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【2020年版】インド経済の最新状況 | 4~6月のGDP成長率が過去最悪の落ち込み

掲載日:2020年09月16日

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2020年8月31日、インド政府は、同年4~6月期の実質GDP成長率が、前年同期比でマイナス23.9%と発表。過去の統計を遡れる1997年以降で、四半期としては、過去最悪の結果となりました。

新型コロナウイルス感染拡大によって、3月下旬から5月末までインド全土でロックダウンとなりましたが、それによって国内の必需品の製造やサービス以外の多くの生産活動が制限されたことで、企業の経済活動は大幅に停滞。さらに外出の自粛も重なることで、消費活動も停滞した結果としての、過去最低水準のGDP成長率となりました。

2020年9月16日時点で、インドの新型コロナ感染者数は502万人となっており、アメリカの659万人に続く、感染者数となっています。しかし、同年9月1日の時点で、感染拡大が深刻な地域では外出制限をしつつ、そのほかの地区ではこれまで禁止していたメトロ(都市高速鉄道)の運行や大規模な集会を条件付きで許可しており、インド政府の方針としては、すでに新型コロナとの共存を試みる、経済活動重視の方向へと舵を切ったと見ることができます。

ただ、振り返ってみれば、そもそもコロナ禍前の2019年後半の時点で、インド経済は急激に失速しており、今後の動向が懸念されていたのです。

JBIC(国際協力銀行)が発表した調査では、中期的有望事業展開国ランキングで中国を抑え1位にランクイン。2018年の時点で世界第7位の経済規模を誇るほどまでにインド経済は成長していました。2019年後半の急激な景気低迷の背景にはどのような理由があったのでしょうか? そしてコロナ禍以降の2020年以降のインド経済の今後の見通しとは?

「インド経済が急成長を遂げている」「21世紀の世界経済はインドが覇権を握る」…このようなフレーズを誰しも目にしたことがあると思います。

本テキストでは、そんなインド経済が成長してきたこれまでの背景と、コロナ以前からの急速な景気低迷の理由、さらには第2次モディ政権の新たな景気刺激政策と、そこから導き出される2020年以降の将来的なインドの経済発展の見通しを踏まえて、今後のインド経済の展望についても考察していきます。

1. 2020年4~6月期のインド実質GDP成長率がマイナス23.9減と過去最悪の落ち込み

コロナ禍後に活動を再開したインド経済だったが…?

2020年8月31日、インド政府は、同年4~6月期の実質GDP成長率が、前年同期比でマイナス23.9%と発表。過去の統計を遡れる1997年以降で、四半期としては、過去最悪の結果となってしまいました。

同年の3月下旬には、新型コロナ感染拡大を警戒して、全国的な都市封鎖を開始したインド政府でしたが、5月30日には、コロナの感染対策が必要不可欠な〝封じ込めゾーン〟を除いたすべてのエリアで、6月よりほぼすべての活動を段階的に再開させる旨を発表しました。

しかし、2020年9月16日時点で、インド国内の新型コロナ感染者数の累計が500万人を突破(502万人)。1日最大9万5,000人のペースで新規感染数が急増しており、感染者数ではアメリカに続く2位、累計死者数はアメリカ、ブラジルに続く3番目となっています。

すでに9月1日の時点で、感染拡大が深刻な地域では外出制限をしつつ、そのほかの地区ではこれまで禁止していたメトロ(都市高速鉄道)の運行や大規模な集会を条件付きで許可していたインド政府の方針としては、すでに新型コロナとの共存を試みる、経済活動重視の方向へと舵を切ったと見ることができるでしょう。

ただ先述のように、いまだ衰えない新型コロナ感染者数と、今回の4〜6月期の実質GDP成長率のマイナス23.9%減という数字は、インド経済の厳しい現実がうかがえます。

新型コロナ感染拡大によるインド経済への影響とは?

ここからは、新型コロナ感染拡大以降のインド経済への影響を実質GDP成長率を中心に見ていきましょう。

2020年5月29日、インド政府は、2019年度第4四半期(2020年1月〜3月)の実質GDP成長率推計値を前年同期比3.1%、同じ2019年度の実質GDP成長率を暫定推計値を4.2%と発表していました。

新型コロナの影響から見ていくと、2019年度第4四半期(2020年1月〜3月)における、新型コロナ感染拡大による封鎖期間は1週間ではありましたが、インド全体の経済活動が停止した影響はかなり大きく、GDPの過半数(約6割)を占めている民間消費は2.7%と低迷(前期は6.6%)し、過去3年間の平均である+6.5%を大きく下回りました。

また、企業の設備投資などが含まれる総固定資本形成は6.5%減、自動車やバイクといった耐久消費財の販売も一段と低下、さらに輸出においては、世界景気の悪化も相まって8.5%と大きく失速することで、インド経済のGDP成長率を押し下げる結果となっていたのです。

2020年4~6月期のGDP成長率がマイナス23.9減

そして続く、2020年4~6月期のインド実質GDP成長率はマイナス23.9減。先述したように、過去の統計を遡れる1997年以降で、四半期としては、過去最悪の結果となってしまいました。

GDPの内訳である、需要項目別で見ていくと、政府最終消費支出は前年同期比16.4%増と伸長しましたが、その他の項目が軒並みマイナス成長。

その中でも、大幅な落ち込みを見せたのが、民間最終消費支出と企業の設備投資などを表す総固定資本形成でした。

またGDP構成比の54.3%を占める民間最終消費支出は26.7%減。さらに構成比の22.3%を占める総固定資本形成は47.1%減。

この数値からも、今後の課題は、GDPの過半を占める民間消費の鈍化をいかに改善していくかということになります。それらの消費の減退により、輸入も40.4%減となっています。

2. 2020年以降のインド経済の見通し

2020年度のインド経済は41年ぶりのマイナス成長か?

新型コロナ感染がインド経済に及ぼしている深刻な影響に続いては、もう少し視座を上げて、今後のインド経済の見通しを考察していきましょう。

そもそもインドの2019年度GDP成長率の暫定推計値は4.2%となっており、2月に発表された2次推計値の5.0%から大幅に下方修正されています。これは実に11年ぶりの低水準となっていますが、今後の2020年度のインド経済は、新型コロナ感染拡大と都市封鎖による影響から、41年ぶりのマイナス成長になるとの予測があります。

先述したように、2020年1月〜3月期都市封鎖の時期が短く、なんとかマイナス成長を逃れた形となりましたが、4月〜6月期ともなれば、マイナス成長は避けられないという見方が濃厚です。続く7月〜9月期からは段階的な経済活動再開の影響から、プラス成長に戻ってくることが考えられますが、その持ち直しのペースは極めてスローな動きになると見られています。

 

インドGDPの過半数を占めている民間消費は2.7%と低迷

インド経済が段階的に活動を再開したことを確認しつつ、以降は、新型コロナ感染拡大によるインド経済への影響を見ていきましょう。

2020年5月29日、インド政府は、2019年度第4四半期(2020年1月〜3月)の実質GDP成長率推計値を前年同期比3.1%、同じ2019年度の実質GDP成長率を暫定推計値を4.2%と発表しました。

新型コロナの影響から見ていくと、2019年度第4四半期(2020年1月〜3月)における、新型コロナ感染拡大による封鎖期間は1週間ではありましたが、インド全体の経済活動が停止した影響はかなり大きく、GDPの過半数(約6割)を占めている民間消費は2.7%と低迷(前期は6.6%)し、過去3年間の平均である+6.5%を大きく下回りました。

また、企業の設備投資などが含まれる総固定資本形成は6.5%減、自動車やバイクといった耐久消費財の販売も一段と低下、さらに輸出においては、世界景気の悪化も相まって8.5%と大きく失速することで、インド経済のGDP成長率を押し下げる結果となりました。

2. コロナ以前より減速し始めていたインド経済の実情

2019年の時点で急激に減速し始めていたインド経済

新型コロナ禍後のインド経済の現状と、2020年以降の今後の見通しにつづいては、実はコロナ以前より減速していたインド経済の実情について解説します。

結論から言えば、すでにコロナ以前よりインド経済は失速しており、今後の動向が懸念されていました。

2020年2月28日のインド統計局からの発表によると、2019年10〜12月(第3四半期)期の実質経済成長率は同年同期比で4.7%となっていました。同年の7〜9月期(第2四半期)の5.1%からさらに鈍化している状況だったのです。

そもそも同年年8月30日に発表された4〜6月(第1四半期)の実質GDP成長率は、前年同期比5.0%でしたが、これは2013年1〜3月期以来の6年ぶりの低水準とされており、この時点で5四半期連続で経済成長が鈍化している結果とされていました。

つい最近まで、「インド経済」と言えば、常に〝右肩上がり〟や〝高成長〟といったワードがセットになっている印象でした。その内実も、2014年よりモディ政権が発足して以降、インド経済は順調に伸長し、2018年4〜6月(第1四半期)には、GDP成長率8%という驚異的な右肩上がりの数字を記録したほどだったのです。

しかし先述のとおり、2019年後半時点で、絶好調だったインド経済に急速にブレーキがかかっている状態だったのです。

インド経済が失速した要因は「輸出の低迷」と「個人消費の落ち込み」

このようなインド経済が急速に落ち込んでしまった要因はなんだったのでしょうか?

おもな要因はふたつあります。ひとつめが輸出の停滞、ふたつめが個人消費の冷え込みです。

そのふたつでも特に後者である、「GDPの過半数を占める個人消費の落ち込み」は深刻でした。2019年4〜6月(第1四半期)の民間最終消費支出は3.1%増にとどまっており、前年同期が7./3%増だったことを踏まえると、個人消費市場の停滞が理解できると思います。

個人消費の落ち込みは、そのまま国内の自動車(新車)販売の減少につながります。2020年8月のインド国内の乗用車販売台数は前年同月比で31.6%減少しており、そんな自動車市場の販売不振は関連企業にも影響をおよぼし、数多くの失業者(※一説には100万人規模)を生み出してしまったのです。

また2020年2月にデリー近郊で開催された国際自動車ショーでは、日本のトヨタとホンダが、低迷するインドの自動車市場を鑑みて、出展を見送ったことが話題となりました。

個人消費の落ち込みの要因は「ノンバンクの顧客貸し出しの減少」

では、そんな深刻な個人消費の落ち込みの要因とばなんだったのでしょう? それはおもに「ノンバンクの顧客貸し出しの減少」とされています。

ノンバンクとは、端的に言ってしまえば、お金を貸す業務=融資業務に特化した、預金などを受け入れない、信販会社やリース会社などを指します。

信用不安の影響で銀行などから資金繰りが難しくなったノンバンクの「貸し渋り」により、農村部などの個人がローンを組めなくなったり、都市部でも自動車購入などの消費が落ち込んでいたのです。

新たな景気刺激策を発表したインド政府だったが…?

そんな低迷する国内の経済状況を受けて、インド政府は、鈍化し続ける自国経済の立て直しを図るため、新しい景気刺激策を2019年7月に発表します。

具体的には…「海外投資家の税負担の軽減」「公営銀行への公的資金投入」「低迷する国民の自動車や住宅の新規購入を促す優遇措置」…といった多岐にわたる支援策を実施するとアナウンスしました。

また、海外投資を促進すべく、2019年度予算案で発表した海外投資家のキャピタルゲインに対する増税策を撤回。従来の水準へと戻すことを明らかにしました。

さらに、国内の公営銀行に対して7,000億ルピー(約1兆500億円)の公的資金を投入することも決定。国内市場の貨幣の流動性を高めると同時に、低迷する国内消費のもっとも大きな要因となっている自動車&住宅市場の活性化を促す考えでした。

…このように、すでに2019年時点で、景気が後退気味であったインド経済でしたが、新型コロナ感染拡大を受けての最新の経済状況は前セクションで解説したとおりです。

そして次のセクションでは、さらに一歩踏み込んだ形で、「そもそも、なぜインド経済は中国のような驚異的な経済成長をいまだ果たせていないのか?」という、誰もが疑問に思う根本的な問題について考察していきます。

3. なぜインド経済は中国のような驚異的な経済成長をいまだ果たせていないのか?

中国モデルとは異なり「製造業の発展に失敗」したインド

もそも、なぜインド経済は中国のような驚異的な経済成長をいまだ果たせていないのでしょうか?

結論から言ってしまえば、インドの経済成長のモデルが、中国を初めとする多くの新興国が歩んできた経済成長モデルと異なるからです。

通常、産業とは、経済発展にともなって、第一次産業、第二次産業、第三次産業の順で発展をしていくとされています。これはイギリスの経済学者コリーン・クラークの著書「経済的進歩の諸条件」(1941)によって述べられている理論です。

そもそも中国はもちろん、韓国やベトナムなども、海外からの直接投資を積極的に導入し、通貨安の恩恵を受けつつ、労働集約型の商品を輸出することで経済発展をしてきました。つまり急速に「製造業を発展させる」ことで、現在の経済発展の礎を築いたのです。

具体的には労働集約型の経済活動を重視することで、貿易黒字を増やしていくのがセオリーであるのに対して、つまりは、GDPにおける第一次産業の割合が減少するのに対して、第二次産業が増加していくという従来の形ではなく、第一次産業の割合が減少するとともに、第二次産業ではなく、第三次産業の割合が増加してしまったのです。

事実、インドの国内労働人口の半分が、いまだ第一次産業に留まっており、第二次産業が伸張していない状態です。

簡潔に言えば、インドは中国のような製造業の発展に失敗してしまったと言えるでしょう。

4.インド経済が成長を果たしてきたこれまでの背景

GDPの高さと中間層の多さで注目されるインド経済

前項では、インド経済が失速してしまった要因および、いまだ中国のような驚異的な経済成長を遂げていない原因を考察してましたが、もちろんこれらのことは、今後のインド経済の伸びしろが否定されるものではありません。

事実、「インド経済が急成長を遂げている」「21世紀の世界経済はインドが覇権を握る」…このようなフレーズを誰しも目にしたことがあると思います。

このセクションでは、ここまでインド経済が発展してきたポジティブな要因について考察していきます。

モディ政権発足後の2016年にIMFが発表したインドの名目GDPは2.6兆ドルでした。この数値をわかりやすく言えば、中国の2割(20%)程度、アメリカの約1割しかありません。

アメリカや中国には遠く及ばない名目GDPであるにも関わらず、2019〜20年における経済失速を踏まえてもなお、いまだインド経済が世界中から注目を集めている理由はなんなのでしょうか。

その答えはインド経済の成長力にあります。インドの経済成長率は2015年に7.9%、2016年は6.8%を記録しました。7%の成長が10年続けばGDPは2倍になる計算もあったほどなのです。

数年前まで著しい経済成長を遂げていた中国ですが、徐々に息切れを起こし成長の鈍化が目立ち始めています。しかしIMFは、インドが2017年7.2%、2018年7.7%の経済成長をする見通しを発表していました。

さらにインドにおける中間層(年収50〜200万程度を指し、家電などを買うことができる層)は2020年に6.2億人にも上るとみられていたため、巨大な市場としても多くの人々から注目を集める結果となったのです。20年、30年先という将来を見据えた場合、それこそ中国以上に注目を集めているのが、世界有数の有望市場であるインドだったのです。

今後、中国が人口減少を迎えるのに対して、インドは今後人口が急速に増加し、2025年前後には中国を抜き、2030年には15.1億人、2050年には16.6億人まで増加するとされています。

ちなみに、インドと並ぶ大国・中国の人口は2050年には13.7億人まで減少すると言われています。そもそもインドは30歳未満の人口が多く、今後、生産年齢人口(15~64才)比率の増加が見込まれ、2040年頃まで人口ボーナスが続く見込みです。そういった背景が、中長期的な経済成長率を高めていくとされています。

5. なぜインド経済は世界中から注目されるのか?

好条件な国土位置と魅力的な巨大市場

ここからは、なぜそれほどまでにインド経済が世界で注目されているのかについて解説します。

インドは経済面も含め様々な分野で注目されています。大きく大別すると5つの役割が期待できるのです。

① 12億人超えの巨大市場
いうまでもなくインドは12億人の人口を抱え、世界第2位の人口大国でありアジア3位の経済大国です。その中でも人口の約半分が25歳以下で、未成年の数が5億人と、非常に若い国です。今後、人口、経済ともに今以上に伸びると見積もられており将来的に(現時点でもですが)巨大な市場として機能することは間違いありません。

② ものづくり・輸出の拠点
詳しくは後述しますがインドはいま、「メーク・イン・インディア(make in india)」というフレーズを掲げ、モノづくりの拠点を目指しています。日本の自動車産業はかなり工場を移しており、特にスズキ自動車はインドで大成功を収めています。インド内で作った製品は、国内はもちろんのこと欧州や中東、アフリカに向けて輸出されるなど、徐々にモノづくりの拠点としての地位を築き始めています。

③ 地政学的要衝
インドは中東や中央アジアに近く、日本やアジア諸国にとって、通商上非常に大きな影響力を持つ海上交通路である「シーレーン」の途中にあります。そのため、インドと良好な関係を築いておくことは、日本の原油などのエネルギー確保にも寄与します。

④ 国際政治における存在感
インドはG20やBRICSに所属しており、国際舞台での発言力を徐々に高めています。世界最大の民主主義国として世界が注目しているのです。またインドは歴史的にアフリカ諸国とのつながりが強く、人的コネクションを持っています。そのため土地勘のあるインド人社員を活用してアフリカに進出する企業も多くあるのです。

⑤ R&D拠点
RとはResearchを指し、Dはdevelopmentのことです。インドには優秀な研究員や技術系人材が多く、かつ人件費が安いため先進国に比べ安価に利用できるというメリットがります。アメリカなどはインドからのIT関係の技術者を低コストでかなり受け入れています。

6. モディ首相の掲げるインドの経済政策とは?

外資誘致へ向け環境を整備したモディ政権



インド経済を知るうえで、インドがどのような政治を行っているかを知るのはとても重要です。また、インドの経済成長率が期待される背景には人口の急増のみならず、モディ首相の取り組みなどにより、インド自体が変化の時期に差し掛かっているということがあります。

このセクションでは、そんなモディ首相がどのような政策を掲げ、実行してきたかを改めて解説します。

2019年4〜5月、インド国内では下院総選挙が実際され、従来の政権が第2次モディ政権として継続することとなりました。以下が発足当初のモディ政権のおもな政策になります。

⓵ メーク・イン・インディア
2014年9月から始められました。雇用創出と輸出を促進する製造業に力を入れ、GDPに占める製造業の割合を約16%から25%に引き上げ、1億人の新規雇用を創出することを目指した政策です。外資規制緩和やインフラ整備促進も含み、現に多大な雇用を創出しています。

⓶ デジタル・インディア
2014年8月に閣議決定されました。政府だけで総額1.13兆ルピー(1ルピー=1.8円換算で約2兆円)を投資し全国の村にブロードバンドを整備し、25万の大学や専門学校などに無線LANを設置し、行政サービスの電子化を行うことでデジタル化を推進。ITサービス強化を通じて1,700万人の雇用創出目標を目指します。。

⓷ クリーン・インディア
インドと言えば「不潔」なイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。インドでは屋外排泄が原因で深刻な健康被害が広がっています。モディ首相はその対策で2014年からクリーン・インディアをスタートさせました。具体的には官民で協力し2019年までに100万個のトイレを新設する計画です。2015年11月からは財源確保のために「クリーン・インディア税」も導入しました。

⓸ ジャン・ダン・ヨジャナ(国民金銭計画)
ジャン・ダン・ヨジャナとは、簡単に言えば、田舎に住む農村住民や貧困層を対象に損害保険や貸与機能付きの銀行口座を開設させ、生活水準の向上を図る制度です。年金や補助金の漏れや2重取得を防ぎ、納税者管理の活用の効果もあります。現在では対象者の約90%をカバーしています。

⓹ GST
外資の参入を遠ざける原因となっていた州ごとに異なる税率を、全国統一の「物品・サービス税(GST)」で統一しようという制度です。日本でいう消費税のようなものです。今年の7月から実地される見通しで税率は4段階(5,12,18,28%)。
詳しくは下記のリンクでまとめられています。
https://www.digima-news.com/20170414_16837ご参照ください。

⓺ ブラックマネー対策
モディ首相は偽札対策にも力を入れています。去年の暮れにおこなった高額通貨の突然の廃止もその一例です。国内の危険指定組織が保有する偽札を無効にするのに一定の効果を発揮しました。

7. 今後のインド経済発展の見通し

インドの近隣国にも注目

上述の通り、IMFはインドが2017年は7.2%、2018年は7.7%の経済成長をするという見通しを発表してました。これは脅威的な数値でした。さらに世界銀行(WB)は、注目すべき報告書を2016年10月に発表しました。「南アジアはGlobal Growth Hotspot」という経済予測です。

それはインドのみならず、その近隣諸国がこぞって経済的成長を遂げるという予測です。

インド、パキスタン、バングラデシュ3か国を含む南アジアの経済成長予測は2017年6.9%で2018年は7.3%でした。世界全体の成長予測が3%程度であることを考えれば、その倍近い速度であることがわかります。

つまりインドは今後、近隣国と相乗的に経済成長を遂げていくということです。その他の地域が羨むほどの高成長を遂げるインドは、新たなビジネスチャンスに溢れているのです。

8. インド経済の成長を阻害する要因とは?

遅れている教育政策

多くの経済学者や国際機関がインド経済に対して明るい展望を持っていますが、成長の阻害要因がないわけではありません。

長期的な視点から、インドの教育領域は脆弱性が懸念されてきました。教員の質の問題(教員のズル休み率25%)や、10%の学校に上下水道がありません。教育の充実は未来への投資です。教育分野が疎かな国に大きな発展は見込めません。比較されることの多い中国と、教育分野で比較した場合、10年以上も遅れているとの見方もあります。

しかしインドが対策を行っていないかと言えばそうでもありません。3%の教育目的税を導入し、その財源で1億人以上の児童に無償の給食を義務化しました。また2001年時には7%ほどしかなかった大学進学率は25%ほどまで改善されました。それでもなお、膨張し続ける人口を考えれば十分ではありません。今後のモディ首相の対策に注目が集まっています。

9. なぜインドビジネスは難易度が高いのか?

多言語・多宗教・高い離職率

ここまでで解説したように、急速に減速してしまった2019年後半〜2020年前半にかけてのインド経済ですが、そもそも一般的にインドビジネスは難易度がとても高いと言われています。

最後のセクションでは、インドが海外ビジネス的に難易度画高いとされていることについて考察していきます。

インドが海外ビジネスをするにあたって難しいとされる理由は多岐にわたりますが、おもなものは下記の通りになります。

⓵ 言語の違い
インドには英語やヒンディーを含めて公用語、準公用語が20個以上存在しています。言語間の距離も遠く、州が違えばインド人同士でさえ言葉が通じないことも多々あるようです。そのため、一つの地域で進出に成功しても、横への波及的な進出が難しいのです。

⓶ 宗教の違い
多宗教国家であることがインドでのマーケティングを困難にしています。主要な宗教だけでも、ヒンドゥー教徒が10億4,000万人、イスラム教徒が約1億8,000万人、シーク教徒が2,400万人、キリスト教徒が約3,000万人いると言われています。さらにヒンドゥー教にはいまだにカースト制度が残っているため、そのことが外資の企業を悩ませる原因にもなっています。

⓷ ワークカルチャーの違い
インドは終身雇用や定期採用の概念が薄く、離職率がとても高いです。そのため、終身雇用が一般的な日本の企業は優秀な人材の確保に難航します。また強烈なトップダウン型の会社が多いことや口約束を重要視しない文化のため、管理職の方の頭を悩ませることが多いです。

上記の理由からインド進出は難しいと言われていますが、インドのビジネス環境も少しずつ改善されつつあります。州ごとに異なっていた税率を統一するGST 制度は、インド国内での横展開の進出を大きく助けると言われています。また、企業側も難易度の高さとその原因をしっかりと理解し対策を講じてから進出すれば、成功の可能性は大幅に高まります。

そういった背景を踏まえても、2020年現在もインドには様々なビジネスチャンスに溢れていると言えるでしょう。

10. 優良なインド進出サポート企業をご紹介

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今回は、インド経済成長の理由と今後の経済成長率、さらには将来的なインドの経済発展の見通しについて解説しました。

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      海外向けデジタルマーケティング
     インフォグラフィック制作
     インフォグラフィック動画制作

    貿易支援
     日本からの輸入が必要な商品・機材の確認
     物流手配
     輸入許可申請手続き

    運営支援
     労務管理
     財務管理
     オペレーション管理
     コンセプト修正
     ブランディング

    中国人スタッフの教育研修
    販路拡大
    M&A支援
    撤退支援

    海外会社設立・登記代行
    中国法人登記代行
    ICPライセンス取得代行


    海外商標・特許申請
    海外企業との契約書作成・リーガルチェック
    海外法務

    現地物流
    輸出入・貿易・通関
    委託先、アウトソース

    インバウンド

    訪日外国人向けマーケティング
    日本進出・日本法人設立

  • オススメ

    GLOBAL ANGLE Pte. Ltd.

    50か国/70都市以上での現地に立脚したフィールド調査

    ご利用企業からの評価

    ※ご利用企業から集めた評価をもとに作成

    総合評価
    サポート実績数
    200
    価格
    5
    対応
    5
    スピード
    4
    知識
    5

    GLOBAL ANGLEはオンライン完結型の海外市場調査サービスを提供しています。50か国70都市以上にローカルリサーチャーを有し、常に調査ができる様にスタンバイしています。現地の言語で、現地の人により、現地市場を調べることで生きた情報を抽出します。シンガポール本部コンサルタントチームは海外事業コンサルティングを行っているスタッフで形成されている為、現地から取得した情報を標準化されたフォーマットに落とし込み、成果物品質はコンサルクオリティを保証します。

  • オススメ

    株式会社ゲシェルマーケティング

    グローバルインターネット広告出稿・運用サポートはお任せください。

    ご利用企業からの評価

    ※ご利用企業から集めた評価をもとに作成

    総合評価
    サポート実績数
    20
    価格
    3
    対応
    3
    スピード
    3
    知識
    3

    Be the world bridge(世界の架け橋)というVisonで2018年から事業を開始しました。
    当社はグローバルインターネット広告事業と輸出事業を営んでおります。親会社のゲシェルは世界のハイテク情報インフラを構築し、弊社は世界の販売チャネル構築を行っております。インターネット広告を通じて海外で売上をあげたいお客様がいらっしゃればお気軽にご連絡ください。

  • オススメ

    サイエスト株式会社

    海外ビジネスプロシェッショナルが長年培った人脈・ノウハウをフル活用し、貴社のもう一人の海外事業部長として海外事業を推進します。  

    ご利用企業からの評価

    ※ご利用企業から集めた評価をもとに作成

    総合評価
    サポート実績数
    1000
    価格
    4
    対応
    4
    スピード
    4
    知識
    5

    全ての企業と個人のグローバル化を支援するのが、サイエストの使命です。
    サイエストは、日本の優れた人材、企業、サービス、文化を世界に幅広く紹介し、より志が開かれた社会を世界中に作り出していくための企業として、2013年5月に設立されました。
    近年、日本企業の国内事業環境が厳しい局面を迎える中、アジアを筆頭にした新興国が世界経済で存在感を増しています。
    それに伴い、世界中の企業がアジアなどの新興マーケットの開拓を重要な経営戦略のひとつと位置付け、一層注力の度合いを高めています。
    サイエストは、創業メンバーが様々な海外展開事業に携わる中で、特に日本企業の製品、サービス、コンテンツには非常に多くの可能性を秘めていると、確信するに至りました。
    ただ、海外市場開拓の可能性はあるものの、その実現に苦労している企業も少なくありません。
    我々はその課題を

    (1)海外事業の担当人材の不足
    (2)海外事業の運営ノウハウの不足
    (3)海外企業とのネットワーク不足

    と捉え、それぞれに本質的なソリューションを提供してまいります。
    また、組織を構成する個人のグローバル化も支援し、より優れた人材、企業、そしてサービスや文化を世界中に発信してまいります。
    そうして、活発で明るい社会づくりに貢献することで、日本はもちろん、世界から広く必要とされる企業を目指します。

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