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新興国とは | 新興国の定義 / 中国は新興国or先進国? / 新興国のグループ…ほか

掲載日:2020年10月12日

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新興国とは、先進国に比べて政治や経済がまだ発展途上にある国のことを指します(英語:Emerging Countries)。すでに発展している先進国よりも伸びしろが大きいため、経済的に急成長が期待できる市場として投資家からも注目されています。

本テキストでは、「新興国の基礎知識」と銘打って、意外としらない「新興国の定義」、BRICsやVISTAといった「新興国のグループ」などについてわかりやすく解説します。

また、新興国への進出を考えているなら知っておきたい「中国は新興国なのか? 先進国なのか?」「新興国が再び注目されている理由とは?」「新興国の経済成長率が高い理由とは?」といった、多くの方が疑問に思うであろう、新興国にまつわる基礎知識について解説していきます。

1. 新興国とは?

新興国は時代の流れとともに変化する

新興国(英語:Emerging Countries)とは、先進国に比べて政治や経済がまだ発展途上である国々の中でも成長率が高く、世界経済への影響も大きい国のことです。

世界経済における勢力図は時代とともに変わっていくため、現在は先進国と呼ばれている日本やフランス、ドイツも新興国と呼ばれていた時期がありました。また、現在新興国と呼ばれている国が、昔は繁栄していたというケースもあります。

2. 新興国の定義とは?

新興国の明確な定義はない

前項で説明したとおり、一般的には、先進国に比べて政治経済が発展途上にあり、経済的に高い成長を見込める国のことを新興国と呼びますが、実は新興国を定義する明確な基準はありません。

先進国と新興国を分類する様々な方法が存在し、それぞれの基準によって、同じ国が先進国にも新興国にもなる、ということが起きるため、新興国について知るためには、その分類について知っておく必要があります。

IMFとMSCIによる「新興国の定義の違い」とは?

IMF(国際通貨基金)が世界の194の国と地域のうち39の国や地域を先進国に分類し、155の国や地域を新興国に分類しているのに対し、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社は23か国を先進国、26か国を新興国としています。世界経済を語る上ではIMFによる分類が使われることが多いようです。

■IMFの新興国の定義
IMFにおいては、新興国の定義は「国民1人当たりの所得水準」「輸出品目の多様性」「グローバル金融システムへの統合度合い」の3つによって判断されます。

■MSCIの新興国の定義
MSCIは「国民1人当たりのGDP」「外国人に対する投資規制の有無」「市場環境の整備状況」「為替回送金制限の有無」などから判断されている、という違いがあります。

そのため、前項で説明したように、IMFでは先進国と分類された国がMSCIの基準だと新興国となってしまうことがあります。

■IMFとMSCIによる新興国の定義の違い
新興国の定義の違い_IMF_MSCI

※赤字の国はIMFの分類では先進国に分類されているものの、MSCI基準では新興国に分類されている国・地域

出典:
新興国投資の魅力と新興国の定義」ピクテ投信投資顧問株式会社

3. 新興国のグループとは?

代表的な新興国のグルーピングを紹介

新興国はいくつかのグループに分けられて呼ばれることがあります。BRICsやネクスト11といったグループ分けはゴールドマン・サックス社が提唱して広まったものです。主な新興国グループについてそれぞれ確認しておきましょう。

BRICs(ブリックス)

BRICs(ブリックス)とは、2000年代以降、めざましい経済発展を遂げたBrazil(ブラジル)、Russia(ロシア)、India(インド)、China(中国)の4カ国の頭文字からとった造語です。

ゴールドマン・サックス社が2003年に発行した投資家向けのレポート『Building Better Global Economic BRICs』に用いられたことで一般的になり、広く使われるようになった言葉です。BRIC(ブリック)と呼ぶこともあります。

BRICsは連日のように報道され、投資家の注目を集め、4カ国への投資信託が人気を呼びました。

BRICS(ブリックス)

2011年4月、北京で行われた第3回首脳会議に南アフリカ共和国が参加。BRICsの4ヶ国に南アフリカ共和国が加わります。

そこで、複数形を表す小文字のsをSouth Africaの頭文字に変更。大文字表記とし、5ヶ国をBRICSと表記するようになりました。読みは同じ「ブリックス」で、現在はこちらが使われています。

MENA(ミーナ)

MENA(ミーナ)はMiddle East & North Africaの略。中東・北アフリカ地域の国々を指す言葉です。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、クウェートなどの産油国を中心とした地域を指しますが、実はMENAには明確な共通の定義がなく、機関によって含まれる国が異なる場合があります。

ネクスト11(Next Eleven)

ネクスト11 (Next Eleven=ネクストイレブン)とは、N-11とも略される、ゴールドマン・サックス社が提唱した新興国グループの総称であり、BRICsに次いで経済大国への成長が期待される11ヵ国のことです。

ベトナム、韓国、インドネシア、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、イラン、エジプト、トルコ、ナイジェリア、メキシコを指します。

4. 中国は新興国なのか? 先進国なのか?

国内の所得格差が拡大し続けたまま経済成長を続ける中国は…?

さて、GDPにおいて世界2位の大国である中国が新興国としてグルーピングされていることに違和感を覚えた方もいるのではないでしょうか。

中国の経済発展は確かに目覚ましく、都市部の生活水準や一人当たりの生産性は先進国と遜色ありません。

具体的には、中国の沿海部は比較的経済的な裕福度が高いものの、内陸部の生活水準や一人当たりの生産性は先進国と比較すると非常に低い状態にあります。つまり、中国国内における所得格差はいまだ拡大を続けており、国内の格差問題を解決できないまま、国全体の経済が成長しているという、非常に〝歪み〟のある経済成長なのです。

その国が先進国であるか否かは、単に経済規模だけでなく、国民全体の豊かさも重要であるという見方もあり、そういう意味でも、中国はいまだに中所得国(発展途上国より所得が多く、先進国より少ない国のこと)とみなされる状況が多々あると言えるでしょう。

5. 新興国が再び注目されている理由

新興国が注目される2つの理由とは?

2000年代、新興国は大きな話題となり、新興国への投資ブームが起きました。しかし2008年のリーマンショックの影響により世界経済は停滞し、新興国の経済成長のスピードは鈍化。新興国ブームも終わりを迎えたかに見えましたが、近年、新興国に再び注目が集まっています。

その理由として「新興国では生産年齢人口が増加していること」「新興国の多くが資源国であること」が挙げられます。以下より、それぞれの理由について見ていきましょう。

理由1:新興国では生産年齢人口が増加している

新興国においては、今後、生産年齢人口と中間所得者が増加すると予想されています。生産年齢人口とは労働人口であり、中間所得者は消費を担う存在であり、どちらも経済成長には欠かせない存在です。

2018年には、新興国の労働人口はなんと先進国の5倍であったというデータが出ています。労働人口が多い国は消費意欲も高く、経済成長率が高い傾向にあり、そのため新興国の中でも労働人口が増加傾向にある国は、今度もさらに成長していくと考えられます。

新興国の中でも、中国やロシアなどは、今後労働人口が減少していくと予測されていますが、インドや南アフリカ、ブラジルといった国はまだまだ労働人口は増え続けていくと見込まれています。

理由2:新興国の多くが資源国である

新興国の多くが資源国です。世界人口の増加や新興国の成長といった要因から、資源の需要は今後も高まると予想されています。

リーマンショック以降は先進国の財政赤字が拡大する傾向にあるのに対し、資源国は資源からの収入によって財政収支がよくなり、財政の健全な国が多いと言える点からも、資源国である新興国に注目が集まっているのです。

6. 新興国の経済成長率が高い理由

生産年齢人口の増加によって社会福祉負担が軽減される

一人あたりのGDPが低くても、人口が増えれば総数は増えます。前項の「新興国が再び注目されている理由」でも説明したとおり、新興国は生産年齢人口の増加が今後も見込める国です。

総人口における生産年齢人口の割合が高い国は、医療・年金などの社会福祉負担も少なく、豊富な労働力と消費意欲がどんどん経済を成長させていく傾向にあります。

インフラ投資による経済効率向上効果が非常に高い

また新興国ではインフラへの投資も活発に行われています。さらに先進国と比較した場合、1人当りGDPが低いという理由から、インフラ投資による経済効率向上効果も非常に高いのです。

ちなみに、経済産業省の「通商白書2016」によると、停電率の低い国は経済成長率が高い傾向にあるのだとか。したがって、今後、新興国で進んでいくであろう電力インフラの整備によっても、新興国の経済成長率がさらに高いものになると予測されます。

7. 今後は新興国が世界経済を牽引する

新興国は日本企業の進出先として非常に有望

2000年代以降、新興国が先進国を超えるスピードで成長を続けた結果、新興国の世界GDP成長率への寄与度が先進国を上回りました。全体としては、先進国と新興国の経済規模の差はほとんど変わらなくなりつつあります。

その反面、新興国の成長スピードは先進国のそれに比べて非常に速く、その結果、新興国が世界経済を牽引する時代になりつつあると言えるのです。

以前は高い成長が見込める反面、リスクも高いと思われていた新興国ですが、先進国に比べてプライマリーバランス(※ 基礎的財政収支)が良い新興国は、健全性も高まっており、国が抱える債務である「政府純債務」も低下傾向にあります。

今後も成長を続ける新興国は消費意欲もますます高まっていくと考えられ、日本企業の進出先としても非常に有望であることは言うまでもありません。

※プライマリーバランス(基礎的財政収支)
基礎的財政収支(プライマリー・バランス)とは、税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用)を除く歳出との収支のことを指す。その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけまかなえているかを示す指標となっている

8. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

今回は、「新興国の基礎知識」と銘打って、意外と知らない「新興国の定義」、BRICsやVISTAといった「新興国のグループ」、そもそも「中国は新興国なのか?」 …といった新興国に関する基本情報や疑問について解説しました。

極論すれば、日本企業が海外進出する目的とは、「国外に市場を求める」か「国外に生産拠点を求めるか」のいずれか2つでしかありません。

前項でも述べましたが、今後も成長を続ける新興国は、その国の企業の生産力もその国の国民の消費意欲もますます高まっていくと考えられることから、日本企業の進出先として非常に有望です。

とはいえ、自社のサービスおよび商品を展開するにあたって、その国におけるどのような要素を重視するのかを踏まえた上で、どの国が自社の市場・生産拠点として有望な新興国なのか、見極めるのは決して容易ではありません。そんなときはやはりその国のビジネスの専門家に相談してみるのがおすすめです。

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この記事を書いた人

「Digima〜出島〜」編集部

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