日本の食品が海外で売れる理由|輸出1兆7,005億円の背景と、自社の食品が売れるかを判断する3つの目安
日本の食品は、なぜ海外で売れているのでしょうか。そして、自社の食品も、海外で売れるのでしょうか。
農林水産省によると、2025年の農林水産物・食品の輸出額は1兆7,005億円で、13年連続で過去最高を更新しました。海外の日本食レストランも、2013年の約5.5万店から、2025年には約18.1万店に増えています。
ただし、日本の食品であれば、どの商品でも売れるわけではありません。本記事では、輸出額と日本食レストランの数から日本の食品が売れている理由を確認し、海外展開を検討した企業のデータと輸出規制の例を踏まえて、自社の食品が海外で売れるかを輸出前に判断する3つの目安を整理します。あわせて、強みの棚卸し表・競合比較表・輸出先の判断シートの書き方を、モデルケースの記入例で紹介します。
この記事でわかること
- ・日本の食品の輸出額(2025年は1兆7,005億円)と、調味料・加工食品の伸び
- ・海外の日本食レストランの数と、日本の食品が売れている背景(農林水産省の調査)
- ・海外進出白書のデータで見る、食品の海外展開で最初に確かめること
- ・米国と台湾を例にした、調味料を輸出するときの規制と手続き
- ・自社の食品が海外で売れるかを判断する3つの目安と、3つの表(強みの棚卸し表・競合比較表・輸出先の判断シート)の書き方
▼目次
1. 日本の食品の輸出額|2025年は1兆7,005億円

日本の食品の輸出がどこまで伸びているかを、金額と輸出先の面から確認します。海外展開を考える企業にとっての意味もあわせて見ていきます。
2025年の輸出額|13年連続で過去最高
農林水産省によると、2025年の農林水産物・食品の輸出額は1兆7,005億円で、前年から12.8%(1,934億円)増え、13年連続で過去最高を更新しました。内訳は、農産物が1兆1,008億円、水産物が4,231億円、林産物が735億円、少額貨物が1,031億円です。
2012年は4,497億円でしたので、13年間で約3.8倍になっています(17,005÷4,497の計算値)。
出典:農林水産省「2025年の農林水産物・食品の輸出実績」について(2026年2月)、農林水産省「2025年の農林水産物・食品の輸出実績」添付資料(PDF)(2026年2月)
輸出先の上位3|米国・香港・台湾
輸出先の1位は米国で2,762億円(前年比13.7%増)、2位は香港で2,228億円(同0.8%増)、3位は台湾で1,812億円(同6.4%増)でした。主要な輸出先の国・地域は、すべて前年を上回っています。
海外展開を考える企業にとっては、日本の食品を買う海外の顧客が毎年増えているということです。ただし、これは日本全体の合計です。自社の商品が、どの国で、誰に買われるのかは、別に確かめる必要があります。
2. 調味料・加工食品の輸出額|ソース混合調味料・醤油・味噌
輸出されているのは、牛肉やお茶のような農産物だけではありません。食品メーカーに関わりの深い加工食品と調味料の輸出額を確認します。
加工食品の輸出額|5,725億円
農林水産省によると、2025年の加工食品の輸出額は5,725億円で、前年から7.2%増えました。農林水産物・食品の輸出額1兆7,005億円のうち、約3分の1にあたります(5,725÷17,005の計算値)。
調味料の輸出額|ソース混合調味料は721億円
調味料の輸出額を品目別に見ると、ソース混合調味料が721億円、醤油が135億円、味噌が71億円でした。いずれも前年を上回っています。
| 品目 | 2025年の輸出額 | 前年比 |
|---|---|---|
| ソース混合調味料 | 721億円(72,146百万円) | 7.8%増 |
| 醤油 | 135億円(13,493百万円) | 10.7%増 |
| 味噌 | 71億円(7,142百万円) | 13.1%増 |
ソース混合調味料は、カレー調製品・マヨネーズ・ドレッシング・酢・ウスターソース類等の合計です。農林水産省は、ソース混合調味料が増えた要因として、米国・アジア向けで日本食への関心の高まりやインバウンド(訪日外国人)の増加により、マヨネーズのほか、ごま味やしそ味など様々な調味料の需要が高まったことを挙げています。
農産物だけでなく、調味料のような加工食品にも、海外の需要が広がっています。食品を製造している企業にとっては、自社の商品が対象になる可能性があります。
3. 日本の食品が海外で売れる理由|日本食レストランの数と輸出増の背景

日本の食品が売れる理由は、海外の日本食レストランが増えたことと、海外の人が日本食を知る機会が増えたことの2つの面から確認できます。農林水産省の調査結果をもとに、その中身を見ていきます。
日本食レストランの数|2013年の約5.5万店から2025年は約18.1万店
農林水産省の集計(外務省調べに基づく)によると、海外の日本食レストランは、2013年の約5.5万店から2025年には約18.1万店になりました。12年間で約3.3倍です(計算値)。国・地域別では、中国が約6万3,500店、米国が約2万6,400店、韓国が約1万9,800店、台湾が約7,100店です。
日本食レストランが増えれば、その店で使う食材や調味料の需要も生まれると考えられます。家庭で使う商品だけでなく、店で使う業務用の商品にも、売り先がある可能性があります。
出典:農林水産省「海外における日本食レストラン数の調査結果(令和7年)の公表について」(2025年11月)、農林水産省「海外における日本食レストランの国・地域別概数(令和7年)」(2025年11月)、農林水産省「海外における日本食レストランの概数(推移)(令和7年)」(2025年11月)
2025年の減少|2023年の約18.7万店から約6,000店減
2025年の約18.1万店は、2023年の約18.7万店から約6,000店減っています。農林水産省は、アジアで約1割(約9,600店)減った理由として、中国における経済停滞の影響等を挙げています。一方で、中南米は約2割(約2,400店)、中東は約2割(約300店)増えました。
日本食の需要は、国や地域によって増え方が違います。どの国を選ぶかで、見込める需要が変わります。
輸出が増えた背景|日本食への関心・訪日客・健康志向
農林水産省は、2025年に輸出が増えた背景として、関係者への聞き取りから、日本食への関心の高まり、インバウンドによる日本食の認知度向上、健康志向の高まり等を挙げています。あわせて、既存の商流における取扱量の拡大や、新規の商流の獲得が、輸出増加の要因だったとしています。
商流とは、商品が作り手から最終的に使う顧客に届くまでの、売買の流れのことです。すでに輸出している企業の取引が増えただけでなく、新しい取引を獲得した企業もあった、ということです。
出典:農林水産省「2025年の農林水産物・食品の輸出実績」について(2026年2月)、農林水産省「2025年の農林水産物・食品の輸出実績」添付資料(PDF)(2026年2月)
4. 食品の海外展開で最初に確かめること|海外進出白書のデータ
日本の食品全体が伸びていても、自社の商品が売れるかどうかは別の問題です。Digima〜出島〜が毎年まとめている海外進出白書のデータから、海外展開を検討する企業が何をきっかけに動き、どこでつまずきやすいかを確認します。
検討のきっかけ|国内マーケットの縮小が37.8%
海外進出白書(2025-2026年版)の第2部は、自社の海外ビジネス展開を検討したことのある企業の担当者193名へのアンケート(2025年4〜5月)です。検討したきっかけの首位は、国内マーケットが縮小したことで37.8%でした。取引先からのニーズがあったことが28.5%、海外企業から問い合わせがあったことが24.4%で続きます。
展示会で名刺を交換した海外の企業から問い合わせが届く、という形でも、海外展開は始まります。問い合わせが届いたときに何を確かめ、どう答えるかを決めておくことが、最初の準備になります。
出典:Digima〜出島〜「海外進出白書(2025-2026年版)」
進出先を決めた理由|市場規模の大きさが67.9%
同じアンケートで、進出先の国を決めた理由として最も多かったのは、市場規模の大きさで67.9%でした。国内の市場だけを見ていたときには届かなかった顧客に、自社の食品を届けられることが、海外展開の動機になっています。
支援企業が見る業種別のチャンス|飲食業が55.6%
海外進出白書(2025-2026年版)の第3部は、海外進出を支援する企業151社へのアンケート(2025年4〜5月)です。いま最もチャンスがあると思う業種(複数回答)は、飲食業が55.6%で最も多く、製造業が49.7%、農林水産業が34.4%でした。
飲食業の海外展開が広がれば、その店に食材や調味料を届ける食品メーカーにも、売り先が生まれる可能性があります。
輸出入・通関の相談|従業員10名以下が56%
海外進出白書(2025-2026年版)の第1部は、2025年4月〜2026年3月にDigima〜出島〜へ寄せられた海外ビジネスの相談4,218件の分析です。輸出入・貿易・通関の相談のうち、従業員10名以下の企業からのものは56%を占めました。相談全体で10名以下の企業が占める割合は40.1%ですので、輸出入や通関の実務は、小規模な企業ほど最初の壁になりやすいといえます。
食品の場合は、売れるかどうかを考える前に、その国に輸出できるのかを確かめる必要があります。米国と台湾の調味料を例に、必要な手続きを次に見ていきます。
5. 食品の輸出規制と手続き|米国と台湾の調味料の例
食品は、売れるかどうかの前に、その国に輸出できるかを確かめる必要があります。調味料を例に、米国と台湾で準備の内容がどう違うかを確認します。
米国向けの調味料|施設登録と事前通知
ジェトロによると、日本から米国へ調味料を輸出する場合は、輸出する前に、FDA(米国の食品の規制を担う役所)への施設登録が義務づけられています。登録は、偶数年の10月1日から12月31日の間に更新する必要があります。商品が届くまでに、FDAへの事前通知も提出しなければなりません。
原材料に水産物を含み、水産加工食品として輸出する場合は、水産物の米国輸入規制が適用されます。また、日本の畜肉や肉エキスの処理施設は、米国農務省の食品安全検査局(FSIS)の認定を受けていないため、日本産のこれらを含む調味料は輸出できません。
出典:ジェトロ「調味料の輸入規制、輸入手続き(米国)」(調査時点:2024年8月)、FDA「Registration of Food Facilities and Other Submissions」
台湾向けの調味料|輸入業者の登録と中国語(繁体字)の表示
ジェトロによると、台湾へ食品を輸入するには、輸入する企業が衛生福利部食品薬物管理署(台湾FDA)に、食品輸入業者として登録する必要があります。輸入者は、輸入の15日前までに、輸入港所在地の検査執行機関で輸入検査を申請します。
容器や包装には、食品安全衛生管理法第22条により、品名や原産地(国)、有効期限、栄養表示などを、中国語(繁体字)で明示しなければなりません。表示ラベルがなければ輸入はできません。
出典:ジェトロ「調味料の輸入規制、輸入手続き(台湾)」(調査時点:2025年9月・12月)、台湾 全國法規資料庫「食品安全衛生管理法」(最終修正:民国108年6月)
米国と台湾の比較|国によって準備の内容は変わる
同じ調味料でも、国によって準備の内容は大きく変わります。市場の大きさだけで輸出先を決めると、手続きの準備に時間がかかり、商談が進まない可能性があります。
| 比較軸 | 米国向けの調味料 | 台湾向けの調味料 |
|---|---|---|
| 輸出入の前に必要な登録 | 日本から輸出する前に、FDA(米国の食品の規制を担う役所)へ施設登録する。登録は偶数年の10月1日から12月31日の間に更新する | 輸入する企業が、経済部国際貿易署に輸入業者として登録し、衛生福利部食品薬物管理署(台湾FDA)にも食品輸入業者として登録する |
| 商品が届く前の手続き | 食品の到着までに、FDAへ事前通知を提出する | 輸入の15日前までに、輸入港所在地の検査執行機関で輸入検査を申請する |
| 原材料と表示で確認する点 | 水産物を原材料に含み水産加工食品として輸出する場合は、水産物の米国輸入規制が適用される。日本産の畜肉や肉エキスを含む調味料は輸出できない | 容器・包装に、品名・原産地・有効期限・栄養表示などを中国語(繁体字)で明示する。表示ラベルがなければ輸入できない |
ジェトロの各ページの調査時点は、米国が2024年8月、台湾が2025年9月と12月です。輸出の前に、最新の情報を確認してください。
6. 自社の食品が海外で売れるかの判断基準|3つの目安

ここまでの内容を、自社の食品が海外で売れるかを判断する目安としてまとめます。公的な基準ではなく、Digima〜出島〜による整理です。
目安1|その国で自社の食品が使われる場面
1つ目は、その国に、自社の食品が使われる場面があるかです。日本食レストランで使われるのか、家庭で使われるのかを考えます。日本食レストランの数や、日本からの輸出額が手がかりになります。
目安2|選ばれる理由を示す根拠
2つ目は、選ばれる理由を、相手が確かめられる根拠で示せるかです。海外の売り場や店で比べられる相手は、日本の他のメーカーの商品だけとは限りません。日本風の味をうたう現地のメーカーの商品とも比べられる可能性があります。
「日本産です」と伝えるだけでなく、原材料、製法、取引の実績など、相手が確かめられる根拠で示すことが必要です。
目安3|その国への輸出可否
3つ目は、その国に輸出できるかです。輸入の規制、必要な登録や表示、そして輸入を担う相手がいるかを確かめます。先に見たとおり、同じ調味料でも国によって準備の内容は変わります。
判定|最初の輸出先にする国の決め方
3つとも当てはまる国から始めます。目安1と目安2が当てはまっても、目安3が確かめられていない国は、確認が済むまで候補にとどめます。
自社の食品が海外で売れるかどうかは、この3つの目安から、輸出する前に判断できます。ここからは、3つの目安を自社の内容で確かめるための表を書いていきます。
7. 強みの棚卸し表の書き方|モデルケースの記入例
ここからは実践です。紙やパソコン、スマートフォンのメモに、自社の内容を書きながら進めてください。最初の表である強みの棚卸し表を書きます。
強みの棚卸し表|3つの欄の書き方
棚卸しとは、手元にあるものを1つずつ数えて確かめることです。強みの棚卸し表では、自社の食品の強みを、思いつく限り書き出します。
表の縦の欄に、強みの候補を書きます。横には3つの欄を設けます。1つ目は、その強みを示す根拠です。数字、取引の実績、第三者による評価など、相手が確かめられるものを書きます。2つ目は、海外の顧客に伝わるかどうかで、伝わるなら〇、分からないなら△、伝わらないなら×を付けます。3つ目は、海外の顧客に伝えるときの言い方です。根拠が見つからない強みは、根拠の欄に「なし」と書きます。
記入例|株式会社デジマ食品(モデルケース)
記入例では、株式会社デジマ食品というモデルケースを使います。実在しない、説明用の会社です。だしパックとめんつゆを製造する従業員58名の企業で、海外での売上はまだありません。展示会で名刺を交換した台湾の食品輸入業者から問い合わせが届いた段階を想定しています。
| 強みの候補 | 根拠 | 海外の顧客に伝わるか | 判断の理由 |
|---|---|---|---|
| 化学調味料を使わず、かつお節と昆布でだしを取っている | 原材料の表示 | 〇 | 健康志向の顧客に伝わる |
| 創業62年 | 創業の年 | △ | 年数だけでは、海外の顧客に価値が伝わりにくい |
| 国内の外食チェーンに、業務用のめんつゆを10年間納めている | 納入の実績 | 〇 | 日本食レストランで使われる品質の目安になる |
※ 株式会社デジマ食品は、説明用に設定したモデルケースです。数字・内容はすべて設定値で、実在の企業ではありません。
強みの候補は3つ挙がりました。〇が付いた2つが、海外で伝える強みになります。〇が1つもない場合は、強みを伝える根拠を集めるところから始めます。
8. 競合比較表と輸出先の判断シート|モデルケースの記入例
残りの2つの表を書きます。競合比較表で自社が戦える場所を探し、輸出先の判断シートで、3つの目安をもとに最初の国を決めます。
競合比較表|比べる相手と4つの欄
競合比較表は、輸出を考えている国で、自社の食品と比べられる商品を並べ、自社が進出できる場所を探すための表です。表の縦の欄には、比べる相手を書きます。日本の他のメーカーの商品、現地や近隣の国のメーカーが作る日本風の商品、そして自社です。
横には4つの欄を設けます。価格帯、売られている場所、主に何を伝えて売っているか、そしてその商品の弱点です。売られている場所とは、スーパー、日本食品の専門店、飲食店向けの卸、ECサイトなどです。まだ現地に行っていない場合は、現地のECサイトや、日本の食品を扱う店のホームページで確かめられる範囲で書き、分からない欄には「想定」と書いて、あとで確かめます。
競合比較表の記入例|台湾で比べたデジマ食品
デジマ食品は、問い合わせが届いた台湾で書きました。台湾は、海外進出白書(2025-2026年版)の相談件数で3位(7.2%)の国です。台湾の相談を業種別に見ると、全体の構成比と比べて高く出ているのは飲食業(7%)です。比べる相手には、商品名ではなく、商品の種類を書いています。
出典:Digima〜出島〜「海外進出白書(2025-2026年版)」
| 比べる相手 | 価格帯 | 売られている場所 | 主に伝えていること | 弱点 |
|---|---|---|---|---|
| 日本の大手メーカーのめんつゆ | 高め(想定) | 日本食品を扱うスーパー(想定) | 知名度 | 業務用の大きな容器が少ない(想定) |
| 現地や近隣の国のメーカーが作る日本風のつゆ | 安い(想定) | 現地のスーパー(想定) | 価格 | だしの原材料が分からない(想定) |
| デジマ食品 | 強みの棚卸し表から転記 | 日本食レストラン向けの業務用で売り込む | 化学調味料を使わないだし/業務用の納入実績 | 知名度では大手に及ばない |
※ 株式会社デジマ食品は、説明用に設定したモデルケースです。数字・内容はすべて設定値で、実在の企業ではありません。
自社は、知名度では大手に及びません。一方で、化学調味料を使わないだしと、業務用の納入実績があります。そこで、家庭用のスーパーの棚で大手と競うのではなく、日本食レストラン向けの業務用で売り込む、と決めました。「想定」と書いた欄は、問い合わせてきた輸入業者に確かめます。
輸出先の判断シート|候補の国を3つの目安で比べる
輸出先の判断シートでは、先に整理した3つの目安で、候補の国を比べます。表の縦の欄に、候補の国を3つほど書きます。横の欄は、使われる場面があるか、選ばれる理由の根拠を示せるか、輸出できるか、の3つです。それぞれ、確かめられたら〇、確かめていないなら△、当てはまらないなら×を付けます。△の欄には、誰に、何を確認するのかも書きます。
判定は、3つとも〇の国から始めます。輸出できるかが△の国は、確認が済むまで候補にとどめ、×の国は外します。
輸出先の判断シートの記入例|台湾と米国の比較
デジマ食品は、輸出の手続きを比べた台湾と米国の2か国を候補にしました。日本食レストランの数は、農林水産省の2025年の集計で、米国が約2万6,400店、台湾が約7,100店です。どちらの国も、使われる場面があるとして〇、選ばれる理由の根拠も、強みの棚卸し表の2つがあるので〇を付けました。
出典:農林水産省「海外における日本食レストラン数の調査結果(令和7年)の公表について」(2025年11月)、農林水産省「海外における日本食レストランの国・地域別概数(令和7年)」(2025年11月)、農林水産省「海外における日本食レストランの概数(推移)(令和7年)」(2025年11月)
| 候補の国 | 使われる場面 | 選ばれる理由の根拠 | 輸出できるか | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 台湾 | 〇(日本食レストランは約7,100店) | 〇(強みの棚卸し表の2つ) | △ 問い合わせてきた輸入業者が、食品輸入業者として登録しているかを確認する。表示を中国語で用意する | 最初の輸出先にする(確認が済めば〇) |
| 米国 | 〇(日本食レストランは約2万6,400店) | 〇(強みの棚卸し表の2つ) | △ 工場のFDA施設登録と事前通知を準備する。かつお節(水産物)を使うため、水産物の規制の確認も必要 | 次の候補にする |
※ 株式会社デジマ食品は、説明用に設定したモデルケースです。数字・内容はすべて設定値で、実在の企業ではありません。
輸出できるかは、どちらもまだ確かめていないので△です。ただし、確認することの内容に違いが出ました。台湾は、問い合わせてきた輸入業者の登録を確認し、中国語の表示を用意します。米国は、工場のFDA施設登録と事前通知を準備し、かつお節という水産物を使っているため、水産物の規制の確認も必要です。
市場は米国のほうが大きいものの、確認することが少なく、輸入を担う相手の候補もいる台湾から確認を始め、〇になれば最初の輸出先にする、と判定しました。米国は、登録の準備を進めながら、次の候補にします。
9. 食品輸出の進め方|4週間の作業手順
3つの表を一度書くと、想定の欄と△の欄が残るはずです。その欄を確かめて表を書き直していく進め方を、4週間に分けて示します。必要な期間は、商品や社内の体制によって変わります。
1週目|確認が必要な欄の洗い出し
3つの表で、想定と書いた欄と、△を付けた欄に印を付けます。そのうえで、それぞれの欄を、社内の誰が、何を使って確認するのかを決めます。
2週目|輸出できるかの確認
輸出先の候補の国について、輸入の規制と必要な登録・表示を確かめます。ジェトロの「日本からの輸出に関する制度」には、国・地域ごとの輸入規制や手続きがまとまっています。情報収集の入口として使えます。
分からない点は、Digima〜出島〜にご相談ください。国ごとの規制や輸出の手続きに詳しい海外ビジネス支援の専門家を、無料でご紹介します。
3週目|競合比較表の確認
競合比較表の想定の欄を確かめます。現地のECサイトで価格を調べたり、問い合わせてきた企業に、現地で売れている商品を聞いたりします。
4週目|社内共有と最初の輸出先の決定
3つの表を社内で共有し、最初の輸出先の国を決めます。決まったら、輸入を担う相手に、サンプルの送付や条件の相談を始めます。
表は、社内で海外展開を検討するときの資料として、そのまま使えます。
▶ 推奨アクション
・強みの棚卸し表・競合比較表・輸出先の判断シートに、自社の内容を書き込む
・候補の国の輸入規制を、ジェトロ「調味料の輸入規制、輸入手続き(米国)」やジェトロ「調味料の輸入規制、輸入手続き(台湾)」のような品目別のページで確認する
・最初の輸出先の選び方と、輸入を担う相手の探し方をDigima〜出島〜に相談する
10. よくある質問
日本の食品の輸出と、自社の食品が海外で売れるかの判断について、よく寄せられる質問に簡潔にお答えします。
日本の食品の輸出額は、いくらですか?
2025年の農林水産物・食品の輸出額は1兆7,005億円です。農林水産省の集計で、前年から12.8%増え、13年連続で過去最高を更新しました。輸出先は、米国(2,762億円)、香港(2,228億円)、台湾(1,812億円)の順です。
日本の食品が海外で売れているのは、なぜですか?
農林水産省は、関係者への聞き取りから、日本食への関心の高まり、インバウンドによる認知度の向上、健康志向の高まりを背景に挙げています。海外の日本食レストランも、2013年の約5.5万店から2025年の約18.1万店に増えました。ただし2023年の約18.7万店からは約6,000店減っており、国や地域によって増え方は違います。
食品を海外へ輸出するとき、先に何を確かめればよいですか?
売れるかどうかの前に、輸出先の国に輸出できるかを確かめます。調味料を米国へ輸出する場合は、輸出前のFDAへの施設登録と、到着までの事前通知が必要です。台湾では、輸入業者の食品輸入業者としての登録と、輸入の15日前までの輸入検査の申請が求められます。
自社の食品が海外で売れるかは、どう判断すればよいですか?
使われる場面があるか、選ばれる理由を根拠で示せるか、その国に輸出できるか、の3つで判断します。3つとも当てはまる国から始め、輸出できるかが確かめられていない国は、確認が済むまで候補にとどめます。強みの棚卸し表・競合比較表・輸出先の判断シートに書き出すと、判断の材料がそろいます。
食品の輸出先の選び方は、どこに相談すればよいですか?
相談先は、聞きたい内容で分かれます。国ごとの規制や統計は公的機関の公開資料で確認でき、契約や税務は専門家、現地の販路や輸入業者の開拓は実績のある支援会社が担います。国と品目を伝えて専門家を紹介してもらうのが近道です。Digima〜出島〜では、専門コンシェルジュがヒアリングし、条件に合う支援企業を3〜5社に絞って、無料で紹介しています。
11. 日本の食品の輸出はDigima〜出島〜に相談
日本の食品の輸出額は、2025年に1兆7,005億円となり、13年続けて過去最高を更新しました。海外の日本食レストランが増え、日本食への関心と訪日客による認知、健康志向が広がったことが、売れている背景にあります。ただし、日本産というだけで選ばれるとは限りません。
自社の食品が海外で売れるかどうかは、その国に使われる場面があるか、選ばれる理由を根拠で示せるか、その国に輸出できるか、の3つの目安で、輸出する前に判断できます。強みの棚卸し表・競合比較表・輸出先の判断シートの3つの表が、その判断の材料になります。
書いてはみたものの、輸出先の選び方が合っているか確かめたい。輸入を担う相手が見つからない。そのようなときは、Digima〜出島〜にご相談ください。Digima〜出島〜では、食品の輸出・海外販路開拓を支援する専門家、商社・代理店とのマッチングに強い支援企業、法律事務所・会計事務所などを無料でご紹介しています。まずは無料の海外進出タイプ診断で、自社に合った進出スタイルを確認してみてください。
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