【WMHコラムNo.24】海外進出企業が直面する組織断絶を防ぐための実践対策
海外進出を進める企業の多くが直面するのが、「海外拠点と日本本社の分断」という課題です。現地任せになりすぎて情報が見えなくなる一方、日本本社が細かく関与しすぎて現場のスピードが落ちるケースも少なくありません。本記事では、海外拠点と日本本社の間で起こりやすい分断の原因を整理し、グローバル組織を一体化させるための実践的な対策を解説します。
▼ 【WMHコラムNo.24】海外進出企業が直面する組織断絶を防ぐための実践対策
1. 海外拠点と日本本社が分断されやすい背景
海外拠点と日本本社の分断は、特定の企業だけに起こる問題ではありません。主な背景には次のような要因があります。
・物理的な距離と時差によるコミュニケーション不足
・言語や文化の違いによる認識ズレ
・現地スピードと日本本社の意思決定プロセスの不一致
・権限範囲が不明確なまま運営が進んでいる
・海外拠点の成果や課題が正しく共有されていない
これらが積み重なることで、「別の会社のように感じる」「本社の意図が伝わらない」「現地の状況を理解してもらえない」といった心理的な分断が生まれます。
2. 分断が引き起こす海外拠点運営のリスク
海外拠点と日本本社の分断を放置すると、次のような問題が発生します。
・現地判断が独走し、ブランドや方針がブレる
・本社承認待ちが増え、ビジネススピードが低下する
・現地スタッフのモチベーションが下がる
・駐在員と現地社員の対立が深まる
・優秀な現地人材が離職する
特に海外人事や海外採用の観点では、「評価基準が違う」「本社が現地を理解していない」という不満が、定着率の低下につながりやすくなります。
3. 分断対策① 役割と権限を明確に分ける
海外拠点と日本本社の関係性を改善する第一歩は、「誰が何を決めるのか」を明確にすることです。
例えば、
・日本本社:中長期戦略、ブランド方針、品質基準、人事制度の枠組み
・海外拠点:日々の運営判断、販売戦略、ローカルマーケティング、人材マネジメント
このように役割を整理することで、不要な摩擦や承認待ちを減らすことができます。
4. 分断対策② 情報共有を「報告」から「対話」に変える
多くの企業では、海外拠点から日本本社への情報共有が「数字報告」中心になりがちです。しかし、それだけでは現地の温度感や課題は伝わりません。
効果的なのは、
・定例ミーティングで背景や判断理由を共有する
・成功事例だけでなく失敗事例も共有する
・現地の悩みや課題を相談できる場を設ける
一方通行の報告ではなく、双方向の対話に切り替えることで、相互理解が深まります。
5. 分断対策③ 海外拠点を「評価する視点」を揃える
海外拠点の評価基準が日本本社とズレていると、不満や誤解が生じやすくなります。
重要なのは、
・短期売上だけで判断しない
・市場特性や立ち上げフェーズを考慮する
・人材育成や組織づくりも評価対象に含める
こうした評価設計を行うことで、海外拠点は「数字を出すためだけの存在」ではなく、「長期的な成長拠点」として機能します。
6. 分断対策④ 人材交流を通じて相互理解を深める
海外拠点と日本本社の分断を埋めるうえで、人材交流は非常に効果的です。
・短期出張やプロジェクト参加
・オンラインでの合同研修
・日本本社メンバーの現地理解プログラム
こうした取り組みを通じて、「顔が見える関係」をつくることが、組織の一体感を高めます。
7. 分断対策⑤ 海外人事と組織運営を仕組み化する
海外拠点との関係を属人的な努力に頼ると、担当者が変わった途端に関係が崩れます。
そのため、
・評価制度
・コミュニケーションルール
・報告フォーマット
・意思決定プロセス
を仕組みとして整備することが不可欠です。
仕組み化することで、海外拠点運営は安定し、拠点拡大にも対応しやすくなります。
8. まとめ
海外拠点と日本本社の分断は、多くの海外進出企業が直面する共通課題です。しかし、役割分担、情報共有、評価設計、人材交流を見直すことで、分断は防ぐことができます。
海外拠点と日本本社が同じ方向を向いて動けるようになることで、海外事業のスピードと成功確率は大きく高まります。
海外進出に関するご相談は、ぜひWMH(ワールド・モード・ホールディングス株式会社)までお気軽にお問い合わせください。
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