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「ハラール認証」と「ムスリム」について知っておくべきこと

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近年急速に注目を集めている「ハラール」および「ハラール認証」。本テキストでは、ハラール市場に参入する際に知っておくべき「ムスリム」についての基礎知識と「ハラール認証」の取得方法、さらには2024年10月より大きく変更されるインドネシアにおけるハラール認証制度と日本への影響についてもわかりやすく解説します。

その人口の多さから、2100年には世界最大勢力へと発展するイスラム市場。そんな「ムスリム」と呼ばれるイスラム教徒とビジネスをする上で無視できないのが「ハラール」という独特の文化です。

日本企業にとってまだまだ未開拓といえるイスラム市場に進出するためには、イスラム教への理解、知識が何より重要です。イスラム教は、今まで日本人にとってあまりにも馴染みのない宗教であり文化でした。裏を返せば、理解して知ることで、ハラールに対応することも可能なのです。今後さらに拡大していくハラール市場には日本企業とっての商機が溢れていると言っても過言ではありません。

1. 「ハラール」とは?

そもそも「ハラール」とは何を意味するのでしょうか?

ハラールとは、イスラム法に基づいて「許された」もの

「ハラール」とは、イスラム教の教えに基づいて許されたもの、または行為を指します。おもに食品に関して使用されることが多く、イスラム法(シャリーア)に従って許可された食品や飲料を意味します。

ハラールの基準には、特定の動物の肉を消費する際の屠殺方法や、アルコールや豚肉製品の禁止などが含まれます。また、食品だけでなく、医薬品、化粧品、ビジネスの取引など、生活の様々な面でハラールの概念が適用されます。

ハラールか? ハラムか? の区別が重要

ハラールとは、イスラム今日の言葉で「合法」という意味を表します。ハラールと似ている言葉で「ハラル」がありますが、ハラムとは「非合法」の意味を表します。

では、そもそも、なぜそのような区分が存在するのでしょうか?

日本にはあまり馴染みのなかった宗教であるイスラム教においては、日常生活で口にするもの、身に着けるものなどが「イスラム法」により規定されています。例えば、豚やアルコールがハラムです。豚はイスラム法において不浄なものとされており、アルコールは心を失わせるもの、体に良くないものとされているためハラムになっています。

また、女性は顔と手以外を隠し、近親者以外には目立たないようにしなければならないとされています。「性的刺激を与える身体部位を、女性は家族以外の男性に見せてはならない」とされているのです。そのため、ムスリムの女性は「ヒジャブ」と言われる布で全身を覆っています。その主目的は「髪の毛を見せない」ということにあるそうです。そういった秩序の中で普及してきた宗教なのです。

信仰を大切にしているイスラム教徒(ムスリム)にとって、ハラールか、ハラムかを区別することはとても重要なことです。ムスリムは世界のどこに住んでいても、ハラールのルールを守って生活しています。ただし、遵守度には信仰度合いによる差もあるようです。

2. インドネシアにおけるハラール認証制度の変革と日本企業への影響

この項では、インドネシアにおけるハラール認証制度の変革と日本企業への影響ついて解説します。

2024年10月より飲食品に関するハラール認証の義務化が開始

2014年にインドネシアで公布されたハラール製品保証法(2014年33号法)が発端となり、2019年にはハラール認証の発行権限がインドネシア・ウラマー評議会(MUI)から新たに設立された宗教省傘下の「ハラール製品保証実施機関」(BPJPH)へと移行されました。

これにより、インドネシアで受け入れられるハラール認証を海外の認証機関が取得するには、BPJPHの相互承認が必要になりました。

この新しい体制の下、2024年10月からは食品に関してハラール認証が必須となり、2027年10月までにはその他の製品にも義務化が広がる見込みです。

日本からの輸出品についても、この新規制に沿ったハラール認証の取得が求められるようになります。

BPJPHは国際的な相互認証制度の確立を進めており、日本からは複数のハラール認証団体が申請中です。今後、日本企業は承認された機関からの認証取得、あるいはBPJPHを通じた現地の認証機関からの認証取得のいずれかの方法で新制度に適応する必要があります。

3. 拡大している「ハラール市場」

ここからは世界で拡大するハラール市場について解説します。

2020年、世界人口の4分の1がムスリムに

2020年には、世界人口の4分の1がムスリムになることが予測されています。世界では、刻々とムスリムを相手にした「ハラール市場」が拡大しているのです。その要因としてはムスリムの多い国での人口増加が挙げられます。

インドネシアのイスラム教徒は約2億人で、国民の約90%を占めており、その数は世界1位です。また、インドネシア、パキスタンに次ぎ、インドが3番目にムスリムの多い国になっています。インドでは、イスラム教徒の数は人口の約13%であるものの、その莫大な人口のため約1億800万人にもなります。

そして、インドネシアやインドの人口は急激な増加を見せています。インドネシアの人口は、約2億4,000万人ですが2020年には約3億人。インドの人口は現在約13億1,000万人ですが、2050年には世界1位の中国を抜き、約17億人に達することが予測されています。高い割合でムスリムを抱える国の人口増加に加え、中東や欧州でもムスリムは増加しており、「ハラール市場」が拡大しているのです。

また、数だけではない点にも留意が必要です。先述した人口増加ですが、消費力を持った中間層や富裕層の割合が急激に上がっていくことが予測されています。つまり、ハラール市場の拡大は、人口増加×所得増加により加速度的に高まっていくということです。これほど有望な市場は世界でも稀といえるでしょう。

4. 元来、日本に馴染みのなかった「ハラール」

世界中に普及しているイスラム教ですが、日本にとってはあまり馴染みのない宗教でした。元来仏教徒の多かったことも関係してありますが、訪日するムスリムが少なかったこともその要因でしょう。

訪日観光客の増加がトリガーに

そもそも、インドネシア人やインド人の訪日が増加し始めたのは最近の話です。現在のような状況になったのは、訪日観光客の数が年間2.400万人を突破した2016年、人口増加とともに著しい経済発展を遂げたインドネシアやインドといった国から、多くのイスラム教徒が訪日するようになりました。

さらに、国内のインバウンド市場が拡大すると、国外へのアウトバウンドの商機も拡大します。経済発展により中間層や富裕層が増加しているということは、現地でのサービス業や消費用品の需要が高まりつつあるということと同義だからです。更にインドネシア人の多くが潜在的に親日であることも後押しとなるはずです。日本企業にとっての巨大な「ハラール市場」が広がりつつあるのです。

5. 日本企業にとってハラール市場は「ブルーオーシャン」

結論から言えば、日本企業にとってのハラール市場は「ブルーオーシャン」と言えます。イスラム教に馴染みのなかった多くの国にとって、ハラール市場はまだまだ「未開拓」だからです。

ムスリムおよびハラールの理解なくして進出は不可能?

ただ、日本企業がイスラム市場に進出をする上で、日本のやり方そのままで、現地でビジネスを展開することは簡単ではありません。なぜなら、日本とは市場原理がまったく異なるからです。特にイスラム教圏においては、先述のハラールやハラムが存在し、日本の文化と極端に異なる要素が多々あります。

日本という国は、これまでにイスラム文化に触れる機会は決して多くはありませんでした。。そのため、ハラール市場でビジネスをする上で、理解しなければいけないこと、知らなければいけないこと、対応しなければいけないことが多々あります。ムスリムおよびハラールの理解なくして、現地の「ハラール市場」への進出はもちろん、インバウンドでの「ハラール市場」でも受けいられることはないでしょう。

6. 「ハラム」を知ることが「ハラール」の理解に役立つ

そんな「ブルーオーシャン」であるハラール市場では、日本との違いを理解した上での知識、対応が必要になってきます。ここからは、実際にハラール市場に進出する際に必要となる、実践的な知識と対応をご紹介していきます。知識と対応さえ押さえれば、日本企業にとってハラール市場は大きなチャンスなのです。

特に飲食品の取り扱いには注意が必要

まずは、ハラールが何かを覚えるより、イスラムの教えで「ハラム」とされるものを理解して、それ以外がハラールだと考える方法が有益です。ハラールのものの方が圧倒的に多いからです。

今後、訪日観光客向けのサービス業(飲食店など)はもちろん、インドネシアなどの現地でも経済発展から中間層や富裕層が拡大し、飲食店や消耗品、アパレル用品の販売も急伸することが予測されます。その中で特に飲食品の取扱には気をつけなければいけません。そこで、飲食と女性に対するハラムを紹介します。

1. 食品関連のハラム

まず、豚・肉食動物・爬虫類・昆虫類およびこれらからの副産物はハラムであり、食べることが禁止されています。そして、水中でも陸上でも生きられるカエルやカメ、カニなどの生物も禁止です。牛・羊・鶏等はハラールの食材ですが、イスラム教の作法に沿って屠殺されなければなりません。また、一度でも豚を調理した包丁やまな板などを用いて他の食材を調理することもハラムになってしまいます。ポークエキスなどの抽出された材料を用いることもハラムです。

2. 飲料関連のハラム

また、アルコール飲料も禁止です。食品と同様、アルコールが添加されている醤油や味噌もハラムになっています。一方、飲料用のアルコールはハラムですが、工業洗浄用アルコールや、手指の消毒用のアルコールを避けようとする人の割合は低いようです。

3.アパレル関連のハラム

そして、女性に関してのハラムも日本企業が進出する上では注意が必要です。イスラム法の中では女性の身分が低いとされてきました。現代では改善が見られるものの、未だに女性差別や軽視などが続いている地域もあります。そして、信仰度合いの差や地域差もありますが、親族の男性以外に触れられることはハラムとされています。そのため、医療分野において男性医師が女性患者を見られないなどといった問題も生まれます。

また、こちらも信仰度合いなどに左右されますが、女性は顔と手以外を隠し、近親者以外には目立たないようにしなければならないという決まりもあります。なので、女性のアパレル用品においてもやはりハラムが関係してきます。女性の多くは「ヒジャブ」と呼ばれる体を覆う布をまとっています。一般的にヒジャブをどこまで覆うのかということは信仰度合いによって異なるようです。

また、常時つけている人もいれば、礼拝や催事のときのみ着用をする人もいるようです。いずれにしてもヒジャブは伝統的なファッションであり、ヒジャブ向けにブランド展開している企業もあります。

イスラム教に関する知識がないと、「ハラール市場」では対応しようがありません。知らずにハラム関連のものを取り扱っていたら、市場で生き残っていくことは不可能です。逆を言えば、知識があるだけで対応できることも多いです。

7. 「ハラール認証の取得」がハラール市場攻略の鍵

しかし、ムスリム消費者目線からすると、食品加工技術、流通が発達すると同時に、他地域への旅行が増加している中、目の前の商品がハラールなのか、ハラムなのか判別しづらくなってきました。そこで登場したのが、宗教と食品科学の2つの面から、専門家がハラールであることを保証するハラール認証制度です。

専門家がハラールであることを保証するハラール認証制度

現地の消費者にとって、他宗教の他国が運営する外食店を、簡単に信頼することは難しいと言えるでしょう。ムスリム消費者は、ハラール認証取得を示すハラールマークの記載されている商品に信頼感を持っています。さらに2020年のオリンピック開催以降は、国内のインバウンド市場でも、ハラール認証の取得が重要となるケースもあることでしょう。ハラール認証を取得することで、インバウンド市場でのムスリム消費者へのアピール効果が、今後大いに高まるからです。

8. ハラール認証の取得方法

では、日本国内のハラール認証取得には、具体的にどのような条件、手続きが必要なのでしょうか。ハラール認証は、前述したBPJPHと相互承認申請を行っている認証団体などで取得することが可能です。

ハラール認証取得の流れを知る

以下取得までの流れとなりますが、詳しくは各機関により異なるため、各認証団体に確認が必要になります。

1.ハラール認証の書類提出(書類は各機関HPで取得可能)
2.書類審査
3.工場および製品の監査
4.審議
5.認証取得

申請から認証までの期間はまちまちですが約2ヵ月から6ヵ月かかることを想定するとよいでしょう。取得費用は基本的に認証取得時の監査費用、さらに毎年の更新時の監査費用が必要となります。具体的な金額については、企業の業態や規模、所在地等によって大きな違いが生じてきますので、各機関へ問合わせ、確認する必要があります。

9. 優良な海外進出サポ−ト企業をご紹介

日本企業にとって「ハラール市場」への対応は重要事項

今後、日本企業は海外と関わることで、自らのビジネスを展開せざるを得なくなります。訪日観光客の増加はもちろん、少子高齢化や人口減少などにより国内市場が縮小に向かってる今、生き残るために海外へ進出するべき時代なのです。

そして、海外には日本とは異なる文化が多くあります。そのひとつが本記事でご紹介した「ハラール市場」です。多くの日本企業にとって、今後間違いなく拡大するハラール市場への「対応力」は重要となっていくことでしょう。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、貴社にピッタリの海外進出サポーと企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。

(参照文献)
「ハラール製品保証法の実施に関する政令が公布」JETRO
・「インドネシアと日本のハラール相互承認、徐々に進展か」JETRO
・「インドネシアのハラール認証制度が大きく変わります!」海外ビジネスナビ

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