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ハラール認証だけでは売れない?商品設計・OEM活用・販路開拓の実務戦略

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ハラール認証を取得すれば、イスラム圏の市場で商品が売れるようになる。そう考えている日本企業は少なくありません。しかし現実には、認証を取得したものの販路が見つからない、商品が現地の消費者に受け入れられない、といった課題に直面するケースが多く存在します。認証はあくまで市場参入のための「入場券」であり、それだけでビジネスが成立するわけではありません。

本記事では、ハラール認証と商品設計・製造体制・販路開拓の関係性を整理し、特にOEM(受託製造)を活用した認証取得の合理性と、認証取得後に見据えるべき販売戦略について解説します。認証取得を「ゴール」ではなく「スタートライン」と捉え、海外展開の初期設計段階から検討すべきポイントを具体的にお伝えします。

1. 商品設計段階で考慮すべきハラール対応

「後から対応」では間に合わない理由

ハラール認証への対応を商品開発の終盤で検討し始める企業がありますが、これは大きなリスクを伴います。商品がほぼ完成した段階でハラール基準に照らし合わせた結果、主要な原材料や添加物がハラームに該当し、配合の大幅な見直しが必要になるケースがあるためです。たとえば、食品においてはゼラチン(豚由来)、乳化剤(動物性由来の可能性)、香料(アルコール系溶剤を使用)といった成分がハラール基準に抵触することがあります。化粧品でも同様に、コラーゲンやグリセリンの由来がハラール適合かどうかが問われます。こうした原材料の変更は、商品の品質や風味に直結するため、単なる「差し替え」では対応できないことがほとんどです。場合によっては、商品の開発をほぼ一からやり直す必要が生じることもあります。結果として、開発スケジュールの大幅な遅延とコストの増大を招くことになります。ハラール対応は、商品企画・設計の最初の段階から要件として織り込むことが、最も効率的かつ合理的なアプローチです。

原材料選定がハラール対応の難易度を決める

ハラール認証の取得難易度は、使用する原材料によって大きく左右されます。すべての原材料がハラール適合であることを証明する必要があるため、原材料の数が多い複雑な配合の商品ほど、取得のハードルが高くなります。逆に、シンプルな配合で、かつハラール適合が明確な原材料を中心に設計された商品であれば、認証取得までのプロセスは比較的スムーズに進みます。原材料の選定においてポイントとなるのは、各原材料についてサプライヤーからハラール証明書を取得できるかどうかです。グローバルに展開している大手原材料メーカーの中には、すでにハラール認証を取得した原材料を供給しているところも多く、こうしたサプライヤーから調達することで証明書類の整備が容易になります。一方、国内の中小サプライヤーの場合、ハラール証明書の発行に対応していないケースも多いため、代替原材料の検討やサプライヤーの変更が必要になることがあります。商品設計の初期段階で原材料のハラール適合性を調査し、証明書類の取得可能性も含めて確認しておくことが、後工程での手戻りを防ぐうえで極めて重要です。

パッケージ・表示設計と現地規制への適合

ハラール認証を前提とした商品設計では、中身の配合だけでなく、商品名、パッケージや表示の設計も初期段階から考慮しておく必要があります。商品名は認証機関のNGワードリストにあったら採用されません。例えば「Hot Dog」という言葉が商品名にあった場合、JAKIMに却下されます。ハラール認証マークの配置スペース、成分表示の言語対応(英語、アラビア語、マレー語など)、輸出先国の表示規制への適合といった要素は、パッケージデザインの根幹に関わります。日本向けのパッケージをそのまま流用して、後からハラールマークと現地語表示を追加するという対応では、デザインのバランスが崩れたり、表示スペースが不足したりする問題が生じがちです。また、イスラム圏の消費者にとって、パッケージに記載された情報は購入判断の重要な要素です。ハラール認証マークが目立つ位置に配置されていることで、消費者の安心感と購買意欲を高める効果が期待できます。輸出先の国ごとに異なる表示規制を事前に調査し、それを織り込んだパッケージ設計を行うことで、認証取得後に迅速に現地市場への投入が可能になります。

2. OEM活用によるハラール認証取得の合理性

なぜOEMのほうがハラール認証を取得しやすいのか

ハラール認証の取得を検討する際、自社工場で製造するか、OEM(受託製造)を活用するかは重要な判断ポイントです。結論からいえば、多くの日本企業にとって、すでにハラール認証を取得している現地OEM工場を活用するほうが、認証取得のハードルは大幅に下がります。その理由は明確です。自社工場でハラール認証を取得しようとする場合、製造ラインの分離や専用設備の導入、工場全体の管理体制の見直しといった大規模な投資が必要になる場合があります。特に日本国内の工場では、豚肉やアルコールを使用する製品と同じラインで製造しているケースが多く、ハラール専用ラインを設けるためには物理的・経済的に大きな負担が生じます。一方、マレーシアやインドネシアなどの現地には、すでにJAKIM認証やBPJPH認証を取得したOEM工場が多数存在しています。これらの工場は、ハラール基準に適合した製造環境がすでに整備されており、原材料の調達ルートもハラール対応済みであることがほとんどです。日本企業は商品の配合設計や品質基準を指定し、認証済みの現地OEM工場に製造を委託することで、自社での大規模投資を回避しながらハラール認証製品を市場に投入することが可能になります。

OEM先の選定基準と確認すべきポイント

OEMを活用する場合、工場の選定は認証取得の成否と製品品質を左右する最も重要な意思決定の一つです。まず確認すべきは、そのOEM工場が取得しているハラール認証の種類と有効期限です。JAKIM認証やBPJPH認証といった政府機関の認証を保有しているか、その認証が有効期限内であるかを必ず確認してください。認証の更新が滞っている工場は避けるべきです。次に重要なのは、品質管理体制です。ハラール認証を保有しているからといって、日本企業が求める海外輸出の品質水準を満たしているとは限りません。GMP(適正製造規範)やHACCP(危害分析重要管理点)といった品質管理の国際基準を取得しているかどうかも確認ポイントになります。また、製造可能な製品カテゴリ、最小ロット数、リードタイム、品質検査体制なども事前に確認しておく必要があります。可能であれば、現地を訪問して工場の実態を自分の目で確認することを強くおすすめします。書類上の情報だけでは把握できない工場の実態や、コミュニケーションの円滑さといった定性的な要素も、長期的なパートナーシップにおいては非常に重要だからです。

OEM活用時の管理体制と品質維持

OEMを活用する場合に注意すべきなのは、製造を外部に委託しても品質管理の責任は委託元である自社にあるという点です。特にハラール認証製品においては、認証の対象はあくまで「製品」であり、工場の認証が自動的に自社製品の認証を保証するわけではありません。OEM工場が認証を保有していても、自社が指定した配合や原材料がハラール基準を満たしていなければ、製品としての認証は取得できません。したがって、OEM先との間で原材料の仕様書や品質基準書を明確に取り交わし、定期的な品質チェックの仕組みを構築することが不可欠です。また、OEM先の認証が更新されなかった場合や、認証基準の変更があった場合のリスクについても、事前に対応方針を決めておく必要があります。現地に駐在スタッフや信頼できるパートナーがいれば、工場とのコミュニケーションを密に保ち、品質問題の早期発見と迅速な対応が可能になります。OEMは「丸投げ」ではなく、パートナーとしての関係構築を前提とした活用が求められます。

3. 認証と販路開拓は別設計であるという視点

認証はスタートラインにすぎない

繰り返しになりますが、ハラール認証の取得は市場参入の「前提条件」であり、「成功条件」ではありません。認証を取得したからといって、自動的にディストリビューターが見つかるわけでも、小売店の棚に商品が並ぶわけでもありません。イスラム圏の市場には、現地企業はもちろん、すでにハラール認証を取得した世界各国のメーカーの製品がひしめいており、競争は激化しています。日本製品の品質の高さは強みになりますが、現地の消費者がそれを知らなければ、棚の中で埋もれてしまうのが現実です。認証取得に多大なコストと時間を投じた結果、「認証は取れたが売り先がない」という状態に陥ることは、最も避けるべきシナリオです。認証取得と販路開拓は、同時並行で進めるべき別々のプロジェクトとして位置づけることが重要です。

価格戦略・流通設計の重要性

ハラール市場での販売を成功させるためには、認証取得とは別に、現地市場に適した価格戦略と流通設計を構築する必要があります。価格設定においては、現地の競合製品の価格帯を調査し、自社製品がどの価格帯で勝負するのかを明確にすることが第一歩です。日本製品は品質面でのプレミアムが認められることが多いですが、現地の消費者が支払い可能な価格帯を超えてしまっては、市場の大半にリーチできません。一方で、安易な値下げは利益を圧迫し、ブランド価値の毀損にもつながります。ターゲットとする顧客層と価格帯を明確にしたうえで、利益を確保できる価格設計を行うことが重要です。流通設計においては、輸出先の国の流通構造を理解することが不可欠です。マレーシアやインドネシアでは、近代的な小売チェーンだけでなく、伝統的な小規模商店(トラディショナルトレード)が依然として大きなシェアを占めています。どのチャネルで販売するかによって、必要な流通体制やマージン構造が大きく異なります。

現地パートナーの活用と市場参入戦略

ハラール市場への参入を成功させるうえで、現地のパートナー企業の存在は極めて重要です。現地のディストリビューターは、小売チェーンとの取引関係、物流ネットワーク、商慣習への理解など、日本企業が独力では構築し難い基盤を持っています。しかし、パートナー選びを誤ると、商品が倉庫に眠ったまま動かないという事態にもなりかねません。パートナーの選定にあたっては、取扱商品カテゴリの親和性、販売ネットワークの規模、日本企業との取引実績などを総合的に評価することが重要です。また、マレーシアやインドネシアでは、展示会(ハラールExpoなど)への出展が新たなパートナーや顧客との接点を作る有効な手段となっています。さらに、近年はEC(電子商取引)チャネルの成長も著しく、Shopeeなどのプラットフォームを活用したオンライン販売からテスト的に市場参入するアプローチも選択肢の一つです。重要なのは、認証取得を目指す段階から販路開拓を並行して進め、認証が取れた時点ですぐに販売を開始できる体制を整えておくことです。認証取得に1年かかるのであれば、その1年間は販路構築のための準備期間でもあるという意識を持つことが、ビジネスの成功確率を大きく高めます。

4. OEM×現地パートナーで実現するハラール市場参入

OEMと販路開拓を一体で設計するメリット

ここまで述べてきたように、ハラール市場への参入には「認証取得」「商品設計」「製造体制」「販路開拓」という複数の要素を同時に設計する必要があります。これらを個別に進めてしまうと、認証は取れたが製造先が決まらない、製造はできるが販路がない、といった断片的な状況に陥りがちです。こうした課題を解決するアプローチの一つが、現地のOEM工場での製造と販路開拓を一体的に設計する方法です。たとえば、マレーシアの認証済みOEM工場で製造し、現地のディストリビューターを通じて東南アジア各国に展開するという一連のサプライチェーンを初期段階から構築することで、認証取得から販売開始までのリードタイムを大幅に短縮できます。現地に拠点を持ち、OEM工場との連携と販路開拓の両方を支援できるパートナー企業と組むことで、こうした一体的な市場参入が実現しやすくなります。

小さく始めて検証する重要性

ハラール市場への参入において、最初から大規模な投資を行うことはリスクが高いといえます。市場の反応は実際に商品を投入してみなければわからない部分が多く、日本で人気のある商品がそのまま現地で受け入れられるとは限りません。味覚の違い、価格感覚の違い、パッケージへの期待値の違いなど、事前の調査だけでは把握しきれない要素が数多く存在します。そのため、まずは小ロットのOEM製造でテスト商品を投入し、現地消費者の反応を検証するというアプローチが有効です。テスト販売の結果を踏まえて、配合の調整、価格の見直し、パッケージデザインの変更といった改善を行い、本格的な量産と販路拡大に進むという段階的なアプローチをとることで、投資リスクを最小限に抑えながら市場のフィットを見極めることができます。こうした検証を効率的に行うためにも、テストマーケティングの知見を持つ現地パートナーの存在は大きな助けとなるでしょう。

まとめ|ハラール認証は経営判断のテーマである

ハラール認証は単なる「手続き」や「ラベル」ではなく、商品設計・製造体制・販路構築に関わる経営テーマです。認証を取得しただけでは商品は売れず、商品設計の段階からハラール基準を織り込むこと、製造体制として認証済みOEM工場を活用すること、そして認証取得と並行して販路を構築することが、ビジネスとして成果を出すために不可欠な要素です。

特にOEMの活用は、自社工場でのハラール対応に伴う大規模投資を回避しながら、迅速にハラール認証製品を市場に投入できる合理的な選択肢です。ただし、OEMは「丸投げ」ではなく、品質管理や認証維持の責任は自社にあることを忘れてはなりません。認証取得を検討する段階から、商品設計・製造・販路・パートナー選定までを見据えた事業計画を策定することが、ハラール市場での成功の出発点です。自社だけでの対応が難しい場合は、現地の制度や市場に精通した専門家やパートナー企業のサポートを活用することも、有効な選択肢の一つです。

食品事業において、販路を開拓するという基本のキは日本もマレーシアも同じです。しかし、現地の商習慣や商流における粗利構成(マージン設定)といった「商売のルール」は大きく異なります。

ここを理解せずに日本式のやり方を押し通そうとして、現地の商流プレイヤーを敵に回してしまい、販売が伸び悩む日系企業を私は数多く見てきました。また、「日本ブランドだから放っておいても売れるだろう」という過信も禁物です。現地の消費者が何を求め、その商品に本当に需要があるのかを冷静に見極めなければ、どれほど立派なハラル認証があっても宝の持ち腐れになってしまいます。

マレーシア市場で成功するために不可欠なのは、以下のステップ。

  • 現地の小売店を徹底的に歩き、売り場のプレイヤーを把握すること

  • 独自の商流構造を理解し、適切なチャネルにアプローチすること

  • そもそもその商品に「勝機」があるのかを客観的に判断すること

私たちのメンバーには、マレーシアの小売店・問屋・メーカーの各層と深く関わり、自ら事業を動かしている『当事者』がいます。だからこそ、マニュアルや教科書には載っていない、商流の裏側にある『生きた現場のルール』を熟知しているのが強みです。

まずはオンライン面談で、御社の商品の可能性についてざっくばらんにお話ししてみませんか? 是非お気軽にお問い合わせください。

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