日本企業の東南アジア進出の現状|ASEANの現地法人は30.9%、自社の商品を小さく試す国の選び方
日本企業は、なぜ東南アジアで事業を広げているのでしょうか。そして、自社の商品は、東南アジアのどの国で売れるのでしょうか。
経済産業省によると、2024年度末に日本企業が海外に置いていた現地法人は2万5,745社で、このうちASEAN(東南アジア諸国連合)10か国にある現地法人の割合は30.9%でした。この割合は14年連続で拡大し、中国の27.7%を上回っています。
ただし、東南アジアはひとまとめにはできません。ジェトロの調査では、事業を拡大する日系企業の割合は、ベトナムの56.9%からタイの38.7%まで、国によって差があります。本記事では、経済産業省・ジェトロ・海外進出白書のデータで東南アジアの現状を確認し、自社の商品を小さく試す国の選び方を、3つの表の書き方とモデルケースの記入例で紹介します。
この記事でわかること
- ・日本企業の現地法人に占めるASEAN10の割合(2024年度末は30.9%)と、中国との比較
- ・ASEANで事業を拡大する日系企業の割合と、国ごとの拡大の理由(ジェトロの2025年度調査)
- ・海外進出白書で見る、タイ・シンガポール・ベトナムの相談の違いと5年の変化
- ・国を比べて1か国で小さく試す進め方と、3つの表(候補国の比較表・試し方の比較表・テストの計画シート)の書き方
- ・製造業のモデルケースの記入例と、4週間の作業手順
▼目次
- 1. 日本企業の東南アジアの現地法人|ASEAN10の割合は30.9%
- 2. 日系企業の事業拡大の意向と理由|ジェトロの2025年度調査
- 3. 東南アジア4か国の違い|拡大の意向と黒字見込み
- 4. 東南アジアの国別の相談|海外進出白書(2025年度)のデータ
- 5. 東南アジアで自社の商品を試す進め方|3つの方針
- 6. 候補国の比較表|書き方とモデルケースの記入例
- 7. 試し方の比較表|展示会・取引先の紹介・販売代理店
- 8. テストの計画シート|次に進む条件の決め方と記入例
- 9. 動かない場合と試して外れた場合|失うものの比較
- 10. 東南アジア進出の進め方|4週間の作業手順
- 11. よくある質問
- 12. 東南アジアへの海外進出はDigima〜出島〜に相談
1. 日本企業の東南アジアの現地法人|ASEAN10の割合は30.9%

日本企業が海外に置く現地法人のうち、東南アジアにどれだけあるのかを確認します。経済産業省の集計で、現地法人の数と、地域ごとの割合を見ていきます。
割合の動きから、東南アジアが日本企業の進出先として広がっていることが読み取れます。
2024年度末の現地法人数|2万5,745社
経済産業省の「海外事業活動基本調査」によると、2024年度末に日本企業が海外に置いていた現地法人は2万5,745社でした。内訳は、製造業が1万984社、非製造業が1万4,761社です。
現地法人とは、日本企業が海外に置く子会社などのことです。経済産業省の調査では、日本側の出資比率が10%以上の外国法人を海外子会社としています。
出典:経済産業省「第55回 海外事業活動基本調査概要(2024年度実績)」、経済産業省「海外事業活動基本調査」
ASEAN10と中国の割合|30.9%と27.7%
現地法人全体に占める割合は、アジアが68.4%です。このうちASEAN10(東南アジアの10か国)が30.9%で、前年度と比べて0.7ポイント上昇し、14年連続で拡大しました。中国は27.7%で、前年度と比べて0.2ポイント低下しています。
東南アジアにある現地法人の割合が、中国を上回っています。日本企業にとって、東南アジアは海外の拠点を置く先として、すでに大きな地域になっています。
ただし、これは日本企業全体の集計です。自社の商品が東南アジアで売れるかどうかは、国ごとに確かめる必要があります。
2. 日系企業の事業拡大の意向と理由|ジェトロの2025年度調査
東南アジアで事業を広げようとしている日系企業がどれだけあるのか、なぜ広げるのかを確認します。使うのは、日本の貿易や投資を支援する政府系の機関であるジェトロ(日本貿易振興機構)が、2025年に行った調査です。
拡大の割合と、拡大の理由の2つを、国ごとに見ていきます。
調査の概要|海外82カ国・地域の日系企業7,485社が回答
ジェトロの「2025年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」は、2025年8〜9月に、海外82カ国・地域の日系企業17,708社へ調査票を配り、7,485社から有効回答を得た調査です(有効回答率42.3%)。対象は、日本側の出資比率が10%以上の現地法人、支店、駐在員事務所です。
出典:ジェトロ「2025年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」(2025年11月)
ASEANの事業拡大の意向|非製造業51.1%・製造業41.2%
今後1〜2年の事業展開について、「拡大」「現状維持」「縮小」「第三国(地域)へ移転、撤退」から選んでもらった結果、「拡大」と答えた企業は、ASEAN(ブルネイと東ティモールを除く)の非製造業で51.1%、製造業で41.2%でした。
製造業でも、約4割の企業が東南アジアでの事業を広げようとしています。
「拡大」の理由|インドネシアは現地市場ニーズ・ベトナムとタイは輸出の増加
「拡大」と答えた企業に、理由を複数回答で聞いています。インドネシアでは、70.9%が「現地市場ニーズの拡大」を挙げました。ベトナムでは39.1%、タイでは35.9%が「輸出の増加」を挙げています。
東南アジアで事業を広げる理由は、現地の需要の増加だけではありません。輸出の増加も、拡大の理由として挙がっています。
3. 東南アジア4か国の違い|拡大の意向と黒字見込み

国ごとの違いを、ジェトロの調査で確認します。ベトナム・インドネシア・シンガポール・タイの4か国で、事業を拡大する企業の割合と、2025年の営業利益の見込みを比べます。
売り先を探すときに、国を選ぶ材料になる数字です。
事業を拡大する企業の割合|ベトナム56.9%からタイ38.7%まで
今後1〜2年に事業を「拡大」すると答えた日系企業の割合は、ベトナムが56.9%、インドネシアが45.9%、シンガポールが43.9%、タイが38.7%でした。
最も高いベトナムと最も低いタイでは、18.2ポイントの差があります(56.9−38.7の計算値)。
2025年の営業利益見込み|4か国とも黒字が6割台
2025年の営業利益(本業のもうけ)を「黒字」と見込む企業の割合は、インドネシアが69.1%、ベトナムが67.5%、シンガポールが66.8%、タイが63.3%でした。4か国とも6割台です。
黒字を見込む割合は、4か国で近い水準です。違いが大きいのは、これから事業を広げるかどうかでした。
出典:ジェトロ「2025年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」(2025年11月)
売り先を探す視点|日系企業が事業を広げる国かを確かめる
日系企業が事業を広げる国では、設備や部品などの新しい発注が生まれる可能性があります。日系企業を売り先の候補にする企業は、候補の国の日系企業が拡大の方向にあるかを、国ごとに確かめてから売り先を探します。
4. 東南アジアの国別の相談|海外進出白書(2025年度)のデータ
Digima〜出島〜への相談から、東南アジアの国ごとの違いを確認します。Digima〜出島〜が毎年まとめている海外進出白書の2025-2026年版は、2025年4月〜2026年3月に寄せられた海外ビジネスの相談4,218件を、国別などに集計しています。
順位の変化、相談の中身、5年の推移の3つを見ていきます。
国別の相談の順位|タイ4位・シンガポール5位・ベトナム7位
海外進出白書によると、2025年度の相談を国別に集計すると、タイは前年の5位から4位(7.1%)、シンガポールは前年の7位から5位(6.9%)に上がりました。ベトナムは前年の2位(8%)から7位(6.0%)に下がっています。首位は米国で13.5%です。
出典:Digima〜出島〜「海外進出白書(2025-2026年版)」
ベトナムの相談|慎重に検討する段階の相談が増加
白書は、ベトナムの順位の低下を、単純な関心の低下ではないとしています。ベトナムの相談では、海外市場調査・マーケティング(10%)とコンサルティング(8%)の割合が全体の平均より高く、進出するかどうかを慎重に検討する段階の相談が増えているためです。
また、外資系企業の進出が急増した過去数年で競争環境が激しくなり、人件費の上昇といった課題も出てきたと、白書は説明しています。
相談の中身|タイの30%・シンガポールの29%が海外販路拡大
相談の中身を見ると、タイでは30%、シンガポールでは29%が、営業代行や販売代理店探しを含む「海外販路拡大」の相談でした。販売代理店とは、現地で自社の商品を売ってくれる企業のことです。
タイの日系企業|製造業を中心とした集積
白書は、タイについて、製造業を中心に東南アジア随一の規模で日系企業が集積してきた長い歴史があるとしています。そのため、現地のサプライチェーン(部品や材料が製品になって届くまでの取引のつながり)や商慣習の情報が得やすく、新しく進出する企業にとって立ち上げのハードルを下げる環境になっている、という見方です。
5年の推移|海外販路拡大の相談は16%から22.9%に
相談全体の中身も、5年で変わりました。海外販路拡大の相談は、2021年度の16%から2025年度は22.9%に増えました。海外進出コンサルティングの相談は、14%から4.5%に減っています。
どうやって進出するかよりも、どうやって売るかを相談する企業が増えている、と読み取れます。
5. 東南アジアで自社の商品を試す進め方|3つの方針

ここからは、東南アジアのどの国で自社の商品を試すかを決める進め方を整理します。Digima〜出島〜がすすめるのは、3つの方針です。
3つの方針に沿って、候補国の比較表・試し方の比較表・テストの計画シートの3つの表に、自社の内容を書いていきます。
方針1|国ごとの違いを数字で比べる
東南アジアは、国によって事業を広げる企業の割合も、相談の中身も違います。国名の印象で選ばず、売り先の動きなどの数字を国ごとに並べて比べます。使うのは、候補国の比較表です。
方針2|拠点を置かずに1か国で小さく試す
いきなり現地に拠点を置く必要はありません。1か国に絞り、試作品を使ってもらう、見積もりを出すといった小さな形で、自社の商品が選ばれるかを確かめます。どの方法が自社の商品に向いているかは、試し方の比較表で決めます。
方針3|次に進む条件と見直す条件を先に決める
試す前に、どうなれば次に進み、どうなれば見直すかを、数字で決めておきます。結果が出てから考えると、続けるかどうかの判断が先送りになるためです。使うのは、テストの計画シートです。
6. 候補国の比較表|書き方とモデルケースの記入例
1つ目の表は、候補国の比較表です。縦に候補の国を3つ書き、横に、売り先の動き、日系企業の集まり方、注意点の3つの欄を置きます。
この章では、表の書き方と、製造業のモデルケースの記入例を示します。表は、紙やパソコン、スマートフォンのメモに書けます。
表の書き方|縦に候補の3か国・横に3つの欄
売り先の動きには、ジェトロの調査の数字を書きます。事業を拡大する企業の割合のほか、製造業なら、拡大する企業のうち生産を広げる割合を書きます。ジェトロの調査では、生産について、広く一般向けに大量に作る製品である「汎用品」と、付加価値の高い製品である「高付加価値品」に分けて聞いています。
日系企業の集まり方の欄には、その国に日系の工場や企業がどれだけ集まっているかを書きます。注意点の欄には、売り先として見たときに気をつけることを書きます。分からない欄は、「不明」と書いて構いません。不明の欄が、あとで確かめる欄になります。
記入例|株式会社デジマ精工(モデルケース)
デジマ精工は、工場の生産ラインで使う治具(加工や組み立てのときに、部品を固定したり位置を決めたりする道具)と、交換部品を作る企業です。従業員は45名、売上は8億円で、国内の自動車部品メーカーに納めています。海外での売上は、まだありません。
製造業のモデルケースにしたのは、海外進出白書で、Digima〜出島〜への相談に占める製造業の割合が、2021年度の16%から2025年度は26.2%に増えているためです。候補の国は、タイ・ベトナム・インドネシアの3か国にしました。
| 候補国 | 売り先の動き | 日系企業の集まり方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| タイ | 事業を拡大する企業は38.7%。拡大する製造業のうち、生産を広げる割合は汎用品が31.4%、高付加価値品が48.6% | 製造業を中心に、日系企業が集積してきた | 2024年度のアジアの日系の製造業の現地法人は、仕入れの79.8%を現地とアジアのほかの国から調達し、日本からは17.9% |
| ベトナム | 事業を拡大する企業は56.9%。生産を広げる割合は汎用品が56.0%、高付加価値品が49.8% | 不明 | 同上。あわせて、外資系企業の進出が増え、競争と人件費の上昇が課題になっている |
| インドネシア | 事業を拡大する企業は45.9%。生産を広げる割合は汎用品が51.2%、高付加価値品が47.7% | 不明 | 同上 |
※ 株式会社デジマ精工は、説明用に設定したモデルケースです。従業員数・売上・取引先などの数字と内容はすべて設定値で、実在の企業ではありません。
表の数字は、ジェトロの2025年度調査、経済産業省の第55回海外事業活動基本調査、海外進出白書の2025-2026年版によるものです(拡大する製造業のn数は、タイ105社・ベトナム207社・インドネシア86社)。
出典:ジェトロ「2025年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」(2025年11月)、経済産業省「第55回 海外事業活動基本調査概要(2024年度実績)」
判定|日系の工場が集まるタイから試す
注意点の欄には、3か国に共通することとして、経済産業省のデータを書きました。2024年度のアジアの日系の製造業の現地法人は、仕入れの79.8%を現地とアジアのほかの国から調達し、日本からの調達は17.9%です。日系の工場があっても、日本から送る部品が選ばれるとは限りません。
デジマ精工の交換部品は、いま動いている生産ラインで使われます。そこで、生産を広げる割合はベトナムが高いものの、日系の工場が集まっているタイから試すと判定しました。不明と書いたベトナムとインドネシアの欄は、あとで確かめます。
7. 試し方の比較表|展示会・取引先の紹介・販売代理店
2つ目の表は、試し方の比較表です。国が決まったら、その国で、どの方法で自社の商品を試すかを決めます。
この章では、表の書き方と、デジマ精工がタイで取引先の紹介を選んだ記入例を示します。
表の書き方|縦に3つの試し方・横に3つの欄
縦に、現地の展示会に出展する、国内の取引先に現地の工場を紹介してもらう、現地の販売代理店を通す、の3つの試し方を書きます。横には、確かめられること、必要な準備、自社の商品に向いているかを書きます。
向いているかは、向いているなら〇、準備などに課題が残るなら△、向いていないなら×を付けます。
記入例|デジマ精工の試し方の評価
デジマ精工が確かめたいのは、タイの日系の工場が、現地の部品メーカーと比べたうえで、自社の治具を選ぶかです。
展示会は、多くの工場に会えますが、出展の準備に時間がかかるので△です。販売代理店は、営業を任せられますが、先に代理店を探す必要があるので△です。タイに工場を持つ国内の取引先に、現地の工場を紹介してもらう方法を、〇にしました。
| 試し方 | 確かめられること | 必要な準備 | 自社の商品に向いているか |
|---|---|---|---|
| 現地の展示会に出展する | 多くの工場に会える | 出展の準備に時間がかかる | △ |
| 国内の取引先に現地の工場を紹介してもらう | タイの日系の工場が、現地の部品メーカーと比べたうえで、自社の治具を選ぶか | タイに工場を持つ国内の取引先に、紹介を頼む | 〇 |
| 現地の販売代理店を通す | 営業を任せられる | 先に代理店を探す必要がある | △ |
※ 表の内容は、モデルケースの設定値です。
試し方を決める手順|確かめたいことから選ぶ
試し方は、手軽さではなく、確かめたいことから選びます。デジマ精工の確かめたいことは、日系の工場が現地の部品メーカーと比べて自社の治具を選ぶかなので、工場に直接使ってもらえる取引先の紹介が合いました。
表を埋めたら、〇を付けた方法を1つ選びます。〇がなければ、△の欄の課題を解消できるかを確かめます。解消できなければ、別の試し方を表に足します。
8. テストの計画シート|次に進む条件の決め方と記入例
3つ目の表は、テストの計画シートです。試す前に、確かめること、やり方、期限、次に進む条件、見直す条件の5つを書きます。
この章では、条件を数字で決める理由と、デジマ精工の記入例、見積もりの出し方を示します。
シートの書き方|条件は試す前に数字で決める
5つの欄のうち、特に大切なのは、次に進む条件と見直す条件です。条件は、試す前に数字で決めておきます。結果が出てから考えると、続けるかどうかの判断が先送りになってしまうからです。
数字は、「1か所から見積もりの依頼が来る」のように、数えられる形にします。「手応えがあれば」のような書き方では、あとで判断が分かれます。
記入例|デジマ精工のテストの計画
デジマ精工は、紹介してもらったタイの工場2か所に、治具の試作品を使ってもらいます。期限は3か月です。1か所から正式な見積もりの依頼が来れば次に進み、どちらからも来なければ試し方を見直します。
| 欄 | デジマ精工の記入例 |
|---|---|
| 確かめること | タイの日系の工場が、現地の部品メーカーと比べたうえで、自社の治具を選ぶか |
| やり方 | 国内の取引先に紹介してもらったタイの工場2か所に、治具の試作品を使ってもらう |
| 期限 | 3か月 |
| 次に進む条件 | 1か所から、正式な見積もりの依頼が来る |
| 見直す条件 | 2か所のどちらからも、見積もりの依頼が来ない |
※ 表の内容は、モデルケースの設定値です。
見積もりの出し方|送料と関税を含めた価格で現地と比べてもらう
見積もりでは、日本からの送料や関税(輸入品にかかる税金)を含めた価格を出し、現地の部品メーカーの価格と比べてもらいます。仕入れの多くを現地とアジアのほかの国から調達している工場に、日本から送る理由を示せるかを確かめるためです。
関税の税率は、見積もりを出す前に、品目ごとに確かめておきます。
9. 動かない場合と試して外れた場合|失うものの比較
「国内の取引だけで十分」と考える企業もあります。この章では、国内の取引だけを続けた場合と、タイで試して外れた場合とで、何を失うのかを比べます。
国内の取引だけを続ける場合|海外の仕事への参加
海外進出白書の第2部は、自社の海外ビジネス展開を検討したことのある企業の担当者193名へのアンケート(2025年4〜5月)です。検討したきっかけの首位は、国内マーケットが縮小したことで、37.8%でした。
経済産業省によると、2024年度の製造業の海外生産比率(国内全法人ベース)は26.7%で、前年度から0.5ポイント低下しました。海外生産比率は、現地法人(製造業)の売上高を、現地法人と国内法人(製造業)の売上高の合計で割った値です。
日本の製造業の売上のうち、海外の現地法人の売上が占める割合が26.7%あるということです。国内の取引先の仕事の一部も、すでに海外で行われている可能性があります。国内の取引だけを続けると、その仕事には加われません。
出典:経済産業省「第55回 海外事業活動基本調査概要(2024年度実績)」
タイで試して外れた場合|失うのは試作品と3か月
では、タイで試してうまくいかなかったら、何を失うのでしょうか。デジマ精工の場合、失うのは、工場2か所分の試作品と、3か月の時間です。
一方で、タイの工場が求める価格の水準と、自社の治具への評価は、手元に残ります。この2つは、次にベトナムなど別の国を試すときの判断材料になります。拠点を置いてから外れた場合と比べると、失うものは限られます。
10. 東南アジア進出の進め方|4週間の作業手順
3つの表を一度書くと、「不明」の欄が残るはずです。その欄を確かめて表を書き直し、4週目にテストを始めるかを決める進め方を、4週間に分けて示します。
必要な期間は、商品や社内の体制によって変わります。
1週目|確かめる欄の確認
3つの表で、「不明」と書いた欄と、想定で書いた欄に印を付けます。そのうえで、それぞれの欄を、社内の誰が、何を使って確かめるのかを決めます。
2週目|候補国の関税と輸入の手続きの確認
候補の国の関税と輸入の手続きを確かめます。ジェトロは、国ごとの関税や輸入の手続きの情報を公表しています。情報収集の入口として使えます。
3週目|紹介を頼む取引先と販売代理店の候補探し
国内の取引先に、現地の工場の紹介を頼めるかを聞いて回ります。現地の販売代理店の候補も、あわせて探します。
紹介を頼める取引先が見つからないときは、Digima〜出島〜にご相談ください。
4週目|社内共有とテストを始めるかの決定
3つの表を社内で共有し、テストを始めるかを決めます。始める場合は、テストの計画シートに書いた条件と期限を、社内で確認してから動きます。
表は、社内で東南アジアでの事業を検討するときの資料として、そのまま使えます。
▶ 推奨アクション
・3つの表(候補国の比較表・試し方の比較表・テストの計画シート)に、自社の内容を書き込む
・候補国の関税と輸入の手続きを、ジェトロ「世界各国の関税率(WorldTariff)」(利用には登録が必要です)やジェトロ「輸出入に関する基本的な制度」で確認する
・紹介を頼める取引先と、現地の販売代理店の探し方をDigima〜出島〜に相談する
11. よくある質問
東南アジアへの日本企業の進出と、自社の商品を試す国の選び方について、よく寄せられる質問に簡潔にお答えします。
取り上げるのは、進出の理由、国ごとの違い、国の選び方、拠点を置かない試し方、相談先の5つです。数字は、経済産業省・ジェトロ・海外進出白書のデータにもとづいています。
日本企業が東南アジアに進出しているのは、なぜですか?
経済産業省の調査では、2024年度末の日本企業の現地法人2万5,745社のうち、ASEAN10にある割合は30.9%で、14年連続で拡大しました。ジェトロの2025年度調査で、拡大の理由は、インドネシアでは「現地市場ニーズの拡大」が70.9%、ベトナムとタイでは「輸出の増加」が39.1%と35.9%でした。現地の需要と輸出の増加の両方が、事業を広げる理由に挙がっています。
東南アジアで事業を拡大する日系企業の割合は、国ごとに違いますか?
違います。ジェトロの2025年度調査で、今後1〜2年に事業を「拡大」すると答えた日系企業は、ベトナムが56.9%、インドネシアが45.9%、シンガポールが43.9%、タイが38.7%でした。一方、2025年の営業利益を黒字と見込む企業の割合は、4か国とも6割台です。売り先を探すときは、候補の国ごとに日系企業の動きを確かめます。
東南アジアで自社の商品を試す国は、どう選べばよいですか?
候補の国を3つ書き、売り先の動き・日系企業の集まり方・注意点を数字で比べて、1か国に絞ります。経済産業省によると、2024年度のアジアの日系の製造業の現地法人は仕入れの79.8%を現地とアジアのほかの国から調達し、日本からは17.9%です。日本から送る商品の強みまで、表に書き出して確かめます。
現地に拠点を置かずに、東南アジアで商品を試す方法はありますか?
あります。この記事では、現地の展示会に出展する、国内の取引先に現地の工場を紹介してもらう、現地の販売代理店を通す、の3つを比べます。モデルケースの製造業では、タイに工場を持つ国内の取引先の紹介で、工場2か所に試作品を使ってもらい、3か月で見積もりの依頼が来るかを確かめる計画にしました。
東南アジアへの進出や販路の相談は、どこにすればよいですか?
東南アジアへの進出や販路の相談は、Digima〜出島〜に無料で相談できます。2025年度に寄せられた相談4,218件のうち、タイは7.1%、シンガポールは6.9%、ベトナムは6.0%でした。専門コンシェルジュが国と目的をヒアリングし、条件に合う支援企業を3〜5社まで絞って紹介します。ご契約の義務はありません。
12. 東南アジアへの海外進出はDigima〜出島〜に相談
日本企業の現地法人の30.9%が、ASEAN10にあります(2024年度末)。ただし、事業を広げる日系企業の割合も、相談の中身も、国によって違います。自社の商品が東南アジアのどの国で売れるかは、国を比べ、1か国で小さく試し、先に決めた条件で次に進むかを判断すれば、確かめられます。
3つの表を書いてはみたものの、この国とこの試し方で進めてよいのか確かめたい。紹介を頼める取引先や、現地の販売代理店が見つからない。そのようなときは、Digima〜出島〜にご相談ください。Digima〜出島〜では、海外ビジネス支援の専門家を、無料でご紹介しています。まずは無料の海外進出タイプ診断で、自社に合った進出スタイルを確認してみてください。
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これまでの支援歴は20年以上、実績は1,500社を超えました。
※支援主要各国の現地スタッフ300人以上配置。進出後も継続して支援できる体制を構築しています。
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■ サポート対象国(グループ別)
↳ ASEAN主要国:タイ・ベトナム・マレーシア・カンボジア・インドネシア・フィリピン・ラオス
↳ アジア(中華系):日本・香港・シンガポール・台湾・韓国
↳ アジア(中東ほか):ドバイ・サウジアラビア・インド・バングラデシュ・モンゴル
↳ 欧米:アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ
※サポート内容により、対応の可否や得意・不得意な分野があります。
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■ 対応施策について
◆以下はこれまで当社で実績が多く、特にニーズの高い支援パッケージです。
『LocaBrain(ロカブレイン)|海外進出 現地顧問サービス』
↳ AIが出した"答えっぽいもの"を、現地のリアルで答え合わせする。海外進出の現地顧問サービス。
『INTERForce|海外進出伴走サポート』
↳ 海外事業を貴社の海外事業担当者として伴走
『LocaForce(ロカフォース)海外販路開拓 現地支援サービス』
↳ 海外営業支援TEAMによる現地営業の即戦力化
『LocaResearch(ロカリサーチ)海外進出 市場調査サービス』
↳「どの国で売るか」から「誰に売るか」まで、意思決定素材を収集する。
『セカイキョテン|海外会社設立サポート』
↳ 現地法人・オフショア法人の設立、登記、銀行口座開設までをワンストップで代行
『ビザスル|海外ビザ取得サポート』
↳ 就労ビザ・長期滞在ビザなど、進出・移住に必要なビザ取得を現地連携でサポート
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◆以下は個別施策として各専門家チームが対応します。
『市場把握TEAM』
目的:海外現地を理解し、事業の成功可能性を高める
↳ 市場概況・規制調査
↳ 競合調査
↳ 企業信用調査
↳ 現地視察の企画・アテンド
『集客活動チーム』
目的:海外現地で“売れる”ためのマーケティング活動を確立する
↳ 多言語サイト制作
↳ EC運用
↳ SNS運用
↳ 広告運用(Google/Meta など)
↳ インフルエンサー施策
↳ 画像・動画コンテンツ制作
『販路構築チーム』
目的:海外現地で最適なパートナーとの取引を創出する
↳ 商談向け資料制作
↳ 企業リストアップ
↳ アポイント取得
↳ 商談創出・交渉サポート
↳ 契約サポート
『体制構築チーム』
目的:海外現地で活動するために必要な土台をつくる
↳ 会社設立(登記・銀行口座)
↳ ビザ申請サポート
↳ 不動産探索(オフィス・倉庫・店舗・住居)
↳ 店舗開業パッケージ(許認可・内装・採用・集客)
↳ 人材採用支援(現地スタッフ採用)
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GLOBAL ANGLE Pte. Ltd.
70か国/90都市以上での現地に立脚したフィールド調査
GLOBAL ANGLEは海外進出・事業推進に必要な市場・産業調査サービス、デジタルマーケティングサービスを提供しています。70か国90都市以上にローカルリサーチャーを有し、現地の言語で、現地の人により、現地市場を調べることで生きた情報を抽出することを強みとしています。自社オンラインプラットホームで現地調査員管理・プロジェクト管理を行うことでスムーズなプロジェクト進行を実現しています。シンガポール本部プロジェクトマネージメントチームは海外事業コンサルタント/リサーチャーで形成されており、現地から取得した情報を分析・フォーマット化し、事業に活きる情報としてお届けしております。
実績:
東アジア(中国、韓国、台湾、香港等)
東南アジア(マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ等)
南アジア(インド、パキスタン、バングラディッシュ等)
北米(USA、メキシコ、カナダ)、南米(ブラジル、チリ等)
中東(トルコ、サウジアラビア等)
ヨーロッパ(イタリア、ドイツ、フランス、スペイン等)
アフリカ(南アフリカ、ケニア、エジプト、エチオピア、ナイジェリア等) -
合同会社from TR
月額定額制という新しい商社の形。総合商社の豊富な知見が月10万円〜使い放題!
私たちfrom TRは、マーケティングとトレーディング、2つのノウハウを活用し、お客様のモノづくりと販路拡大をサポートいたします。
お客様の強みである”つくる力”と、私たちの強みである”伝える力”と”届ける力”を組み合わせることで、 モノづくりの次の一手を実現いたします。
「モノづくりを、モノがたりへ。」をミッションに事業を展開しており、海外進出のサポートにとどまらず、マーケティング戦略設計、ブランディング、国内外クラウドファンディング、商品開発、販路構築などお客様のビジネスをトータルでサポートいたします。 -
株式会社東京コンサルティングファーム
【26か国34拠点+全世界提携ネットワーク】各国に日本人駐在員とローカルスタッフが常駐。会計事務所を母体に、進出検討から撤退まで一気通貫でサポートいたします。
弊社は、会計事務所を母体とし、26か国34拠点・グループ従業員357名のグローバルコンサルティングファームです。
2007年に日本の会計事務所として初めてインドに進出し、翌年ASEAN一帯、中南米等にも展開。
20年近い海外実務の蓄積があり、実績・ノウハウも豊富にございます。
また、自社拠点を持たない国についても、現地パートナー・提携専門家とのネットワークを通じて、世界どこでも対応可能な体制を構築しています。
海外進出のご相談・市場調査から、現地法人設立、海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築、撤退まで、国際ビジネスのすべてのフェーズをワンストップでサポート。
特に、会計・税務・法務・労務・人事の専門家を各国で内製していることが、他のコンサルティングファームにはない強みです。
〈主要サービス〉
・販路開拓 現地企業マッチング(出島での小規模ニーズに対応)
海外販路拡大、提携先・代理店のリストアップ、合弁パートナー探しを単発でもお請けします。
各国の現地拠点・駐在員のネットワークに加え、拠点のない国も提携専門家経由で対応。「まず1〜2社、現地候補と面談したい」というスポットご相談から承ります。
・スモールスタート対応(月額8万円〜のGEO/EOR)
まずは現地法人を作らずに人だけ採用したい、テストマーケティングからはじめたいというお客様向けに、月額8万円〜の雇用代行(GEO/EOR)をご用意。海外進出の最初の一歩を、低リスク・低コストで踏み出していただけます。
・海外進出支援(法人設立〜撤退まで)
進出相談・現地視察アテンドから、登記・各種ライセンス取得、株主税務番号(PAN等)取得、銀行口座開設、進出後の継続サポート、撤退・閉鎖まで一気通貫で対応します。
・クロスボーダーM&A(海外M&A)
海外企業の買収・売却によるスピード進出・スピード撤退をご支援。ターゲット選定、買収戦略立案、デューデリジェンス、バリュエーション、契約、ポストM&Aまでワンストップで対応します。
・国際税務・監査・労務
各国の税務・会計、移転価格、子会社監査、人事労務制度設計、駐在員税務、グローバル税務戦略まで、会計事務所を母体とした専門家ネットワークで網羅します。 -
アクシアマーケティング株式会社
「どの国が自社に適しているのか、客観的データで判断したい」そんなお悩みにお答えします
海外市場の中でも、調査・分析に特化したサービスを提供しております。
たとえば、市場の調査・分析に関しては、外部環境の影響を推測するPEST分析や、ビジネスモデルの仮説検証などを「正確かつ包括的」に実施しております。なぜその情報が必要なのか、クライアントのご相談背景まですり合わせをすることを徹底していることが強みとなっています。
競合の調査・分析については、対象企業の強みや弱みを把握するためのSWOT分析、マーケットシェアや競合企業の分析などを行い、「その企業がなぜ成功・失敗したのか」を徹底的に掘り下げます。
また、得られたデータや分析から、具体的な戦略と実行可能な施策提案まで行っております。貴社の「適切な経営判断」のために、合理的かつ包括的な支援を心がけています。
ありがたいことに、これまでたくさんの企業様を支援させていただきましたが、相談いただくほどんどの企業様が、
「どの国・地域に参入すべきかわからない」
「進出に踏み切れる客観的データがない」
「海外進出がはじめてだから落とし穴が多そうで困っている」
などいったお悩みを抱えています。こういったお悩みの企業のご担当者は、ぜひ一度、アクシアマーケティングにご連絡ください。
東南アジアや中国、韓国、インドをはじめ、北米や欧州といった幅広い国・地域での調査実績があり、調査・分析に特化している弊社が、貴社の海外事業の成功に向けて、伴走支援させていただきます。
【主要サービスメニュー】
市場調査
競合分析
アライアンス支援
【よくご相談いただく内容】
「どの国・地域に参入すべきかわからない」
「進出に踏み切れる客観的データがない」
「海外進出がはじめてだから落とし穴が多そうで困っている」
「市場規模や成長性を正確に把握できていない」
「公開情報が少ないニッチな市場を細かい粒度で分析したい」
「現地の消費者ニーズや嗜好が理解できない」
「競合他社の動向や市場内でのポジショニング戦略が定まらない」
「法規制、税制、輸入関税などの複雑な規制を把握するのが難しい」
「効果的なマーケティング戦略や販売チャネルを見つけ出せない」
「現地でのビジネスパートナー探しや信頼できるサプライヤーの選定が困難」
「その地域特有の慣習、文化を把握できていない」
など
①市場調査
進出を考えている市場をマクロ的視点、ミクロ的視点から調査・分析いたします。
潜在ニーズやトレンド、製品・サービスの適合性など、多岐にわたる範囲に対応しております。
「どういった情報があれば、適切な事業判断が下せるのか」といった姿勢を徹底しており、適切な情報を漏れなく提供することができます。
市場調査では、有識者へのヒアリングなど多くのサービスを展開しておりますが、貴社にとって適切な調査・分析をご提案させていただきます。
「バイアスがかかった状態で判断してしまっていそう」といったお悩みを抱えるご担当者の方は、壁打ちからでも対応できますので、まずはご相談ください。
②競合調査
「競合がなぜ成功・失敗したのかわからない」といったご相談をよくいただきます。
弊社の競合調査では、競合の戦略を徹底的に解剖し、貴社のマーケティング戦略の支援まで実施します。
サービス内容としては、業界の第一線を走る方への一次取材などをご提供しております。
また、他社が関わる分野の調査ということもあり、匿名性や守秘義務も徹底遵守しています。そのため、クライアントからも大変好評をいただいております。
③アライアンス支援
双方に適切なパートナーシップ構築であることをポリシーとしています。
数多くの企業と提携を結んでいる弊社が、貴社の適切なパートナーをご提案させていただきます。
海外進出をご検討されている企業さまに多くご依頼を受けているサービスの1つです。
「はじめての国・地域」だからこそ、事業を成功させるには、協業することは重要な要素となってきます。
自信をもって、提携企業様をご提案させていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。

































