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出品方法は? 中国越境ECの二強「天猫国際」vs「京東全球講」を徹底比較!

掲載日:2018年06月28日

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本稿では、中国越境ECの二大巨頭である、アリババの「天猫国際(Tモール Global)」とジンドン(JD.com)の「京東全球講(JD Worldwide)」を徹底比較します。

近年、中国では越境EC市場が急激に拡大しており、ECモールも数多くオープンしています。その中でもアリババグループのECモールである「天猫国際(Tモール Global)」が中国越境ECシェアの約60%を占めており、圧倒的な存在感を放っています。

その「天猫国際」に続くのが、中国越境ECのシェアランキング2位とされる、京東商城(JD.com=ジンドン)によるECモール「京東全球講(JD worldwide)」。中国越境ECにおける23%のシェアを占めています。

今回は「天猫国際(Tモール Global)」と「京東全球講(JD worldwide)」の違いに加えて、出品方法の違いや両者を活用する際のメリット・デメリットの解説、さらには日系企業の中国越境EC市場への進出事例もご紹介します。

 

1.天猫国際(T-mall)と京東全球講(JD worldwide)とは?

天猫国際とは?

天猫国際(T-mall)とは、中国の大手IT企業アリババグループが運営するBtoC越境ECサイトで2013年にオープンしました。アリババグループは、2003年から「淘宝網(タオバオワン)」というCtoC向けのECを運営していましたが、個人向けネット販売事業拡大に伴い、中国法人のみが販売できる国内EC「天猫」を2008年にオープンさせました。その後、外国法人が出店できる「天猫国際」を開設しました。現在では、「天猫」と「天猫国際」を合わせて5万もの出品者、約7万ブランドが流通しており、全世界で最大級のE-Commerce媒体として数えられています。

また、アリババグループは、2009年から「独身の日」というキャンペーンを毎年11月11日に開催しています。2017年度の一日の総売上は、約2.9兆円を記録し、Amazonの年間売上に匹敵しています。年々独身の日での売り上げを伸ばしており、今後も成長が期待されます。

京東全球講とは?

中国で2番目のシェアを占めている京東集団は、2000年代からネット通販事業を展開しており、現在では、国内向けの「京東商城(JD.com)」と越境ECである「京東全球購(JD worldwide)」を運営しています。天猫では、美容関連用品が人気ですが、京東商城・京東全球購では、電化製品が人気を博しています。また、アリババグループとは異なり、実店舗を構えることで、ネットだけでなくリアルでも購入ができるバリューチェーンを構築しています。

また、11月11日の「独身の日」では、売り上げを毎年伸ばしており、2017年度では、約2.2兆円を売り上げました(11月1日~11月11日)。前年と比べ3倍以上の売上を記録し、日本ではまだ知名度は低いですが、中国では急激に知名度とシェアを伸ばしています。

2.天猫国際(T-mall)と京東全球講(JD worldwide)の違い

中国でトップシェアを誇る「天猫国際」と「京東全球購」の違いはどの点にあるのでしょうか。両者のメリットとデメリットを中心に違いを見ていきましょう。

天猫国際のメリット

■ 中国法人を設立する必要がない

天猫国際では、天猫と異なり中国法人を設立する必要がなく、会社を日本に置いたまま天猫国際に出店することができます。税金や商標権、口座を日本に置いたまま出店もできるため、煩雑な手続きが必要ないことが挙げられます。これにより、審査を受けて通過すれば簡単に出店することができます。

■ 国内、海外での信頼度が高い

「天猫国際」では、「高品質・安全」をウリにしていることもあり、偽物の商品やブランドを厳しい審査や条件を設けることによって排除しています。「本物が届く」という口コミのもと、天猫国際はユーザー数が増え、それに伴い出店企業も増加しています。

天猫国際のデメリット

■コストがかかる

初期費用や年会費が非常に高く、次に紹介するJD worldwideの2倍かかると言われています。天猫国際の出店については、天猫国際のブランドを買うとも言えるでしょう。

京東全球講のメリット

■ 利便性が高い

京東集団は、中国最大のSNS「Wechat(微信)」を運営しているテンセントと業務提携をしています。SNS等での口コミを重視し、また問い合わせもチャットで行う傾向がある中国人にとっては、商品の口コミを見て、リアルタイムにWechatで商品を問合せできるという点で利便性が高いと考えられます。また、注文後商品はコンビニエンスストアで受け取ることができ、更には、送料を追加する事によって、速達のサービスを受けることができます。

両者の違いとは?

天猫国際とJD worldwideとメリットとデメリットについて見てきましたが、前者のメリットとしては、その知名度や信頼感が挙げられますが、後者では、商品検索から購入までのフローが確立している点が挙げられます。デメリットについては、やはり共通してコスト面が挙げられます。チャット対応の人員の確保や運送費等がかかりますが、これも踏まえて出店の準備は必要になります。

3.天猫国際(T-mall)と京東全球講(JD worldwide)への日本企業の出店事例

日本企業も「天猫国際」と「京東全球講」に出店しています。中には、両方に出店している企業もあります。その代表的企業を見てみましょう。

 

天猫国際に出店している企業

天猫国際では、「ベビー用品・子供関連用品」や「美容関連用品」が人気ということもあり、日本からは、カネボウやユニ・チャームといった企業が出店しています。また、薬を扱うマツモトキヨシやキリン堂のようなドラッグストアも見られます。その他には、三越伊勢丹や日本郵便、更にはテレビ局である東京MXが出店しており、有名企業が多数出店していることがわかります。

京東全球講に出店している企業

一方、JD worldwideに出店している企業は、「電化製品」が人気であることもあり、CASIOやPanasonic、体温計メーカーのオムロン、Canonが出店しています。その他にも家電量販店のヤマダ電機、インターネットサービスを展開している楽天、毛髪関連事業を展開しているアデランスなど、天猫国際とは異なる企業も進出しています。

両方に出店している企業

天猫国際と京東全球購双方に出店している企業もあります。美容関連分野では、花王や資生堂、カタログ通販の千趣会、スナック菓子を販売しているカルビーが挙げられます。今後の中国での需要に応じて、両者に出店する企業は増加すると考えられます。

4. 中国越境EC市場への出店戦略とは?

消費者は評判・口コミを重視

JETROの越境ECに関するアンケートによると、日本製品の購入経験があると答えた回答者は全体の約7割、そして最も購入されている分野は美容関連商品であり、このトレンドは天猫国際に見られることは上記の通りです。今後購入したい製品としては、電化製品が最も多く、電化製品の購入比率が高い「京東全球購」が今後より盛り上がる可能性があります。

また、中国人の購入傾向として、日本においてそれほど有名でなく高価であっても、その商品が高品質であるか、評判・口コミが高いかどうかを意識するということもJETROのレポートが示す通りです。今後、中国で越境ECの出店を考える際には、SNSマーケティングを戦略的に展開していく必要があると考えられます。

5. いまだ伸びしろがある中国越境EC市場の奥深さとは?

約8兆円規模の市場拡大が見込める中国越境ECマーケット

経済産業省のレポートによると、2016年のBtoCにおける越境ECの市場規模は、全世界で約45兆円、2020年に約110兆円と推測されています。その中でも、特に越境ECの成長が著しい中国では、2016年に約4兆円、2019年には約8兆円までに市場が拡大するとの見方があります。まだまだ、越境ECフィーバーが止まることはなさそうです。



(参考文献)
・JETRO(2017年2月) 「特集 中国の越境EC」https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/9ff9c019ac31289b/20170021.pdf
・経済産業省(2017年4月) 「平成28年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」http://www.meti.go.jp/press/2017/04/20170424001/20170424001-2.pdf
・中国EC百科(2017年5月) 「天猫国際(Tmall Global)とは?出店方法や、日本企業の事例を徹底解説!」http://www.c2j.co.jp/blog_jp/tmall#5_Alibaba
・中国EC百科(2017年6月) 「京東商城(JD.com)とは?出店方法や、日本館の動向を調べてみた!」http://www.c2j.co.jp/blog_jp/jd#3
・中国Webマーケティングラボ(2017年11月) 「天猫国際に出店している日本企業まとめ」https://lxr.co.jp/blog/4914/
・中国Webマーケティングラボ(2017年11月) 「京東全球購(JD Worldwide)に出店している日本企業」https://lxr.co.jp/blog/4931/

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