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【2026年最新】海上保険とは?補償範囲(ICC条件)・貿易保険との違い・保険金額の計算方法まで完全ガイド

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結論から言えば、海上保険とは、船舶や飛行機で輸送される貿易貨物が輸送中に被った損害を補償する保険の総称であり、国際貿易取引を行うすべての企業にとって欠かせないリスクヘッジの手段です。「海上」という名称がついていますが、実際には海上輸送だけでなく航空輸送・陸上輸送も補償対象に含むのが実務上の一般的な理解です。これから輸出入取引を始める方の多くは、どの補償範囲を選べばよいのか、貿易保険とはどう使い分ければよいのかを具体的に知りたいのではないでしょうか。本記事では、海上保険の基本的な定義から、貿易保険との違い、ICC(A)・ICC(B)・ICC(C)・ICC(AIR)という4種類の補償範囲の違い、契約者の決まり方、保険金額・保険料の計算方法、保険期間、保険金請求の流れまでを網羅的に整理します。

この記事でわかること

  • ・海上保険とは何か、貨物保険としての基本的な仕組み
  • ・海上保険と貿易保険の違い
  • ・ICC(A)・ICC(B)・ICC(C)・ICC(AIR)の補償範囲の違い
  • ・インコタームズで決まる契約者(輸出者・輸入者)の区分
  • ・保険金額・保険料の計算方法と保険期間の考え方

1. 海上保険とは?貿易取引に不可欠な貨物保険の基本

海上保険とは、貿易取引において船舶や飛行機、トラックなどで輸送される貨物が、輸送中に被った損害(破損・水漏れ・盗難・紛失など)を補償する保険です。輸出者・輸入者のいずれかが保険契約者となり、貨物に損害が生じた場合に保険金を受け取ることで、輸送リスクによる経営への影響を最小限に抑えられます。

貿易取引は輸送距離が長く複数の輸送手段・国をまたぐことが一般的であるため、国内取引に比べて損害リスクは格段に高く、荒天による損傷・荷役中の落下・水濡れ・盗難など発生し得るリスクは多岐にわたります。海上保険はこうしたリスクに備える実務上必須の保険です。

2. 海上保険の歴史|14世紀イタリアに起源を持つ仕組み

海上保険の起源は14世紀のイタリアにまで遡るとされています。地中海貿易が盛んだった当時、船舶や貨物が難破・海賊被害で失われるリスクに備え、商人同士が資金を出し合ってリスクを分散する仕組みが発達し、これが現在の海上保険の原型になったと考えられています。その後17世紀のイギリス・ロンドンでは、後の「ロイズ(Lloyd's)」に発展するコーヒーハウスを舞台に海上リスクを引き受ける慣行が形成され、現在の補償範囲を定める「協会貨物約款(ICC)」もロンドン保険業者協会が策定したものです。

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3. 海上保険と貿易保険の違いとは|補償対象で使い分ける

「海上保険」と「貿易保険」は名称が似ているため混同されがちですが、補償の対象がまったく異なる保険です。

  • 海上保険:輸送中の貨物が被る物理的な損害(破損・水濡れ・盗難・紛失など)を補償する保険。損害保険会社が引き受ける。
  • 貿易保険:取引相手の倒産・代金回収不能リスク、輸出先国の戦争・カントリーリスクなど政治・経済的リスクを補償する保険。日本では日本貿易保険(NEXI)が主に取り扱う。

つまり、海上保険は「モノ(貨物)」のリスクを、貿易保険は「カネ(代金回収)」と「取引先国の情勢」のリスクをカバーする整理になります。多くの企業は両方のリスクに備えるため、海上保険と貿易保険の双方に加入しています。

4. 海上保険の補償範囲|ICC(A)・ICC(B)・ICC(C)・ICC(AIR)の違いを比較

海上保険(貨物保険)の補償範囲は、ロンドン保険業者協会が策定した国際約款「協会貨物約款(ICC)」によって定められ、広く使われているICC(A)・ICC(B)・ICC(C)・ICC(AIR)の4種類で補償の広さが異なります。

  • ICC(A):オールリスク型。免責事由(戦争・ストライキ等)を除き、ほぼすべての偶発的な損害を補償する最も広い条件。
  • ICC(B):火災・爆発・座礁・沈没・衝突・共同海損など、列挙された特定の事故のみを補償する条件。
  • ICC(C):ICC(B)よりさらに限定的で、火災・爆発・沈没・座礁など重大な事故に限定した最小限の条件。
  • ICC(AIR):航空貨物向けの約款。座礁・沈没など船舶特有の事故項目がなく、航空輸送の実態に合わせて構成される。

どの条件を選ぶかは貨物の性質・輸送ルート・取引金額を踏まえて判断します。高価格帯や損傷リスクの高い貨物にはICC(A)、リスクの低い貨物にはICC(C)が選ばれる傾向にありますが、保険料とのバランスも考慮が必要です。

5. 海上保険の契約者は誰?インコタームズで決まる輸出者・輸入者の区分

海上保険の契約者(保険を手配し保険料を負担する当事者)は一律に決まっているわけではなく、貨物の危険負担の移転時点を定める国際取引条件「インコタームズ(Incoterms)」によって、条件ごとに変わってきます。

  • FOB(本船甲板渡し):本船積込み時点で危険負担が輸入者に移転し、以降の保険契約は輸入者が手配。
  • CIF(運賃保険料込み):輸出者が保険料込みで引き渡すため、輸出者が保険契約・保険料負担を行う。
  • CFR(運賃込み):運賃のみ輸出者負担で保険料は含まないため、輸入者側で別途手配。
  • EXW(工場渡し):引き渡し時点で危険負担が移転するため、輸送全区間の保険を輸入者が手配。

契約締結時にインコタームズと保険契約の手配義務をセットで確認し、相手方が保険を手配する場合は、実際の補償範囲(ICC条件)も併せて確認しておくことをおすすめします。

6. 海上保険の保険金額・保険料の計算方法

海上保険の保険金額は、単純に貨物のインボイス価格(仕入価格)で設定されるわけではなく、一般的に以下の計算式で算出されます。

  • 保険金額 = CIF価格(貨物の運賃・保険料込み価格)× 110%
  • 保険料 = 保険金額 × 保険料率

110%を乗じるのは、貨物本体の価格に加え輸入者の期待利益(想定利益)分も補償対象とする国際的な商慣習によるものです。保険料率は貨物の種類・包装状態・輸送ルート・ICC条件などで変動し、補償範囲が広いほど高くなる傾向があります。正確な保険料は個別見積もりが必要ですが、この計算式を理解しておけば見積もりの妥当性をある程度自社でチェックできます。

7. 海上保険の保険期間はいつからいつまで?

海上保険の保険期間は、貨物が輸送される全区間をカバーするのが基本です。一般的なICC条件では、「仕出地の倉庫等で貨物が輸送のために動かされた時点」から「仕向地の最終倉庫等で荷卸しが完了する時点」まで(倉庫間約款)を保険期間とする設計になっています。

つまり船舶・飛行機への積込み中だけでなく、両地点の倉庫内保管や横持ち輸送も含めた一貫輸送の全体をカバーするのが原則ですが、荷卸し後に一定期間(通常60日など)を超えて保管された場合は保険期間終了とみなされることがあります。なお戦争危険(War Risk)は海上区間のみが対象で、陸上区間の補償には別途特約の追加が必要です。

8. 海上保険で保険金請求(クレーム)が必要になったときの流れとチェックポイント

輸送中の貨物に損害が生じた場合、以下の流れで保険金請求(クレーム)を進めるのが一般的です。

  1. 損害・異常を発見した場合、荷姿を写真撮影し、運送人の受領書等に損害の事実を明記(リマーク)する。
  2. 速やかに保険会社(代理店)に通知し、保険証券・インボイス・パッキングリスト・船荷証券・写真等の必要書類を準備する。
  3. 損害規模が大きい場合は、鑑定人(サーベイヤー)による現地調査を受け、損害原因・損害額を確定する。
  4. 保険会社の審査を経て、保険金額の範囲内で保険金が支払われる。

ポイントは、損害を発見した時点でできる限り早く証拠(写真・受領書へのリマークなど)を残しておくことです。時間が経過すると判別が難しくなり保険金請求が認められにくくなるため、現地代理店との連携体制を整えておくことが迅速な請求につながります。また、加入時には以下の点も確認しておくことで補償漏れを防げます。

  • インコタームズに基づき、自社と取引先のどちらが保険契約者になるか明確か
  • 貨物の性質・価格帯に見合った補償範囲(ICC(A)・(B)・(C)・(AIR))を選択しているか
  • 保険金額がCIF価格の110%を基準に適切に設定されているか
  • 保険期間が実際の輸送ルート・保管期間をカバーしているか
  • 戦争危険やストライキ危険など、追加補償が必要なリスクを見落としていないか

9. Digima~出島~に寄せられる海上保険関連相談の傾向

「Digima~出島~」には、「海上保険と貿易保険、両方に加入すべきか判断がつかない」「適切な補償範囲(ICC条件)が分からない」「保険会社の見積もりが妥当か判断できない」といった相談が一定数寄せられています。特に初めて輸出入取引を行う企業からは、インコタームズと保険契約者の関係が分かりにくいという声も多く聞かれます。

10. よくある質問(FAQ)

Q. 海上保険とは何ですか?

海上保険とは、船舶や飛行機などで輸送される貿易貨物が、輸送中に被った損害(破損・水濡れ・盗難・紛失など)を補償する保険です。名称に「海上」とありますが、実務上は航空・陸上輸送も含めた貨物全般を対象とする「貨物保険」として運用されています。

Q. 海上保険と貿易保険の違いは何ですか?

海上保険は輸送中の貨物の物理的な損害を補償する保険であるのに対し、貿易保険は取引相手の倒産や代金回収不能、輸出先国のカントリーリスクなど政治・経済的リスクを補償する保険です。補償対象が異なるため、多くの企業は両方に加入しています。

Q. 海上保険の補償範囲にはどのような種類がありますか?

協会貨物約款(ICC)に基づき、補償範囲が最も広いICC(A)、特定事故のみのICC(B)、最小限のICC(C)、航空貨物向けのICC(AIR)の4種類が代表的です。貨物の性質やリスクの高さに応じて選択します。

Q. 海上保険の契約者は誰になりますか?

インコタームズ(取引条件)によって決まります。CIF条件では輸出者が、FOB・EXW条件では輸入者が保険契約者になるのが一般的で、条件ごとに危険負担の移転時点が異なるためです。

Q. 海上保険の保険金額はどう計算しますか?

一般的に「保険金額=CIF価格×110%」で算出し、そこに保険料率を乗じて保険料を計算します。110%には輸入者の期待利益分(想定利益)も含める国際的な商慣習が反映されています。

Q. 海上保険の保険期間はいつからいつまでですか?

一般的には「倉庫間約款」に基づき、仕出地の倉庫等で輸送のために動かされた時点から、仕向地の最終倉庫等で荷卸しが完了する時点までが保険期間となります。ただし戦争危険は海上区間のみが対象など、リスクの種類によって適用範囲が異なります。

11. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

今回は「海上保険とは何か」を起点に、貿易保険との違い、ICC条件の違い、契約者の決まり方、保険金額・保険料の計算方法、保険期間、保険金請求の流れまでを整理してご紹介しました。

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しており、複数の企業の比較検討も可能です。

「自社の貨物に合った補償範囲を知りたい」「海上保険と貿易保険、両方に加入すべきか相談したい」……といった、多岐に渡るご質問・ご相談を承っています。

ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが御社にピッタリのサポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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