ハラール認証とは?取得方法とムスリム市場・インドネシア義務化を解説【2026年最新版】
世界人口のおよそ4分の1を占めるといわれるムスリム(イスラム教徒)市場は、これから海外進出を考える日本企業にとって見逃せない存在です。とはいえ「ハラール認証って結局なに?」「取得しないとインドネシアには売れないの?」「食品以外も対象になるの?」と、疑問を抱えたまま一歩を踏み出せずにいる担当者は少なくありません。
ハラールとは、イスラム法(シャリーア)に基づいて「許されたもの・行為」を意味する言葉です。そしてハラール認証とは、その製品や製造工程がハラールであることを専門機関が宗教と食品科学の両面から保証する仕組みを指します。ムスリムの消費者が安心して製品を選ぶための、いわば信頼の目印です。
この記事では、ハラールとハラームの基本的な意味から、ムスリム市場の規模と可能性、ハラール認証の役割と取得方法、対象となる製品、そしてインドネシアで進む義務化の動きまでを整理します。最後に、日本企業がこの市場へ入るために押さえておきたいポイントもご紹介します。
この記事でわかること
- ・ハラールとハラーム(ハラム)の意味と考え方
- ・ムスリム市場の規模とこれからの成長性
- ・ハラール認証とは何か、なぜ必要とされるのか
- ・ハラール認証の取得方法・手順・費用の目安
- ・インドネシアの義務化動向と日本企業の進出ポイント
▼ハラール認証とは?取得方法とムスリム市場・インドネシア義務化を解説【2026年最新版】
1. ハラールとハラーム(ハラム)とは?基本の意味
ハラールとは、イスラム法(シャリーア)に基づいて「許されたもの、または許された行為」を意味する言葉です。イメージされやすいのは食品ですが、実際には医薬品や化粧品、日々のビジネス取引まで、ムスリムの生活全般に関わる考え方です。何がハラールであるかは、単なる食材の選び方ではなく、暮らしの根っこにある価値観と結びついています。
ハラールの反対に位置するのがハラーム(ハラム)で、こちらは「禁じられたもの、または禁じられた行為」を指します。代表的なのが豚肉やアルコールで、イスラム式以外の方法で処理された食肉もハラームに含まれます。ハラールへの理解を深めるうえでは、実はこのハラームを先に知ることが近道になります。何が禁じられているのかがわかると、なぜ認証という仕組みが必要とされるのかも自然と見えてくるからです。
気をつけたいのは、豚肉そのものだけでなく、豚由来の成分が含まれていないかという点です。加工食品に使われるポークエキスやゼラチン、化粧品や医薬品の原料などに豚由来の副産物が使われているケースは意外と多く、原材料の細部まで確認しなければハラームが紛れ込む可能性があります。この一つひとつの積み重ねが、後述するハラール認証の審査につながっていきます。
2. ムスリム市場の規模と成長ポテンシャル
ムスリム市場の大きさは、まず人口の規模に表れています。2020年時点で世界人口のおよそ4分の1がムスリムとされ、その数は今後も増え続けると見られています。国別ではインドネシアが世界最大で、人口の約9割にあたるおよそ2億人がムスリムです。インドも約1億800万人(人口の約13%)を抱え、世界有数のムスリム人口を持つ国として知られています。
注目すべきは、人口の伸びだけではありません。これらの国々では中間層や富裕層の割合が急速に高まると予測されており、「人口の増加」と「所得の増加」が重なることで、市場は加速度的に大きくなっていくと考えられます。つまり、これまで規模の大きさだけが語られてきたムスリム市場が、実際に購買力を伴う市場へと成熟しつつあるということです。
日本にとって身近なところでは、インバウンドの変化も見逃せません。訪日外国人が年間2,400万人を突破した2016年ごろから、ムスリムの訪日客が目立って増えました。とりわけインドネシアには潜在的に親日の方が多いといわれ、旅行先としての日本への関心は高い状況です。国内の飲食店や小売でハラール対応を進めることは、海外への輸出だけでなく、こうした訪日ムスリム客の取り込みにも直結します。
3. ハラール認証とは?なぜ必要とされるのか
ハラール認証とは、ある製品や製造工程がハラールであることを、専門機関が宗教と食品科学の両面から確認して保証する制度です。ムスリムの消費者にとって、他宗教・他国で作られた製品が本当にハラールなのかを一つひとつ自分で見極めるのは簡単ではありません。そこで第三者による認証が、安心して選ぶための信頼の目印として機能します。
この目印が持つ意味は、輸出の場面でとりわけ大きくなります。パッケージにハラール認証マークがあるかどうかで、ムスリムの消費者が手に取るかどうかが変わってきます。国内でも、ハラール対応をうたう飲食店や小売は、訪日ムスリム客からの信頼を得やすくなります。認証は単なる規制対応ではなく、選ばれるための積極的なアピール材料でもあるわけです。
ただし、ハラール認証はあくまで「ハラールであることの証明」であって、輸出に必要な手続きのすべてをカバーするものではない点には注意が必要です。実際、Digima〜出島〜に寄せられた相談でも、原料段階でハラル認証を取得済みの藻類サプリメント企業が、完成品としてマレーシアへ輸出する際に、現地の医薬品規制当局への対応が別途必要になり悩んでいたケースがありました。認証は重要な一歩ですが、それだけで市場に入れるとは限らないことを覚えておくと安心です。
4. ハラール認証の取得方法と手順・費用の目安
ハラール認証を取得する場合、まずどの認証機関に申請するかを決めることから始まります。インドネシア向けであれば、宗教省傘下のBPJPH(ハラール製品保証実施機関)や、そのBPJPHと相互承認の関係にある認証団体を通じて申請するのが基本です。どの機関の認証が輸出先で有効なのかは国や制度によって異なるため、目指す市場に合わせて確認しておくことが欠かせません。
審査の流れは、書類の提出から始まり、提出書類の審査、工場および製品の監査、審議を経て、認証の取得へと進みます。原材料の一つひとつがハラールであるか、製造や保管の工程でハラームなものと接触していないかが、この監査で細かく確認されます。所要期間はおおむね2〜6ヶ月が目安ですが、原材料の確認状況や製品の複雑さによって前後します。
費用については、認証取得時の監査費用に加えて、毎年の更新監査費用が発生します。金額は企業や工場の規模、対象となる品目の数によって大きく変わるため、一律の相場を示すのは難しいのが実情です。取得を検討する段階で認証機関に見積もりを依頼し、初年度だけでなく維持コストまで含めて計画に織り込んでおくと、後々の負担を見通しやすくなります。
5. 認証の対象製品とインドネシアの義務化動向
ハラール認証の対象は食品だけではありません。飲料はもちろん、化粧品や医薬品も対象に含まれます。飲料については、アルコールが添加されている調味料、たとえば一部の醤油や味噌なども確認の対象になり得ます。化粧品や医薬品では、原料に豚由来の成分が使われていないかが重要な確認ポイントです。自社の製品は関係ないと思っていても、原材料をたどると対象になるケースがあるため、まずは対象範囲を丁寧に確認することが大切です。
制度面で大きく動いているのがインドネシアです。同国ではハラール製品保証法(2014年33号法)に基づき、認証の枠組みが整備されてきました。2019年には認証の発行権限がインドネシア・ウラマー評議会(MUI)から、新設されたBPJPHへと移されています。そして2024年10月からは、食品や飲料に関するハラール認証の義務化が段階的に始まりました。その他の製品についても、2027年10月に向けて対象を広げていくことが予定されています。
この義務化は、インドネシア向けに輸出する日本企業に直接影響します。対象品目については、BPJPHと相互承認を受けた認証機関からの認証、または現地の認証機関からの認証が求められる見込みです。なお、こうした制度は運用の詳細が今後見直される可能性もあるため、最新の情報は認証機関や専門家に確認しながら進めるのが安全です。飲料メーカーが複数国への輸出を検討する中で、国ごとに異なる規制や必要書類の整理に苦労するという相談もDigima〜出島〜には寄せられており、「取引先は見つかっているのに規制がクリアできない」という壁は食品・飲料業界でよく見られます。
6. 日本企業がムスリム市場へ進出するためのポイント
ムスリム市場への進出で土台になるのは、イスラム文化への理解です。ハラールという言葉だけを追いかけるのではなく、その背景にある価値観や生活習慣を知ることが、製品づくりやサービス設計の質を左右します。前述のとおり、まずハラームを理解することがハラールへの近道になります。豚由来の副産物が混入していないかといった基本的な確認は、その理解があってこそ徹底できます。
配慮すべき点は食品にとどまりません。たとえば女性向けのアパレルでは、ヒジャブに対応したデザインや着こなしへの理解が求められます。医療分野では、患者と医師の性別に関する配慮が必要になる場面もあります。こうした細やかな対応は一朝一夕には整いませんが、逆にいえば丁寧に取り組む企業ほど信頼を得やすく、競合の少ない領域で存在感を発揮できます。ムスリム市場が「ブルーオーシャン」と呼ばれるのは、こうした理由からです。
とはいえ、認証の要否や現地規制の判断を自社だけで進めるのは負担が大きいものです。自社の製品が認証の対象になるのか、どの機関の認証を取ればよいのか、認証以外にどんな手続きが必要なのか。こうした論点は国や品目によって細かく異なります。輸出計画の早い段階で現地事情に詳しい専門家に相談し、認証取得と規制対応、販路開拓を並行して進めていくことが、遠回りを避ける近道になります。
7. よくある質問(FAQ)
Q. ハラール認証とは何ですか?
製品や製造工程がイスラム法に照らしてハラールであることを、専門機関が宗教と食品科学の両面から保証する制度です。豚肉やアルコールなどの禁忌が混入していないか、製造・保管・輸送の過程で汚染がないかを審査します。ムスリムの消費者が安心して製品を選ぶための信頼の目印となります。
Q. ハラルとハラーム(ハラム)はどう違いますか?
ハラルはイスラム法で「許されたもの・行為」、ハラーム(ハラム)は「禁じられたもの・行為」を指します。豚肉やアルコール、イスラム式以外の方法で処理された食肉がハラームの代表例です。何がハラームかを理解することが、ハラール対応の出発点になります。
Q. ハラール認証の取得にはどのくらいかかりますか?
書類提出から認証取得まで、おおむね2〜6ヶ月が目安です。原材料の確認状況や製品の複雑さによって前後します。費用は取得時の監査費用に加えて毎年の更新監査費用が発生し、企業や工場の規模、品目数によって大きく異なるため、認証機関に個別に見積もりを取ることをおすすめします。
Q. Digima〜出島〜でハラール認証やムスリム市場進出を相談できますか?
はい、可能です。ハラール認証の取得支援や現地規制対応、東南アジア・中東などムスリム市場への販路開拓に詳しい支援企業が登録されており、認証の要否確認から申請サポート、現地パートナー探しまで無料で相談できます。
8. ハラール認証・ムスリム市場の相談はDigima〜出島〜へ
海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima〜出島〜」では、ハラール認証の取得や現地規制への対応、ムスリム市場への販路開拓に精通した専門家を無料でご紹介しています。インドネシアをはじめとする東南アジアや中東への進出を検討する企業から、認証の要否や取得手順に関する相談が数多く寄せられています。
「自社の製品がハラール認証の対象になるのか判断できない」「インドネシアの義務化に向けて何を準備すればいいかわからない」「認証は取得したが、現地の規制や販路づくりでつまずいている」など、どのような段階のご相談でもお気軽にお問い合わせください。認証取得と規制対応、パートナー探しを一続きの流れとして整理することで、進出のハードルはぐっと下がります。
海外進出の専門コンシェルジュが、御社の業種・製品・進出フェーズに合わせて、最適なサポート企業を無料でご紹介いたします。ムスリム市場という大きな可能性に向けた第一歩を、ぜひDigima〜出島〜と一緒に踏み出してください。
この記事が役に立つ!と思った方はシェア
海外進出相談数
27000
件突破!!
最適サポート企業を無料紹介
コンシェルジュに無料相談
この記事をご覧になった方は、こちらの記事も見ています
オススメの海外進出サポート企業
-
株式会社Visal
「現地を熟知した共に現地で戦う意思のある"右腕"がいるか」でインドネシア進出の勝敗が決まる。
現地実行力と最適解で、ASEAN市場進出を力強くサポートする。
株式会社Visal
一般的なコンサルティング会社とは一線を画す、現場共動型の進出支援を提供します。
Visalはレポート提出だけではなく現地での実行、アドバイスではなく共同推進で、企業様の現地事業を成功まで導く唯一の存在です。
■サービス概要
株式会社Visalは、ASEAN地域、特にインドネシアを中心としたビジネス展開を目指す企業に対し、現地調査、視察、販路開拓、法規制対応、そして事業推進に至るまで、現地特化型の実践的なサービスを提供しています。
当社が持つ強固な現地ネットワークと日本人プロジェクトチームの専門知識を駆使し、机上の検討を超えた「現場実行力」と「最短最適解」で、クライアント企業を成功へ導きます。
■主なサービス内容
1. 海外販路開拓・マーケティング
・市場調査および競合分析
・現地視察のアレンジおよび同行支援
・現地プロモーションやテストマーケティングの実施
・販路/パートナー候補先獲得から契約までの一貫支援
2. 設立準備および手続き支援
・現地法人の設立や駐在員事務所設立
・法規制・ライセンス取得、各種行政手続き対応
3. 人的支援
・現地人材の採用および育成支援
・現地パートナー企業との連携交渉
・文化やビジネスマナーに関するトレーニング
4. 海外進出戦略・事業計画支援
・持続可能なビジネスモデルの構築と実行支援
・物流・サプライチェーンの最適化
■弊社Visalが選ばれる理由
・現地実行力と強固なネットワーク:
インドネシアを含むASEAN主要5カ国(フィリピン、マレーシア、ベトナム、タイ)に特化した現地密着型のサポートを実現。
・成果コミット型のアプローチ:
単なる助言やデスクワークではなく、進出後の事業推進まで伴走します。
・柔軟かつ包括的なサービス提供:
企業様ごとに最適化したカスタムメイドの支援を提供します。
■対応エリア
Visalはインドネシアを中心に、以下の主要国を対象としたサービスを展開しています:
・インドネシア
・フィリピン
・マレーシア
・ベトナム
・タイ
※その他の新興国・地域についてもご相談いただけます。
■お問い合わせください。
ASEAN市場でのビジネス成功を目指す企業の強力なパートナーとして、Visalは確かな実行力でサポートします。
株式会社Visalと共に、ASEAN市場で新たな未来を切り拓きましょう。 -
プルーヴ株式会社
貴社の海外事業進出・展開をサポートさせていただきます
プルーヴは世界市場進出における事業戦略の策定と実行のサポートを行っている企業です。
「グローバルを身近に」をミッションとし、「現地事情」に精通したコンサルタントと「現地パートナー」との密な連携による「現地のリアルな情報」を基にクライアント企業様の世界市場への挑戦を成功へと導きます。 -
COUXU株式会社
御社の海外進出を徹底サポート!
世界29カ国・約2,500社のネットワークで、海外進出をトータルサポート
COUXU株式会社は、海外企業に向けた日本商品の調達支援と、日本企業の海外進出支援を行っています。 世界29カ国・約2,500社の海外顧客ネットワークを保有しており、彼らから毎月届く100〜200件もの「調達依頼」を基にビジネスを展開しています。
■ マッチングプラットフォーム『セカイコネクト』
海外企業が「今、欲しがっている商品情報」を受け取り、その企業へダイレクトに提案ができるサービスです。
■ 現場に入り込むハンズオン支援
プラットフォーム運営に加え、海外ビジネスを自走するための「教育プログラム」や、貴社の海外事業部の一員として共に動く「実務/営業/マーケティング支援」、さらには現地アーティストと連携したユニークなマーケティング施策なども行っております。 -
株式会社矢野経済研究所
60年以上にわたる海外市場調査の経験で、海外ビジネス構築を支援
1958年の創業以来、「調査能力をもって日本の産業に参画する」という理念のもと、日本の市場調査会社のパイオニアとして常に日本経済の発展とともに歩んでまいりました。
当社が提供する海外市場調査・コンサルティングサービスでは、長年蓄積された主要産業の市場情報と独自の海外市場調査ノウハウ、海外現地企業、業界・団体、専門家との豊富なコネクションを活用して、企業の海外進出を包括的にサポートしております。
大手製造企業を中心とした民間企業、官公庁・各種団体、業界団体からの受託実績が多数ございます。
海外市場進出に関わる課題について、皆さまのお悩みやご要望に沿って解決策をご提案いたします。
<ソウル支社によるサポート>
矢野経済研究所ソウル支社では全産業を網羅する調査力と現地のネットワークを活かし、日韓両国企業のビジネス連携を支援しています。
また、幅広い業界知見と現地密着の調査活動を通じて、両国企業の市場理解と課題解決にも貢献しています。
-
ニッコンホールディングス株式会社
海外9ヵ国の拠点と国内外28社からなるグローバル物流サービスで国際輸送を総合サポート
ニッコンホールディングス株式会社は、国内38社、海外28社からなる国際一貫物流を行うグローバル物流サービスを展開しています。平成27年10月1日より持ち株会社制に移行し、ニッコンホールディングス株式会社となりました。一部の事業を除いて、事業の大半は中核事業会社である日本梱包運輸倉庫株式会社で承継し、新たな体制で国内63拠点にて物流サービスを行ってています。また、8ヵ所の事業所(苫小牧、成田、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司)で通関業を行い、海外9ヵ国(アメリカ、メキシコ、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、中国、インド、マレーシアに自社拠点を構え、国内から海外だけでなく、海外から海外への国際輸送も手掛けています。

































