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イスラム攻略のカギ「ハラル」とは?|2020年、世界の25%がムスリムに!

掲載日:2018年06月28日

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本記事では、近年急速に注目を集めている「ハラル」について解説します。その人口の多さから、2100年には世界最大勢力へと発展するイスラム市場。そんな「ムスリム」と呼ばれるイスラム教徒とビジネスをする上で無視できないのが「ハラル」という独特の文化です。本稿では「ハラル」の概念や制度についてのレクチャー、さらにはハラル市場に参入する際に必須とされる「ハラル認証」の取得方法も併せてご紹介します。

日本企業にとってまだまだ未開拓といえるイスラム市場を攻略するためには、イスラム教への理解、知識が何より重要です。イスラム教は、今まで日本人にとってあまりにも馴染みのない宗教であり文化でした。裏を返せば、理解し、知ることで、対応することも可能なのです。今後さらに拡大していくイスラム市場には日本企業の商機が眠っているのです。

一方で、「ハラル」の認証機関が乱立し、日本企業を悩ませていることも事実です。どの機関が海外でも信用されるのか、といったことにも触れていきます。是非、本記事を参考に、イスラム市場へとチャレンジしてみてください。

1. 「ハラル」とは?

ハラルか? ハラムか? の区別が重要

ハラルとは、イスラム今日の言葉で「合法」という意味を表します。一方で、ハラムが「非合法」の意味を表します。そもそも、なぜそのような区分が存在するのでしょうか?

日本にはあまり馴染みのなかった宗教であるイスラム教においては、日常生活で口にするもの、身に着けるものなどが「イスラム法」により規定されています。例えば、豚やアルコールがハラムです。豚はイスラム法において不浄なものとされており、アルコールは心を失わせるもの、体に良くないものとされているためハラムになっています。

また、女性は顔と手以外を隠し、近親者以外には目立たないようにしなければならないとされています。「性的刺激を与える身体部位を、女性は家族以外の男性に見せてはならない」とされているのです。そのため、ムスリムの女性は「ヒジャブ」と言われる布で全身を覆っています。その主目的は「髪の毛を見せない」ということにあるそうです。そういった秩序の中で普及してきた宗教なのです。

信仰を大切にしているイスラム教徒(ムスリム)にとって、ハラルか、ハラムかを区別することはとても重要なことです。ムスリムは世界のどこに住んでいても、ハラルのルールを守って生活しています。ただし、遵守度には信仰度合いによる差もあるようです。

2. 拡大している「ハラル市場」

2020年、世界人口の4分の1がムスリムに

さて、2020年には、世界人口の4分の1がムスリムになることが予測されています。世界では、刻々とムスリムを相手にした「ハラル市場」が拡大しているのです。その要因としてはムスリムの多い国での人口増加が挙げられます。

インドネシアのイスラム教徒は約2億人で、国民の約90%を占めており、その数は世界1位です。また、インドネシア、パキスタンに次ぎ、インドが3番目にムスリムの多い国になっています。インドでは、イスラム教徒の数は人口の約13%であるものの、その莫大な人口のため約1億800万人にもなります。

そして、インドネシアやインドの人口は急激な増加を見せています。インドネシアの人口は、約2億4,000万人ですが2020年には約3億人。インドの人口は現在約13億1,000万人ですが、2050年には世界1位の中国を抜き、約17億人に達することが予測されています。高い割合でムスリムを抱える国の人口増加に加え、中東や欧州でもムスリムは増加しており、「ハラル市場」が拡大しているのです。

また、数だけではない点にも留意が必要です。先述した人口増加ですが、消費力を持った中間層や富裕層の割合が急激に上がっていくことが予測されています。つまり、ハラル市場の拡大は、人口増加×所得増加により加速度的に高まっていくということです。これほど有望な市場は世界でも稀といえるでしょう。

3. 元来、日本に馴染みのなかった「ハラル」

訪日観光客の増加がトリガーに

世界中に普及しているイスラム教ですが、日本にとってはあまり馴染みのない宗教でした。元来仏教徒の多かったことも関係してありますが、訪日するムスリムが少なかったこともその要因でしょう。

そもそも、インドネシア人やインド人の訪日が増加し始めたのは最近の話です。現在のような状況になったのは、訪日観光客の数が年間2.400万人を突破した2016年、人口増加とともに著しい経済発展を遂げたインドネシアやインドといった国から、多くのイスラム教徒が訪日するようになりました。

また、2020年には100万人のムスリムが訪日することが予測されています。さらに、国内のインバウンド市場が拡大すると、国外へのアウトバウンドの商機も拡大します。経済発展により中間層や富裕層が増加しているということは、現地でのサービス業や消費用品の需要が高まりつつあるということと同義だからです。更にインドネシア人の多くが潜在的に親日であることも後押しとなるはずです。日本企業にとっての巨大な「ハラル市場」が広がりつつあるのです。

4. 日本企業にとってハラル市場は「ブルーオーシャン」

ムスリムおよびハラルの理解なくして進出は不可能?

つまり、日本企業にとって、ハラル市場は「ブルーオーシャン」と言えます。イスラム教に馴染みのなかった多くの国にとって、ハラル市場はまだまだ「未開拓」だからです。

ただ、日本企業がイスラム市場に進出をする上で、日本のやり方そのままで、現地でビジネスを展開することは簡単ではありません。なぜなら、日本とは市場原理がまったく異なるからです。特にイスラム教圏においては、先述のハラルやハラムが存在し、日本の文化と極端に異なる要素が多々あります。

日本という国は、これまでにイスラム文化に触れる機会は決して多くはありませんでした。。そのため、ハラル市場でビジネスをする上で、理解しなければいけないこと、知らなければいけないこと、対応しなければいけないことが多々あります。ムスリムおよびハラルの理解なくして、現地の「ハラル市場」への進出はもちろん、インバウンドでの「ハラル市場」でも受けいられることはないでしょう。

5. 「ハラム」を知ることが「ハラル」の理解に役立つ

特に飲食品の取り扱いには注意が必要

そんな「ブルーオーシャン」であるハラル市場では、日本との違いを理解した上での知識、対応が必要になってきます。ここからは、実際にハラル市場に進出する際に必要となる、実践的な知識と対応をご紹介していきます。知識と対応さえ押さえれば、日本企業にとってハラル市場は大きなチャンスなのです。

まずは、ハラルが何かを覚えるより、イスラムの教えで「ハラム」とされるものを理解して、それ以外がハラルだと考える方法が有益です。ハラルのものの方が圧倒的に多いからです。

今後、訪日観光客向けのサービス業(飲食店など)はもちろん、インドネシアなどの現地でも経済発展から中間層や富裕層が拡大し、飲食店や消耗品、アパレル用品の販売も急伸することが予測されます。その中で特に飲食品の取扱には気をつけなければいけません。そこで、飲食と女性に対するハラムを紹介します。

1. 食品関連のハラム

まず、豚・肉食動物・爬虫類・昆虫類およびこれらからの副産物はハラムであり、食べることが禁止されています。そして、水中でも陸上でも生きられるカエルやカメ、カニなどの生物も禁止です。牛・羊・鶏等はハラルの食材ですが、イスラム教の作法に沿って屠殺されなければなりません。また、一度でも豚を調理した包丁やまな板などを用いて他の食材を調理することもハラムになってしまいます。ポークエキスなどの抽出された材料を用いることもハラムです。

2. 飲料関連のハラム

また、アルコール飲料も禁止です。食品と同様、アルコールが添加されている醤油や味噌もハラムになっています。一方、飲料用のアルコールはハラムですが、工業洗浄用アルコールや、手指の消毒用のアルコールを避けようとする人の割合は低いようです。

3.アパレル関連のハラム

そして、女性に関してのハラムも日本企業が進出する上では注意が必要です。イスラム法の中では女性の身分が低いとされてきました。現代では改善が見られるものの、未だに女性差別や軽視などが続いている地域もあります。そして、信仰度合いの差や地域差もありますが、親族の男性以外に触れられることはハラムとされています。そのため、医療分野において男性医師が女性患者を見られないなどといった問題も生まれます。

また、こちらも信仰度合いなどに左右されますが、女性は顔と手以外を隠し、近親者以外には目立たないようにしなければならないという決まりもあります。なので、女性のアパレル用品においてもやはりハラムが関係してきます。女性の多くは「ヒジャブ」と呼ばれる体を覆う布をまとっています。一般的にヒジャブをどこまで覆うのかということは信仰度合いによって異なるようです。

また、常時つけている人もいれば、礼拝や催事のときのみ着用をする人もいるようです。いずれにしてもヒジャブは伝統的なファッションであり、ヒジャブ向けにブランド展開している企業もあります。

イスラム教に関する知識がないと、「ハラル市場」では対応しようがありません。知らずにハラム関連のものを取り扱っていたら、市場で生き残っていくことは不可能です。逆を言えば、知識があるだけで対応できることも多いです。

6. 「ハラル認証の取得」がハラル市場攻略の鍵

専門家がハラルであることを保証するハラル認証制度

しかし、ムスリム消費者目線からすると、食品加工技術、流通が発達すると同時に、他地域への旅行が増加している中、目の前の商品がハラルなのか、ハラムなのか判別しづらくなってきました。そこで登場したのが、宗教と食品科学の2つの面から、専門家がハラルであることを保証するハラル認証制度です。

ハラル市場の現地に進出する企業にとって、取得は必須といい切れます。現地の人から他国の他宗教の人が運営する外食店を、やはり簡単に信頼することはできないのです。そのため、ムスリム消費者は、ハラル認証取得を示すハラルマークの記載されている商品に絶大な安心感を得ています。また、今後はインバウンド市場でも、ハラル認証の取得が必要になってくる事も予測されます。ハラル認証を取得することで、インバウンド市場でのムスリム消費者へのアピール効果が、今後大いに高まるからです。

では、日本国内のハラル認証取得には、具体的にどのような条件、手続きが必要なのでしょうか。次項からは、ハラル市場攻略の鍵となるハラル認証取得方法を見ていきます。

7. ハラル認証の取得方法

ハラル認証取得の流れを知る

ハラル認証はNPO日本ハラル協会などで取得することが可能です。以下取得までの流れとなります。詳しくは各機関により異なるため、各認証団体に確認が必要になります。

1.ハラール認証の書類提出(書類は各機関HPで取得可能)
2.書類審査
3.工場および製品の監査
4.審議
5.認証取得

申請から認証までの期間は約2ヵ月から6ヵ月かかります。そして発行日から1年間有効で、更新をする場合は証書の有効期限が切れる6ヵ月前に申請が必要になります。取得費用は基本的に認証取得時の監査費用、さらに毎年の更新時の監査費用が必要となります。具体的な金額については、企業の業態や規模、所在地等によって大きな違いが生じてきますので、各機関へ問合わせ、確認する必要があります。

8. 要注目のハラル認証取得機関「MPJA」

世界でも特に厳しい基準で知られていてる「JAKIM」

では、実際にハラル認証を取得する時にどの機関で申請すればいいのか。日本では、いくつもの認証団体が乱立していました、その中で、認証の精度もまちまちで、イスラム教徒にとっては本当に信頼して良いか分からないという問題があります。そして、実際に取得希望企業は、どの機関を選んでいいかわからないという問題がありました。そこで、本記事の最後で今最注目のハラル認証取得機関をご紹介いたします。

一般社団法人ムスリム・プロフェッショナル・ジャパン(MPJA)

URL:http://www.mpja.jp/

先日、マレーシアの公的機関であるイスラム開発局(JAKIM)は、MPJAのアクマル・アブ・ハッサンを日本でのハラル認証機関のための特派員協会会長に任命しました。これにより、日本においても「JAKIM」のハラル認証と同等の認証が取得できるようになったのです。

JAKIMハラルは、世界のハラル認証機関の中でも特に厳しい基準で知られていて、イスラム圏での信頼度がとても高いです。JAKIMが日本に出先機関を置いてハラル団体の指導をするMPJAで認証を保持していれば、ムスリム消費者からの信頼は間違いありません。前述したように、日本の認証機関に対する信頼度の低さが問題とされていた中で、マレーシアの公的機関の指導を受けるMPJAは今、要注目のハラル認証取得機関となっています。

9. まとめ

日本企業にとって「ハラル市場」への対応は必須

今後、日本企業は海外と関わることで、自らのビジネスを展開せざるを得なくなります。訪日観光客の増加はもちろん、少子高齢化や人口減少などにより国内市場が縮小に向かってる今、生き残るために海外へ進出するべき時代なのです。

そして、海外には日本とは異なる文化が多くあります。そのひとつが本記事でご紹介した「ハラル市場」です。多くの日本企業にとって、今後間違いなく拡大するハラル市場への「対応力」は必須事項と言っても過言ではありません。

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