FOB(本船渡し)とは?意味・価格の計算方法・CIFとの違いをわかりやすく解説
FOB(Free On Board / 本船渡し)とは、国際貿易で使われるインコタームズの条件の一つで、売り手が輸出港の本船に商品を積み込むまでの費用とリスクを負担し、船積み後は買い手が費用とリスクを引き受ける取引条件です。日本語では「本船渡し条件」と呼ばれ、海上輸送を利用した貿易取引において最も広く使われている条件の一つとして知られています。
FOBは特に日本の輸出取引で多く採用されており、財務省の貿易統計においても輸出額はFOB建てで計上されています。FOB価格は「商品が船に積み込まれるまでの全費用を含んだ価格」であり、海上運賃や保険料は含みません。この仕組みを正しく理解することは、国際取引において適切なコスト管理とリスク分担を行ううえで不可欠です。
本記事では、FOBの基本的な意味から、FOB価格の計算方法、CIFやCFRとの違い、メリット・デメリット、実務上の流れと注意点まで、貿易実務に役立つ情報を網羅的に解説します。「FOBとは何か」を初めて調べる方から、実務で活用したい方まで、ぜひ参考にしてください。なお、貿易条件の選定や海外取引の実務について不明点がある場合は、「Digima〜出島〜」の無料相談サービスもご活用いただけます。
この記事でわかること
- ・FOB(本船渡し)の意味・正式名称と基本的な仕組み
- ・FOB価格の構成要素と具体的な計算方法
- ・FOB・CIF・CFRの違いと条件ごとの費用負担・リスク移転の比較
- ・FOB条件のメリット・デメリット(売り手側・買い手側)
- ・FOB取引の具体的な流れと日本企業が押さえるべき実務上の注意点
▼FOB(本船渡し)を徹底解説
FOB(本船渡し)とは?意味と基本をわかりやすく解説
FOBの正式名称と定義
FOB(エフオービー)とは、「Free On Board」の略で、日本語では「本船渡し条件」と訳される国際貿易の取引条件です。国際商業会議所(ICC)が制定するインコタームズ(Incoterms)の11条件のうちの一つであり、海上輸送および内陸水路輸送に適用されます。
FOB条件の核心は、「売り手は輸出港の本船に商品を積み込むまでの費用とリスクを負担し、船積み完了後は買い手が費用とリスクを負担する」という明確な責任分担にあります。「Free On Board」という名称は、「本船の上に置く(On Board)まで売り手が責任を負い、それ以降は売り手の義務から解放される(Free)」という意味を表しています。
FOBは世界中の貿易取引で最も広く使用されているインコタームズの一つであり、特に海上輸送を用いたバルク貨物や在来船による輸送で頻繁に採用されています。日本においても、輸出取引の多くがFOB条件で行われており、財務省が公表する貿易統計の輸出額はFOB建てで算出されています。
インコタームズにおけるFOBの位置づけ
インコタームズ(Incoterms)とは、国際商業会議所(ICC)が1936年に初めて制定した貿易取引条件に関する国際規則です。最新版である「インコタームズ2020」では全11条件が定められており、これらは「あらゆる輸送手段に適用できる条件(7種類)」と「海上および内陸水路輸送にのみ適用される条件(4種類)」に大別されます。
FOBは後者の「海上および内陸水路輸送にのみ適用される条件」に分類されます。同じ分類に属する条件として、FAS(船側渡し)、CFR(運賃込み条件)、CIF(運賃保険料込み条件)があります。この4条件の中で、FOBは売り手の負担範囲がFASより大きく、CFRやCIFよりは小さい位置づけとなっています。
インコタームズ2020において、FOBの主な規定は以下の通りです。売り手は商品を輸出港の本船に積み込むまでの一切の費用を負担し、輸出通関手続きを行います。リスクは商品が本船の船上に積み込まれた時点で移転し、それ以降の海上運賃、保険料、輸入通関費用はすべて買い手の負担となります。
FOB条件における費用負担とリスク移転
FOB条件を正しく理解するうえで最も重要なのは、「費用負担の範囲」と「リスク移転のタイミング」が一致しているという点です。これはCIF条件(費用負担は仕向港まで、リスク移転は船積み時)とは異なるFOBの特徴です。
■ 売り手(輸出者)の負担範囲
売り手は、商品の製造・調達から輸出港の本船に積み込むまでの全費用を負担します。具体的には、商品の原価、工場から輸出港までの国内輸送費、輸出用の梱包・検品費用、輸出通関費用(通関手数料・輸出申告費用)、そして本船への積み込み費用が含まれます。
■ 買い手(輸入者)の負担範囲
買い手は、商品が本船に積み込まれた後のすべての費用を負担します。具体的には、輸出港から仕向港までの海上運賃、海上保険料、仕向港での荷下ろし費用、輸入通関費用(関税・消費税等)、仕向港から最終目的地までの国内輸送費が該当します。
■ リスク移転のタイミング
FOB条件では、商品が輸出港の本船の船上に積み込まれた時点でリスクが移転します。船積み前に発生した損害(倉庫での保管中の事故や港への輸送中の破損など)は売り手の責任であり、船積み後に発生した損害(海上輸送中の事故や荷崩れなど)は買い手の責任となります。
FOB価格とは?計算方法と具体例
FOB価格の意味と構成要素
FOB価格とは、商品が輸出港の本船に積み込まれるまでに発生するすべての費用を含んだ価格のことです。言い換えれば、「船積みが完了した時点での商品の価格」であり、海上運賃や海上保険料は含まれていません。
FOB価格は国際貿易において価格比較の基準として広く使われています。CIF価格が「FOB価格+海上運賃+保険料」で構成されることからもわかるように、FOB価格はすべての貿易条件の土台となる価格といえます。日本の税関においても、輸出申告価格はFOB建てで記載することが原則とされています。
FOB価格を構成する主な費用項目は、商品の製造原価(または仕入原価)、工場や倉庫から輸出港までの国内輸送費、輸出用の梱包費・マーキング費用、輸出通関に必要な費用(通関手数料、輸出検査費用など)、そして港湾での諸費用(THC:ターミナルハンドリングチャージなど)と船積み費用です。
FOB価格の計算方法と具体例
FOB価格の計算式は「商品原価 + 国内輸送費 + 輸出梱包費 + 輸出通関費用 + 港湾諸費用・船積み費用」です。ここでは、日本から海外へ工業製品を輸出する場合を例に、具体的な計算を見てみましょう。
たとえば、ある日本企業が製造原価800万円の機械設備を横浜港からFOB条件で輸出するケースを考えます。工場から横浜港までのトラック輸送費が15万円、輸出用木箱梱包費が10万円、通関手数料と輸出申告費用が5万円、港湾のターミナルハンドリングチャージ(THC)と船積み費用が8万円かかるとします。この場合、FOB価格は800万円+15万円+10万円+5万円+8万円=838万円となります。
FOB価格を算出する際に注意すべき点として、為替レートの影響があります。FOB価格は通常、米ドル建てで提示されるため、円建てのコストを契約締結時点の為替レートで換算する必要があります。上記の例で為替レートが1ドル=150円であれば、FOB価格は約55,867ドルとなります。為替変動リスクへの対応として、見積もり段階で一定のバッファを見込む企業も少なくありません。
FOB価格からCIF価格への換算
FOB価格がわかれば、CIF価格やCFR価格への換算も容易に行えます。CIF価格は「FOB価格+海上運賃+保険料」、CFR価格は「FOB価格+海上運賃」で計算されます。
先ほどの例で、横浜港から仕向港までの海上運賃が800ドル、保険料率が0.5%(CIF価格の110%に対して付保)とした場合、CFR価格は55,867ドル+800ドル=56,667ドルとなります。CIF価格は保険料の計算にCIF価格自体が関わるため、正確には「CIF価格=(FOB価格+海上運賃)÷(1-110%×保険料率)」の計算式を用います。この例では56,667ドル÷(1-0.0055)=約56,980ドルとなります。
このように、FOB価格を基準にすれば他の貿易条件の価格も算出できるため、FOB価格の正確な把握は貿易実務における基本中の基本といえます。
FOBとCIF・CFRの違いを比較表で解説
FOB・CIF・CFRの比較一覧
FOB、CIF、CFRはいずれも海上輸送に適用されるインコタームズですが、費用負担の範囲が異なります。以下の比較表で、3つの条件の違いを整理します。
| 比較項目 | FOB(本船渡し) | CFR(運賃込み) | CIF(運賃保険料込み) |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | Free On Board | Cost and Freight | Cost, Insurance and Freight |
| 海上運賃の負担 | 買い手 | 売り手 | 売り手 |
| 海上保険料の負担 | 買い手 | 買い手 | 売り手 |
| リスク移転時点 | 船積み時 | 船積み時 | 船積み時 |
| 輸出通関 | 売り手 | 売り手 | 売り手 |
| 輸入通関 | 買い手 | 買い手 | 買い手 |
| 売り手の費用負担範囲 | 船積みまで | 仕向港までの運賃含む | 仕向港までの運賃+保険料含む |
| 買い手の輸送管理 | 船会社選定から関与 | 保険のみ自社手配 | 手配不要 |
上記の表からわかるように、3条件ともリスク移転のタイミングは「船積み時」で共通しています。異なるのは費用負担の範囲であり、FOBが最も買い手の負担範囲が広く、CIFが最も狭くなります。
FOBとCIFの違い|どちらを選ぶべきか
FOBとCIFの最大の違いは、海上運賃と保険料を売り手・買い手のどちらが負担するかという点です。FOBでは買い手がこれらを負担し、CIFでは売り手が負担します。
FOBが適しているのは、買い手が輸送コストを自社で管理・最適化したいケースです。たとえば、自社で有利な運賃契約を持つ大手商社や、特定の船会社との取引関係が深い輸入者は、FOB条件を選択することで輸送コストを抑えられる可能性があります。また、買い手が保険条件を自分で選定したい場合にも、FOBは適した選択肢です。
一方、CIFが適しているのは、買い手が輸送や保険の手配に不慣れなケースや、売り手にすべてを任せたいケースです。貿易経験が浅い企業や、少量の輸入を行う企業にとっては、CIF条件を選択することで事務負担を大幅に軽減できます。ただし、CIF条件では輸送コストや保険条件の透明性が低くなる可能性がある点には注意が必要です。
FOBとCFRの違い
FOBとCFRの違いは、海上運賃の負担者です。FOBでは買い手が海上運賃を負担しますが、CFRでは売り手が仕向港までの海上運賃を負担します。どちらの条件でも海上保険は買い手の手配であり、リスク移転のタイミングも船積み時で同一です。
CFRは「FOBに海上運賃を上乗せした条件」と理解するとわかりやすいでしょう。売り手は海上運賃まで負担しますが保険は手配しないため、CFRはFOBとCIFの中間に位置する条件といえます。CFRが選択されるのは、売り手側に有利な運賃条件がある場合や、買い手が保険は自社で手配したいが運賃交渉は売り手に任せたい場合などです。
FOB条件のメリット・デメリット
買い手にとってのメリット
FOB条件が買い手にもたらす最大のメリットは、輸送手段と保険の選択権を持てることです。買い手は自ら船会社やフォワーダーを選定し、運賃を交渉できるため、コスト最適化の余地が大きくなります。複数の船会社から見積もりを取得して最も有利な条件を選ぶことも可能であり、年間契約などで大幅な運賃割引を得ている企業にとっては、FOB条件はコスト面で大きな優位性を発揮します。
また、保険条件を自分で選べる点もFOBの利点です。CIF条件では売り手が手配する保険は最低限のICC(C)条件であることが多いのに対し、FOB条件であれば買い手が自ら必要な補償範囲(ICC(A)条件やICC(B)条件など)を選択できます。高額商品や精密機器を輸入する場合、この保険選択の自由度は大きな安心材料となります。
さらに、FOB価格には海上運賃や保険料が含まれていないため、商品そのものの価格が明確に把握できます。複数の仕入先からFOB価格で見積もりを取得すれば、純粋な商品コストの比較が容易に行えます。
売り手にとってのメリット
FOB条件は売り手にとっても複数のメリットがあります。まず、費用負担の範囲が船積みまでに限定されるため、海上運賃の変動リスクや為替リスクを負わなくて済みます。国際的な海上運賃は燃料サーチャージや需給バランスによって大きく変動することがあり、CIF条件でこれを売り手が負担する場合、見積もり時と実際の出荷時で運賃が大幅に変わるリスクがあります。FOB条件であればこのリスクを回避できます。
また、保険の手配義務がないため、保険に関する事務手続きや保険会社との交渉が不要となります。特に多品種・多頻度の出荷を行う輸出企業にとって、この事務負担の軽減は見逃せないメリットです。売り手は船積みまでの業務に集中できるため、出荷オペレーションの効率化にもつながります。
買い手にとってのデメリット
FOB条件における買い手のデメリットは、輸送と保険の手配をすべて自社で行う必要がある点です。船会社の選定、運賃交渉、ブッキング(船腹予約)、海上保険の手配など、船積み後の物流業務を一手に引き受けることになります。貿易経験が浅い企業にとって、この業務負担は無視できません。
加えて、輸出国の港湾事情や船会社のスケジュールに精通している必要があるため、情報収集のコストもかかります。特に新規の仕入先や輸出国との取引を始める際には、現地のフォワーダーや物流パートナーを確保しておくことが重要です。保険の手配を忘れたまま船積みが完了してしまうと、無保険状態で貨物が海上輸送されるリスクもあり、社内の業務フローを整備しておく必要があります。
売り手にとってのデメリット
FOB条件では、買い手が手配する船舶のスケジュールに売り手が対応しなければならないというデメリットがあります。買い手が指定する船舶の入港日に合わせて貨物を準備・搬入する必要があるため、自社の生産スケジュールや在庫管理との調整が求められます。船舶の遅延やスケジュール変更が発生した場合、倉庫での保管費用が追加で発生する可能性もあります。
また、船積みまでのリスクは売り手が負うため、港までの輸送中や港湾での保管中に事故が発生した場合の損害は売り手の責任となります。輸出通関の手続きも売り手の義務であり、特定の国や地域における輸出規制が複雑な場合、手続きに時間とコストがかかることがあります。
FOB取引の流れ|7つのステップで解説
ステップ1:売買契約の締結
FOB取引の第一歩は、売り手と買い手の間で売買契約を締結することです。契約書には取引条件として「FOB+積み地港名」(例:FOB Yokohama)を明記し、商品の仕様、数量、FOB価格、支払い条件、船積み期限などを合意します。インコタームズのバージョン(例:Incoterms 2020)も明示しておくことが、後のトラブル防止に重要です。
ステップ2:買い手による船腹予約と保険手配
契約締結後、買い手は船会社またはフォワーダーに連絡して船腹の予約(ブッキング)を行います。この際、出荷予定日、貨物の詳細(重量・容積・品名など)、積み地港と仕向港を通知します。同時に、海上保険の手配も進めます。保険証券は船積み前に取得しておくことが望ましく、保険の開始日が船積み日をカバーしていることを確認します。
ステップ3:売り手による商品準備と輸出梱包
売り手は契約に基づいて商品を準備し、海上輸送に耐えうる輸出用の梱包を施します。梱包の種類は商品の性質によって異なり、精密機器であれば防振・防湿処理を施した木箱梱包、一般的な工業製品であればパレット梱包やカートン梱包が用いられます。梱包には荷印(シッピングマーク)を明記し、仕向地や注文番号などの情報を表示します。
ステップ4:輸出通関手続き
売り手(または売り手が委託した通関業者)は、税関に対して輸出申告を行います。輸出申告にはインボイス(送り状)、パッキングリスト(梱包明細)、輸出許可が必要な場合はその許可証などの書類を提出します。税関の審査を経て輸出許可が下りれば、貨物を保税地域から船舶に積み込むことが可能になります。日本の場合、輸出申告はNACCS(通関情報処理システム)を通じて電子的に行われます。
ステップ5:本船への積み込みとリスク移転
輸出許可を取得した貨物は、指定された本船に積み込まれます。FOB条件では、この船積みが完了した時点で費用負担とリスクが売り手から買い手に移転します。船積みが完了すると、船会社から船荷証券(B/L:Bill of Lading)が発行されます。B/Lには「On Board」の表記が付され、貨物が本船に積み込まれた事実が証明されます。売り手はこのB/Lを買い手に送付します。
ステップ6:海上輸送と貨物の追跡
貨物が本船に積み込まれた後、船舶は仕向港に向けて出航します。買い手はB/Lに記載された船名や航海番号をもとに、船会社のウェブサイト等で輸送状況を追跡できます。海上輸送中に事故や遅延が発生した場合、リスクは買い手にあるため、海上保険の適用範囲を事前に確認しておくことが重要です。
ステップ7:仕向港到着・輸入通関・貨物受取
貨物が仕向港に到着したら、買い手(または買い手が委託した通関業者)が輸入通関手続きを行います。輸入申告に必要な書類はB/L、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書(必要な場合)などです。関税や消費税(付加価値税)を納付し、輸入許可を取得した後、買い手は港から貨物を引き取り、最終目的地までの国内輸送を手配します。
FOB条件を使う際の実務上の注意点
コンテナ輸送にはFCAの検討を
FOBは在来船による輸送を前提とした条件であり、コンテナ輸送には不向きとされています。その理由は、コンテナ輸送では貨物がコンテナヤード(CY)またはコンテナフレートステーション(CFS)で運送人に引き渡され、その後に本船へ積み込まれるためです。FOB条件のリスク移転時点は「本船への船積み時」ですが、コンテナ貨物の場合、CYへの搬入時点から船積みまでの間のリスク負担が曖昧になります。
この問題を解消するため、コンテナ輸送ではFCA(Free Carrier / 運送人渡し条件)の使用が国際商業会議所でも推奨されています。FCA条件では、売り手が指定場所で運送人に貨物を引き渡した時点でリスクが移転するため、コンテナ輸送の実態に即した明確なリスク分担が可能になります。
FOB条件での保険手配の重要性
FOB条件では海上保険の手配は買い手の責任ですが、実務上は保険手配のタイミングに十分注意する必要があります。船積みが完了した瞬間からリスクは買い手に移転するため、船積み日に合わせて保険が有効になっている必要があります。保険の手配が遅れて無保険状態で輸送が始まってしまうと、万が一の事故時に多大な損害を被ることになります。
特に初めてFOB条件で輸入を行う企業は、取引開始前に保険会社やフォワーダーと保険手配のフローを確認しておくことを強く推奨します。包括保険(オープンカバー)を契約しておけば、個別の船積みごとに保険を手配する手間を省くことができ、手配漏れのリスクも軽減されます。
契約書における条件記載のポイント
FOB条件を使用する際は、契約書に「FOB+積み地港名+Incoterms 2020」と明記することが基本です。たとえば「FOB Tokyo Incoterms 2020」「FOB Yokohama Incoterms 2020」のように記載します。インコタームズのバージョンを明示しないと、旧版のルールが適用される可能性があり、トラブルの原因となります。
また、FOB条件でも契約当事者間で個別の取り決めを追加することは可能です。たとえば、船積み前の検品を買い手が立ち会いで行う場合の費用負担や、船積み遅延時のペナルティ条項など、インコタームズの標準ルールでカバーされない事項については、契約書で明確に合意しておくことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. FOBとは何の略ですか?
FOBは「Free On Board」の略で、日本語では「本船渡し条件」と訳されます。国際商業会議所(ICC)が制定するインコタームズの貿易条件の一つであり、売り手が輸出港の本船に商品を積み込むまでの費用とリスクを負担し、船積み後は買い手が費用とリスクを負担する条件です。
Q. FOB価格には何が含まれていますか?
FOB価格には、商品の原価、工場から輸出港までの国内輸送費、輸出梱包費、輸出通関費用、港湾諸費用、船積み費用が含まれています。海上運賃と海上保険料は含まれておらず、これらは買い手が負担します。日本の貿易統計では輸出額がFOB建てで計上されており、国際的にも商品価格の基準として広く使われています。
Q. FOBとCIFではどちらが安くなりますか?
FOB価格自体はCIF価格より低くなりますが、買い手が最終的に支払う総額は必ずしもFOBの方が安いとは限りません。FOB条件では買い手が海上運賃と保険料を別途負担するため、これらを合算した総コストで比較する必要があります。買い手が有利な運賃契約を持っている場合はFOBの方がトータルコストを抑えられる可能性があり、そうでない場合はCIF条件の方が結果的に安くなることもあります。
Q. FOB条件で売り手が負担する費用はどこまでですか?
FOB条件で売り手が負担する費用は、商品が輸出港の本船に積み込まれるまでのすべての費用です。具体的には、商品の調達・製造コスト、国内輸送費、輸出梱包費、輸出通関費用(通関手数料、必要な場合の輸出許可取得費用)、港湾のターミナルハンドリングチャージ、船積み費用が含まれます。船積み後の海上運賃、海上保険料、輸入通関費用はすべて買い手の負担です。
Q. FOB条件はどのような場合に適していますか?
FOB条件は、買い手が輸送コストを自社で管理・最適化したい場合に適しています。自社で有利な運賃契約を持っている場合、特定の船会社やフォワーダーとの取引関係がある場合、保険条件を自分で選定したい場合などが該当します。また、日本からの輸出取引では慣行としてFOB条件が広く使われているため、日本の輸出企業にとっては最も馴染みのある条件です。
Q. FOBとEXW(工場渡し)の違いは何ですか?
FOBとEXW(Ex Works / 工場渡し)の違いは、売り手の責任範囲の大きさです。EXW条件では売り手の責任は工場や倉庫で商品を引き渡す時点で終了し、それ以降の国内輸送、輸出通関、船積みの手配はすべて買い手の負担となります。一方、FOB条件では売り手が輸出港の本船に積み込むまでの全工程を責任を持って行います。つまり、FOBはEXWよりも売り手の負担範囲が大きい条件です。
Q. インコタームズ2020でFOBに変更点はありましたか?
インコタームズ2020におけるFOBの基本的なルールは、前版のインコタームズ2010から大きな変更はありません。リスク移転のタイミングが「本船の船上に積み込まれた時点」である点、売り手が輸出通関を行い買い手が輸入通関を行う点は従来通りです。ただし、インコタームズ2020全体の改訂として、各条件の解説がより詳細になり、保険に関する説明が充実したほか、FCA条件にB/L発行に関する新たな規定が追加されるなど、関連する条件との使い分けに影響する変更がありました。
まとめ
FOB(Free On Board / 本船渡し)は、国際貿易において最も広く使われているインコタームズの条件の一つです。売り手が輸出港の本船に商品を積み込むまでの費用とリスクを負担し、船積み後は買い手が費用とリスクを負担するという明確な責任分担が、FOBの最大の特徴です。
FOB価格は「船積みまでの全費用を含んだ価格」であり、CIF価格やCFR価格の算出基準となる重要な指標です。日本の貿易統計でも輸出額はFOB建てで計上されており、国際取引における価格比較の基準として欠かせない概念といえます。
FOB条件を選択する最大のメリットは、買い手が輸送手段と保険の選択権を持てることです。輸送コストを自社で管理・最適化したい企業や、保険条件を自分で選定したい企業にとっては最適な条件です。一方で、輸送や保険の手配を自社で行う必要があるため、貿易実務の経験と体制が求められる点にはご注意ください。
コンテナ輸送が主流となった現在では、FOBの代わりにFCA条件の使用が推奨されるケースも増えています。自社の取引形態に最も適した貿易条件を選択するためには、各条件の違いを正しく理解したうえで、取引先やフォワーダーと十分に協議することが大切です。
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