Digima〜出島〜

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外進出に関わる、あらゆる情報が揃う「海外ビジネス支援プラットフォーム」

海外ビジネスサポート企業はこちら

検索フィルター

検索コンテンツを選ぶ

検索したいコンテンツを選んでください

国を選ぶ

検索したい国を選んでください

業種を選ぶ

検索したい業種を選んでください

課題を選ぶ

検索したい課題を選んでください

海外進出における「フィジビリティスタディ(FS)」の進め方

掲載日:
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

海外進出におけるフィジビリティスタディ(FS)の進め方についてわかりやすく解説します。

FSまたはF/Sとも表記される「フィジビリティスタディ(Feasibility Study / 実現可能性調査)」ですが、新規事業やプロジェクトの実行可能性に関する、広い意味での事前の市場調査のことです。実行可能性調査、投資調査などと呼ばれることもあります。

フィジビリティスタディの調査期間はプロジェクトの規模にもよりますが、数週間から数ヵ月で終わる場合ケースもあれば、それがイノベイティブな技術の開発なども含む際は数年間に及ぶ場合もあります。

その調査範囲も幅広く、企業の理念との一致や、政治、法制、規制、経済、業界の動向、マーケット調査、競合他社の存在、さらには投資効果や採算性…etc.など、非常に多岐に渡ります。

新規事業やプロジェクトをスタートするにあたって実施されることの多いフィジビリティスタディですが、本記事では特に海外進出を検討している企業に向けてフィジビリティスタディ(FS)の進め方について解説します。

1. フィジビリティスタディ(FS)とは何か?

フィジビリティスタディとは新規事業やプロジェクトの実行可能性についての事前調査

フィジビリティスタディ(Feasibility Study / 実現可能性調査)とは、新規事業やプロジェクトの実行可能性についての事前調査のことです。実行可能性調査、投資調査などと呼ばれることもあります。

プロジェクトやビジネスの構想が現実的に実行可能かどうかを判断するための詳細な調査や分析がフィジビリティスタディであり、その目的は、投資や労力をかける前に、プロジェクトの成功の見込みやリスクを評価することです。

調査・検討する内容は多岐にわたり、政治経済、自然環境や社会環境、業界や競合の動向、市場調査や財務面に至るまであらゆる角度から調査を行います。そのため、調査対象であるプロジェクトや事業の規模によっては数年かかることもあります。

もっとも古いフィジビリティスタディの事例は、1933年にフランクリン・ルーズベルト政権下においてアメリカ政府が立ち上げた公共事業体TVA(テネシー川流域開発公社)が国土開発や社会基盤の建設において行った調査だと言われています。

2. なぜ海外進出においてフィジビリティスタディ(FS)が重要なのか?

海外進出におけるリスクを明確にしておける事前調査は重要

新規事業やプロジェクトをスタートするにあたって実施されることの多いFSですが、海外進出を考える際にもFSは重要な存在です。

前述したとおり、FSは投資調査とも呼ばれ、投資によって収益を見込めるかどうかを判断する資料でもあります。特に海外進出においては、カントリーリスクなど進出先、取引先の国特有の問題が思わぬトラブルを招くことがあり、海外進出におけるリスクを明確にしておける事前調査はじゅうぶんにしておきたいところです。

海外進出においてFSを行う上で調査対象となる項目は、政治経済、社会情勢といった基礎的な情報から、貿易や投資に関する制度や税制、労働法や知財に関する制度、現地パートナーの有無や各種インフラの状況など、こちらも多岐にわたりますが、こちらは後ほど詳しく解説します。

調査にあたっては時間もコストもかかりますが、助成金制度が使えるケースもあるようなので、利用できるようならぜひ利用してみてください。

3. 海外進出におけるフィジビリティスタディ(FS)の進め方

① 目的の明確化

まず、海外進出の目的を明確にしましょう。目的が明確でないと、後のステップで何を重点的に調査すべきかが分からなくなります。例えば、新しい市場での売上拡大を目的とするのか、低コストの生産地を探すのか、技術協力や提携を目的とするのかなど、具体的な目的を設定します。

・何を達成したいかを具体的に定義する。たとえば、新しい市場を獲得する、製品の販売を増やす、新しい供給源を確保するなど
・期待する収益、市場シェア、ブランド認知度の向上度合いなど、数値での目標を設定する

② 情報収集

対象国の基本情報(人口、経済状況、文化など)や市場に関する情報(市場の規模、成長率、競合状況など)を収集します。公的機関の発表資料、業界団体のレポート、専門家の論文や記事など、多岐にわたる情報源を活用します。

・対象国の社会経済的背景や消費者の行動・嗜好、文化・風習などの基本情報を収集する
・インターネット、書籍、専門機関の報告書、現地の商工会議所や業界団体などから情報を取得する

③ 技術に関する調査

対象となる国や地域で、自社の製品やサービスが技術的に適用・導入可能であるかを検証します。地域の技術基準、環境基準、品質基準などに適合するかどうか、また、必要な技術的サポートやアフターサービスの体制をどう整えるかも考慮します。

・製品やサービスが対象国での技術基準や規格に合致しているかを確認する。例えば、電気製品の場合、電圧やプラグの形状など
・対象国での生産やサービス提供に必要な設備、技術、人材の可用性を確認する

④ 経済的・コストに関する分析

海外進出に必要な投資の規模、運営コスト、予想収益などを詳細に算出します。ROI(投資対効果)やブレークイーブンポイントを計算し、経済的なリスクを評価します。財務モデルを使って、様々なシナリオ下での収益性を確認することも重要です。

・投資に必要な初期費用(設備導入、人材採用、広告・宣伝など)と運営コスを見積もる
・収益予測を行い、投資対効果(ROI)を計算する
・価格設定や売上目標を設定し、売上と利益の予測を行う

⑤ 法律・規制に関する調査

対象国の法律や規制を詳しく調査します。特に、ビジネスの設立や運営、輸出入、労働、税制などに関する法律・規制は詳しくチェックする必要があります。また、政策の変動リスクやその影響も考慮します。

・対象国の関税、輸入規制、企業法、税制、労働法などのビジネスに関連する法律・規制を調査
・業界特有の規制やライセンス要件も確認

⑥ リスクに関する調査

海外進出に伴うリスクを詳細に洗い出し、そのリスクを軽減するための策を検討します。政治的リスク(政変や紛争のリスク)、経済的リスク(通貨の変動や経済危機)、社会文化的リスク(文化の違いによるミスマッチや誤解)など、様々なリスクを想定し、その対策を策定します。

・政治的な安定性、経済の変動、通貨リスク、天災リスクなど、ビジネスに影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、その影響度や対策を検討
・競合他社の動向、技術の進化、市場の変動など、外部環境の変化によるリスクも考慮します。

⑦ 上記調査から結論を導き出す

外進出が実現可能であるか、またどのような戦略や手法で進出すべきかの結論を導き出します。必要に応じて、再度情報収集や分析を行い、最終的な海外進出計画を策定します。

・上記の調査・分析結果をもとに、海外進出が実現可能かどうか、どのような戦略や手法で進出するかを結論付ける
・また、進出をしない方が良い場合や、さらに深い調査が必要な場合など、その結果と次のステップを明確にする

4. フィジビリティスタディ(FS)の効果と実施のタイミング

つづいては、そんなフィジビリティスタディ(FS)の効果と実施のタイミングについてそれぞれ見ていきましょう。

フィジビリティスタディ(FS)の効果

FSを実施することで新規事業やプロジェクトの成功率を高めることができます。計画の実現可能性が低い場合でも、調査の結果を踏まえて代替案を考えることもできますし、多くの有益な情報を得ることができます。

フィジビリティスタディ(FS)実施のタイミング

新規事業やプロジェクトの実行可能性を知るための調査なので、企画の段階で実施します。企業によってはFS自体をプロジェクトとすることもあります。

5. 海外進出におけるフィジビリティスタディ(FS)の調査項目とは?

このセクションでは海外事業におけるフィジビリティスタディ(FS)の調査項目について、大きく「基本的な情報」「制度や規制」「各種情報」の3つわけて見ていきましょう。

① 基本的な情報

○対象となる国や地域の概況:政治経済、社会、インフラの整備状況など

② 制度や規制

○貿易に関する制度:貿易における輸出・輸入の制限や手続方法、関税、外貨管理制度など

○投資に関する制度:外資規制や優遇政策など

○金融に関する制度:現地での調達手段や外貨借入など

○税制:法人税率や租税協定など

○労働に関する制度・規制:労働法、就業・解雇規制、ビザの取得など

○環境に関する規制

○知的財産権保護に関する制度

③ 各種情報

○対象国・地域における特性

○日系企業の進出状況・経営状況

○現地パートナーの有無

○労働者の質や特性

○人件費の相場

○立地条件:工業団地の有無

○環境に関する規制

○賃料の相場

○各種インフラの状況:事業インフラ、物流インフラ、生活インフラ

6. 海外進出のFSにおける「プレF(予備調査)」と「現地調査」について

海外進出のFS調査の場合はまず国内で予備調査を行い、その後現地調査を実施する

このセクションでは、海外進出におけるフィジビリティスタディ(FS)の順番について解説します。

フィジビリティスタディは基本的に「課題を洗い出す」「課題を解消するための必要事項をリストアップ」「事業やプロジェクトが実現可能でない場合の代替案を用意する」「事業やプロジェクトの評価」という流れで実施されます。

海外進出の場合はまず国内で予備調査を行い、その後現地調査に入るのが一般的です。この予備調査はプレFSと呼ばれることもあります。

プレFSでの主な調査内容

国内での予備調査では、主に下記のような項目を調査し、海外進出に関する検証を行います。

・政治
・経済状況
・社会情勢
・法規制や税制
・労働に関する法規制
・金融に関する制度
・外資に関する政策
・販売における市場の規模や特性、流通事情
・生産における原材料や部品の調達、各種インフラの整備状況
・労働事情
・賃金
・資金調達
・ビザの問題や住居などの現地環境
・現地パートナーの有無

現地調査(FS)

国内の予備調査を経て、いよいよ現地調査となります。国内での調査結果と現地の実際の状況が相違ないかを確認しつつ、プレFSでは調査しきれなかった詳細を調査します。現地にパートナーやパートナー候補がいる場合は、実際に対面し、コミュニケーションをとっておくことも重要です。

7. フィジビリティスタディ(FS)とPoC(Proof of Concept)の違いについて

PoC(Proof of Concept)とは技術や費用についての実効性を調査すること

PoC(Proof of Concept)とは、概念実証のこと。新技術や製品を導入する前に実効性があるかどうかを確かめるのがPoCです。

■フィジビリティスタディ:
事前に事業やプロジェクトの実現可能性を調査・分析するもの。

■POC(Proof of Concept):
アイディアや解決策が実際の環境で動作するかどうかを確認するための実験的なプロジェクト。具体的には、小規模ながら現実の環境で製品やサービスのコンセプトを試してみることで、その実現可能性や効果を実証します。

要するに、フィジビリティスタディは「可能かどうか」を評価するのに対し、POCは「どう動くか」を実際に試してみるものです。

一般的にはFSのあとにPoCを行うことが多く、FSは事業やプロジェクトの実現性を調査するのに対し、PoCは技術や費用について実効性を調査します。FSで策定した課題を解決できるかの検証をPoCで行うので、テスト販売などはPoCの段階で実施されます。

8. 日本企業のフィジビリティスタディ(FS)に関する最新動向

海外進出では事前のフィジビリティスタディ(FS)調査が重要

最後に、日本企業の海外進出における「フィジビリティスタディ」に関する最新動向について解説します。

毎年、海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima~出島~」では1年間の進出相談と海外進出企業ならびに、海外進出支援企業を対象に実施したアンケートをもとに「海外進出白書」を作成しています。

この「海外進出白書」にて、海外ビジネスの専門家である進出サポート企業にずばり、海外ビジネスの成否を分けるポイントについて聞いた調査結果があります。その結果が下記のグラフとなっています。

hakusho_2022-2023_FS..png

結果として、7割以上の企業が「現地パートナー」を挙げています。信頼できるパートナーを見つけるということが、成功への近道であることは間違いないでしょう。

そして注目していただきたいのは2位の「調査・リサーチ」、3位の「現地ニーズの高さ」といった、マーケットに関するフィジビリティスタディ(FS)調査項目が続いていることです。

ビジネスを行う上で、マーケットの規模や成熟度は非常に重要です。海外進出においては、事前にきっちりとしたフィジビリティスタディ(FS)調査を行い、勝算を持って臨むべきと言えるでしょう。

上記の内容をさらに深掘りした日本企業の海外進出動向を「海外進出白書」にて解説しています。

『海外進出白書(2022-2023年版)』には、日本企業の海外進出動向の情報以外にも、「海外進出企業の実態アンケート調査」「海外ビジネスの専門家の意識調査」など、全117Pに渡って、日本企業の海外進出に関する最新情報が掲載されています。

下記のバナーより海外進出白書(※PDFデータ(A4サイズ)/全117Pの大ボリューム!)」無料ダウンロードが可能です。

【メルマガ】海外進出白書2023 (600 × 200 px).png


9. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

海外進出サポート企業が多数登録

今回は、フィジビリスタディの基礎知識やPoCとの違い、さらには海外進出におけるその意義や、具体的な進め方…などについて解説しました。

海外進出にも重要な存在であるFSですが、実施するにはコストがかかります。前述したとおり、助成金が使えるケースもあるため、助成金や海外進出に詳しい専門家に相談してみるのもいいでしょう。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

「海外進出の戦略についてサポートしてほしい」「海外での事業計画立案のアドバイスがほしい」「海外に進出したいが何から始めていいのかわからない」…といった、多岐に渡る海外進出におけるご質問・ご相談を承っています。

ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、貴社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。



(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
海外ビジネスに関する情報につきましては、当サイトに掲載の海外進出支援の専門家の方々に直接お問い合わせ頂ければ幸いです。

この記事が役に立つ!と思った方はシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

海外進出相談数 2,000 件突破!!
最適サポート企業を無料紹介

\ 3つの質問に答えて /
コンシェルジュ無料相談

コンシェルジュに無料相談する

入力1

入力2

確認

送信

課題やお悩みをカンタンヒアリング。
下記の項目に答えるだけでサポート企業をご紹介します。

連絡先を入力する

役職

個人情報保護方針利用規約 を必ずお読みになり、同意いただける場合は次へお進みください。

前に戻る

もっと企業を見る

海外進出・海外ビジネスで
課題を抱えていませんか?

Digima~出島~では海外ビジネス進出サポート企業の無料紹介・
視察アレンジ等の進出支援サービスの提供・
海外ビジネス情報の提供により御社の海外進出を徹底サポート致します。

無料相談はこちら

0120-979-938

海外からのお電話:+81-3-6451-2718

電話相談窓口:平日10:00-18:00

海外進出相談数
22,000
突破