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「国家の経済制裁」より効果がある「企業の自主規制」とは?

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経済制裁とは、国際法違反などをした国家に対して、関税引き上げ、輸出入制限や輸出入禁止、資産凍結といった経済的な措置を講じることを意味します。

本テキストでは、「経済制裁とは何か」という基礎知識をベースに、「国際社会で経済制裁が注目される理由」「経済制裁が持つ3つの目的」に加えて、タイトルにも掲げている、「国家によるロシア経済制裁より【企業の自主規制】がより大きなインパクトを与えている背景と理由」…といった経済制裁に関するより深掘りしたテーマを解説していきます。

加えて、本文後半では、経済制裁が注目される国際情勢および海外ビジネスにおいて「日本企業が採るべき対策」についてもレクチャーします。

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1. 経済制裁とは何か?

経済制裁とは?その目的とは?

経済制裁とは、国際法違反などをした国家に対して、関税引き上げ、輸出入制限や輸出入禁止、資産凍結といった経済的な措置を講じることを意味します。

国家が特定の国家に対して経済制裁を発動する目的としては、国際法に反する行動をとった国に対して、経済的なダメージを与えて、国際的な問題を解決に導くという目的があります。

さらに問題解決の他にも、お互いに対立している国同士で経済制裁実施することで、自国の国益に合うように相手国を抑制、停止、変更させるという目的があります。

また、「経済制裁」と関連するワードとして「エコノミック・ステイトクラフト(Economic Statecraft)」があります。日本語にすると、Economicとは「経済的」の意味。Statecraftとは「政治的手腕、外交術」といった意味を持ち、「政治的目的を達成するため、軍事的手段ではなく経済的手段によって他国に影響力を行使する」ことを指すワードです。

経済制裁の効果とは?

しかし、経済制裁を実施したとしても、それが制裁発動国の思うようにすぐ効果が出るとは限りません。

むしろ制裁の効果がすぐに見られることの方が稀で、実際問題、経済制裁は忍耐戦、我慢比べになることがほとんどです。制裁を受けた方も対抗措置として報復的な経済制裁を実施することも頻繁にあり、制裁合戦の応酬に発展する場合もあります。近年の米中貿易摩擦は正にそれが当てはまります。

2. 日本の経済制裁対象国・地域について

日本は、北朝鮮、イラン、シリア、ロシア…などに経済制裁処置を講じている

日本は、国連安保理決議、外国為替及び外国貿易法などに基づき、北朝鮮、イラン、シリア、ロシア…といった国の政府高官、銀行などの企業に対して資金凍結、渡航禁止、輸出入制限などの制裁を実施しています。

しかし、それがどこまで効果的かは制裁により異なりますが、それ以上にどこまで効いているかを判断することが困難です。

制裁対象国、制裁対象者の中には日本による制裁の抜け道を既に見つけているケースも少なくないと思われ、日本としては“とりあえず制裁を長期間にわたって実施している”という状態にあるともいえます。

※参照サイト: 「制裁関連情報について」(経済産業省)

経済制裁措置及び対象者リスト」(財務省)

3. 近年なぜ経済制裁が注目されているのか?

近年、ロシアに対する経済制裁を筆頭に、国際社会において経済制裁が大きな話題となっているのはご承知のとおり。この項では、それには大きく2つの要因があるして、それぞれ考察していきます。

経済制裁が注目される理由① 大国間対立の激化

まず、米中対立に代表される大国間対立が激化していることがあります。

国際政治において、超大国米国の時代は終わり、米国の政治経済力が相対的に低下する一方、中国の影響力が拡大しているのは周知の事実です。しかも中国は米国を将来的なライバルと位置づけ、米国は中国を唯一の戦略的競争相手としており、両国の関係は正に“共存的対立”にあります。

経済制裁が注目される理由② 経済とサプライチェーンのグローバル化

二つ目には、経済およびサプライチェーン(製品を消費者に届けるまでの…資材の調達→製造→在庫管理→配送→販売→消費の一連の流れ)のグローバル化があります。

アメリカも中国もお互いに軍事的行動に出れば自らの経済を破壊することを熟知しており、経済や貿易の世界が紛争の主戦場となっているのです。軍事的手段は使いにくい、なら経済を武器にして相手に対抗しようとなるわけです。

こちらの意味合いを指すワードが先述した「エコノミック・ステイトクラフト(Economic Statecraft)」となりますが、このような背景があることで、近年、世界的に経済制裁に注目が集まっているのです。

4. 経済制裁が持つ3つの目的とは?

「経済制裁が話題となる2つの理由」に続いて、このセクションでは「経済制裁が持つ3つの目的」について解説します。

経済制裁が発動される目的は様々ですが、それぞれの例を挙げながら、3つに分けて考察していきましょう。

① 懲罰的な経済制裁

他国への侵略や武力行使など、国際法違反の行為を犯した国家に対して、懲罰的な意味合いを込めて、一部の国がペナルティーを与えるために関税引き上げや輸出入制限、輸出入禁止などを実施するケースがあります。これはロシアによるウクライナ侵攻が典型的なケースで、それ以降、欧米や日本は対して経済制裁を強化しています。

アメリカのバイデン政権は2022年7月、ロシアへの追加制裁としてロシア産の鉄鋼やアルミ、木材など570品目への関税を現行から35パーセント引き上げることを決定。同年4月イギリスは、銀やキャビアなど高級品の輸入を禁止し、ダイヤモンドなどへの関税率を引き上げることを決定しました。日本もウクライナ侵攻直後、岸田政権がロシアを強く非難し、外交官の国外追放や、高級車や宝石などの輸出停止などに踏み切っています。

しかし、これまでのところ、欧米主導の対露制裁の効果を疑問視する声も高く、国際社会での懲罰的制裁の意義が問われています。

② 他国の行動・政策の変更のための経済制裁

他国の行動や政策を変更させるため、国家が対立国に経済制裁を強化することがあります。

代表的な例としては、近年の中国による台湾への制裁があります。中国は台湾を不可分の領土と考え、独立的動きを見せる台湾に行動を思いとどまらせ、そういった政策を変更するよう圧力を掛けていますが、近年は台湾産食品に対して突然の輸入停止などを実行しています。

③ 報復的な経済制裁

反対に、懲罰的制裁に対抗する手段として、報復的制裁もあります。これは文字どおり制裁に対する報復であり、突発的に対抗手段を打ち出したという政治的反動が強いです。これにはロシアによる欧米への報復的な経済制裁があります。

2022年9月、ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロシアからドイツ経由で欧州各国に天然ガスを送る海底ガスパイプライン「ノルド・ストリーム(NS)」について、欧米による経済制裁が解除されるまでガス共有を停止し続けると警告。この半年間、ロシアの国営会社ガスプロムは、ロシア通貨ルーブルでの支払いを拒絶したとして、これまでブルガリア、ポーランド、フィンランドやオランダ向けのガス供給を停止しています。

ロシアとしては、欧州諸国の心臓部分を握っているとして、欧州諸国がロシアの気に食わない行動をとれば、ガス共有を巡って様々な政治的圧力をかけられると認識しています。仮にガス供給が再開されたとしても、何か問題があればすぐに再停止などもあり得る状況です。

■ ロシアの日本に対する報復的経済制裁

また日露関係の冷え込みから、ロシアは日本に対しても報復的制裁を積極的に発動しています。2022年3月、プーチン政権は、ロシアが実効支配する北方領土へ進出する企業(外資系含む)に対して20年間の税金優遇措置を含む法案に署名。同年6月には北方領土周辺で漁業活動を行う日本漁船を拿捕しないことを約束した日露漁業協定(1998年に両国で締結)の履行を停止すると発表しました。

また「サハリン2(※サハリン北東部の天然ガス・石油開発プロジェクト)」の問題もあります。2022年6月、プーチン大統領は、石油天然ガスの開発プロジェクトサハリン2について、事業主体をロシア政府が設立するロシア企業に変更し、その資産を新会社へ無償譲渡するとする大統領令に署名。

サハリン2には三井物産が12.5%、三菱商事が10%それぞれ出資してきましたが、ロシア政府は両社に対して出資分に応じた株式の譲渡に同意するかどうかを通知する要請をしました。その後、両社は引き続きサハリン2に出資する意向を明らかにし、ロシア政府はそれを承認。しかし、日露関係が冷え込む中、今後サハリン2に対して第2、第3の報復的措置が課される恐れもあり、予断を許さない状況が続いています。

5. 国家の経済制裁より「企業の自主規制」がロシア経済により大きな影響を与えている!?

経済制裁に内在する「企業による自主規制」とは?

このセクションでは、海外ビジネスに従事するビジネスパーソンならば理解しておくべきトピックとして、「経済制裁に内在する企業による自主規制」について解説します。

ロシアによるウクライナ侵攻から半年が経つ中、今日ではロシアが受ける経済的ダメージは国家による経済制裁以上に「企業による自主規制」である…との見方が増えています。

なぜなら、各国政府はロシアへの制裁を強化していますが、その効果は全体的には極めて限定的なものであるからです。

むしろ、多くの欧米および日本企業が講じている、ロシアからの撤退・活動停止・規模縮小といった、「企業の自主規制」が、ロシア経済により大きな影響を与えているということです。

例えば、ウクライナ侵攻後、世界的な欧米企業のロシアからの完全撤退が相次いでいます。

2022年7月、スウェーデンのアパレル大手H&Mは、モスクワやサンクトペテルブルクなどロシア国内で170店舗余りを展開する中、現在の状況では事業継続が不可能と判断し、ロシアで展開してきた事業から完全に撤退すると明らかにしました。

フランスのタイヤ大手であるミシュランも同年6月末、同様の理由でロシアでの事業から今年中に撤退すると発表。アメリカ企業も、マクドナルドが同年5月、ロシア国内で展開する850あまりの店舗を一斉に閉鎖。ロシアからの完全撤退を表明しましたが、マクドナルド同様に、スターバックスやアップルなども完全撤退しており、当初モスクワ市内には、冷戦時のような雰囲気が漂っている…という声も聞かれました。

レピュテーションリスクを配慮した「企業による自主規制」

完全撤退した欧米企業は、おそらくモラルという見地だけでなく、企業イメージの低下というレピュテーションリスク(ネガティブな風評によるリスク)なども配慮した上で、完全撤退という重大な決断を下したと考えられます。

つまり近年の経済制裁には、制裁そのものの効果に加えて、撤退や規模縮小、操業停止といった「企業による自主規制」を誘発する効果が内在しているということです。そういった「企業による自主規制」によって、制裁対象国の経済により大きな被害を与えるという効果が、昨今の経済制裁は有していると言えるのです。

6. 国家間の経済制裁に対して日本企業が対策すべきことは?

海外進出企業は国家間の経済制裁によって生じるリスクに関する対策のアップデートを

では、このような経済制裁が注目される国際情勢および海外ビジネスにおいて、日本企業はどうするべきでしょうか。

残念ながら万能薬的な答えはなく、企業が日々世界情勢における情報収集、情報分析、情報共有などを徹底し、リスクを下げていくことしかできることはないのが現状です。中国やロシアにどれだけ依存しているかも企業によって異なり、良い答えは企業の数だけあると言えるでしょう。

そのような状況で明確なリスクマネージメントとしては…「ハイリスク国からはビジネスの比重を下げ、テイリスク国のビジネスの比重を上げる」ことです。

今後さらに米中露など大国間の対立は激化し、企業のサプライチェーンを巡る動向もいっそう複雑化していきます。仮にハイリスク国でのビジネスの比重が高かった場合、その分を新たな安定的なサプライチェーンの構築に回すという施策も現実味を帯びてくるでしょう。

いずれにせよ、企業や経営者による危機管理意識の向上、これが現在の海外ビジネスにおいて新たに求められています。海外進出企業は国家間の経済制裁によって生じるリスク対策のアップデートをする必要があるはずです。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリの海外進出サポート企業をご紹介します

海外事業に従事するビジネスパーソンならば知っておくべき「シーレーンの基礎知識」について解説しました。

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