アメリカ進出の現地パートナー|会社設立の前後で頼る会計・法務・人事の専門家10社
アメリカに現地法人をつくると、最初の1年だけでも、設立の届け出、銀行口座の開設、記帳と税務申告、取引先との契約、現地での採用と、日本の本社では判断しにくい実務が続きます。こうした実務を現地で引き受けるのが現地パートナーです。
頼る専門家は、進出の時期によって変わります。進出を決める前は市場調査、会社を設立するときは会計・税務、取引先と契約するときは法務、現地で人を雇うときは人事・労務の専門家が中心になります。
本記事では、4つの時期ごとに頼る専門家と、日本企業の支援を公式サイトで掲げる10社、大手と中堅の事務所の違い、依頼する前に本社で決めておくことを解説します。どの専門家から相談するかで迷ったときは、Digima〜出島〜に相談すると、条件に合う支援企業を紹介してもらえます。
目次
1. 現地パートナーの出番は4つの時期

現地パートナーの出番は、進出を決める前、会社を設立するとき、取引先と契約するとき、現地で人を雇うときの4回です。図のとおり、時期ごとに頼る専門家が変わるため、すべてを1社に任せるのではなく、いま必要な実務に合う専門家から相談します。
時期ごとの実務と専門家
4つの時期では、本社が判断しなければならないことと、現地パートナーに任せられる実務が違います。自社がいまどの時期にいるかを、次の表で確かめます。
| 時期 | 現地で起きること | 頼る専門家 |
|---|---|---|
| 進出を決める前 | 売れる見込みと競合を確かめる | 市場調査・マーケティングの会社 |
| 会社を設立するとき | 法人の設立、記帳の体制づくり、税務申告 | 会計事務所 |
| 取引先と契約するとき | 契約書の作成と確認、商標の登録、提携 | 法律事務所 |
| 現地で人を雇うとき | 採用、雇用契約と就業規則、給与計算 | 人事・労務の専門家 |
表:進出の時期と頼る専門家
進出する州や事業の形(現地法人・支店・駐在員事務所)をまだ決めていない場合は、アメリカ進出コンサルティング会社の選び方で解説している進出の計画づくりから始めます。
2. 日本企業を支援する現地パートナー10社
日本企業の米国での事業を支援することを公式サイトで掲げている10社を、一覧にまとめました。会計事務所が6社と最も多く、市場調査の会社が2社、法律事務所と人事・労務の会社が1社ずつです。各社の詳しい内容は、時期ごとの章で紹介します。
現地パートナー10社の一覧
10社は、扱う分野と拠点が違います。進出する地域に拠点があるかも、あわせて確かめます。
| 会社 | 分野 | 主な拠点 |
|---|---|---|
| Morrison & Foerster LLP | 法務 | サンフランシスコ・ニューヨークなど |
| EOS Accountants LLP | 会計・税務 | ニュージャージー・シカゴ・ロサンゼルスなど米国7事務所 |
| Aurora Access, Inc. | 会計・税務(会社設立) | ニューヨーク |
| Cross Cultural Consulting | 会計・税務 | ニューヨーク |
| Kanabo Consulting Inc. | 市場調査・事業開発 | シリコンバレー |
| Deloitte(Japanese Services Group) | 会計・税務・コンサルティング | 米国各地 |
| KPMG LLP(U.S. Japanese Practice) | 会計・税務 | 米国各地 |
| Hotta Liesenberg Saito LLP | 会計・税務 | ロサンゼルス・ニューヨーク・シカゴなど6事務所 |
| Pasona N A, Inc. | 人事・労務 | ニューヨーク(本社) |
| Cimplex Marketing Group, Inc. | 市場調査・販路 | ロサンゼルス近郊 |
表:アメリカ進出の現地パートナー10社(2026年10月に各社の公式サイトで確認)
拠点のない州で事業を始める場合でも、遠隔で対応する会社があります。対応できる州は面談で確かめます。
3. 進出を決める前は市場調査の専門家
進出を決める前は、アメリカで自社の商品やサービスが売れる見込みがあるかを、市場調査の専門家に確かめてもらいます。消費者への調査と競合の調査の結果が、進出するか、どの州から始めるかを決める根拠になります。
調査を依頼するときに伝えること
調べたいこと(売れる価格帯、競合の商品、販売先の候補など)と、調査の結果を何の判断に使うかを伝えます。目的がはっきりしているほど、調査の方法と費用の見積もりが具体的になります。販売先の開拓まで任せたい場合は、アメリカ営業代行の活用ガイドも参考になります。
Kanabo Consulting
2002年設立で、シリコンバレーを拠点に、テクノロジー分野の日米ビジネスのコンサルティングを日本語と英語で行う会社です。目的に合わせた調査、新規事業の開発、企業や政府機関の視察の手配などを扱います。
Cimplex Marketing Group
2011年に発足した、ロサンゼルス近郊の市場調査とマーケティングの会社です。消費者への定性調査・定量調査、業界と競合の調査、企業向け・消費者向けのマーケティング、広告などの翻訳を扱い、日本企業の米国での事業を支援するとしています。
4. 会社を設立するときは会計事務所

会社を設立するときに最初に頼るのが会計事務所です。設立の手続きに加えて、設立後の記帳、決算、税務申告まで続けて任せることが多く、現地パートナーの中で最も付き合いが長くなります。図のとおり、大手と中堅の事務所では扱う分野と担当の仕方が違うため、事業の規模に合わせて選びます。
大手と中堅の事務所の違い
大手の事務所は、監査やコンサルティングまで幅広く扱い、分野ごとに専門の担当者が付きます。監査が必要な規模の企業や、複数の州で事業をする企業に向いています。
中堅の事務所は、記帳・税務申告・会社設立が中心で、代表者や少人数の担当者が続けて担当することが多くなります。設立したばかりの現地法人や、少額の依頼から始めたい企業に向いています。経理を担う人材の採用はアメリカ進出における経理・会計の人材の重要性と採用方法、会計ソフトはQuickBooksで始めるアメリカ会計入門で解説しています。
EOS Accountants
日本企業と個人事業主に向けて、会計・監査・税務をまとめて提供する会計事務所です。米国のニュージャージー、デトロイト、シカゴ、ヒューストン、サンノゼ、ロサンゼルス、ホノルルの7事務所と東京事務所を持ち、会計士とスタッフは合計約170名です。日本語で相談できます。
Aurora Access
ニューヨークを拠点に、米国法人の設立を支援する会社です。法人の形態の検討や登記の手続きの調整、会計と報告の体制づくり、国際税務の申告を扱い、日本の本社と米国の子会社の両方を支援するとしています。遠隔での相談にも対応しています。
Cross Cultural Consulting
ニューヨークで、経理代行、給与計算代行、法人税の申告書の作成、親会社や投資家向けの資料の作成などを扱う事務所です。代表は日米の公認会計士で、米国進出のコンサルティングも行っています。
Deloitte
デロイトの米国法人にある日系企業向けの部門で、1975年に設立されました。監査と保証、コンサルティング、リスクと財務のアドバイザリー、税務を、日本企業向けに提供しています。案内のページは英語です。
KPMG
KPMGの米国法人にある日系企業向けの部門です。日英両語に対応する専門家のチームが、監査・会計・税務の相談に応じ、米国の規制の動きを伝える資料を英語と日本語で出しています。
Hotta Liesenberg Saito
日本企業の米国での事業を支える会計事務所です。会計と監査、税務、移転価格、アドバイザリー、アメリカ市場への進出の支援を扱い、ロサンゼルス、ニューヨーク、インディアナポリス、シカゴ、サンノゼ、ダラスの6事務所があります。
出典:Hotta Liesenberg Saito「公式サイト」(2026年10月確認),Hotta Liesenberg Saito「拠点」(2026年10月確認)
5. 取引先と契約するときは法律事務所
現地の取引先と契約を結ぶとき、商標を登録するとき、現地の企業と提携や合弁を考えるときは、法律事務所に相談します。アメリカの契約は州の法律に従うため、日本の契約書をそのまま使えないことがあります。
法律事務所に相談する場面
販売代理店や輸入商社との契約書、現地法人と日本の本社の間の契約、商標の登録、現地企業との合弁や買収が、法律事務所に相談する主な場面です。契約を結ぶ前に相談すると、後から条件を直す手間がかかりません。
Morrison & Foerster
米国の国際法律事務所で、1987年に東京で日本での業務を始めました。日本企業のクロスボーダーM&A、合弁会社、事業提携、国際仲裁などを扱い、米国ではサンフランシスコ、パロアルト、ニューヨーク、ワシントンD.C.に事務所があります。
出典:モリソン・フォースター「公式サイト」(2026年10月確認),Morrison & Foerster「Japan」(2026年10月確認)
6. 現地で人を雇うときは人事・労務の専門家
現地で人を雇う段階では、人事・労務の専門家に、採用、雇用契約と就業規則づくり、給与計算を任せます。雇用のルールは州ごとに違うため、日本の本社の規則を当てはめるのではなく、現地の法律に沿って整えます。
採用の前に整えること
雇用契約の内容、就業規則、給与計算と福利厚生の仕組みを、最初の1人を雇う前に整えます。経理・人事・総務の業務を外部に任せるかどうかも、この時期に決めます。
Pasona N A
1985年設立のパソナグループの米国法人で、本社はニューヨークです。人材紹介、人材派遣、業務の請負、コンサルティングを扱い、米国進出の支援として、経理・人事・総務の体制づくりと業務代行、現地の法律に沿った雇用契約や就業規則の作成、採用から定着までの支援を案内しています。
出典:Pasona N A「会社概要」(2026年10月確認),Pasona N A「米国進出サポート」(2026年10月確認)
7. 依頼する前に本社で決めておく3つのこと

どの時期の専門家に依頼する場合でも、任せる範囲、年間の予算、本社への報告の3つを先に決めておきます。図の3つが決まっていないと、各社の提案の中身がそろわず、比べられません。
任せる範囲と年間の予算
会社設立だけを頼むのか、記帳や採用まで続けて頼むのかを決めます。料金は定額か時間制かで年間の費用が変わるため、1年でいくらまでかけられるかを決めてから見積もりを取ります。
本社への報告の方法
現地の数字や手続きの状況を、どのくらいの頻度で、どの形式で、誰が受け取るかを決めます。日本の本社への報告の資料を作ってもらえるかは、事務所ごとに違うため、面談で確かめます。
8. 現地パートナーを自社で探すか、Digima〜出島〜に相談するか
現地パートナーは、自社で探すことも、Digima〜出島〜に相談して紹介を受けることもできます。初めてアメリカに進出する企業や、どの時期の専門家から頼めばよいか分からない企業には、実務の整理から相談できるDigima〜出島〜が向いています。
2つの探し方の違い
2つの探し方では、最初にすることと、社内にかかる負担が違います。自社の状況に近いほうを、次の表で確かめてください。
| 自社で探す | Digima〜出島〜に相談する | |
|---|---|---|
| メリット | 付き合いのある会計事務所や、取引先から紹介を受けた会社に直接依頼できる | 任せたい実務と進出の時期を伝えるだけで、条件に合う支援企業を3〜5社に絞って紹介してもらえる |
| 最初にすること | 分野ごとに候補の会社を調べ、問い合わせる | 専門コンシェルジュに、いまの状況と任せたい実務を話す |
| 合っている企業 | 依頼したい分野と、比べる条件が決まっている企業 | どの時期の専門家から頼めばよいかを相談したい企業 |
| 費用 | 候補を調べて面談する社内の時間 | 相談・紹介は無料 |
表:現地パートナーを自社で探す場合とDigima〜出島〜に相談する場合
自社で探す場合は依頼先を自由に選べる一方、会計・法務・人事と分野が変わるたびに、候補探しと面談を社内で繰り返すことになります。
Digima〜出島〜に相談するメリット
Digima〜出島〜では、専門コンシェルジュが任せたい実務と進出の時期をうかがい、130カ国に対応する登録サポート企業5,000社の中から、条件に合う支援企業を3〜5社に絞って紹介します。
・いま頼る専門家が分かる:市場調査・会計・法務・人事のうち、自社の時期に必要な専門家から紹介を受けられる
・分野が変わっても同じ窓口で相談できる:設立のあとに契約や採用の専門家が必要になったときも、続けて相談できる
・現地の実務以外もまとめて相談できる:販路開拓、物流、輸入商社探しなど、進出に必要な実務を担う支援企業もあわせて紹介できる
自社で候補を調べ始める前に、どの時期の専門家が必要かをDigima〜出島〜に相談すると、候補探しと面談の手間を減らして進出の準備を進められます。
9. よくある質問(FAQ)
アメリカ進出の現地パートナーについて多い疑問は、コンサルティング会社との違い、会社設立の依頼先、相談を始める時期です。
Q1. 現地パートナーとコンサルティング会社はどう違いますか?
コンサルティング会社は、進出する州や事業の形を決めるといった進出の計画づくりを支援します。現地パートナーは、会計・税務、法務、人事・労務、市場調査など、決まった計画を現地で実行する専門家です。計画が固まっていない段階ではコンサルティング会社、会社を設立して事業を始める段階では現地パートナーが中心になります。
Q2. アメリカでの会社設立は誰に頼めばよいですか?
設立の支援を掲げる会計事務所や専門の会社に頼むのが一般的です。設立のあとも記帳・決算・税務申告が続くため、設立から会計まで続けて任せられる事務所を選ぶと、依頼先を変える手間がかかりません。契約書や商標の確認が必要な場合は、法律事務所にもあわせて相談します。
Q3. 現地パートナーへの依頼は、いつから始めればよいですか?
会社の設立を決めた時点で、会計・税務の専門家に相談を始めます。法人の形や設立する州によって、設立後の税務申告の内容が変わるためです。市場調査は進出を決める前、人事・労務の専門家は現地で人を雇う予定が決まった時点から相談します。
Q4. 現地パートナーを紹介してもらえるサービスはありますか?
Digima〜出島〜に無料で相談できます。Digima〜出島〜は株式会社Resorzが運営する海外ビジネス支援プラットフォームです。専門コンシェルジュが任せたい実務と進出の時期をうかがい、130カ国に対応する登録サポート企業5,000社の中から、条件に合う支援企業を3〜5社に絞って紹介します。紹介企業と契約する義務はありません。
10. アメリカ進出の実務の相談はDigima〜出島〜へ
アメリカ進出は、時期ごとに必要な専門家を見極め、いま頼るべき現地パートナーを選べるかで、準備の進み方が大きく変わります。Digima〜出島〜では、市場調査、会計・税務、法務、人事・労務に加えて、販路開拓や物流など、進出の時期に合った支援企業を紹介しています。
アメリカに会社を設立したいが何から頼めばよいか分からない、設立後の税務や現地での採用を任せられる会社を探したい、といった段階の相談にも対応します。専門コンシェルジュがいまの進出の時期と任せたい実務をうかがい、合う支援企業を3〜5社に絞ってご紹介します。
▶︎アメリカ進出の時期に合った現地パートナー探しをDigima〜出島〜に相談する
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目的:海外現地で最適なパートナーとの取引を創出する
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↳ 企業リストアップ
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↳ 商談創出・交渉サポート
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目的:海外現地で活動するために必要な土台をつくる
↳ 会社設立(登記・銀行口座)
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