持たない国の旅行者には貸し出せますか?

スイス・ドイツ・フランス・ベルギー・モナコ・台湾の免許証は、決められた者の日本語翻訳文があれば運転できます。それ以外の免許証だけでは運転できません。

Q3. 日本に住む外国人が国際運転免許証を持ってきた場合の注意点は?

出国から3か月未満で戻っても、その上陸日は起算日になりません。前回の上陸から1年を過ぎていれば運転できないため、パスポートで出入国の日付を確かめましょう。

Q4. 訪日客が事故を起こしたら、まず何をしてもらえばよいですか?

運転を止めて負傷者を救護し、危険を防いだうえで警察に報告してもらいます(道路交通法第72条)。その後、貸渡証(カーシェアはアプリなど)の連絡先から事業者へ連絡してもらいましょう。

6. まとめ

訪日外国人のレンタカー事故は増えており、国も2026年度中をめどに、空港周辺で対策を順次整備します。事業者にできるのは、パスポートと免許を決まった手順で確かめること、交通ルールや事故時の連絡を多言語で伝えること、補償の内容を貸し出し前に示すことです。
予約時から必要な書類を伝え、受け渡しから返却まで迷わない仕組みを整えましょう。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。

訪日客向けのレンタカー対応は、多言語の資料づくりや予約サイト、決済、海外への発信までが一続きです。インバウンド対応に実績のある企業に相談すれば、自社や地域に合った進め方を描けます。
無料でご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

参考文献

・国土交通省・観光庁「訪日外国人レンタカーの交通安全対策を空港周辺地域で本格展開します」(2026年7月)
 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002012334.pdf
・警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」
 https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/have_DL_issed_another_country.html
・警察庁「Q&A」
 https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/QA.html
・警察庁「日本で自動車等を運転するための方法」
 https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/driving_pattern_v4.pdf
・警視庁「外国で取得した国際運転免許証で日本国内を運転するには」
 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/kokugai/kokusaimenkyo.html
・道路交通法(e-Gov法令検索)
 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
・国土交通省自動車局長通達「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」(2022年5月一部改正)
 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001485360.pdf
・総務省中部管区行政評価局「レンタカー事業に関する行政評価・監視」(2020年2月)
 https://www.soumu.go.jp/main_content/000668960.pdf
・全国レンタカー協会「日本国内で運転が認められる国際・外国運転免許証の確認ポイント」(2025年7月版、広島県レンタカー協会サイト掲載)
 https://www.hiro-ren.jp/images/mct_pdf_international_drivers_license.pdf
・警視庁「ジュネーブ条約締約国等に関する情報」(2026年7月更新)
 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/kokugai/kokugai04.html
・全国レンタカー協会「訪日外国人向けのレンタカー安全運転啓発動画」
 https://www.rentacar.or.jp/?p=6081
・JNTO「Japan Visitor Hotline」
 https://www.japan.travel/en/plan/hotline/

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