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Eコマース最前線 | 次世代ストアフロントが生む"自分だけの"購買体験

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2024年から2029年にかけて、小売業の成長の75%をEコマース(以下、EC)が占めると予測されているものの、依然として収益性の確保が大きな課題となっています。小売業者やブランドは、業界動向や消費者トレンド、テクノロジーの進化に対応しながら、オンライン戦略を磨き、長期的なチャネルシフト戦略を築きながらECを持続的に成長させる必要があります。先進的な企業は、新しい「発見」の場や顧客とのエンゲージメントを高めるツール、そして購買体験を向上させる方法を積極的に取り入れています。こうした変化は10年以上前から進行してきましたが、テクノロジーの急速な進歩により、オンライン体験は今、「次世代のストアフロント」へと進化する転換期を迎えています。

※本記事は2025年7月に発行されたユーロモニターのレポートNext-Gen Online Storefront: A Shopping Journey for OneをDigima~出島~のノウハウ記事用に編集し直したものです

購買ファネルの奥底へ:「見つける」と「買う」が融合する時代

ストーリーテリングを販売ツールへ:「出会いの場」とコマースの融合

消費者と商品が出会う場は増加の一途を辿っています。小売業者やブランドはストーリーテリングを、感情的なつながりや高まるコミュニティ意識を通じて、強力な販売ツールへと変える方法を模索しています。同時に、コンテンツ企業は、消費者がインスピレーションを感じると思われる瞬間を、購買の場として活用しています。

たとえば、ソーシャルメディアは単なるユーザー同士の交流の場から、ショッピングも可能なプラットフォームへと進化しました。ソーシャルメディア運営企業は、自社のプラットフォームに商品を直接購入できる機能を次々と追加しています。特にアジア太平洋地域において、ソーシャルコマースは重要な購買チャネルの一つであり、2025年には世界のソーシャルコマースの49%を同地域が占めると予測されています。

ByteDance傘下のTikTokやDouyinは、ショッピング機能を実装したプラットフォームの代表格です。2020年以降、Douyinは中国でライブ配信のリーダーとして台頭し、競争の激しいEC市場で第3位に躍り出ました。両者は、広告収益に加え、1~5%という低い手数料モデルを採用することで、ブランドや中小規模の販売者にプライオリティを置いています。

TikTokとDouyinが成功した最大の理由は、「発見可能性(Discoverability)」が購買体験に組み込まれている点であり、これはAmazon、Alibaba、Walmartといった小売大手とは異なる特徴です。この10年間で「FMOT(First Moment Of Truth:消費者が商品と出会ってから購入意思を固める瞬間、エフモット)」は実店舗からTikTokのようなオンラインプラットフォームへと移行しました。現在では、RobloxやRokuなど他の企業もこの戦略を模倣し、消費者が商品に初めて出会う瞬間にショッピング機能を当てています。

「検索」はもはや商品と出会う唯一の入り口ではない

オンラインショッピングにおいて商品と出会う方法は変革を遂げています。画像検索や会話型検索といった新しい検索手法に加え、小売業者のウェブサイト、マーケットプレイス、ソーシャルメディアなど新しいプラットフォームへと広がりを見せています。検索は今やOpenAIのChatGPTのようなAI大規模言語モデル(LLM)上でも行われています。2024年1月から2025年5月までの間に発生した、米国EC小売業者への生成AI経由のトラフィックの内、3分の2がChatGPTからでした。生成AIは急成長中のトラフィックソースとはいえ、依然として検索のトップはGoogleであり、2025年4月の決算報告では強い検索成長を示しました。

ユーロモニターの調査によると、業界関係者の43%が、今後1年以内に生成AIがショッピングジャーニーに統合されると予想しています。AIはすでに検索エンジン経由の商品調査手法を変えつつありますが、生成AIの到来によってその体験は根本から変化するでしょう。検索はキーワード依存のアルゴリズムから、文脈やユーザーの意図までも理解する高度なモデルへとシフトします。

こうした変化は、より高価値な回答をユーザーに提供することが期待される一方、小売業者やブランドには戦略的・運営上の課題が生じます。生成AIは情報を要約する傾向があることから、重要なブランドメッセージを省略または歪曲する可能性が考えられます。小売業者は、生成AIが自社商品を有利にランク付け・表示してくれるかに頼る度合いが高まるでしょう。この可視性は独自のランキングシステムに左右されるため、自然流入数が減少する恐れがあります。さらに、AI主体の検索は、小売業者のウェブサイトを完全に迂回する可能性もあります。

体験を進化させるテクノロジー :VR・動画・対話型AIで、EC体験はよりスムーズに

顧客とのつながりを強化するインタラクティブ動画とゲーミフィケーション

ECがオフラインチャネルに比べて消費者の注目と支出を集める中、小売業者やブランドは、「静的なオンライン体験をいかに魅力的にできるか」という課題に直面しています。オンラインショッピングには常に固有の課題がありましたが、データ収集戦略の進化と最新テクノロジーが、今までにない可能性を切り開いています。小売業者やブランドは、インタラクティブ動画、ゲーミフィケーション、VR、会話型コマースなど、さまざまなエンゲージメントツールを取り入れ、体験の向上を図っています。

ByteDanceが運営するソーシャルメディアプラットフォームの台頭に象徴されるように、消費者は没入型のデジタル環境に惹かれています。2022年から2025年にかけて、これらのプラットフォームは、特に若年層の間で、他のどのチャネルよりも急速に成長しました。ソーシャルメディアやその他のプラットフォームに没入型動画要素を統合することで、購買体験は変革を遂げています。ショッパブル動画の普及や、特にアジア太平洋地域におけるライブ配信の台頭がその証拠です。ライブ配信による売上は、2024年から2029年にかけて年平均成長率12%で増加すると予測されており、EC全体の成長を上回ります。ショッパブル動画やライブ配信は、ストーリーテリング、エンターテインメント、コマースを融合させることで、従来のデジタルマーケティングよりも実用的で魅力的な購買手段となっています。

企業が消費者とのつながりを高めるために取り入れているのが、ゲームの戦術です。購買体験におけるゲーミフィケーションは、報酬の力を活用するだけでなく、アプリへの誘導を促進することで、競争力の強化にもつながります。小売の視点からは、参加による割引クーポンの付与から、チャレンジ達成による限定セールへの招待まで、幅広い施策が考えられます。企業がこれらの戦略を模索する狙いには、ECにおける低いコンバージョン率の改善や、ファーストパーティデータの取得などがあります。ゲーミフィケーションは、特に若年層に多いゲーマーや、ショッピングを楽しむ層に効果的に訴求します。また、「休眠」状態の会員を掘り起こす手段にもなります。

生成AIがより直感的でパーソナライズされた購買体験を実現

購買体験全体において拡大するデジタルの影響力は、企業にオンライン体験の向上を必須ものとして迫っています。2024年の時点で、生成AIはユーザーに卓越した体験を大規模に提供できる技術として、重要な役割を果たすと期待されていました。例えば、ブランドのアプリに組み込み、個別にカスタマイズされたランディングページ、商品説明、イラストを生成するといった使い方です。ユーロモニターが実施した「ボイス・オブ・ザ・インダストリー:デジタルサーベイ」では、業界関係者の半数が今後5年間で生成AIへの投資を計画していると回答しました。

今日、小売業者やブランドは、顧客との関係性からより多くの価値を引き出す方法を模索しています。多くはロイヤルティプログラムを再考し、会員から提供されるデータに対してより多くの価値を提供することで、顧客維持を強化しています。ロイヤルティ施策は、会員数の増加、購入頻度の向上、収益拡大を通じて、企業・ブランド側に財務的メリットをもたらします。また、有料会員制度は、戦略的に活用することでロイヤルティを強力な成長ドライバーに変えることができます。2024年には、消費者の46%が少なくとも1つの有料会員サービスに登録していると報告されています(ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:ロイヤルティサーベイ)。満足度の高い顧客はブランドの支持者となり、新規顧客の紹介を通じて企業の成長に寄与します。さらに、リテールメディアの台頭は、データを収益化するもう一つの方法です。ブランド担当者の75%がここに予算を割り当てており、ユーロモニターの業界予測ではリテールメディアが2025年にテレビ広告を超えると見込んでいます。

こうした新しいデータソースや収益源を最大限に活用するため、多くの企業が生成AIに注目しています。ロイヤルティプログラムにおいて、生成AIはリアルタイムのリワード提案、ハイパーパーソナライズされた体験やサービスの提供、低コストでの新規会員獲得を可能にします。購入履歴、評価やフィードバック、ソーシャルインタラクション、会員の嗜好や行動を分析することで、平均値に頼らずとも、生成AIによって個々の顧客ニーズに対応できる数千もの予測モデルを生成することができます。

お待たせしないサポート:ボット活用で「即解決」を当たり前に

カスタマーサービス解決に対する消費者嗜好の進化

カスタマーエンゲージメントが長期的な関係構築を目的としている一方、カスタマーサービスは、問題の早期解決といった即時的なニーズへの対応に重点を置いています。購買体験における他のステップと同様に、テクノロジーがこの進化を後押ししています。同時に、消費者はテクノロジーの導入に対して、より快適さを感じるようになっています。

ユーロモニターの「ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:デジタルショッパーサーベイ」によると、世界のインターネット利用者の半数は、カスタマーサービスの利用においては依然として人間の担当者と話すことを好むと回答しています。しかし、この嗜好を示す割合は、初めて調査した2020年の時点から8ポイント減少しています。一方、過去3年間で、グローバルに見て、単純な質問から複雑な質問まで、ボットを使った問題解決や、企業ウェブサイト上のチャットボットとのやり取りに対する快適さが増加しています。

人口統計による違いもあります。アジアの消費者の、さまざまなカスタマーサービスのやり取りにテクノロジーが使われることに対する姿勢は、他の地域と比べてオープンです。一方、人間からボットへのシフトがより顕著なのは、西洋市場です。年齢別に見ると、人間による対応を好む傾向は全体的に減少し、ボットの受け入れが最も高いのは30歳以下でした。

AIエージェント:カスタマーサービスの次の主役

AIは、カスタマーサービスにおけるデジタルトランスフォーメーションを加速させる可能性を秘めています。もともとAIは、迅速で正確な回答を提供する、人間のパートナー的存在でした。生成AIはさらに一歩進み、回答の複数提案、過去のやり取りの要約、フォローアップの通知までも行うことができます。現在では、AIエージェントがワークフローを開始し、人間の介入なしに顧客の問題を解決することも可能になりつつあります。まだ開発の初期段階とはいえ、これらの技術はより人間らしいボット体験をもたらすと期待されています。

AIエージェントは、人間が設定した目標を達成するために最適な行動を独自に考えて選択できるため、次の段階ではより革新的なものに進化する可能性があります。例えば、AIエージェントは顧客に複数の質問を投げかけたり、社内ドキュメントにアクセスして解決策を提示したり、人間にエスカレーションしたりすることができるようになり、単なるQ&Aを超えた対応が可能になるのです。また、AIエージェントは複数のデータセットを分析し、個々の顧客のより良いプロファイルを構築して、顧客一人ひとりに合わせたサポートを提供できます。

購買プロセス全体で生成AIを活用する利点の中で、消費者の約40%が「パーソナライズされたサポートの強化」を最も重要なメリットとして挙げており、これは「より関連性の高いおすすめ商品の提示」に次ぐ位置づけです。生成AI対応エージェントが、意思決定プロセスにおいて、最低限の人間の関与でより複雑な質問を解決できるようになるにつれ、この技術の価値は指数関数的に高まるでしょう。

「おまかせ買い」時代の到来:AIエージェントがショッピングを自動運転

ショッピングボットは消費者の安心感と信頼を獲得できるか

生成AIが、消費者の商品検索や、小売業者やブランドとの関係性を塗り替えています。AIエージェントが複雑な質問に対してサポートやガイダンスを提供する役割を担っている一方、ショッピングエージェントが人間の関与なしに商品を代理で購入するという考え方は、まったく異なる話です。ボットによる購買の成功は、消費者がエージェント型コマースプラットフォームにどれだけ安心感と信頼を持てるかにかかっています。

一般的に、消費者はテクノロジーが主導する購買体験に対してよりオープンな姿勢を見せており、結果として意思決定の回数を減らすことに成功しています。しかし、次世代テクノロジーの採用に対する快適さは、潜在的なメリットや過剰性の認識によって大きく異なります。例えば、消費者はレストランの案内ロボットに対して快適さを感じやすい傾向にある一方、食事を準備するロボットに対しては「行き過ぎだ」と見なす傾向にあります。

エージェンティックコマースをめぐり、多くの企業が投資を加速

自動購入ボットを実現させる可能性を秘めたAIエージェントのエコシステムが形成されつつあり、認証トークンといった既存の技術基盤や、巨額の資本投入がこの動きを後押ししています。こうした新しいモデルは、消費者が検索を始めてから購入を完了するまでの方法を変えることで、コマースの在り方が覆される可能性があります。

将来的には、「ショッピング」という概念が、消費者の代理として働くAIエージェントと、購買プラットフォーム上のチャットボットとの会話による「副産物」になるかもしれません。例えば、エージェントが検索エンジンに「午後の日差しが入るグレーとブルーでコーディネートされた寝室に理想的な壁紙をトップデザイナーは何色と推奨しているか」を尋ねるとします。このような場合は、まず回答となる情報を提示し、その後に商品、そしてブランドを紹介する形になります。

最大の未知数は、これらのAIショッピングエージェントがどのように機能し、どのように推奨を行い、どのビジネスモデルを選択するかという点です。業界全体でさまざまな領域のプレイヤーが動きを見せています。AIショッピングアシスタントは、特定の小売業者を中心に商品を検索する場合もあれば、複数のプラットフォームを横断する場合もあります。将来的に消費者は、ボットとやり取りして買い物を代行するAIショッピングエージェントを選ぶようになるかもしれません。パーソナルショッピングエージェントは、会員制度の有無など、ユーザー嗜好を追加で考慮する可能性もあります。一方、AIエージェントが検索や購入の実行においてより大きな役割を果たすようになると、小売業者やブランドは「(消費者の本当の姿が)見えなくなる」リスクに直面することになるため、多くの企業は投資の度合に悩むかもしれません。しかし、近年のマーケットプレイスモデルの台頭は、Amazonのように早期に実験した企業が長期的に最も成功していることを覚えておく必要があります。

まとめ

インターネットの普及により、マーケットプレイス、DTC(Direct-to-Consumer)サイト、ソーシャルメディアなど、商品と出会う場が増えたことで、Go-to-Market(GTM)戦略はより複雑になっています。オンライン浸透率が最も高い企業の一つであるNestleは、ブランドごとに最適なチャネルを組み合わせたカテゴリー中心のEC戦略を構築しています。米国では、Purinaがペット専門のChewy、NespressoがDTC、Stouffer’sが食料品小売のWalmartを、それぞれ主要な販売チャネルとしています。

商品を目にする場が増えるということは、小売業者やブランドが顧客にリーチするために、より複雑な戦略を展開しなければならないことを意味します。適切な販売チャネルを特定するだけでなく、新しいテクノロジーが消費者の検索開始から購買完了までのプロセスをどのように変えるかも考慮する必要があります。

小売業者やブランドは、在庫、価格設定、そして商品の情報を、意思決定を行うAIアルゴリズム用に最適化することが不可欠です。将来的には、AIエージェントがより多くのボット購買を促進し、Nestleの人気ペットフードのような検討を必要としない商品に影響を与える可能性があります。エージェント型AIによるパーソナルショッピングアシスタントの未来が形作られる中で、こうしたAIアシスタントをどのように位置づけ、どこまで積極的に投資すべきかどうかという戦略を決定する必要があります。

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