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地政学とは-日本企業が懸念すべき世界の地政学リスク【2022年版】

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地政学とはなにか? 日本企業が懸念すべき世界の地政学リスクとはなにか? …というテーマでわかりやすく解説します。

地政学とは、地理学と政治学を合わせた用語で、国の地理的な条件をもとに、政治的、社会的、軍事的な影響を研究する学問における研究分野を意味します。

そして、地政学リスクとは、地政学におけるリスクを指し、地理的な位置関係によって、ある特定の地域が、政治的・社会的・軍事的な緊張が高まるリスクを指します。

ロシアがウクライナへ侵攻し、北朝鮮は度重なるミサイル発射を繰り返し、中東においても安全なイメージが強いUAE(アラブ首長国連邦)には反政府勢力からのミサイルが着弾するなど、2022年の世界情勢は混乱の兆しを見せています。

それによって海外進出企業が影響を受ける恐れのある地政学リスクも多様化し、日々変化を続けているのです。

海外進出を検討している日本企業は、地政学リスクを始め、各種のリスクに関する情報とその入手方法、およびその対策のアップデートを、常日頃から意識する必要があるのです。

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1. 地政学とは? 地政学リスクとは?

地政学リスク=地理的な位置関係によって、政治的・社会的・軍事的な緊張が高まるリスク

地政学とは、地理学と政治学を合わせた用語で、国の地理的な条件をもとに、政治的、社会的、軍事的な影響を研究する学問における研究分野を指します。

そして、地政学リスクとは、地政学におけるリスクを指し、地理的な位置関係によって、ある特定の地域が、政治的・社会的・軍事的な緊張が高まるリスクを意味します。

具体的には、紛争やテロによって、石油の原油価格などが上昇したり、各国の経済の見通しが不透明になってしまうことなどです。

そもそも地政学リスクに厳格な定義はありませんが、本文では、【海外事業に携わる日本企業が懸念すべき2つの地政学リスク】として、以下を定義を掲げます。

① 輸出入制限や関税引き上げなど、進出先での経営状況を含め、会社全体の利益に悪影響及ぼす可能性のあるリスク

② 国家間紛争やクーデター、テロや抗議デモなど、現地に滞在する駐在員や出張者(その帯同家族を含む)の仕事や私生活に影響を及ぼす可能性のあるリスク

の2つとなります。

企業における立場や役割別に考えると…

①は経営層が懸念するリスク
②は実際に派遣される社員などが懸念するリスク

…と言えるでしょう。

海外進出企業が直面するリスクとは?

また海外で経済活動を展開する企業が直面するリスクには…

・雇用リスク
・法務リスク
・生活リスク
・医療リスク
・情報システムリスク


…など多岐に渡り、今回のテーマである地政学リスクもそのひとつになります。

しかし、今回のウクライナ危機からもわかるように、地政学リスクとは、瞬時もしくは短いスパンの中でリスクが一気に爆発するリスクです。

その結果、経済活動の根底にある国家の安定や社会基盤そのものを不安定化、最悪の場合は破壊し、それによって他のリスクを悪化させる危険性があります。

近年、海外進出をする世界の各企業の間でも、地政学リスクに対して深い関心や懸念が広がっているのです。

2. 地政学リスクの種類

地政学リスクは、国家間紛争、テロ、クーデター、抗議デモなどに分類できる

ここからは地政学リスクをさらに分解して見ていきましょう。

当然ながら地政学リスクにも各種のタイプ別に分類することができます。

具体的には、国家間紛争、テロ、クーデター、抗議デモなどに分類できます

まず、最近の国際問題で例示すれば、ウクライナ危機や北朝鮮のミサイル発射は国家間紛争に、UAEへのミサイル発射やイスラム国などはテロに分類できます。

海外進出企業は各種のリスクに関する対策のアップデートをする必要がある

しかし先述した、国家間紛争とテロは、同じ地政学リスクに分類される2つのリスクですが、〝予見可能性〟という部分では大きく異なります。

まず国家間紛争ですが、テロとは違って、事前に対立国同士からさまざまな政治メッセージが発信されます。さらにそれを各国メディアが毎日のように報道します。

したがって、現地に事業展開する日本企業としても、国家間紛争に関しては、事前に情報を収集、分析、共有し、それに基づいて退避など危機管理対策を講じることができるのです。

しかしテロの場合、しかもそれが大規模テロだと、それが発生することによって、国際空港や主要駅などが閉鎖され、さらに非常事態制限が発令されると外出も困難になります。仮にサイバーテロが発生すると、インターネットが遮断されたり、銀行のATMからお金が下ろせなくなるなど、社会インフラが麻痺することもあります。

国家間紛争と比較した場合、テロやクーデターは予見することが非常に困難

さらに今回のウクライナ危機は国家間紛争に分類することができますが、各専門家によってロシアが実際に侵攻するか否かの意見が分かれいたことから、国家間紛争であっても、プロでさえその前兆を把握することは難しいケースもあるのです。

また、情報機関やテロ専門家などの世界では、事前にテロ情勢を懸念するレポートやインテリジェンスが共有されることもありますが、それが日本の外務省や現地大使館から発信されることも多くはなく、海外進出企業が事前に情報を入手することはなかなか困難なのが現状です。

テロによって国外退避が問題になることはそうありませんが、2021年に勃発したミャンマーのクーデーターのように、クーデターの発生によって一気に国内の政治状況や治安が悪化することもあります。

また先述したように、国家間紛争と比較した場合、テロやクーデターはさらに予見することが非常に困難です。

2022年に入ってからのカザフスタン全土での反政府デモはその一例であり、国家間紛争よりも、急激にリスクが肥大化する危険性をはらんでいます。

したがって、事前の情報収集が困難であるという前提にもとづき、いかにして正確な情報を入手できるかが、海外進出をする日本企業にとって今後の課題と言えるでしょう。

海外進出をする日本企業にとって、地政学リスクを始め、各種のリスクに関する情報とその入手方法、およびその対策のアップデートを常日頃から意識することが、今後さらに重要となります。

以降からは、具体的な例を挙げて、近年の大きな地政学リスクについて解説していきます。

3. ロシアがウクライナへ侵攻

中国はロシアのウクライナ侵攻に対して直接的な批判はせず

2022年2月24日、ロシア軍がウクライナへ侵攻を開始しました。

ロシアがウクライナへ〝特別な軍事作戦〟を実施したことに対して、25日の記者会見にて、中国外務省の汪文斌報道官は、「安全保障に関するロシアの正当な懸念を理解している」と語り、ロシアへ直接的な批判をせず、「侵攻」という表現もしませんでした。

すでに中国の習近平国家主席は2月上旬の時点で、ウクライナ危機が緊迫化するなかで、北京でロシアのプーチン大統領と会談。アメリカや西欧諸国で構成される北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に反対することで一致していました。

ロシアがウクライナへ軍事侵攻するまでは中国はロシア寄りの姿勢を鮮明にしていましたが、実際にウクライナ戦争が始まると状況は変化しました。

ロシアの国際社会での孤立化が深まっていき、〝プーチンリスク〟に直面した中国は、今後、ロシアおよびプーチン政権との協力を改めて見直す必要性に迫られています。

安全保障専門家の中では、今回のロシアのウクライナ侵攻に対して、仮にバイデン政権が十分な役割を内外に示せなければ、台湾情勢や南シナ海での海洋覇権などで、中国が一層強硬な行動を取ってくる可能性も否定できません。

いずれにせよ、米中露の大国間を巡る対立が今後一層激しくなる可能性は否めません。

4. 日本の石油を脅かす中東の軍事リスク

なぜUAEが軍事攻撃を受けるのか? そもそもイエメン内戦とはなにか?

日本は石油の9割を中東に依存していますが、アラブ首長国連邦(以下UAE)へのイエメンの親イラン武装組織フーシ派による軍事攻撃が大きな問題になっています。

なぜUAEへの軍事攻撃が起こっているのか? それを理解するには、2015年2月から続いているイエメン内戦の泥沼化があります。

そもそもイエメンでは、アラブの春の影響で、それまでの長期独裁政権が崩壊、その後を継いだサウジアラビアやUAEを後ろ盾にしたハディ政権と、シーア派大国イランの支援を受ける反政府勢力のフーシ派による内戦となりました。

これがイエメン内戦です。

さらにイランの支持を受けるフーシ派が首都を制圧すると、UAEやサウジアラビアなどが軍事介入して、イエメン内戦は泥沼化したのです。

イエメン内戦が泥沼化した要因は…?

改めてイエメン内戦の泥沼化を整理すると…UAEとサウジアラビアがイエメンの暫定政府軍を軍事支援し、中東地域のシーア派大国イランが、イエメンの武装勢力フーシを支援して、内戦を複雑化させた…という構図になります。

イエメンを拠点とする親イラン武装勢力フーシ派の報道官は2月3日までに、今年3月末まで開催のドバイ国際博覧会をミサイルなどで狙うとする声明を出しました。

フーシ派は今年になってUAE領内へのミサイルやドローンによる攻撃をエスカレートさせています。2022年1月には首都アブダビの国際空港付近にミサイルやドローンが着弾して火災となり、3人が犠牲となりました。

フーシ派はUAEにある外国企業に対して撤退するよう呼び掛けるなど緊張が続いており、今後も同様の攻撃が継続される可能性が高い状況です。

またUAEはイスラエルと安全保障協力を深めていますが、イスラエルと対立するイランを支持する武装勢力はフーシ派だけでなく、イラクやバーレーンなどにも存在しており、それら武装勢力がUAEに対して今後どのような行動を取るかも危惧されます。

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5. ミサイル発射を繰り返す北朝鮮

アメリカの抑止がなくなったら北朝鮮は…?

日本の近隣でも安全保障上の脅威が続いています。

国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の下部組織である専門家パネルは、2022年2月、北朝鮮が2021年中も核やミサイルの開発を続けており、そのための材料や技術などを海外に求めている旨を記載した年次報告書を発表しました。

北朝鮮は2022年に入ってから依然としてミサイル発射を繰り返していますが、その背景にはバイデン政権の発足から1年が経過しても、アメリカとの間で1年間の間、両国間の交渉が交わされるといった進展が何もないことが挙げられます。

以前よりバイデン政権は対ロシアのウクライナ問題に集中しており、ロシアがウクライナへ侵攻してしまった現在、対ロシアで抑止的な役割を示せなければ、北朝鮮がさらにエスカレートな行動を取ってくる可能性が高まっています。

6. 脱・世界の警察を宣言したアメリカ亡き世界の地政学リスクは…?

イスラム過激派勢力が自由に活動できる政治的空白地帯が世界で拡大

2022年2月、バイデン大統領は、シリア北西部イドリブ県で実施した掃討作戦の結果、イスラム過激組織イスラム国の最高指導者アブイブラヒム・ハシミ・クラシの死亡を発表しました。

しかし、すぐに後継者がイスラム国系メディアで発表され、アジアやアフリカ、中東などではイスラム国の支持組織が依然として活動を継続しており、それによってテロの脅威が弱まるわけではありません。

またアフガニスタンはタリバンが実権を握り、再びテロの温床となる恐れも排除できません。

地政学リスクを専門とする米国のリスクコンサルティング会社「ユーラシアグループ」も2022年始めにこのリスクについて懸念を示しています。

具体的には、アメリカが世界の警察官から撤退を表明し、中国との競争に集中することにより、世界ではイスラム過激派勢力などが自由に活動できる政治的空白地帯が拡大する恐れがあることを指摘しているのです。

6. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

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今回は「地政学リスクの基礎知識」と銘打って、海外進出を検討している日本企業は、地政学リスクを始め、各種のリスクに関する情報とその入手方法、およびその対策のアップデートを、常日頃から意識する必要があることを解説しました。

海外ビジネスの事業計画を立てる際には、ぜひ今回解説したようなグローバルリスクも考慮していただければ幸いです。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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