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中国だけじゃない! アジア全域で開発が進む「経済特区」をわかりやすく解説

掲載日:2019年08月09日

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中国を筆頭に、アジア全域で開発が進んでいる「経済特区」(ex.台湾・香港・ベトナム・フィリピン・マレーシア・ミャンマー・カンボジア・ラオス・タイ)について、わかりやすく解説します。

経済特区は、1970年代の中国が改革開放政策として外資誘致を目的に開発したことが起源だとされています。近年ですと「アジアのシリコンバレー」と呼ばれる中国の「深セン」がもっとも有名な経済特区と言って良いでしょう。

現在、世界140ヵ国4,500ヵ所の経済特区に匹敵する地域があると推定されています。また、域内の会社に勤める人も6,600万人おり、そのうち3,000万人は、中国で働いているとされています(2015年時点、国連調べ)。

このように世界各国に点在している経済特区ですが、最近では経済成長が著しいアジア太平洋地域(ASEAN、インド、パキスタン等)でも開発されています。それらの中には、総合商社や日系デベロッパーが開発に参加している例も数多く見られます。

そんな経済特区の特徴は、各国によって異なっています。今回は、中国を始めとするアジア各国の経済特区(ex.台湾・香港・ベトナム・フィリピン・マレーシア・ミャンマー・カンボジア・ラオス・タイ)について解説します。

Photo by tomislav domes on flickr

1.経済特区とは?

なぜ経済特区が必要なのか

国連のレポートによると、経済特区を整備する目的は、4つあるとされています。

(1) 外資系企業を誘致するため(To attract Foreign Direct Investments (FDIs))
(2) 雇用機会を創出するため(To create employment opportunities)
(3) より広範な改革への足がかりにするため(To be the stepping stone of wider reforms)
(4) 新しい方針や経済発展施策の研究施設として作用させるため(To act as a laboratory for new policies and economic development approach (Farole, 2011).)

出典:UN Industrial Development Organization “ECONOMIC ZONES IN THE ASEAN”(編集部訳)


経済特区のような施策は古代からありますが、現代的な経済特区として最初に世界で整備されたのは、アイルランドのシャノンです。1959年に誕生した「シャノン経済特区」は、空港近くに整備され、工業団地の施設を使用してもらいながらも、無税の輸出志向型工業対象に開かれました。このシャノンのモデルは、1960年代のプエルトリコやスペインで採用されました。その他、国連のような国際団体、日本でも採用されています。

1965年には、世界で初めて「輸出加工区」を基礎に作った経済特区が台湾の高雄市で誕生しました。輸出加工区は、先のシャノンモデルと似ていますが、外資系企業を誘致して雇用を拡大、産業を発展させるという点で異なります。ブリタニカ国際大百科事典によると…

国内の一定区域を関税制度の枠外におき,そこに外国資本を誘致して保税加工業を興し,雇用の拡大と外貨収入の増大をはかろうという目的で設置される一種の保税地域。輸出加工区に輸入された原材料は,加工して輸出されれば関税は免除され,また進出した外国企業には,通常は租税の減免,投資活動の保障,投資業務窓口の一元化,輸出手続の簡素化その他の優遇措置が与えられる。

出典:コトバンク ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「輸出加工区」

この高雄モデルから現在のような外資を誘致する経済特区が生まれたと考えられます。また、シャノンモデルでは、国連の提示した4つの目的は満たしていませんが、高雄モデルから、つまり「輸出加工区」である経済特区から4つの目的が生まれたと考えられます。現在でもインドネシアやマレーシアの経済特区にもこの高雄モデルが生かされています。

経済特区のメリットとは?

現在の「輸出加工区型」経済特区に進出するにあたり、外資系企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

一例として、経済特区を整備している中央アジアのカザフスタンの投資発展省によると、

1. 法人税、地価税、相続税、付加価値税等税金の免除
2. 経済特区からの輸出、または特区で輸入する場合の関税免除
3. 海外駐在員雇用手続きの簡素化


のメリットがあると述べています。また、物価が安い等の外的要因もメリットとして挙げることができます。例えば、カザフスタンの場合、通貨はテンゲで1テンゲ=約0.3円となっており、物価も安く人件費も安いです。

次項からは、中国、台湾、香港を始めとするアジア諸国の経済特区を紹介していきます。

2.中国における「経済特区」と「経済技術開発区」の違いとは?

「経済特区」と「経済技術開発区」の違い

このセクションでは、中国における「経済特区」と「経済技術開発区」の違いについて簡潔に解説します。

結論から言うと、両者のもっとも大きな違いは「指定された年」と「指定された地域」とされています。

■経済特区
中国における「経済特区」とは、 1979年から外国資本や技術の導入を目的に設けられた特別の地域を指します。

広東省の深セン、珠海、汕頭、福建省の厦門の4ヵ所が当初指定されましたが、1988年には海南島が省に格上げされ,5番目の経済特区となっています。

■経済技術開発区
中国における「経済技術開発区」とは、先述の「経済特区」に準ずる地域として〝1984年以降〟に国内各地に設けられた地区のことを指します。

具体的には、経済特区に次いで1984年に指定された 14の沿海開放都市を指します。これまでは中国沿岸部を中心に設けられていましたが、近年は内陸部にも設置されるようになっています。

3. 中国の経済特区

注目の経済特区・深センは「アジアのシリコンバレー」

このセクション以降は、中国の経済特区を筆頭に、アジア全域で開発が進む経済特区について、それぞれの項でわかりやすく解説していきます。

中国では、1979年より5ヵ所(広東省深セン、珠海、汕頭、福建省厦門、海南省)、2017年に河北省が経済特区として指定されています。深センは、「アジアのシリコンバレー」と呼ばれており、世界有数のIT産業都市となっています。

この特区には、IT業界だけではなく、不動産業界やコンサルティング業界も日本から進出しています。マカオの近隣にある珠海では、「珠海ハイテク産業開発区」が整備されており、日本からはメーカーを始め商社、物流会社も進出しています。汕頭、厦門は、前者2者と比較すると、進出している企業は少なく、また進出している企業も中小企業が多い印象です。

海南省は、リゾート開発に力を入れており、上記4つの経済特区とは、異なった様相を呈しています。去年新しく経済特区として認定された河北省では、ハイテク企業の集積地を目指すという方針があります。今後、日本からはIT企業や最先端技術を有する企業が進出していく可能性があります。

4. 台湾の経済特区

経済特区発祥の地とされる台湾

先述のように1965年に台湾が高雄市に設立した輸出加工区(tax free zone)に触発された形で、大陸である中国が台湾海峡に隣接する経済特区を開発していったという経緯があります。

その例としては、中国の福建省南東部で、台湾海峡に面する港湾都市であるアモイ(厦門)は、古くから貿易港として発展し、20世紀からは華僑 の流出港として名を馳せました。その後1980年から経済特区に指定され、さらに1987年には台湾との交流が自由化されています。

5. 香港の経済特区

特別区である香港

香港は、正式には中華人民共和国香港特別行政区とされており、一国二制度における自由経済と自治が認められた特別区でもあります。

そんな香港の新界の北側に経済特区である「深セン市」がありますが、先述の台湾同様に、中国の開放政策は、経済特区が香港・台湾に近い地域に設置されています。これらは別名「海の中国」(※香港・台湾に加えてシンガポール、マレーシア、タイといった、現地の華人・華僑が経済を牽引しているアジア諸国のこと)とも呼ばれており、両国・地域を積極的に活用することによって、大陸である中国は更なる発展を遂げることができたのです。

6. ベトナムの経済特区

50以上の経済特区・300以上の工業団地

ベトナムでは、経済特区が50以上、工業団地も300以上ある為、全てを紹介することは難しいですが、その中でもホーチミン市にある「タントゥアン輸出加工区」と呼ばれる経済特区には、日本企業が多く進出しています。

進出している企業は、メーカーがやはり多いです。タントゥアン輸出加工区にある会社のうち、約40%を日系企業が占めています。また、ハノイにある「ノイバイ工業団地」には、全入居企業企業のうち約半数が日系企業であり、いずれも日系企業の存在感が強いことが伺えます。

ベトナムには、1200社の日系企業がベトナムに進出していますが、多くはこのような工業団地、輸出加工区に進出するのが定石だと思われます。

7. フィリピンの経済特区

300以上の経済特区に1,000社を超える日系企業が進出

フィリピンでは、PEZA(フィリピン経済特区庁)が経済特区を管理しています。フィリピンでは現在300以上の経済特区があり、1000社を超える日系企業がフィリピンに進出しています。フィリピンの経済特区に進出できる企業は以下のように限られています。

(1) 輸出製造業
(2) ITサービス輸出
(3) 観光業
(4) 医療ツーリズム業
(5) 農産業関連輸出製造業
(6) 農産業関連バイオ燃料製造業
(7) 物流及び倉庫サービス業
(8) 経済特区の開発及び運営
(9) 施設提供業
(10) 公益事業

出典:黒田法律事務所「第17回 フィリピン経済特区に関するQ & A」

特徴としては、業種専門の経済特区がある点です。フィリピンでは、「製造業専門」経済特区や「ITパーク」といったITに特化した経済特区があります。

8. マレーシアの経済特区

「ジョホールバル」での「イスカンダル計画」とは?

近年、経済特区として、「ジョホールバル」という都市が注目を集めています。日系企業も最近支店や工場を置くようになりました。マレーシアでは、この経済特区への不動産投資がトレンドになっています。

具体的には、マレーシア政府が推進している「イスカンダル計画」は、マレーシア政府とジョホール州政府がタッグを組み、2026年までにシンガポールの国境沿いのジョホール州の土地を開発して先進金融都市をつくるというビックプロジェクトが世界的に注目を集めています。

また、マレーシアは、シンガポールと比べて非常に安価に物件が購入することができ、また経済特区内では、海外からも物件を購入できます。その場合法人税が免除されるという経済特区ならっではの特典もついてきます。今後も日系企業がジョホールバルに進出する可能性は大いにあります。

9. カンボジアの経済特区

「プノンペン経済特区」や「シアヌーク港経済特区」が有名

次にカンボジアの経済特区について見ていきます。カンボジアには、現在32の経済特区が認可されています。その中でも「プノンペン経済特区」や「シアヌーク港経済特区」がとくに有名です。

「プノンペン経済特区」には、全企業のうち、日系企業が半数以上を占めています。一方「シアヌーク港経済特区」では、工場と輸出入の玄関口がつながっていることから、製造した製品をそのまま輸出することができます。この経済特区には、日系企業は少ない為、大量生産を行なう企業や、大きい商品を製造する企業にとっては、進出の余地があると考えられます。

10. ミャンマーの経済特区

「ティラワ経済特区」「ダウェー経済特区」に注目

ミャンマーには、現在整備を進めている「ティラワ経済特区」があります。これは、2012年から、日本とミャンマーが共同で整備を進めており、第一区が完成しました。その他、JICAによる「ダウェー経済特区」の開発が計画されています。

現状、日系企業が2011年と比べて6倍の企業が進出しており、海外進出としては、特に魅力的な国と考えられます。今後も日系企業のミャンマー進出は増加傾向の見込です。

11. ラオスの経済特区

「ビタパーク経済特区」と「サワン・セノ経済特区」に日系企業が進出

ラオスもミャンマーと同様、経済特区開発ラッシュですが、特に「ビタパーク経済特区」と「サワン・セノ経済特区」に日系企業が進出しています。

両者とも国内の経済特区とは税制の観点から優遇されており、「サワン・セノ経済特区」では100を超える日系企業が進出しています(ビタピークは30以上)。他の経済特区では、観光等のサービス業、非製造業が主流ですが、上記2つの経済特区では、製造業が多く進出しています。

12. タイの経済特区

「東部経済回廊(ECC)」に次ぐ新たな経済地域とは?

タイの経済特区には、「東部経済回廊(ECC)」という地域があり、ここでは、次世代自動車、航空関連、デジタル関連等の最先端産業に携わる外資系企業を誘致しています。また、最近では政府が新しく東部沿岸地域に経済地域を整備することを発表しました。

この経済特区では、東部経済回廊と異なり、医療やロボットのような研究・開発に積極的に投資し、そのような事業に携わる企業を誘致する方針です。現在、タイ政府が積極的に日本に誘致を呼びかけているため、今後、タイに進出する企業は増加すると思われます。

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今回は、経済特区について見てきました。各国によって経済特区の定義や進出している企業の業態の違いはありますが、いずれも「外資系企業をいかにして取り込んでいくか」という点に関しては共通しています。

経済が低迷しているといわれる中国ですが、新しく経済特区を認可することによって、国内産業を盛り上げていこうとする方針があると伺えます。紹介した東南アジア3ヵ国は、まだ発展途上国であることから、進出を検討するメリットは十分にあると思われます。

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(参照文献)
・UN Industrial Development Organization “ECONOMIC ZONES IN THE ASEAN” http://u0u0.net/IsE1
・コトバンク ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「輸出加工区」http://u0u0.net/IsDN
・深圳日本商工会 http://u0u0.net/IsDd
・Science portal of China http://u0u0.net/IsDd
・DIAMOND Online http://diamond.jp/articles/-/73021
・ビナBIZ http://www.vina-finance.com/jpsp/
・キャリアリンク http://u0u0.net/IsCT
・海外不動産投資隊 http://ant.co.jp/?p=318#i
・CAMBODIA BUSINESS PARTNERS http://u0u0.net/IsDa

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この記事を書いた人

「Digima〜出島〜」編集部

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    クラウドファンディングの目的は、資金集めだけではありません。
    この施策はローコストでできるテストマーケティングとしてとても優秀な施策です。
    試作品開発・テストマーケティング・製品生産など効率的な市場参入に向けたテストマーケティングにもなります。

    このことは貴社が狙う市場の製品ニーズが事前に把握できることから生産過程に発生する在庫リスクの軽減や効率的な販売計画を立てられる施策となるうえ、プロモーション要素も含んだものとなり、育てながら広めることのできる新しい手法となります。
    従来はマーケティング→仮説→提案という順番を経ていくものでしたが、これをパラレルで実現可能なものとなります。

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    ❖販売代理店探し/交渉(海外販路開拓)

    現地市場に参入するためには現地で市場を掴む販売代理店とつながることが近道です。
    しかし、販売代理店によってもどんな販売チャネルに強いのか、どんな流通に長けているか、千差万別です。

    貴社サービス・商品をどんな販路で開拓していくべきか、最適な販売代理店を探し〜交渉のサポートします。
    現地販売代理店をただ紹介するだけでなく、交渉がスムーズに進むために必要なノウハウを持ち、ZOOMなどの3社ミーティングにて当社スタッフが同時通訳のような形で、ミーティングサポートをすることも可能。

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    ❖運用手続き・海外EC出品代行(海外販路開拓)

    EC出品代行はもちろん、それに伴うFDA申請・輸出入に関わるサポートをします。
    これまでの経験から考えると、ECに出品しただけでは売れません。
    人が集まり、心を掴んでモノは売れます。
    海外ECはたくさんありますが、一言で言えば"置く場所"です。
    当社は場所に置く前から置いた後までを考慮したサポートを心がけます。

    また、とても重要なことは出品後にどんなユーザーからの流入・コンバージョンかを計測し、育成する運用です。プロモーション施策ではEC誘導するための施策についてもサポートしております。

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