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ユニ・チャームの海外進出-海外売上比率6割強を実現した3つのグローバル戦略とは?

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ユニ・チャームの海外進出について解説します。海外売上比率が66.3%(2022年5月時点)を誇るユニ・チャームは日本有数のグローバル企業のひとつです。

進出国の市場の成長ステージによって直接参入、技術供与、M&Aといった多岐にわたる戦略を巧みに使い分け、中国などの大国だけでなく、新興国での支持も獲得。「ムーニー」「マミーポコ」の2ブランドで知られる紙おむつ市場や、「ソフィー」などの生理用品市場にて、アジアトップクラスのシェアを誇り、先述のように海外売上比率を6割強を達成し、今や名実ともに世界を股にかけたグローバル企業となったユニ・チャーム。

昨今では、新興国を中心に、これまでのベビー事業の展開から生理用品などのフェミニンケア事業の高付加価値商品を展開していく戦略にシフトし、新たな海外事業の展開も推進しています。

本テキストでは、そんなユニ・チャームの海外進出について、その海外進出の歴史、具体的なその海外事業の内訳、海外展開を成功させた3つの海外進出戦略、さらにはBOPやESG / SDGsに深い関連のある最新のビジネススキームなど、詳しくかつわかりやすく解説していきます。

1. ユニ・チャームとは?

1961年に「大成化工」として創業 1974年に社名を「ユニ・チャーム」に変更

まずはユニ・チャームとはどんな企業なのか? ここでは、会社としての基本的な概要について解説します。

1961年、建材メーカー「大成化工」として創業した現ユニ・チャームは、1963年の生理用ナプキンの製造・販売をきっかけに、現在の業態に転換。

1974年には社名をユニ・チャームに変更し、生理用タンポン、化粧パフの販売も開始しています。

その後、従来の生理用品分野で培った不織布・吸収体の加工・成形技術を活かして、ベビーケア(紙おむつなど)、ヘルスケア(軽失禁パッドなど大人用排泄ケア用品、立体型マスクなど)、クリーン&フレッシュ(清掃用シート、ウェットティッシュなど)、ペット用品へと事業分野を広げることで現在に至っています。

海外売上比率が6割強! 日本を代表するグローバル企業

1984年、ユニ・チャームは国内市場の成熟化に備えて、台湾に現地法人を設立し、海外展開を開始。1990年代はアジアを中心に進出を進めていました。

2001年に高原豪久氏が社長に就任してからは生理用品や紙おむつなどの国内の事業基盤を強化するとともに、新興国を中心とする海外展開を加速。80以上の国や地域に進出して現地ニーズを掘り起こし、社長就任時には約1割だった海外売上高比率を66.3%(2022年5月時点)にまで伸ばし、日本を代表するグローバル企業へと成長しました。

オムツ市場で世界トップクラス! ベビーケア事業を含む5つの事業で海外展開

ユニ・チャームの海外事業躍進の核となったのは、オムツ市場を狙ったベビーケア事業です。事実、ベビー用紙おむつ「ムーニー」「マミーポコ」の2ブランドは、アジア主要国ではトップクラスのシェアを獲得し、中国では2012年の時点で2位のシェアを誇っています。

そのほか、ユニ・チャームでは、「ソフィー」ブランドで知られる生理用品などを取り扱うフェミニンケア事業、大人用排泄ケア用品などを販売するヘルスケア事業、お掃除用シートなどを取り扱うクリーン&フレッシュ事業、ノミ・ダニ駆除剤などを販売するペットケア事業と、ベビーケア事業を含めると、計5つの海外事業を展開しています。

ベビーケア事業の苦境を脱してフェミニンケア事業の新展開へ

実は、2012年以降、ユニ・チャームは中国のおむつ市場の消費者の嗜好の変化やライバル企業の追い上げを受け、苦境にたたされていました。

しかし昨今では、新興国でこれまでのベビー事業の展開から生理用品などのフェミニンケア事業の高付加価値商品を展開していく戦略にシフトし、現状を脱却すべく新たな海外事業の展開を進めています。この新たな海外事業の展開については、セクション5「中国依存からの転換 / 新興国で実施する新たな戦略とは?」で詳しく解説します。

2. ユニ・チャームの海外進出の歴史

アジアを中心とした世界展開

このセクションでは、ユニ・チャームの海外進出の歴史について見ていきましょう。

ユニ・チャームの海外進出のポイントとしては、アジアへの進出があります。

具体的には、1984年に、発展途上でるアジア地域をターゲットとして、台湾に現地法人を設立したところからスタートします。

その後、東南アジアや中国、韓国などに相次いで進出し、1990年代までにアジアでのプレゼンスを強化。2000年代には不織布・吸収体関連商品に経営資源を集中して成長基盤を再構築する一方で、アジアへの展開を加速しています。2010年代には、アジア市場の飛躍的な拡大に牽引されて成長を加速する一方で、アフリカや南米へも進出しています。

ベビー用紙おむつ・生理用品のシェアはアジア各国でトップクラス

ユニ・チャームが海外展開の最重点に位置付けているのは、経済成長が著しいアジア地域です。主要進出国であるアジア各国において多くのシェアトップクラスの商品を持っています。

例えば、2018年の時点でベビー用紙おむつ「ムーニー」「マミーポコ」の2ブランドは、タイ、インドネシア、ベトナムにて1位、インド、サウジアラビアで2位、中国では4位という見事なシェアを獲得しています。

また、「ソフィー」ブランドで知られる生理用品は、タイ、インドネシア、ベトナムで首位、中国では2位という圧倒的な支持を獲得していました。

BPO/SDGs/ESGに深い関連のあるビジネスを推進

ユニ・チャームの強さの秘密は、世界各国の国ごとに異なるライフスタイルや文化・慣習・ユーザー嗜好といった要素を徹底的にリサーチして、現地のニーズに合わせた商品開発を実施していることです。

衛生環境が整っていない多くの新興国の低所得者層のために、基本的機能のみを備えた低価格帯の商品を提供するなど、現地の生活スタイルに対応することで、各国の高い支持を得ています。

また、女性の自立支援にも力を入れており、インド、インドネシア、ミャンマーで25万人以上の女生徒が参加する初潮教育プログラムを行っています。生理への理解や教育が遅れていて、生理用品の普及が低い国に、生理中の適切なケアを地道に伝えていくこの活動がビジネスの後押しをしていることは間違いないと言えます。

上記のようなビジネスは、それぞれ、新たな市場の開拓と世界にはびこる格差および貧困問題を解決するとされるBOPビジネス(BOP=Base of the(economic)Pyramid = ピラミッドの下層部)であることはもちろん、ESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの)およびSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))に深く関連するアティテュードと言えます。

このような観点から見ても、ユニ・チャームがグローバル企業と成長を続ける大きな要因のひとつが垣間見られるはずです。

3. ユニ・チャームの海外事業

直接参入と技術供与という2つの戦略で海外進出

このセクションでは、改めてユニ・チャームの海外事業について見ていきましょう。

ユニ・チャームの海外進出のポイントとしては、海外事業を展開する地域を拡大する際に、直接参入と技術供与の2つのモデルを使い分けていることです。

発展途上地域である、アジアや南米、中東および北アフリカなどでは、自社生産と販売による攻めの海外事業を展開。一方で、北米や欧州など市場規模が大きいものの成熟化が進む地域では、技術供与を実施することで、リスクの低い安定的な収益を確保するといった具合です。

当然ではありますが、一口に海外進出といっても、進出する国や地域よって、ビジネス戦略を変えることは重要であることがお分かりいただけると思います。

アジア各国での売り上げが日本を凌駕

その成果もあり、ユニ・チャームは2018年の時点で業績(国際会計基準)が前年同期比7.0%増の4,981億円、営業利益が同13.8%増の758億円。

同年の1〜9月期の売上高を地域別に見ると、日本2,004億円、アジア2,199億円、その他の国々(アメリカ、サウジアラビア、ブラジルなど)777億円となっています。

4. ユニ・チャームの海外展開を成功させた3つの海外進出戦略とは?

ここまでの海外進出の歴史や海外事業内容を踏まえて、この項ではユニ・チャームの海外進出戦略を3つのポイントに絞って解説していきます。

① 海外各国の市場の成長に合わせた戦略を遂行

ひとつめのポイントは、市場の成長に合わせて戦略を変えていることです。

ユニ・チャームは、その国のマーケットの成長ステージを黎明期、成長期、普及期、成熟期という段階に分けた戦略を行っています。

例えば、生理用品やベビー用紙おむつなどの不織布・吸収体商品の普及率はその国の1人当たりのGDPの水準と大きく関係しているといわれていますが、ユニ・チャームは各国の市場の成熟度を観察し、その国のマーケットに適切な商品を適切な時期に投入することで商品の普及率の拡大と収益の極大化を狙うといった戦略をとっているのです。

② 「共振の経営」に基づき日本から海外へ優秀な人材を派遣

2つめのポイントは、日本から優秀な人材を海外に派遣していること。

ユニ・チャームは成長の原動力として「共振の経営」を掲げています。

「共振の経営」とは現場の知恵を活かすことができる経営陣と経営陣の方針を理解し、経営陣の視点で考え、行動することができる現場の社員が、コミュニケーションをとりながらバランス良く組織全体の力を大きくし、両者が一丸となって共通の目標に向かっていくという仕組みです。

この同社特有の勝ちパターンを海外の文化やニーズに合わせて導入するため、海外への人材派遣を積極的に実施しています。派遣された人材が現地の人材を自社流に染めてビジネスを展開しているのです。

また、教育の際は同社の共有すべき価値観、行動指針、キャリアビジョンやキャリアパスをまとめた「ユニ・チャーム ウェイ」と経営陣のこれまでの重要な発言をまとめた「ユニ・チャーム語録」という2つの小冊子が活用されています。

③ 海外の成長市場では戦略的なM&Aを積極的に実施

3つめは、市場の成長具合によっては戦略的なM&Aを積極的に行っていることです。

ユニ・チャームが市場の成長ステージを黎明期、成長期、普及期、成熟期に分け、各段階に応じた戦略をとっているのは前述した通りですが、プレミアムブランドの進出を決定する際、その国の市場が成長前期か黎明期ならば参入、遅ければ提携、もしくはM&Aといった戦略をとっています。

例を挙げると、2005年のサウジアラビアの衛生用品大手、ガルフ・ハイジェニック・インダストリーズの子会社化です。人口増加に伴い、衛生用品市場が膨らむ中東に進出の足がかりを築いています。

また、2008年には、オーストラリアの紙おむつの大手、オーストラリア・ペーパー・プロダクツを子会社化し、オセアニアでの事業拡大を牽引する役割を担わせています。

そのほか、2011年に住友商事傘下のアメリカのペット用品大手である老舗のハーツ・マウンテン(ニュージャージー州)を子会社化。ユニ・チャームの吸収体技術を活かしたトイレタリー商品とハーツのブランドを融合させ、アメリカ市場に投入しています。

5. 中国依存からの転換 / 新興国で実施する新たな戦略とは?

新興国にてフェミニンケア事業の高付加価値商品を展開する戦略にシフト

アジアで圧倒的なシェアは誇っていたユニ・チャームですが、2010年代に入ると、少し状況が変わってきました。

ユニ・チャームは競合のキンバリー・クラークや花王が中国での安全に対する関心の高まりを受けて同国で販売し始めた高価格帯の紙おむつの波に乗り遅れたり、2018年には中国だけでなくインドネシアなどの東南アジアにもライバル企業が攻め込んできたりと、アジアでのシェアを奪われていきます。

そんな中、ユニ・チャームは飽和状態だった中国市場からの脱却を図るべく、インドやアフリカを新たな成長の足がかりとするため、500億円を投じて生産能力を増強。豊かになったアジアの新興国を開拓するべく動き始めます。

2020年には、売上高の約4割を占めるとみられていた紙おむつなどのベビーケア事業の投資を縮小し、生理用品のフェミニンケア事業に4割、介護用パンツなどのヘルスケア事業に3割、ペットフードなどのペットケア事業に3割と振り分け、新興国ではフェミニンケア事業の高付加価値商品を展開する戦略にシフトし、活路を見出そうとしています。

そのほか、2022年には使用済みの紙おむつから原料のパルプを取り出し、再び紙おむつを生産・販売する世界初の取り組みを始めるなど、世界での競争力を高めるESG投資も積極的に行っています。

6. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

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今回は「ユニ・チャームの海外進出」について解説しました。

進出国の市場の成長ステージによって直接参入、技術供与、M&Aといった戦略を使い分け、中国などの大国だけでなく、新興国での支持も得たことで、紙おみつ市場や生理用品市場ではアジアトップクラスのシェアを獲得、海外売上比率を66.3%(2022年5月時点)にして、今や世界有数のグローバル企業となったユニ・チャーム。

近年はこれまで主力だった中国のおむつ市場で苦戦を強いられていましたが、見直しを図り、生理用品市場などに活路を見出しつつあります。

もとより各国の状況によって戦略を使い分ける柔軟さを持った企業だけに今後の巻き返しが期待されています。ESG投資などの未来を見据えた取り組みも企業価値を高めていくに違いありません。

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    また、現地の販売代理店に自社商材の取り扱いを交渉したいという課題に対しては、商談先企業の探索とアポ取得の販路開拓プログラムを実行すべきでしょう。

    わたしたちセカラボでは、顧客の現在地(スタート地点)と事業の目標(ゴール地点)から割り出した、もっとも有効なプログラムをご提案します。

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