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貿易保険とは?種類・カバーするリスク・海上保険との違いを解説【2026年最新版】

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貿易保険とは何かをやさしく解説。非常危険・信用危険のカバー範囲、貿易保険の9つの種類と対象、貨物海上保険との違い、NEXIや民間保険の活用、加入手順と実務の注意点まで2026年最新版でまとめました。

初めての輸出や、取引先が海外にある事業を始めるとき、「代金はちゃんと入ってくるのだろうか」という不安を感じる担当者は少なくありません。相手の顔が見えにくく、国が違えば法律も商習慣も異なります。もし取引先が倒産したら、相手国で急に送金が止まったら——そんな「もしも」に備える仕組みが貿易保険です。

貿易保険とは、輸出入や海外投資などの海外取引で生じるさまざまなリスクをカバーする保険のことです。取引先の不払いといった相手側の事情(信用危険)だけでなく、戦争や輸入制限、送金規制のように自社ではコントロールできない国レベルのリスク(非常危険)まで対象になる点が、国内取引にはない大きな特徴です。

この記事では、貿易保険の基本的な意味からカバーするリスクの中身、代表的な種類、よく混同される貨物海上保険との違い、NEXI(日本貿易保険)や民間保険の使い分け、そして実際の加入手順と注意点までを順を追って解説します。海外取引の代金を守るための土台として、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること

  • ・貿易保険とは何か、なぜ海外取引で必要とされるのか
  • ・貿易保険がカバーする2つのリスク(非常危険・信用危険)の中身
  • ・貿易保険の主な種類と、それぞれが対象とする取引
  • ・貿易保険と貨物海上保険の違いと、両方が必要になる理由
  • ・NEXIと民間保険の使い分け、加入手順と実務上の注意点

1. 貿易保険とは?海外取引のリスクをカバーする仕組み

貿易保険とは、輸出・輸入・海外投資といった海外取引にともなうリスクを補償する保険です。国内取引であれば、取引先の信用情報も比較的調べやすく、いざというときは自国の法律で対応できます。しかし海外取引では、相手の経営状況が見えにくいうえに、取引相手だけでなくその国の政治や経済の状況が代金回収に直接影響します。こうした海外特有のリスクを引き受けてくれるのが貿易保険です。

日本の貿易保険は、政府全額出資の特殊会社である株式会社日本貿易保険(NEXI)が中心となって提供しています。もともとは国が直接運営していた制度で、日本の輸出振興を支える国策として発展してきた歴史があります。1930年の輸出補償法に始まり、1950年の輸出信用保険法を経て体系が整えられ、その後の独立行政法人化を経て、2017年からは政府全額出資の株式会社NEXIが運営する形になりました。長く公的な後ろ盾のもとで運営されてきたため、民間だけでは引き受けにくい高リスク国との取引もカバーできる点が強みです。

近年は民間の損害保険会社も「取引信用保険」といった名称で類似の商品を提供しており、選択肢は広がっています。海外との取引が当たり前になった今、貿易保険は一部の大企業だけのものではなく、初めて輸出に挑む中小企業にとっても現実的な備えの一つになっています。

2. 貿易保険がカバーするリスク(非常危険と信用危険)

貿易保険が対象とするリスクは、大きく「非常危険」と「信用危険」の2つに分けられます。この2種類を理解しておくと、自社の取引でどんな備えが必要かを判断しやすくなります。

非常危険とは、いわゆるカントリーリスクのことです。取引の当事者ではどうにもならない、相手国側の事情によって生じるリスクを指します。具体的には、戦争・内乱・テロ・革命といった政情不安、輸入制限や禁輸措置、外貨不足による送金規制、大規模な自然災害などが含まれます。相手企業がどれだけ健全でも、その国で送金が止まってしまえば代金は入ってきません。こうした自社の努力の外にあるリスクをカバーできる点こそ、貿易保険が国内取引の保険と一線を画すところです。

一方の信用危険は、取引相手そのものの事情によるリスクです。取引先の破産や倒産、代金の不払い、支払いの大幅な遅延、契約の一方的な破棄などがこれにあたります。海外の相手だと信用調査にも限界があり、取引が始まってから相手の経営悪化に気づくケースも珍しくありません。特に、初めての相手との取引や、後払い(掛け取引)で大きな金額を動かす場合は、信用危険への備えが重要になります。実際、Digima〜出島〜に寄せられた相談でも、これまで中間業者を経由してインドネシア向けに牛の原皮を輸出していた企業が、その業者との取引終了をきっかけに自社で直接輸出を担うことになり、通関や現地の輸入規制とあわせて代金回収の不安を抱えるケースがありました。中間業者に守られていた立場から、急に自社でリスクを引き受ける側に回ると、信用危険の重みを実感する場面は少なくありません。

3. 貿易保険の種類と対象となる取引

ひとくちに貿易保険といっても、実際には取引の形態に応じたいくつもの種類があります。NEXIが提供する代表的なものとしては、輸出取引全般をカバーする普通輸出保険、代金回収を守る輸出代金保険、為替の変動リスクに備える為替変動保険、輸出手形の不渡りに備える輸出手形保険、入札や契約履行の保証にかかわる輸出保証保険などがあります。

輸出だけでなく、輸入や投資に対応する保険もそろっています。前払いした輸入代金が回収できなくなるリスクに備える前払輸入保険、日本を経由しない第三国間の取引を扱う仲介貿易保険、海外子会社への出資などを守る海外投資保険、海外事業向けの融資を対象とする海外事業資金貸付保険などです。輸出・輸入・投資と、海外取引のあらゆる局面に対応する商品が用意されていると考えるとよいでしょう。

これらの保険は、申し込みの形で大きく個別タイプと包括タイプに分かれます。個別タイプは案件ごとに手続きするもので、単発の大口取引や特定の相手との取引に向いています。中小企業や初めての輸出であれば、比較的手続きが簡単な中小企業・農林水産業輸出代金保険なども選択肢になります。一方、継続的に多くの取引がある企業には、複数の取引をまとめてカバーできる簡易通知型包括保険のような商品が便利です。取引の頻度や金額を踏まえて、個別と包括のどちらが自社に合うかを見極めることが大切です。

4. 貿易保険と海上保険(貨物海上保険)の違い

貿易保険とよく混同されるのが、貨物海上保険です。名前が似ているうえ、どちらも海外取引で登場するため区別がつきにくいのですが、守る対象がまったく異なります。ここを取り違えると、必要な備えが抜け落ちてしまうので注意が必要です。

貨物海上保険が補償するのは、輸送中の貨物そのものが受ける物的な損害です。船やコンテナでの輸送中に起きる破損・水濡れ・盗難・火災・沈没などによって、荷物が傷ついたり失われたりした場合の損失をカバーします。つまり守っているのは「モノ」です。海上輸送に限らず、航空輸送を含めた運送中の貨物リスク全般を対象とする商品が一般的です。

これに対して貿易保険が守るのは、主に「お金(代金)」です。荷物自体は無事に届いても、相手が倒産して代金を払ってくれない、相手国の送金規制で入金が止まる、といった代金回収にまつわるリスクを補償します。荷物の無事を守るのが貨物海上保険、売上代金を守るのが貿易保険、と整理すると分かりやすいでしょう。両者は競合するものではなく、役割が違うため、金額の大きな海外取引では両方に加入して二重に備えるのが安心です。

5. NEXI(日本貿易保険)と民間保険の活用

貿易保険の提供元は、公的なNEXIと、民間の損害保険会社の2つに大きく分けられます。それぞれ得意分野が異なるため、自社の取引内容に合わせて使い分ける、あるいは組み合わせるのが実務的です。

NEXI(株式会社日本貿易保険)は政府全額出資の特殊会社で、国の輸出振興を支える立場から幅広い国・取引を引き受けています。民間保険では敬遠されがちな、政情が不安定な国やカントリーリスクの高い地域との取引もカバーできるのが大きな強みです。多くの国が加盟するOECDの公的輸出信用アレンジメント(ガイドライン)に沿って運営されるため、公的支援としての一定のルールのもとで提供される点も特徴です。

一方、民間の損害保険会社が提供する取引信用保険は、OECDガイドラインの枠にとらわれず、商品設計の柔軟さや手続きのスピードに強みがあります。すでに始まっている取引に後から付けやすいものもあり、既存の取引先ごとに与信を管理したい企業に向いています。どちらか一方が優れているというより、対象国のリスクや取引の性質によって適した提供元が変わります。実際にDigima〜出島〜に寄せられた相談でも、越境ECで欧州向けに販売していた個人事業主がポーランド企業から声をかけられ、BtoBの卸取引を始めることになった際、契約回りや輸出規制とあわせて「初めての相手にまとまった金額を掛けで卸して大丈夫か」という代金回収の不安を口にされていました。取引の規模や相手が変わるタイミングは、どの提供元のどの保険が合うかを見直す好機でもあります。

6. 貿易保険の加入手順と実務の注意点

実際に貿易保険を利用する際の流れは、提供元や商品によって細かな違いはあるものの、大枠は共通しています。まずは自社の取引が輸出・輸入・投資のどれにあたり、どの保険の対象になるかを確認します。NEXIの場合はオンラインで利用者登録を行い、取引相手や相手国の情報を届け出たうえで保険を申し込むのが基本的な流れです。保険料は取引金額・相手国のリスク区分・支払い条件などをもとに算定されます。取引が実行される前、契約段階から準備を始めておくことが肝心です。

実務上の注意点として、貿易保険は「損害を穴埋めするもの」であって「代金の満額が必ず戻るもの」ではない点を押さえておく必要があります。多くの商品には自己負担となるてん補率(補償割合)が設定されており、損害の全額が支払われるわけではありません。また、公的な制度である分だけ手続きが煩雑になりやすく、保険金の請求から支払いまでに一定の時間がかかることもあります。いざというときに慌てないよう、必要書類や請求の流れを事前に把握しておくと安心です。

さらに、保険はあくまで「最後の備え」であることも忘れてはいけません。加入していても、事前の信用調査や契約書の整備、支払い条件の設計といった基本的なリスク管理を怠ってよいわけではありません。むしろ、相手の与信状況や相手国の情勢を日頃から把握し、保険と自社のリスク管理を両輪で回すことが、海外取引を安定させる近道です。どの保険が自社に適しているか判断に迷う場合は、貿易実務に詳しい専門家に相談しながら進めると失敗を避けやすくなります。

7. よくある質問(FAQ)

Q. 貿易保険とは何ですか?

輸出入や海外投資などの海外取引で生じるリスクをカバーする保険です。取引先の破産や不払いといった信用危険に加え、戦争・輸入制限・送金規制のように自社では防ぎようのない非常危険(カントリーリスク)まで対象になる点が特徴です。日本では政府全額出資のNEXIが中心となり、民間の損害保険会社も類似商品を提供しています。

Q. 貿易保険と海上保険(貨物海上保険)はどう違いますか?

貨物海上保険は輸送中の貨物そのものの破損・水濡れ・盗難などの物的損害を補償します。一方、貿易保険が守るのは主に代金です。相手の倒産や相手国の送金規制で代金が回収できないリスクをカバーします。荷物を守るのが海上保険、代金を守るのが貿易保険と整理するとわかりやすいです。

Q. 貿易保険にはどんな種類がありますか?

普通輸出保険、輸出代金保険、為替変動保険、輸出手形保険、輸出保証保険、前払輸入保険、仲介貿易保険、海外投資保険、海外事業資金貸付保険などがあります。案件ごとの個別タイプと、複数取引をまとめる包括タイプがあり、取引の形態や頻度に応じて選びます。

Q. Digima〜出島〜で貿易保険や海外取引のリスク対策を相談できますか?

はい、可能です。輸出入実務や海外取引に精通した支援企業が登録されており、貿易保険の選び方から代金回収リスクへの備え、通関・物流を含めた海外取引全般まで無料で相談できます。専門コンシェルジュが課題に合わせて最適な支援企業をご紹介します。

8. 貿易保険・海外取引の相談はDigima〜出島〜へ

海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima〜出島〜」では、輸出入や海外取引に精通した専門家・支援企業を無料でご紹介しています。貿易保険の選び方や代金回収リスクへの備えはもちろん、通関手続き、現地の輸入規制、物流手配まで、海外取引にまつわる幅広い課題に対応できます。

「初めて輸出するので代金回収が不安」「中間業者を通さず自社で直接取引を始めることになった」「新しい相手とまとまった金額の取引を始めてよいか判断できない」といった相談は、実際に数多く寄せられています。どのような段階のお悩みでも、まずはお気軽にお問い合わせください。

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