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日本企業が知るべき「カントリーリスク」の一覧・対策・事例

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カントリーリスクとは、日本企業が投資対象となる国・地域にて海外ビジネスを展開する際に直面する、政治・経済・社会制度・法規制・自然災害・技術革新…といった様々な変化がもたらす影響(リスク)を指します。

具体的には、外国為替レートの変動、政治的不安定要因(例:政府の変更、紛争、テロ活動)、法制度の変更、社会的な不安定要因(例:デモ、ストライキ)、市場制度の問題、文化的な違い、自然災害などが含まれます。

これらの要因が影響を及ぼすと、企業の業績、投資、資産の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、カントリーリスクを適切に評価し、リスクヘッジ策を講じることが、海外ビジネスの成功に向けて重要な要素となります。

1.カントリーリスクとは海外投資における一連のリスク


カントリーリスクとは、日本企業が海外ビジネスを展開する際に直面する、特定国または地域の経済・政治・社会的状況に由来するリスクのことを指します。

具体的には、通貨変動、政治的不安定、法律・規制の変更、腐敗や不正行為の拡大、市場の不確実性、自然災害などが含まれます。

治安や政治が安定しない途上国ほどカントリーリスクは高まる傾向がある

つまり、カントリーリスクとは、海外ビジネスを行う際に通常起きうる商業リスクとは別に、相手国の政治経済・社会環境といった国特有の問題や変化によって起こりうるリスクと言えます。治安や政治が安定しない途上国ほどカントリーリスクは高まる傾向があります

これらの要因は、企業の収益や事業環境に直接的な影響を及ぼす可能性があります。カントリーリスクを適切に評価し、適応策を講じることは、海外ビジネスの成功にとって重要であり、リスク管理や事前のリサーチが不可欠です。

2. 海外ビジネスで考慮すべきカントリーリスクの3つのポイント


近年世界を取り巻く世界情勢は大きく変化しています。

先述のように、海外ビジネスを実施または検討している日本企業にとってのカントリーリスクとは「海外ビジネスにおける国特有のリスク」のことですが、海外ビジネスにおけるカントリーリスクのポイントは以下の3つとなります。


考慮すべきポイント① 投資対象とする国の政治経済や治安などが不安定であり、ビジネス的にリスクが高くないか?

ビジネス対象国が政治的に不安定である場合、政策変更や不正規な取引制限が起こる恐れがあります。また、経済的な不安定性や治安の問題が事業に悪影響を及ぼす可能性もあります。


考慮すべきポイント② (金融商品の売買時などに)途上国への投資がハイリスクハイリターンか?

途上国への投資は潜在的な高いリターンが期待できる一方で、リスクも高い傾向にあります。経済成長のチャンスを追求する際は、リスクを十分に理解し、適切なリスクマネジメントが必要です。


考慮すべきポイント③ 進出国の法律・規制や環境、文化的な違いなどの投資的なリスク全般はどうか?

現地の法律・規制やビジネス環境、文化的な違いなど、投資相手国にはさまざまなリスクが存在します。これらのリスクを適切に評価し、調査・分析を行うことで、成功に近づけるでしょう。リスクマネジメントの戦略を策定してリスクを最小限に抑えることが重要です。

3. カントリーリスクの定義

詳しくは後述しますが、日本を代表する格付け会社R&Iはカントリーリスクの定義を「海外投融資や貿易を行う際、個別事業・取引の相手方がもつリスクとは別に、相手国・地域の政治・社会・経済等の環境変化に起因して、当初見込んでいた収益を損なう、又は予期せず損失が発生する危険」と定めています。

海外投融資や貿易を行う際の相手国に起因する危険=カントリーリスク

そんなカントリーリスクの定義とは「海外投融資や貿易を行う際の相手国に起因する危険」となります。

それを分解すると以下のようになります。

▼ 国際収支の悪化等から外貨不足に陥り、個別事業・取引に関わる元本・配当・利息や代金の国外送金が制限されるか、あるいは不可能となる

▼ 急激なインフレーションや為替相場の変動などで、個別事業・取引に関わる元本・配当・利息や代金の受取金額が大幅に目減りする

▼革命などによる政権交代で、新政権が債務の継承を拒否する。個別事業・取引の相手先の資産に対し、国有化や、国家権力による収容・没収等の危険性が増大する

▼内乱、暴動、外国の侵略、戦争等により、現地における個別事業・取引の遂行に支障を来たす

▼国際関係、国際情勢の変化により、個別事業・取引の円滑な推進・遂行が困難になる

4. 海外ビジネスにおけるカントリーリスクの重要性


近年、企業が抱えるリスクの中でもカントリーリスクは非常に重要な存在となっています。

海外進出や投資など、海外ビジネスには大きなメリットがありますが、その成り立ちも言葉も文化も異なる国とビジネスを行うのは決して簡単ではありません。

カントリーリスクを考慮せずに海外進出や海外投資を実施するのは危険

カントリーリスクを適切に評価せずに海外進出や海外投資を行うと、事業の安定性や収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。カントリーリスクを理解し、適切な対策を講じることは、ビジネスの成功や投資のリターンを最大化するために非常に重要です。

企業や投資家は、リスク評価と管理を十分に行いながら、海外進出や投資の機会を慎重に検討することが求められます。

5. カントリーリスクの要因一覧とその事例

カントリーリスクの重要性がご理解いただいとところで、この項ではカントリーリスクの要因一覧として「4つの要因と事例」について解説します。

カントリーリスクの要因一覧

カントリーリスクの要因は大きく分けて4つに分類できます。「政治リスク」「経済リスク」「社会リスク」「自然リスク」です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

① 政治リスクとその事例

海外ビジネスを展開する際、その国の政治的安定性が重要です。政府の政策変更、政治的な不安定さ、革命、紛争、テロリズムなどの要因が、ビジネスに影響を及ぼす可能性があります。

不安定な政治状況は、企業の運営、資産の保全、契約の実行において不確実性を生じさせる恐れがあります。

政権交代や政策の変更など、政治的な要因から来るリスクの事例としては、ミャンマーの民政化や2014年のタイの軍事クーデター、2018年の北アイルランド国境問題などがあげられます。

② 経済におけるカントリーリスクとその事例

海外ビジネスは、その国の経済状況に大きく依存します。インフレーション、為替レートの変動、経済の景気変動、貿易制限などの要因が、企業の収益やキャッシュフローに影響を与える可能性があります。

経済的なリスクは、企業の収益性や安定性に影響を及ぼし、事業計画の見直しを必要とする場合があります。

国債の債務不履行、急激なインフレ、通貨の下落など、経済的な要因から来るリスクの事例としては、10年を超えるハイパーインフレが続くジンバブエの情勢や、1997年のアジア通貨危機などがあげられます。

③ 社会リスクにおけるカントリーリスクとその事例

異なる文化や社会慣行に対する理解が欠如していると、ビジネスにおいて失敗するリスクが高まります。現地の文化に適応し、消費者のニーズや要求に対応するための適切な戦略を立てることが必要です。

宗教や文化、歴史的な事情によってテロや紛争、不買運動などが起こるリスクの事例としては中国の反日活動による不買運動や、2016年のベルギー連続テロ事件があげられます。

近年、何かと話題になる大気汚染なども社会リスクのひとつでしょう。

④ 自然・環境リスクにおけるカントリーリスクとその事例

地域の自然災害や気候変動による影響は、企業の物流や生産に深刻な影響を与える可能性があります。また、環境規制も国によって異なり、それに対応する必要があります。

日本は地震や津波が多く、自然リスクの高い国と言えます。地震や津波だけでなく、噴火や火災、地盤沈下なども自然リスクの一つです。2011年のタイ大洪水や2018年のノートルダム大聖堂火災などが事例として挙げられます。

6. カントリーリスクへの対策

4つのカントリーリスク分類について理解を深めてきましたが、その対策についても知っておきたいところです。この項ではカントリーリスクの対策について解説します。

対策① カントリーリスクを事前に認識しておく

まずはカントリーリスクを把握することが必要です。相手国におけるさまざまなリスクを認識するためには、OECD(経済協力開発機構)や、日本を代表する格付け会社であるR&Iが発表しているカントリーリスクの格付け情報などを確認するといいでしょう。

カントリーリスクの指標については次項で詳しく解説します。

対策② 貿易保険を活用する

さまざまなリスクを予測したとしても、想定外は起こり得ます。海外取引のリスクをカバーしてくれる貿易保険を活用するのもカントリーリスクへの対策のひとつです。貨物の損害だけをサポートする海上保険とは異なり、貿易保険はカントリーリスクをしっかりサポートしてくれるため、カントリーリスク対策の強い味方です。

日本における貿易保険は全額政府出資の日本貿易保険(NEXI)だけでなく、民間の保険会社が扱うものもあります。

貿易保険については下記のテキストに詳しく書かれています。ぜひご一読ください。

対策③ 為替予約を活用する

貿易保険以外にも、為替予約を活用するリスク対策もあります。

輸出を行う企業にとって、為替変動のリスクは常に起こり得るカントリーリスクです。多くの輸出関連企業が輸出計画を立てる段階で為替予約をし、リスク対策を行っています。

対策④ リスクを分散させておく

カントリーリスクに限らず、リスク分散はリスク管理の基本です。カントリーリスクにおけるリスク分散方法としては海外拠点の分散や移転などがあげられます。近年、中国におけるカントリーリスク(中国リスク、チャイナリスクとも)対策として、東南アジアにも生産拠点を置く企業が増えています。

7. カントリーリスクを判断するための指標

カントリーリスクの対策として、まずはカントリーリスクを事前に認識しておくことが必要であることは前項で述べたとおりです。

では、カントリーリスクの指標にはどのようなものがあるのでしょうか。

指標① カントリーリスクの調査結果

カントリーリスクについての調査はさまざまな各付会社や調査会社が行っており、その調査項目は国の財政状況、国際収支、対外債務などです。

依頼内容やレポートの種類によって調査項目は異なりますが、金融に関する情報だけでなく政治リスクなども考慮され、総合的に格付けが行われます。

指標② 格付会社それぞれのランク付け

■日本貿易保険(NEXI)
日本貿易保険(NEXI)はOECDカントリーリスク専門家会合において決定されるOECDの評価をもとにして国や地域の評価を決めています。「A」から「H」までの8段階となっており、最上位は「A」、最下位は「H」です。

■スタンダード&プアーズ(S&P)
アメリカの大手格付会社であるスタンダード&プアーズ(S&P)では、最上位を「AAA」とし、「AA」「A」…とランクが続きます。S&Pにおいて、格付けの最下位は「D」となっています。

■ムーディーズ
S&Pと肩を並べるアメリカの格付会社ムーディーズでは、最上位を「Aaa」とし、「Aa1」「Aa2」…とランクが続きます。ムーディーズの格付けにおける最下位ランクは「C」です。

8. 日本企業の海外進出国 人気ランキング

「アメリカ」1位で「中国」が2位

最後に「海外ビジネスにおけるカントリーリスクの重要性」の補足情報として、「2022年度・日本企業の海外進出国 人気ランキング」を紹介します。

毎年、海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima~出島~」では1年間の進出相談と海外進出企業ならびに、海外進出支援企業を対象に実施したアンケートをもとに「海外進出白書」を作成しています。

下記グラフは、2022年4月〜2023年3月に、『Digima〜出島〜』へ寄せられた海外ビジネス相談の約4,000件を、国別に分けて集計した『2022年度 進出先の国・人気ランキング』と『過去10年間の進出先国ランキングの推移』となっています。

hakusho_2022-2023_ranking..png

2022年度の進出先国ランキングは、昨年度に続き「アメリカ」が首位を獲得。その割合も、昨年同様2位だった「中国」との差を広げ、アメリカ進出へのニーズの高まりを感じさせる結果となりました。

また、新型コロナ感染症の影響で順位を落としていた「ベトナム」へのニーズが回復を見せ、3番手に返り咲いています。その他、「シンガポール」「フィリピン」と続き、ASEANへのニーズが高まっていることが伺えます。

一方、昨年急激に順位を上げた「台湾」「ヨーロッパ」は落ち着きを見せた結果となりました。その他、TOP10には「マレーシア」「タイ」「インドネシア」がランクインし、ASEAN各国への進出ニーズが戻ってきたと言えるでしょう。というのも、2020年度、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ASEANへの進出相談の割合は各国合わせて50%程度から40%程度へと減少しました。

そして、昨年2021年度は好調だったベトナムが伸び悩んだこともあり、その割合は30%程度と更に減少へと転じていました。

しかし、2022年度はASEAN各国の合計が40%程度に回復を見せる結果となりました。また、全体的に相談件数は増加しており、円安の影響からか海外需要を獲得しようとする企業は増加傾向にあるようです。

上記の内容をさらに深掘りした日本企業の海外進出動向を「海外進出白書」にて解説しています。

『海外進出白書(2022-2023年版)』には、日本企業の海外進出動向の情報以外にも、「海外進出企業の実態アンケート調査」「海外ビジネスの専門家の意識調査」など、全117Pに渡って、日本企業の海外進出に関する最新情報が掲載されています。

下記のバナーより海外進出白書(※PDFデータ(A4サイズ)/全117Pの大ボリューム!)」無料ダウンロードが可能です。

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9. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

カントリーリスクを知り、正しい対策を実施することが重要

今回は、カントリーリスクの基礎知識について解説しました。カントリーリスクとはどのようなものか、また、カントリーリスクの重要性と対策の必要性がおわかりいただけたでしょうか。

言葉や文化、商慣習が異なる国と取引を行うわけですから、カントリーリスクは海外ビジネスにおいて避けて通れないリスクだと言えます。

ですが、調査会社や貿易保険を利用することでそのリスクを大幅に低減させることができます。カントリーリスクを必要以上に恐れず、相手国への理解を深め、適切な対策を実施することによって海外ビジネスを成功に導いていきましょう。

海外進出にはカントリーリスクをはじめ、対象国のことをよく知ることが重要ですが、何から始めたらいいのかわからない、相談したいが誰に相談したらいいかわからないといったお悩みは多いようです。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した、様々な支援を行う優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。

「進出先のカントリーリスクを調査したい」「進出を検討している地域・都市を対象とした市場調査に興味がある」「海外進出に関する戦略を立案したい」「通関や輸出入許可の申請をサポートしてほしい」……といった海外ビジネスにおける様々なご質問・ご相談を承っています。

ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、貴社にピッタリの海外進出サポートサポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。



(参照文献)
・「カントリーリスクの定義」株式会社格付投資情報センター(R&I)

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