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海外事業に使える補助金マップ2026 — 制度ごとの実力と使い方

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海外進出を検討する企業にとって、「自社が使える補助金はどれか」「どの制度が事業計画にフィットするか」を制度横断で判断する難易度は、年々高まっています。制度ごとに上限額・補助率・対象経費・申請タイミングが大きく異なり、毎年複数回の制度改編も入るためです。

本記事では、2026年6月時点で海外事業に活用できる主要5制度——中小企業新事業進出補助金 第4回GS補助金大型実証(ASEAN)新事業進出・ものづくり補助金 グローバル枠東京都GXプロジェクトJICA BIZ——について、上限額・補助率・対象経費・申請タイミング・現場での注意点を1枚に整理しました。

株式会社ケンドマネジメントは、東京都「グローバルサウスのGX促進プロジェクト」の伴走サポーターに選定されており、補助金の制度選定/申請書作成/採択後の交付申請・実績報告まで一気通貫でご支援しています。海外事業の構想段階から実装フェーズまで、補助金を活用した投資計画をご検討の企業様は、まず制度比較のたたき台として本記事をご活用ください。

2026年6月現在、海外事業に活用できる補助金は複数走っています。今から動けるもの、夏以降に備えるもの、都内企業限定のもの——制度ごとに性格がまったく違います。今のうちに全体像を整理しておきます。
なお、補助金の金額や締切は年度・回次で変わります。本記事は2026年5月時点で確認できた一次情報をもとにしていますが、実際の申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。

1.全体マップ(2026年6月時点)

▼ 今から動ける(公募中・間近)

◉ 中小企業新事業進出補助金 第4回

締切 6/19 18:00(現行制度の最終回)|上限7,000万円(賃上げ特例9,000万円)|補助率1/2(特例2/3)
海外直結度:△(国内拠点のみ)|難易度:中

◉ GS補助金 大型実証(ASEAN加盟国)

要領3/31公開・公募6月頃予定|補助対象経費5億円超〜40億円以下(大型案件専用)|補助率 中小2/3・非中小1/2
海外直結度:◎|難易度:高

▼ 夏以降に備える(準備はもう始められる)

◉ 新事業進出・ものづくり補助金 グローバル枠

6月下旬〜(詳細未発表)|上限7,000万円(賃上げ特例9,000万円)|補助率2/3
海外直結度:◎|難易度:中

◉ 東京都 GXプロジェクト

第1回・追加募集とも締切済・次回未発表|FS上限1億円(中小2/3)・実証上限3億円(補助率1/2)|KENNDOは伴走サポーター
海外直結度:◎(都内企業限定)|難易度:中

◉ JICA BIZ(ニーズ確認調査/ビジネス化実証事業)

9月頃 公募予定(説明会・事前コンサルは開始済)|ニーズ確認1,500万円/実証4,000万円|委託契約方式
海外直結度:◎|難易度:高

2.今から動ける制度

① 中小企業新事業進出補助金 第4回(6月19日締切)

海外事業との関係: △(直接の海外進出は対象外)

事業再構築補助金の後継として2025年に創設された制度です。補助上限は最大7,000万円(賃上げ特例で9,000万円)、補助率は1/2(地域別最低賃金引上げ特例の適用時は2/3)。第4回の申請受付は2026年5月19日に始まり、締切は6月19日(金)18:00です。採択発表は9月頃の予定です。

重要な注意点:この補助金の補助事業は国内拠点に限定されます。海外での設備投資・実証費用は計上できません。「海外進出補助金」ではないのです。

ただし、輸出向けの製造ライン増設や、海外需要を取り込む新事業の国内基盤整備には使えます。「海外で売るための国内設備を整える」という文脈であれば有効です。

採択率は第1回37.2%、第2回35.4%と、事業再構築補助金(末期は一桁)よりも格段に通りやすくなっています(いずれも過去回の実績値です)。

そして、この第4回が現行制度の事実上の最終回です。

次年度以降はものづくり補助金と統合され、「新事業進出・ものづくり補助金」へ移行します。統合後はグローバル枠が新設され、海外展開に踏み込みやすくなる見込みです(後述します)。

今から準備して6/19に間に合わせるのか、新制度の詳細を待つのか——3週間ほどで判断が必要な局面に来ています。

メリット
・賃上げ特例で最大9,000万円と金額規模が大きい
・機械装置・建物・外注費・広告費など幅広い経費が対象

注意点
・補助事業の実施場所は国内限定。海外拠点の整備は対象外
・機械装置費または建物費のいずれかが必須。コンサル費・調査費のみでは申請不可
・第4回が現行制度の最終回。6月以降は新制度へ移行

公式: https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/

② GS補助金 大型実証(ASEAN)(6月頃 公募予定)

海外事業との関係: ◎ 直結(ただし大型案件専用)

経産省が主管する「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」の、令和7年度補正・大型実証(ASEAN加盟国)ラインです。補助率は中小企業2/3・中小企業以外1/2、補助上限は40億円。ただし補助対象経費が5億円超〜40億円以下と、もともと大規模案件専用のラインである点に注意が必要です。ASEAN加盟国が対象で、インドネシアも含まれます。

同じ補助金には小規模実証・FS事業など別ラインもあり、そちらは先行して公募が進んでいます。大型実証(ASEAN加盟国)は、募集要領の公開が2026年3月31日(予定)、公募受付の開始・締切は2026年6月頃(予定)とされています。

対象は3類型に整理されています。類型1:我が国のイノベーション創出につながる共創型、類型2:日本の高度技術海外展開型、類型3:サプライチェーン強靱化型です。食料・水産を主題にした申請が通るかは設計次第ですが、「コールドチェーン×脱炭素」「水産加工×廃棄ロス削減」といったフレーミングで類型に寄せることは可能です。

規模が大きく、競争も激しい制度です。単独申請も可能ですが、事業性・SDGs貢献・相手国の政策整合性を高い水準で書く必要があり、外部支援なしでは難易度が高めです。

メリット
・中小企業は補助率2/3。ASEAN専用ラインあり
・上限40億円と規模が大きく、段階的な事業展開に対応
・類型3(サプライチェーン強靱化)など、食料分野に寄せられる枠がある

注意点
・補助対象経費が5億円超〜と大規模案件専用。小規模なPoCには不向き
・申請書類の質・量ともに本格的。全国規模で採択件数が少なく競争が激しい
・公募開始は6月予定だが、正確なスケジュールは未発表

公式: https://gs-hojo-web.jp/

3.夏以降に備える制度

③ 新事業進出・ものづくり補助金 グローバル枠(6月下旬〜 詳細未発表)

海外事業との関係: ◎(予定)

①で触れた、統合後の新制度です。これまで別々だった新事業進出補助金とものづくり補助金が統合され、グローバル枠が新設されます。

注目すべきは規模の拡大です。旧ものづくり補助金のグローバル枠は上限3,000万円でしたが、統合後は上限7,000万円(大幅賃上げ特例で最大9,000万円)・補助率2/3へ引き上げられます。対象は「海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化に係る設備投資等」とされています。

ただし2026年5月時点で公募要領は未発表です。海外展開費用のどこまでが対象になるのかなど、詳細は6月下旬以降に公開される公募要領を読んで即座に評価するのが、現実的な動き方になります。

公式: 上記①と同じく、続報を確認

④ 東京都 GXプロジェクト(次回公募 未発表)

海外事業との関係: ◎(都内企業限定)

東京都・東京都環境公社が運営する「グローバルサウスのGX促進プロジェクト」です。昨年度(令和7年度)に始まったばかりの新しい制度で、「都内企業のGX技術でグローバルサウスの脱炭素化を後押しする」ことを掲げています。経産省のGS補助金とは別物で、対象は都内に登記があり、かつ都に納税している中小企業・スタートアップ・中堅企業です。

支援は2段階です。まずマスタープラン策定・FS段階は、補助上限1億円・補助率は中小企業/スタートアップ2/3・中堅企業1/2。続く実証・事業化段階は、補助上限が最大3億円(マスタープラン・FS費用を除く)・補助率1/2です。採択予定は5件程度。インドネシアをはじめとするグローバルサウス諸国が対象で、食農×コールドチェーン案件(「オフグリッド型太陽光コールドストレージ×食品廃棄削減」)の採択実績もあり、食料・水産×GXとの親和性が確認できています。

実は、KENNDOはこの制度の伴走サポーター(連携サポーター)に選定されています。都内企業がこの補助金で海外のGX展開に挑むとき、申請から事業の実装までを伴走する立場です。都内に拠点があり、事業をGX文脈で組み直せる中小企業にとっては、国のGS補助金よりも入りやすい選択肢になると思います。

募集の実績を見ると、第1回が2025年7月14日〜8月15日(採択発表9月12日)、第2回の追加募集(現地調査・実証)が2026年1月8日〜2月13日(採択発表4月9日)でした。いずれも現在は受付終了で、次回の新規公募スケジュールは5月時点で未発表です。第1回が夏に始まっていることを踏まえると、都内企業は夏前から事務局の続報を追っておくのが得策です。

メリット
・グローバルサウスが対象。食農×GXの採択実績が直近にある
・GS補助金より申請ハードルが低い(審査は書類+面談の2段階)
・事務局による伴走支援(ハンズオン)が付き、連携サポーターの支援も受けられる
・実証・事業化で最大3億円と、FSから実証まで段階的に使える

注意点
・都内登記・都税納税が絶対条件。要件を満たさなければ申請不可
・「GX技術の保有」が要件。食料・水産事業をGX文脈(脱炭素・廃棄ロス削減)で設計し直す必要がある
・直近の追加募集は2/13で締切済み。次回公募時期は未発表のため、東京都環境公社への問い合わせ・続報確認を

公式: https://globalsouth-gx.jp/

⑤ JICA BIZ(9月1日 公募予定)

海外事業との関係: ◎ 最も直結

JICAの「中小企業・SDGsビジネス支援事業」です。開発途上国でのビジネス立ち上げを直接支援する制度で、海外事業者にとっては最も使いやすい支援の1つだと思います。

押さえておきたいのは、これが補助金ではなく業務委託契約方式だという点です。JICAと委託契約を結び、現地での調査・実証にかかる費用を負担してもらう仕組みで、いわゆる補助率という概念がありません。

標準的な入口は2段階です。まずニーズ確認調査(調査経費の上限1,500万円・最長12か月)で現地ニーズを確かめ、次にビジネス化実証事業(上限4,000万円・最長2年6か月)で現地での実証とビジネス化に踏み込みます。対象は中小企業・中堅企業など。途上国の現場で製品・技術を実証し、事業として成立させるところまでを支援します。

なお、これとは別に、より大型の「普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型/SDGsビジネス支援型)」という枠もあります(1件あたり1億円規模、SDGsビジネス支援型は大企業も対象)。自社の規模と事業段階でどの枠に当たるかは、事前に確認しておく必要があります。

ここで注意したいのが、スケジュール感です。 先日2026年度の公募説明会が行われ、公募開始は9月1日、締切は9月30日、採択発表は12月下旬と発表されました(2025年度は採択発表が12月22日で62件が採択されました)。「まだ先」に見えますが、説明会は資料と動画も公開されています。 制度に関する事前コンサルテーションの受付も始まっており、8月19日までは何度も相談できるようです。つまり、公募は秋でも、準備フェーズはもう動き出しているということです。

JICA BIZは、食料・農業との相性が全制度の中で最も高い制度です。インドネシア・ASEANでの採択実績が厚く、JICAが持つ現地政府ネットワークを使える点も大きな魅力です。

今は事業計画を磨き、事前コンサルテーションで論点を詰めておく時期だと位置づけるのが正しいと思います。

メリット
・ASEANでの採択実績が厚い。JICAの現地政府ネットワークを活用できる
・食料・農業との相性は全制度中で最も高い
・委託契約方式で、事業者の自己負担が補助金より軽い

注意点
・公募開始は9月頃の見込み(説明会・事前コンサルはすでに開始済)。実際の事業開始は年末以降になりやすい
・補助金ではなく委託契約。経理・報告の運用ルールが補助金と異なる
・SDGsビジネスとしての論点整理が必要。事業性と開発貢献の両立を資料で証明する必要がある

公式: https://www.jica.go.jp/priv_partner/activities/sme/index.html

4.採択後に躓くパターン

補助金は、採択がゴールではありません。申請支援の現場で繰り返し見るのが、採択後の失敗です。

・補助対象外の経費を先に使ってしまい、後から計上できないと気づくケース
・補助事業期間中の「変更申請」を忘れ、計画変更を勝手に実施して対象外になるケース
・実績報告書類の量が想定を大幅に超え、本業と並行した対応が破綻するケース

特に採択率が比較的高い制度ほど、「採択されて終わり」になりやすいものです。交付申請・中間報告・実績報告の運用設計を申請前に考えておくことが、実際に手元へ入る資金の額を左右します。採択は入口であって、出口ではありません。

5.まとめ

〜6/19 18:00
→ 新事業進出補助金 第4回:国内設備投資があれば最終検討(現行制度の最終回)

6月頃
→ GS補助金 大型実証ASEAN:公募開始次第、即評価(補助対象経費5億円超の大型案件向け)

6月下旬〜
→ 新補助金グローバル枠:詳細判明後に即評価(上限7,000万円・補助率2/3)

夏〜秋(時期未発表)
→ 東京都GXプロジェクト:都内企業は次回公募に備える

9月頃
→ JICA BIZ:説明会・事前コンサルはすでに開始。今から事業計画の骨子を作り始める

補助金のカレンダーは毎年変わります。「知っているか、知らないか」が申請機会の有無を決めます。
補助金は事業そのものの代替ではありません。ただ、制度を理解し適切に組み込める企業は、成長投資の初期負担を抑えながら、次の資金調達や事業拡大へ繋げやすくなります。

ソース

・中小企業新事業進出補助金(中小機構): https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/

・新事業進出補助金 第4回公募要領(中小企業庁): https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260327001.html

・新事業進出・ものづくり補助金 統合・グローバル枠(補助金ポータル): https://hojyokin-portal.jp/columns/shinjigyo_monodukuri

・GS補助金 ポータル: https://gs-hojo-web.jp/

・GS補助金 大型実証ASEAN(ジェトロ): https://www.jetro.go.jp/services/grobal_south/info.html

・東京都GXプロジェクト 公式: https://globalsouth-gx.jp/

・JICA 中小企業・SDGsビジネス支援事業 概要: https://www.jica.go.jp/priv_partner/activities/sme/index.html

・JICA BIZ 2026年度募集向け説明会(動画): https://www.youtube.com/watch?v=baEHkDTP80s

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