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海上コンテナ輸送の「サイズ・種類・規格・用途」をわかりやすく解説

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「コンテナのサイズと種類と規格と用途」をメインに、国際海上輸送で「コンテナ船」が主流となった理由、さらにはコンテナによって促進されたイノベーション…などについて解説します。

「コンテナ」とは20世紀における最大の発明のひとつです。なぜなら、コンテナという規格化された箱を輸送に使用することで、物流業界にイノベーションが起き、今日のより安全かつ効率的な国際物流が可能になったからです。

輸出入貿易を手がけるにあたって「コンテナの知識」は非常に重要です。例えば、通常のコンテナに収まりきらない「特殊貨物」の海外輸送だと、オーバーゲージと認定され、一般的な貨物輸送とは異なる技術と設備が必要なため、高い料金設定になります。コンテナの知識を少しでも持っていることで、その仕組みが容易に理解できるからです。

あなたが輸出入や貿易や通関について調べているならば、本テキストの「コンテナの基礎知識」は、とても有益な情報となるはずです。

1. 「コンテナ」は20世紀最大の発明品のひとつである

コンテナ、あるいはコンテナを活用した物流の仕組みを指して、「20世紀の最大の発明品」のひとつと称することがあります。

海上コンテナ輸送の「サイズ・種類・規格・用途」をわかりやすく解説する前に「コンテナが21世紀最大の発明品」と称される由縁を簡潔に述べます。

コンテナの導入によって安全かつ効率的な物流というイノベーションが生まれた

結論から言えば、コンテナという規格化された箱を輸送に使用することで、物流業界にイノベーションが起こりました。具体的には、コンテナを貨物輸送に導入することで、より安全かつ効率的な物流が可能になったのです。

それこそ現在のグローバル社会における国際物流の活性化を促進し続けているのが「コンテナ」であり、多くの海外ビジネス従事者にとって、「コンテナの基礎知識」=〝リベラルアーツ〟といっても過言ではありません。

国際的な海上輸送で「コンテナ船」が主流となった理由とは?

そもそもコンテナとは入れ物・容器であり、その大きさや用途は様々です。私たちの生活の中でも整理整頓のために小さいコンテナを利用していますが、一度に荷物を運ぶことができたり、荷物を保存する際にはスペースを有効活用できるメリットがあります。

物流業界においても同様です。コンテナは、おもに国際間を行き来する大量の物流を支える手段として、国際的に標準化されたルールと手順で運用されているのです。

そして現在の国際貿易における海上輸送の代表的な手段は「コンテナ輸送」です。従来は「在来船(在来型貨物船)」で輸送するケースが主流でしたが、現在は「コンテナ輸送」がメインになっています。

その理由としては、コンテナという「定型」に収まることで、船に積載できる貨物の量もスペースもフィックスするため、低価格かつ効率的に輸送ができるからです。

海上輸送には「コンテナ船によるコンテナ輸送」と「(おもに)在来船による特殊貨物輸送」がある

そもそも海運における船には大まかに分類すると「在来船」「コンテナ船」のふたつがありますが、今回のテーマである「コンテナ」を積載した船が「コンテナ船」と呼ばれています。

改めてまとめると…貨物を専用のコンテナに積み込んで運ぶ方法が「コンテナ輸送」であり、コンテナ・ターミナルの設備が整っていない港へ輸送するケースや、コンテナに入らない形状・サイズの貨物を輸送する場合には、おもに在来船をメインとする「特殊貨物輸送」となります。

ちなみに「特殊貨物」とは、通常の20フィートや40フィートに収まりきらない規格外の貨物(オーバーゲージ貨物)や重量を持つ貨物を指します。

さきほど、コンテナに入らない形状・サイズの貨物を輸送する場合には、おもに在来船をメインとする「特殊貨物輸送」となると述べましたが、後述する特殊コンテナを活用したコンテナ船による特殊貨物輸送もあります。

次項からは、そんなコンテナ輸送で活躍する、さまざまなコンテナの種類について解説していきます。

2. コンテナの種類は規格と用途によって分類される

ここではおもなコンテナの種類について解説します。コンテナの種類はおもに2つとなります。

コンテナの種類は一般的な「ドライコンテナ」と「特殊コンテナ」の2つ

海上コンテナ輸送では、コンテナによる輸送を円滑にするべく、国際的に規格化された「国際標準化機構( ISO = International Standardization Organization)」による寸法・強度・外形などが規格化されています。

ISOの規定により、コンテナは、その使用目的と構造から分類されるのです。おもなコンテナの種類をまとめると以下の2つになり、それぞれの種類から各タイプに派生していきます。

① ドライコンテナ(Dry Container)
・20フィートコンテナ
・40フィートコンテナ
・45フィートコンテナ

② 特殊コンテナ
a:リーファーコンテナ / 冷蔵・冷凍コンテナ(Reefer Container)
b:オープン・トップ・コンテナ(Open Top Container)
c:フラット・ラック・コンテナ(Flat Rack Container)
d:フラット・ベッド・コンテナ(Flat Bed Container)
e:タンク・コンテナ(Tank Container)


下記のセクションより、それぞれのコンテナについて詳しく見ていきましょう。

3. ドライコンテナ(Dry Container)

世界でもっとも普及しているコンテナは?と問われれば、その答えはは「ドライコンテナ」になります。

世界でもっとも普及しているのがドライコンテナ

工業用品や日用品をはじめとした、電化製品や自動車用品、家具や衣類や雑貨、コーヒー豆やワインなど、さまざまな貨物を常温で輸送するのに適したコンテナです。

外板はスチール製ですが、床面にはクロスメンバーという骨材の下に合板が敷かれています。そのため、ドライコンテナは集中荷重に弱いとされており、重量物を取り扱う際は注意が必要です。

おもなサイズ(長さ)は「20フィートコンテナ」と「40フィートコンテナ」の2タイプ

ドライコンテナを大きさ(長さ)で大きく分けると、ISO企画によるサイズの違いで、20フィートコンテナ、40フィートコンテナ、45フィートコンテナの3タイプになります。

■20フィートコンテナ
外寸は、幅 8’ft × 高さ 8’6’’ft × 長さ 20ft’ です。メートル換算だと、1ft=約0.3mなので、約2.4m × 約2.6m × 約6mになります。内寸の目安は、幅2.35m×高さ2.38m×長さ5.9mくらいになります。

コンテナの扉開口寸法は、およそ幅2.34m × 高さ2.38m × 長さ5.9m となっています。

最大積載量は、約33m3(立方メートル)程度で重要の上限は21,000kg〜22,000kgとされています。

海上用20フィートコンテナは、後述する40フィートコンテナと比較して、フォークリフトやユニック車での作業も可能となっており、取り扱いも容易です。

■40フィートコンテナ
20フィートコンテナとは〝長さ〟だけ異なり、外寸は、幅 8’ft × 高さ 8’6’’ft × 長さ 40ft’ です。メートル換算だと、約2.4m × 約2.6m × 約12m になります。

内寸の目安は、幅2.35m×高さ2.38m×長さ12mくらいになります。

最大積載量は、約67.5m3(立方メートル)程度で重要の上限は26,000kg〜27,000kgとされています。

また、40フィートコンテナには、高さの高いハイキューブコンテナと呼ばれる種類があります。

さらに20フィートコンテナでも、40フィートほどではありませんが、ハイキューブコンテナの活用が増加しています。ハイキューブコンテナの活用によって、これまで高さ制限で収容できなかった貨物も収容可能になっているケースが多々あります。

■45フィートコンテナ
45フィートコンテナは、日本国内では特定の地域を除いて一般道を運送できないので、国内では流通していませんが、アメリカでは一般的に使用されています。

また、東南アジア諸国でも、順次45フィートコンテナの流通が認可されています。

さらに、現在は日本国内でも、物流コスト、CO2排出量の削減効果の観点から、国際競争力の強化に取り組んでいる荷主企業からの要請が高まっています。

最大積載量は、40フィートコンテナの約1.3倍のm3(立方メートル)とされています。

4. リーファーコンテナ / 冷蔵・冷凍コンテナ(Reefer Container)

続いては、リーファーコンテナ(冷蔵・冷凍コンテナ)です。

冷凍・冷蔵ユニットが内蔵された温度調整が可能なコンテナ

その名の通り、リーファーコンテナ(冷蔵・冷凍コンテナ)は、冷凍貨物・冷蔵貨物(果物・野菜・肉・魚介類どの生鮮食品、フィルムなどの化成品、美術品、医薬品、精密機械)を輸送するのに適したコンテナです。

リーファーコンテナには、その名の通り冷凍・冷蔵ユニットが内蔵されており、壁面には断熱材が取り付けられていて、所定温度をキープできるようになっています。

また一部のリーファーコンテナには、コンピューターによって高精度の温度制御が可能となっており、除湿機能やCA(Controlled Atmosphere)機能などの、鮮度保持機能を持つタイプも存在します。

コンテナのサイズとしては、ドライコンテナ同様に、20フィートと40フィートの2種類が標準となっています。

コンテナ内部に断熱材、床部にはレールが取り付けられているので、ドライコンテナよりも内寸が一回り小さくなっています。

それぞれ内寸の目安は…

20フィート(内寸): 幅約2.2m × 長さ約5.4m × 高さ約2.2m 40フィート(内寸): 幅約2.3m × 長さ約11.6m × 高さ約2.5m

…とされています。

また、リーファーコンテナ内の温度調節の幅ですが、冷凍機によるものの、マイナス25℃〜プラス25℃までの温度調節が可能となっています。

5. オープン・トップ・コンテナ(Open Top Container)

続いては、オープン・トップ・コンテナです。

コンテナの屋根の部分がなく(あるいは屋根が取り払われた)、コンテナ上部の天井がない構造となっているコンテナが「オープン・トップ・コンテナ」です。

高さや長さが規格外の荷物に最適

天井の代わりに、ロープで固定できる取り外し可能なターポリンなどの耐候性防水シートを装備しています。

一般的なコンテナサイズを超える大型機械などの背の高い貨物や、コンテナのドアからは出し入れが難しい鉄コイルなどの貨物を、クレーンで積み込むことができます。

6. フラット・ラック・コンテナ(Flat Rack Container)

続いては、フラット・ラック・コンテナです。

屋根部分、両側面、扉面がなく、左右と上方からの荷役から貨物を出し入れできるタイプのコンテナが「フラット・ラック・コンテナ」となります。

柔軟な積載方法が可能なコンテナ

フラット・ラック・コンテナは、通常のコンテナサイズの幅や高さを超過した建設機械やクルーザー船、木材や鉄鋼やパイプといった、通常のコンテナでは積載できない重量物の輸送に適しています。

フラット・トラック・コンテナには20フィートと40フィートの2タイプがあります。

また、重量貨物に対応しているため、一般的なドライコンテナと比較すると、床の強度が強くなっているのも特徴のひとつです。さらに、多数のラッシング(ワイヤーやロープを使ってコンテナや貨物を動かないようにすること)リンクがあるので、大型貨物でも安全かつ強固に固定することができます。

ただ、船での積み上げ場所が制限され、両側にコンテナが置けないといった制約もあるため、通常の運賃よりも割り増しになるので注意が必要です。

6. フラット・ベッド・コンテナ(Flat Bed Container)

上部構造物を一切持っていない、床面だけの構造を持つのが「フラット・ベッド・コンテナ」です。

上部構造物を持たない床面だけのコンテナ

フラット・ラック・コンテナと同様に、通常のコンテナでは積載できない、大型機械や鋼材といった大型の重量物を運ぶのに適しています。

また、フラットベッドコンテナを連結させることで、ひとつの大きな貨物を輸送することケースも多々あります。貨物を積載していない際は、コンパクトに段積みすることも可能です。

7. タンク・コンテナ(Tank Container)

おもに液体貨物を輸送するためのコンテナが「タンク・コンテナ」です。

上部構造物を持たない床面だけのコンテナ

一般的なドライコンテナとは異なり、鉄鋼フレーム内にタンクを格納した構造になっています。モルト(原酒)、醤油、食料品、液体化学薬品などの液体貨物を対象としています。

タンク・コンテナのサイズは、タンクの内容量によって諸元寸法が異なっており、9,500L~26,000Lの中から選択するようになります。

8. 日本企業の「輸出入・貿易・通関」に関する最新トレンド

「輸出入・貿易・通関」に対する相談が急増

ここまで「コンテナのサイズと種類と規格と用途」について理解を深めてきましたが、最後に関連情報として、海外進出を検討している日本企業において「貿易業」がどれだけ人気があるかを示すデータをご紹介します。

毎年、海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima~出島~」では1年間の進出相談と海外進出企業ならびに、海外進出支援企業を対象に実施したアンケートをもとに「海外進出白書」を作成しています。

下記は「Digima〜出島〜」に寄せられた、海外進出を検討する企業の相談内容のランキングを示したグラフになります。

海外進出時の課題・ニーズランキング

相談内容に関してはコロナ禍の影響が色濃く、2019年度までは「営業代行・販売代理店探し」に関する相談が圧倒的に多かったのですが、コロナ禍の2020年度には海外展開戦略を見直したり再構築するための「海外進出コンサルティング」が肉薄し、その傾向は2021年度も継続していました。

しかし、アフターコロナを迎え「海外進出コンサルティング」の相談件数は落ち着きを見せ、順位を下げました。一方で件数を大幅に増やしたのは「輸出入・貿易・通関」に対する相談です。また、コロナ禍で減少傾向にあった「会社設立・登記代行」も増加に転じました。

2022年度に関しては、背景に「円安」がありました。その結果、「販売代理店探し」や「輸出入・貿易・通関」に関する相談が増えた形になります。しかし、輸出産業にとってのチャンスという側面だけでなく、「外貨を獲得することが重要だ」といったような危機感の広がりもあったはずです。

単純に円安による輸出チャンスの拡大だけを考えれば、「輸出入・貿易・通関」や「代理店探し」「越境EC」が増加するというのは当然ですが、「会社設立・登記代行」が増加するというのはコスト面を考えると逆行しています。

そういった意味で、「外貨獲得の必要性」という危機感を持って海外進出への取り組みを強化している企業が多いのではないかと推察されます。



…上記の内容をさらに深掘りした日本企業の海外進出動向を「海外進出白書」にて解説しています。

日本企業の海外進出動向の情報以外にも、「海外進出企業の実態アンケート調査」「海外ビジネスの専門家の意識調査」など、全117Pに渡って、日本企業の海外進出に関する最新情報が掲載されている『海外進出白書(2022-2023年版)』

今なら無料でダウンロードが可能となっております。ぜひ貴社の海外ビジネスにお役立てください!

9. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

貴社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

今回は、「コンテナのサイズと種類と規格と用途」をメインに、国際海上輸送で「コンテナ船」が主流となった理由などについて解説しました。

コンテナに関連するワードとして、コンテナリゼーションという言葉があります。その意味は、コンテナに物品を積み込み、荷役・輸送することを指します。このコンテナリゼーションによって、現在のグローバリズムを背景とする国際物流がイノベーションを遂げ、かつ世界中の人々の消費活動および国際的な経済活動が活性化したのです。

そういう意味でもコンテナについて知ることは、海外ビジネスに従事している方にとって、とても有意義なものであるはずです。

「Digima〜出島〜」には厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

「海外に自社商品を輸出したい」「海外から商材を輸入したい」「海外での物流計画のアドバイスがほしい」「海外進出をしたいが何から始めていいのかわからない」 ……といった、多岐に渡る海外進出におけるご質問・ご相談を承っています。

ご連絡をいただければ、海外進出専門コンシェルジュが、貴社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介いたします。まずはお気軽にご相談ください。

(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
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