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【2017年】インド経済の成長と今後の見通し完全版‼

掲載日:2017年06月28日

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「21世紀はインドの時代になる」「インド経済が急成長を遂げている」このようなフレーズを誰しも聞いたことがあると思います。事実、インドは7%近い経済成長率を維持し続けており、JBICが発表した調査では、中期的有望事業展開国ランキングで中国を抑え1位に輝きました。本記事では、具体的にインド経済はどの程度成長しているか、モディ首相の政策、そこから導き出される今後の展望など、インドの『今』について解説します。

インド経済の成長

2016年にIMFが発表したインドの名目GDPは2.6兆ドルでした。この数値をわかりやすく言えば、中国の2割(20%)程度、アメリカの約1割しかありません。では、現時点で米国や中国には遠く及ばない名目GDPであるにも関わらず、なぜこれほどインド経済は注目を集めているのでしょうか。その答えはインド経済の成長力にあります。インドの経済成長率は2015年に7.9%、2016年は6.8%を記録しました。7%の成長が10年続けばGDPは2倍になる計算です。

数年前まで著しい経済成長を遂げていた中国ですが、徐々に息切れを起こし成長の鈍化が目立ち始めています。しかし、IMFはインドが2017年7.2%、2018年7.7%の経済成長をする見通しを発表しました。

さらにインドにおける中間層(年収50-200万程度を指し、家電などを買うことができる層)は2020年に6.2億人にも上るとみられており、巨大な市場としても注目を集めているのです。2030年やその先を見据えて、有望市場であるのがインドであり、それこそ中国以上に注目を集めている理由なのです。

なぜインドが重要なのか?

インドは経済面も含め様々な分野で注目されています。大きく大別すると5つの役割が期待できるのです。

①12億人超えの巨大市場
いうまでもなくインドは12億人の人口を抱え、世界第2位の人口大国でありアジア3位の経済大国です。その中でも人口の約半分が25歳以下で、未成年の数が5億人と、非常に若い国です。今後、人口、経済ともに今以上に伸びると見積もられており将来的に(現時点でもですが)巨大な市場として機能することは間違いありません。

②ものづくり・輸出の拠点
詳しくは後述しますがインドはいま、「メーク・イン・インディア(make in india)」というフレーズを掲げ、モノづくりの拠点を目指しています。日本の自動車産業はかなり工場を移しており、特にスズキ自動車はインドで大成功を収めています。インド内で作った製品は、国内はもちろんのこと欧州や中東、アフリカに向けて輸出されるなど、徐々にモノづくりの拠点としての地位を築き始めています。

③地政学的要衝
インドは中東や中央アジアに近く、日本やアジア諸国にとって、通商上非常に大きな影響力を持つ海上交通路である「シーレーン」の途中にあります。そのため、インドと良好な関係を築いておくことは、日本の原油などのエネルギー確保にも寄与します。

④国際政治における存在感
インドはG20やBRICSに所属しており、国際舞台での発言力を徐々に高めています。世界最大の民主主義国として世界が注目しているのです。またインドは歴史的にアフリカ諸国とのつながりが強く、人的コネクションを持っています。そのため土地勘のあるインド人社員を活用してアフリカに進出する企業も多くあるのです。

⑤R&D拠点
RとはResearchを指し、Dはdevelopmentのことです。インドには優秀な研究員や技術系人材が多く、かつ人件費が安いため先進国に比べ安価に利用できるというメリットがります。アメリカなどはインドからのIT関係の技術者を低コストでかなり受け入れています。

モディ首相の掲げる政策とは?



インド経済を知るうえで、インドがどのような政治を行っているかを知るのはとても重要です。また、インドの経済成長率が期待される背景には人口の急増のみならず、モディ首相の取り組みなどにより、インド自体が変化の時期に差し掛かっているということがあります。そのためインドのモディ首相がどのような政策を掲げ、実行してきたかを説明していきます。

⓵メーク・イン・インディア
2014年9月から始められました。雇用創出と輸出を促進する製造業に力を入れ、GDPに占める製造業の割合を約16%から25%に引き上げ、1億人の新規雇用を創出することを目指した政策です。外資規制緩和やインフラ整備促進も含み、現に多大な雇用を創出しています。

⓶デジタル・インディア
2014年8月に閣議決定されました。政府だけで総額1.13兆ルピー(1ルピー=1.8円換算で約2兆円)を投資し全国の村にブロードバンドを整備し、25万の大学や専門学校などに無線LANを設置し、行政サービスの電子化を行うことでデジタル化を推進。ITサービス強化を通じて1700万人の雇用創出目標。

⓷クリーン・インディア
インドと言えば「不潔」なイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。インドでは屋外排泄が原因で深刻な健康被害が広がっています。モディ首相はその対策で2014年からクリーン・インディアをスタートさせました。具体的には官民で協力し2019年までに100万個のトイレを新設する計画です。2015年11月からは財源確保のために「クリーン・インディア税」も導入しました。

⓸ジャン・ダン・ヨジャナ(国民金銭計画)
よくわからない名称ですが簡単に言えば、田舎に住む農村住民や貧困層を対象に損害保険や貸与機能付きの銀行口座を開設させ、生活水準の向上を図る制度です。年金や補助金の漏れや2重取得を防ぎ、納税者管理の活用の効果もあります。現在では対象者の約90%をカバーしています。

⓹GST
外資の参入を遠ざける原因となっていた州ごとに異なる税率を、全国統一の「物品・サービス税(GST)」で統一しようという制度です。日本でいう消費税のようなものです。今年の7月から実地される見通しで税率は4段階(5,12,18,28%)。
詳しくは下記のリンクでまとめられています。
https://www.digima-news.com/20170414_16837ご参照ください。

⓺ブラックマネー対策
モディ首相は偽札対策にも力を入れています。去年の暮れにおこなった高額通貨の突然の廃止もその一例です。国内の危険指定組織が保有する偽札を無効するのに一定の効果を発揮しました。

今後の見通しは?

上述の通り、IMFはインドが2017年は7.2%、2018年は7.7%の経済成長をするという見通しを発表しました。これは脅威的な数値です。さらに世界銀行(WB)は、注目すべき報告書を2016年10月に発表しました。「南アジアはGlobal Growth Hotspot」という経済予測です。



インド、パキスタン、バングラデシュ3か国を含む南アジアの経済成長予測は2017年6.9%で2018年は7.3%でした。世界全体の成長予測が3%程度であることを考えれば、その倍近い速度であることがわかります。つまりインドは今後、近隣国と相乗的に経済成長を遂げていくということです。その他の地域が羨むほどの高成長を遂げるインドは、新たなビズネスチャンスに溢れているのです。

インド経済成長の阻害要因

多くの経済学者や国際機関がインド経済に対して明るい展望を持っていますが、成長の阻害要因がないわけではありません。
長期的な視点から、インドの教育領域は脆弱性が懸念されてきました。教員の質の問題(教員のズル休み率25%)や、10%の学校に上下水道がありません。教育の充実は未来への投資です。教育分野が疎かな国に大きな発展は見込めません。比較されることの多い中国と、教育分野で比較した場合、10年以上も遅れているとの見方もあります。

しかしインドが対策を行っていないかと言えばそうでもありません。3%の教育目的税を導入し、その財源で1億人以上の児童に無償の給食を義務化しました。また2001年時には7%ほどしかなかった大学進学率は25%ほどまで改善されました。それでもなお、膨張し続ける人口を考えれば十分ではありません。今後のモディ首相の対策に注目が集まっています。

なぜインドビジネスは難易度がたかいのか

一般的にインドビジネスは難易度がとても高いと言われています。その理由は多岐にわたりますが、主なものは下記の通りになります。

⓵言語の違い
インドには英語やヒンディーを含めて公用語、準公用語が20個以上存在しています。言語間の距離も遠く、州が違えばインド人同士でさえ言葉が通じないことも多々あるようです。そのため、一つの地域で進出に成功しても、横への波及的な進出が難しいのです。

⓶宗教の違い
他宗教国家であることがインドでのマーケティングを困難にしています。主要な宗教だけでも、ヒンドゥー教徒が10億4千万人、イスラム教徒が約1億8000万人、シーク教徒が2400万人、キリスト教徒が約3000万人いると言われています。さらにヒンドゥー教にはいまだにカースト制度が残っているため、そのことが外資の企業を悩ませる原因にもなっています。

⓷ワークカルチャーの違い
インドは終身雇用や定期採用の概念が薄く、離職率がとても高いです。そのため終身雇用が一般的な日本の企業は優秀な人材の確保に難航します。また強烈なトップダウン型の会社が多いことや口約束を重要視しない文化のため、管理職の方の頭を悩ませることが多いです。

上記の理由からインド進出は難しいと言われていますが、インドのビジネス環境も少しづつ改善されつつあります。州ごとに異なっていた税率を統一するGST 制度(7月より導入)は、インド国内での横展開の進出を大きく助けると言われています。また、企業側も難易度の高さとその原因をしっかりと理解し対策を講じてから進出すれば、成功の可能性は大幅に高まります。当記事でも取り上げたとおりインドはビジネスチャンスに溢れています。当サイトが進出の手助けになれば幸いです。

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