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食品輸出のはじめ方|海外展開を成功に導く実務ガイドと注目市場

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日本国内の人口減少や市場の成熟化が進むなか、食品業界においても新たな収益源として「海外市場」に目を向ける企業が増えています。中でも、健康志向や日本食ブームを背景とした“日本産食品”の需要は、アジアを中心に欧米・中東でも年々拡大しており、すでに多くの企業が輸出による販路拡大に取り組み始めています。

一方で、「どの国が適しているのか」「どのような手続きが必要か」「何から始めればよいか」といった声も多く、実務的な情報の不足が、輸出への一歩を踏み出せない理由の一つとなっているのも事実です。

本記事では、食品輸出の基本的な流れや制度のポイントはもちろん、ターゲットとなる市場の特徴、実際に輸出を始める際のステップや成功のポイントまで、現場目線で丁寧に解説していきます。海外展開の第一歩を確実に踏み出すために、今押さえておくべき知識と実践ノウハウをまとめました。国内食品メーカー・加工業者・販路開拓担当者の皆様にとって、輸出戦略を設計する上での実用的なガイドとなれば幸いです。

1. 食品輸出の基本知識と制度概要

食品輸出の一般的な流れとは?

食品の海外輸出で販路構築に至るまでには、いくつかの段階を丁寧に踏む必要があります。まず出発点となるのは「どの商品を、どの国へ輸出するのか」という計画設計です。ターゲット国によって好まれる食品の特性や規制が異なるため、商品の選定は慎重に行う必要があります。まずは国内で成功している要因(得意とするターゲット市場や自社商品の強み等)を分析し、その成功パターンを海外の市場でも適用できるか調査します。その上で、商談会や展示会などの機会を利用してバイヤーとの商談を通じ現地市場のニーズに適合しているか判断します。必要に応じ、輸出に適したパッケージや賞味期限の設定、使用する原料の調整を行い、現地の輸入要件に適合させます。

次に、必要な登録や認証(施設登録やHACCP認証など)を取得し、輸送手段や通関方法を決定していきます。ここでは、温度帯や保存条件、リードタイムなどが非常に重要となります。そして、現地での受け入れ先(輸入業社、卸会社、小売事業者)と連携し、販売・プロモーションを行うことで、ようやく市場流通へとつながります。こうした一連の流れを踏まえることで、安全性と信頼性を両立させた輸出体制を構築することができます。

輸出に必要な許認可と制度理解

輸出には、製品の魅力だけでなく、各国の法制度への正しい理解と対応が欠かせません。特に食品の場合、衛生管理・成分表示・食品添加物などに関する規制は厳しく、国ごとに大きな違いがあります。たとえば、ある国では問題とされない成分が、別の国では輸入禁止になっているケースも少なくありません。輸出先の食品法規や輸入要件を事前に確認し、適切に対応することが重要です。

また、原産地証明書、動植物検疫証明書、食品衛生証明書などの取得も必要に応じて求められます。こうした書類の整備は、通関のスムーズさや取引先との信頼構築にも直結します。輸出実務を進めるうえでは、これらの制度を理解したうえで、必要に応じて行政や専門機関のサポートを受けながら準備を進めていくのが現実的な進め方です。

活用できる支援制度

食品輸出に挑戦する企業にとって、国や自治体、支援機関が提供する制度や情報は心強い味方となります。たとえば、JETRO(日本貿易振興機構)では、輸出先国ごとの法規制や市場動向をまとめたガイドブック、商談会、マッチングイベントなどを提供しており、特に初めて輸出に取り組む企業にとっては非常に有益です。

また、農林水産省による「輸出拡大実行戦略」に伴う補助事業や、各都道府県の食品輸出支援窓口なども活用価値が高い制度です。公的機関による補助金や専門家派遣制度を通じて、必要な工場設備導入、認証の取得、商品開発、輸出用仕様書の作成や輸出商談の伴走型支援など、より実務的な支援を受けられる場合もあります。こうした情報や制度を上手に活用することで、社内リソースだけでは難しい課題も乗り越えやすくなり、より計画的で確実な輸出準備につなげることができます。

2. 輸出に適した食品ジャンルと海外ニーズの特徴

海外輸出に向く食品・向かない食品

食品を輸出する際には、「どんな商品が海外で求められているか」という市場ニーズと同時に、「どんな商品が輸出に適しているか」という物流・保存の観点も踏まえて選定する必要があります。一般的に、輸出に適しているのは常温で保存できる加工食品や調味料、スナック菓子、レトルト食品、インスタント商品などです。これらは輸送や保管が比較的容易であり、通関手続きも進めやすいという利点があります。

冷凍食品についても、冷凍コンテナなどを利用した物流の組み立ては可能ですが、常温商品に比べると混載便のサービスも少なく、取り扱いには制約が伴います。

一方で、賞味期限が短い冷蔵商品や生鮮品などは、現地インフラや物流条件によっては取り扱いが難しくなることがあります。また、動物性原料や酒類を含む食品については、食品衛生上、動物検疫上の規制や輸入者のライセンスの有無など、輸出先の市場ごとに細かなチェックが必要です。輸出可能性のある食品を絞る際には、品質や味に加えて、保存性・物流適性・規制の観点もあわせて確認することが重要です。

地域ごとに異なる“求められる味と機能性”

海外市場では、日本の食品が持つ「高品質」「安心・安全」「ヘルシー」といったイメージが浸透しつつありますが、国・地域によって消費者の嗜好やニーズには明確な違いがあります。たとえば、アジア圏では「日本らしい味」や「和のパッケージデザイン」に対する関心が高く、抹茶味・醤油風味・味噌仕立ての商品などが高評価を得やすい傾向にあります。

一方で欧米市場では、オーガニック、グルテンフリー、ビーガン対応、低糖質といった健康・機能性にフォーカスされた商品が選ばれる傾向があります。また、中東市場ではハラール認証の有無が取引の前提となることが多く、宗教や文化的背景に配慮した商品設計が求められます。このように、地域ごとのニーズを踏まえた商品戦略を立てることが、輸出成功の重要なポイントになります。

日本発“高付加価値食品”が強い理由

日本の食品は、単なる「物」以上に、ストーリーや背景、品質へのこだわりが詰まった“体験型商品”として評価される傾向があります。特に、地方の伝統的な食品に対しては、作り手の顔が見える丁寧な製造プロセス、素材へのこだわり、伝統的な製法などを訴求することで、現地市場におけるプレミアムポジションを築きやすくなります。これは単に味が優れているということだけでなく、「安心して口にできる」「文化的価値がある」といった付加価値が購買理由になるからです。

また、海外では日本食が「ヘルシーで繊細」「高品質で高価格なもの」というブランドイメージを持っており、価格競争ではなく“価値提案”で勝負できる余地があります。そのため、無理に現地価格に合わせて安く提供するのではなく、あえて高価格帯を狙って「信頼されるブランド」としての立ち位置を確立する戦略も有効です。日本食品の本質的な魅力をどう見せるかが、輸出成功を分けるカギとなるでしょう。

3. ターゲット別に見る輸出先市場の選び方

アジア市場はスピード重視と柔軟性がカギ

食品輸出を考えるうえで、アジア市場は最初のターゲットとして非常に有力です。中国、台湾、香港、シンガポール、タイ、ベトナムといった地域では、日本食に対する関心が高く、すでに一定の需要が存在しています。これらの国々では「和食=ヘルシーで高品質」という認識が浸透しており、特に加工食品や菓子類、調味料などは人気のカテゴリとなっています。

アジア市場のもうひとつの特徴は、消費者の反応が早く、試験的な輸出にも適しているという点です。小ロットから始められる市場が多いため、新商品のテスト販売やパッケージ改良など、柔軟なアプローチが取りやすいのも利点です。また、地理的に日本に近く輸送リードタイムも短いため、物流面での負担も比較的軽減されます。スピーディーな展開を望む企業にとっては、アジアは最も現実的かつ成果につながりやすい市場と言えるでしょう。

一方で香港、台湾、シンガポール、タイなどの主要な市場では既に多くの日本食品が出回っているので、一般的な食品では新規参入が容易ではないのも事実です。後発の商品であれば、従来の商品にはない目新しさや新たな価値の提案が必要になります。

欧州・北米は参入障壁は高いが成長市場

欧州や北米といった先進国市場は、参入のハードルこそ高いものの、その分市場の開拓余地もまだ残されており、リターンも大きい市場です。これらの地域では、食品の安全性に対する要求が厳しく、添加物の規制や食品表示、検疫条件などに細やかに対応しなければなりません。また現地市場に適した容器やラベルを要求されることもあり、そのための輸出準備には時間と手間がかかる一方で、一度市場で認知されれば、継続的な取引につながる可能性があります。

また、現地の消費者は寿司やラーメン、味噌醤油などの調味料、日本酒といったポピュラーな日本食品以外にも、健康に良い自然食品や、オーガニック、サステナブル、グルテンフリー、ビーガンといった付加価値商品も人気です。たとえば、米国では和牛や抹茶製品が、高級志向の層に広がりを見せており、欧州でもビーガン対応やグルテンフリー食品が市場を形成しています。商品開発や表示対応に力を入れることで、高付加価値市場への参入は十分可能です。

中東・豪州などはニッチ市場として有望

食品輸出のターゲットとして見落とされがちですが、中東やオセアニア(特にオーストラリア・ニュージーランド)は、ニッチながらも着実な需要が見込める注目市場です。中東ではハラール認証を前提としつつも、業務市場を中心に日本食品が人気になっています。また富裕層向けの贈答品や加工食品、健康食品なども、今後の市場性は十分に見込めます。

一方、オーストラリアなどでは、健康志向が非常に強く、無添加・オーガニック食品への関心が高まっています。日本食そのものに対する理解も深く、寿司や味噌など伝統的な食品に加え、発酵食品やビーガン対応商品への興味も広がっています。こうした国々は、規模こそ限定的でも日本ブランドに対する受容性が高く、狙いを定めた展開によって大きな成果を得られる可能性を秘めた市場です。

4. 輸出に向けた準備と進め方【実務ステップ】

商品の選定と輸出仕様の調整から始める

食品輸出の第一歩は、輸出に適した商品を選定し、それを現地仕様に合わせて整えることから始まります。輸出向けの商品は、味やパッケージデザインが評価されるだけでなく、保存方法、賞味期限、原材料表示、栄養成分の記載方法など、輸出先の規制に適合していることが重要です。たとえば、アメリカやEU諸国では、食品表示に関する厳格なルールがあり、輸出前にラベルの言語を現地対応し、成分内容やアレルゲン表示などを明記する必要があります。

また、容器や包装についても、物流上の強度やコスト効率、環境配慮の観点からの見直しが求められることがあります。そのため、国内市場向けの商品をそのまま輸出するのではなく、「輸出仕様」として調整を加えることが欠かせません。この段階で、現地の規格やバイヤーの要望を把握することが、のちのトラブル防止や商談成功につながります。

輸送・通関・現地流通の設計

輸出の実務においては、商品を“届ける”ための物流設計が重要な役割を担います。食品の場合、温度管理が必要な商材や、輸送中の破損リスクが高いものなども多く、輸送方法と保管体制の設計は極めて慎重に行う必要があります。冷蔵・冷凍輸送が必要な場合には、適切なフォワーダーや専門の物流業者を選定することが不可欠です。

通関手続きにおいては、インボイスやパッキングリストの作成、原産地証明の取得など、輸出書類の整備が求められます。また、インコタームズ(貿易条件)に応じて、どこまでが輸出者の責任範囲かを明確にしておくことも大切です。現地流通では、輸入業者、卸売業者、小売業者などのネットワークをどう活用するかが販路形成のポイントとなります。輸送から販売までの一連の設計が輸出成功の土台を築くといえるでしょう。

商談・販路づくりの具体的手段とは?

輸出市場で商品を展開するには、信頼できるバイヤーや販売パートナーとの接点づくりが不可欠です。その手段として、まず挙げられるのが海外展示会への出展です。たとえば、FOODEX JAPANやJFEXといった国際的な食品展示会では、世界各国からバイヤーが集まり、サンプル提供や商談機会が得られます。また、JETROなどが主催する商談会やマッチングイベントも、近年では成果を上げている取り組みの一つです。

さらに、BtoB向けの越境ECプラットフォーム(Alibaba、Tradewheelなど)や、現地の小売店とのテスト販売、SNSを活用したプロモーション展開など、多様なチャネルを組み合わせることで販路の拡大が図れます。現地文化や商習慣に合ったアプローチを設計することで、単なる一過性の取引ではなく、継続的なビジネス関係を築くきっかけとなるでしょう。

5. 食品輸出を成功させるためのポイントと注意点

いきなり大量輸出せず、試験的導入が有効

初めて輸出に取り組む企業が陥りやすい失敗のひとつに、「いきなり大量の出荷を前提に事業を進めてしまう」ことがあります。海外市場では、日本国内とは異なる消費者の嗜好や競合環境が存在しており、商品が必ずしもすぐに受け入れられるとは限りません。そのため、最初はテストマーケティングを兼ねた小ロット輸出から始め、現地の反応を慎重に見極めることが大切です。

たとえば、少量のサンプルを用いて現地バイヤーや販売パートナーのフィードバックを得ることで、味やパッケージ、価格帯に対する修正点を早い段階で把握できます。こうした段階的なアプローチは、在庫リスクや商談中止による損失を抑えるだけでなく、商品やブランドの方向性をより精緻に調整していくための貴重なプロセスとなります。

輸出後のフォローが信頼と継続につながる

輸出は「商品を届けること」で終わるのではなく、むしろそこからがスタートです。初回の輸出取引が完了した後も、継続的に受注を獲得するには、現地パートナーとの信頼関係をいかに築けるかが重要となります。納品後のフォローや、販売状況の共有、問題発生時の迅速な対応など、きめ細やかなコミュニケーションが長期的な取引につながります。

また、現地での販売促進活動においても、販促ツールの提供やキャンペーン支援、SNSでの認知施策など、輸出元としての協力体制を整えることで、バイヤーや販売店からの評価が高まりやすくなります。リピート受注を生み出すには、「売って終わり」ではなく、伴走する姿勢を持ち続けることが肝要です。

支援者・パートナーと組むことで“確実に前に進む”

食品輸出には、多くの専門知識や制度対応、異文化理解が求められるため、自社内のリソースだけで完結させるのは容易ではありません。特に初めての輸出では、制度上のミスや商談上の行き違いが発生しやすく、結果としてコストや信頼を失うリスクがあります。そうしたリスクを回避するためにも、経験豊富な支援パートナーやコンサルタントとの連携は非常に有効です。

JETROや自治体の輸出支援機関、民間の専門コンサルティング会社などを活用すれば、書類の整備から商談支援、販路開拓、物流構築まで幅広く伴走してもらうことができます。社内リソースを補完しつつ、よりスピーディーかつ確実に輸出を進められる環境を整えることで、企業の海外展開は一段と現実的なものとなるでしょう。

6. まとめ|食品輸出は“段取り”と“現地理解”が成功の分かれ道

日本の食品は、品質の高さや安全性、独自の風味や文化的背景を備えた“高付加価値商品”として、世界中で確かな評価を得ています。輸出を通じて新たな収益機会を創出することは、多くの食品関連企業にとって重要な成長戦略の一環であり、今後もますますその重要性は増していくでしょう。

一方で、食品輸出は決して簡単なプロセスではありません。商品選定、法規制対応、物流設計、販路開拓、商談準備、そして輸出後のフォローまで、実務レベルで求められる対応は多岐にわたります。成功に導くためには、各ステップにおいて“段取り”を丁寧に組み立てること、そして“現地理解”をもって市場にアプローチする姿勢が不可欠です。

特に初めて輸出に取り組む企業にとっては、小さく始めて、反応を確かめながら育てていくスタンスが安全で確実な方法と言えるでしょう。その過程で信頼できる支援機関やパートナーと連携することで、複雑な制度対応や販路戦略の構築をスムーズに進めることができます。

海外市場で成果を上げるためには、「売れる商品」だけでなく、「売れる仕組み」を構築することが鍵になります。本記事でご紹介したポイントを参考に、ぜひ貴社の食品輸出戦略を現実の成果へとつなげていただければ幸いです。

海外展開に挑戦したい、でも何から始めればいいのかわからない。そんな時こそ、ジャパンフードネットワークにご相談ください。海外輸出の実務から、バイヤーとの商談アレンジ、認証取得、展示会サポートまで、「食品輸出のプロフェッショナル」として貴社の海外進出を全力でバックアップいたします。「初めて」でも安心、「次の一手」にも最適。まずはお気軽にご相談ください。成功事例やサポート内容をご紹介いたします。

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