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味の素の海外進出の歴史 / 海外売上比率60%を達成した3つのグローバル戦略を解説

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味の素の海外進出について解説します。味の素の海外進出の歴史、海外事業の内容、海外展開を成功させた3つの理由などについて考察していきます。

味の素は海外売上比率約60%を誇り、130超の国・地域で事業を展開する日本発の世界一の調味料会社です。100年以上前にうま味調味料である「味の素」を開発した味の素は、食品メーカーの中では早くから世界に進出し、売上の6割を海外事業で稼いでいます。

事業の柱は食品事業とアミノサイエンス事業のふたつ。食品事業は「味の素」から風味調味料・加工食品へ展開を拡大するという手法で展開され、このノウハウは海外事業でも活かされています。また、調味料の商品開発で培った技術を活かした冷凍食品も世界で大きなシェアを獲得。もうひとつのアミノサイエンス事業は、医薬用・食品用アミノ酸などをはじめ、アミノ酸の利用研究で培った技術で作り上げたヘルスケア製品などを世界展開しています。

現在では世界26の国と地域に拠点を設けて、現地に密着した事業展開を通し、130以上の国と地域に商品を届け、先述した通り、売上の6割を海外事業で稼ぎ出している味の素。

本テキストでは、そんな味の素の海外進出について、その海外進出の歴史、具体的なその海外事業の内容、海外展開を成功させた3つのポイントなどを詳しくかつわかりやすく解説していきます。

Photo by Richard Masoner / Cyclelicious on Flickr

▼味の素の海外進出の歴史 / 海外売上比率60%を達成した3つのグローバル戦略を解説

▼アナタの海外ビジネスを成功させるために

1. 味の素とは?

昆布だしに含まれるグルタミン酸(うま味成分)から「味の素」を商品化

まずは味の素の事業の核となる「味の素」とは何なのか? また、味の素とはどんな企業なのかについて解説します。

1908年に昆布だしに含まれる味の成分グルタミン酸を発見し、その味をうま味と名付けた池田菊苗博士の「食を通じて社会に貢献したい」という願いを共有した二代鈴木三郎助氏が1909年に事業を開始。同年、世界初のうま味調味料「味の素」を発売しました。

「味の素」は台湾を皮切りに韓国、中国など各国で販売され、世界で愛される調味料のひとつになっています。

味の素はブランド商品であるこの「味の素」に加え、風味調味料「ほんだし®」、ドレッシングなどの調味料、パスタソースといった加工食品などで世界に向けて展開。売上の6割を海外事業によって稼ぎ出しています。

現在では世界26の国と地域に拠点を設けて、現地に密着した事業展開を通し、130以上の国と地域に商品を展開するグローバル企業として知られています。

食品事業とアミノサイエンス事業が事業の柱

味の素の事業の柱は、食品事業とアミノサイエンス事業。食品事業は、1909年に「味の素」の発売とともにスタートした事業で、調味料をはじめ、食品、冷凍食品などを販売しています。

また、アミノサイエンス事業は、味の素がアミノ酸(生体内でグルタミン酸をもとに合成される有機化合物)の利用研究を進める中で、1950年代に必須アミノ酸結晶の製造を開始し、輸液の原料として供給し始めたところからスタートしました。医薬用・食品用アミノ酸などをはじめ、アミノ酸の利用研究で培った技術で作り上げたヘルスケア製品などを販売しています。

様々な調味料を開発し、冷凍食品はトップブランドに

味の素の食品事業は60年代にアメリカの企業と提携して「クノール®カップスープ」を発売。そこで培ったマーケティング手法を活かして、マヨネーズなど参入する製品のカテゴリーを拡大しています。

70年代に入ると、独自に開発した風味調味料「ほんだし®」「中華あじ」や合わせ調味料「Cook Do®」などを次々と販売。この「味の素」から風味調味料・加工食品へ展開を拡大するという手法は、後に海外食品事業でも活かされました。

また、調味料の他に食品事業の柱となっているのが、冷凍食品です。味の素は調味料の商品開発で培った技術を活かして、1972年に高品質・高級感を訴求した高価格帯の冷凍食品を発売。これが消費者のニーズを捉えて、一気にトップブランドに飛躍し、以後国内で順調に売上を拡大してきました。

90年代にはタイと中国で海外拠点での生産を開始。海外にある子会社で冷凍食品を製造し、日本へ輸出するという体制を整備しています。2000年にはその子会社を味の素冷凍食品株式会社として分社化。開発・生産・販売の一元運営を実現しています。

近年、注目を集めるアミノ酸の機能を活かした製品を販売

立ち上げ時には必須アミノ酸結晶を製造していたアミノサイエンス事業は、後に病態食への原料供給を開始し、経腸栄養剤などの臨床分野でも事業を展開。

80年代には動物細胞用培地の販売に着手し始め、日本初の無血清培地を生み出しています。2000年代以降は飲料、健康食品、サプリメントなどに使われるアミノ酸の市場が急拡大する中で、メディカルフード市場にも本格参入。

そのほか、味の素のアミノ酸の生産技術は、世界中の医薬や化粧品・トイレタリー企業などに提供されています。

近年はアミノ酸の機能がさらに重要視される中で、2016年に再生医療で脚光を浴びるiPS細胞やES細胞用培地の「StemFit®」の開発に成功。注目を集めています。

2. 味の素の海外進出の歴史

タイ、フィリピンなどで合弁会社を設立し、現地生産へと乗り出す

このセクションでは、味の素の海外進出の歴史について見ていきましょう。

味の素の海外進出のポイントとしては、現地生産への転換があります。

味の素の海外進出は1910年に「味の素」を台湾や韓国に輸出し始めたことから始まります。次いで輸出を中国、米国、東南アジアへと拡大。戦争によって海外事業は大きな打撃を受けつつも、第2次世界大戦後に輸出を再開します。

その後、味の素は海外市場での売上高が増大したことと、現地政府の輸入規制が始まったことをきっかけに現地生産を開始。1958年にフィリピンで味の素が51%、現地のユニオンケミカルズ社が49%の合弁会社を設立し、1960年代前半に現地生産を開始しました。

また、1960年にはタイでも味の素が70%、現地代理店ほかが30%の合弁会社を設立し、現地生産を始めています。

代理店制から小売店への直販体制を構築

この後、フィリピン、イタリア、マレーシアなどでも「味の素」の現地生産を開始。販売面では多角化を打ち出し、医薬原料用アミノ酸、「ハイ・ミー」、「アジシオ」、「サラダ油」などを売り出しました。

1969年にアメリカでグルタミン酸ナトリウムの安全性に問題提起がなされるも、味の素は自ら実験を重ねて安全性を実証し、アメリカをはじめ、各国の機関にその安全性を認めさせています。

また、海外へと生産がシフトする中で、激化するグローバルな販売競争に対応するために従来の代理店制から小売店への直販体制をフィリピンにて構築。東南アジアへと展開していきました。そして、35の国・地域に拠点を置き、食品やアミノ酸、医薬品などを販売しています。

3. 味の素の海外事業

3つの段階で海外事業を拡大

このセクションでは、改めて味の素の海外事業について見ていきましょう。

味の素の海外進出は3つの段階で行われました。

味の素が海外進出を開始したのは、創業から1年後の1910年、当時日本の植民地であった台湾と朝鮮からでした。その後、中国やアメリカへと拡大していき、戦争のあおりを受けて一時停滞するも、戦後積極的に海外進出を再開しています。

味の素はそれから3つの段階に分けて海外進出を行ないました。第1段階は1960 年代~70 年代の「味の素」の海外展開期、 第2段階は1980 年代~2000 年の風味調味料拡大期、第3段階は1980年代以降の加工食品導入期です。先述したとおり、「味の素」から風味調味料・加工食品へ展開を拡大していくという手法は、元々日本国内の事業で実践されたものでした。

各国・地域のライフスタイルの変化に合わせた製品を展開

海外進出において味の素は、調味料の安定成長を核とし、各国・地域のライフスタイルの変化に合わせた製品展開を行ってきました。

日本の「ほんだし」にあたる風味調味料は、現地の嗜好に合った製品を開発し、ブランド名も現地の料理に関する言葉にしています(たとえばタイでは「ロッディー」=「味が良い」、インドネシアでは「マサコ」=「料理する」、ベトナムでは「アジゴン」=「おいしい」など)。

しかしながら味の素の看板ブランドである「味の素」は、天然原料こそ異なるものの製品は同一でブランド名も統一しています。唯一の違いは最小容量であり、これは「Affordable=誰でも買える」ような価格に設定するために国によって変えていました。

「その国の顧客に貢献すること」を理念に世界展開

味の素の海外進出の理念は「その国の顧客に貢献すること」とされています。

ASEAN を中心として事業を展開するアジア圏では、「味の素」、風味調味料、スープ、即席麺などの加工食品、コーヒー、乳飲料などの多角化を進め、海外食品事業の大きな柱としました。なお、東南アジア諸国での営業戦略・チャネル戦略は、タイモデルを基本としています。

また、ブラジルとペルーに生産拠点とする中南米では、「味の素」、風味調味料の生産・販売を実施。特にブラジルはアミノ酸事業の生産拠点として事業を拡大。その後、風味調味料の成功により、粉末飲料、スープなどの多角化が進められています。

欧米では調味料、甘味料を食品製造業向けに原料などとして販売を開始。さらに消費者向けに2000年に日系企業を買収して設立した冷凍食品の事業を本格的にスタート。

欧州では2008年にフランスを拠点に事業拡大が進められています。そのほか、今後の成長が期待されるアフリカをカバーするためにナイジェリアに生産拠点が置かれました。

力を入れる冷凍食品が北米でヒット

海外では日本でも発売しているスープやコーヒーに加え、即席麺やパンケーキの素など、日本では取り扱っていない製品を展開。さらに、世界の多様なライフスタイルに対応できる商品として冷凍食品事業にも力を入れています。

なかでも、北米で販売されているアジアン食の冷凍米飯はとりわけヒットした商品の1つ。このように味の素は現地に生産拠点や法人を設立するだけでなく、現地の常識を重視する企業だったからこそ、ここまであらゆる国で受け入れられたのだと分析することができます。

4. 味の素の海外展開を成功させた3つの海外進出戦略とは?

ここまでの海外展開の歴史や海外事業内容を踏まえて、この項では味の素の海外進出戦略を3つのポイントに絞って解説していきます。

① 人口の多い国や地域に進出

1つ目のポイントは、人口の多い国や地域に進出することです。

食品を取り扱う事業なので、進出する先の国の人口が多いこと、もしくは人口増大が見込まれることは必須条件と言えます。安定的な事業を確立させるためには、ある程度の市場規模(胃袋の数)が必要だからです。

味の素は2016年のパキスタン進出で、世界で人口1億人を超える国への進出はすべて終えました。

② 各地域における徹底的な現地適合

2つ目のポイントは、各地域において徹底的な現地適合を行うことです。

進出する国や地域で異なるブランドの販売を行い、ブランド名も現地の人の語感で親しみやすく、覚えやすいネーミングを採用。美味しさが最大限に伝わるパッケージで販売しています。

また、現地の市場の小売店に商品を自社のセールスが直接届け、現金で販売するビジネスモデルを展開。現地の生活水準に合わせて、ワンコインで買えるパッケージにするために容量を変えるなど、現地の人々に届ける努力を重ねています。

③ 基礎研究は日本・R&D(開発)は海外現地で

3つ目のポイントは、基礎研究は日本で行い、R&D(開発)は海外の現地で行っていること。

ふたつ目のポイントと重なる部分もありますが、味作りは現地に任せ、日本側は基礎研究のみで口を出さない方針を徹底しています。味の素の社員は、インタビューなどで現地の家庭での調理方法や嗜好性を調べ、食習慣を研究することで、現地の嗜好に合った製品の開発を行っています。

また、従来の成功モデルにとらわれず、各国や地域に応じた事業展開を強化していくために、M&Aも積極的に実施し、外部の事業基盤を活用し、スピーディに事業を展開しています。

5. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

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今回は「味の素の海外進出」について解説しました。

人口の多い国・地域に進出し、現地で生産を行うとともに進出する国の食文化を研究し、国によって異なるブランドで販売したり、現地の市場の小売店に商品を直接届けて販売するビジネスモデルを展開するなど、各国や地域において徹底的な現地適合を行っていた味の素。それゆえに世界で受け入れられ、売上の6割を海外事業が稼ぎ上げているというのも頷けます。

近年も新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けながらも、北米などの家庭向け冷凍食品の売上を順調に伸ばしており、世界市場での更なる飛躍が期待されています。市場を読むには、情報が不可欠。海外の最新事情や現地の風土に精通することが必要です。自社で調査するにも、まずは海外ビジネスの専門家にご相談することをおすすめします。

『Digima~出島~』には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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    これからのユビーク

    ユビークは今後もグローバル企業に直接サービスを提供するとともに、広告代理店と連携したプロジェクトを遂行していきます。この2つの顧客基盤を拡大しながら、リソースやサプライヤーのネットワークを構築することで、個々のプロジェクト課題に最適な人材のマッチングを図ります。同時に、VRをはじめとする新しいビジネスチャンスに挑戦。中長期的には、企業や代理店に最高品質の成果を提供するために、ニッチを開拓します。また、日本のみならず海外のグローバル企業とのコンサルティング関係を構築し、新しい技術を積極的に導入することにより、バーチャル化が進む世界でコミュニケーションを強化していきます。

    ユビークはデジタル時代にふさわしいプロセスと統合的なアプローチによって課題を解決する、信頼のおけるパートナーになりたいと考えています。重要なのは、未来に向けた理想のロードマップを戦略的に構築することです。日本から世界へ、世界から日本へ。時と場所を超えたコミュニケーションで人とブランドをつなぎ、ブランドにクリエイティブな力を吹き込む。それがユビークです。

    ぜひ、思いを一緒にかなえましょう。

    ユビーク株式会社
    代表取締役
    マイケル・フーバー

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