【2022年版】中国のEC化率とEC市場規模

掲載日：2022年09月02日

「Digima〜出島〜」編集部

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中国のEC市場規模は日本の16倍という圧倒的な大きさを誇り、今や中国は世界一のEC大国となっています。当然越境ECの市場規模も大きく、日本からも中国市場に参入している企業は年々増加しています。

今回はそんな中国のEC化率や、中国のEC市場規模について詳しく解説していきます。EC化率とは何か、中国のEC化率を知ることの重要性や市場規模など、今知っておきたい中国のEC動向についてこの機会に理解を深めておきましょう。

本テキストでは、毎年、経産省から「電子商取引に関する市場調査の結果のとりまとめ」として発表されている『令和３年度電子商取引に関する市場調査報告書』のデータを元に、中国のEC化率や中国のEC市場規模について解説していきます。

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6. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

1. EC化率とは

中国のEC化率およびEC市場規模について解説する前に、まずは「EC化率」とは何かについてしっかり理解しておきましょう。

EC化率とは

EC化率とは「電話、FAX、Eメール、相対（対面）等も含めた全ての商取引金額（商取引市場規模）に対するEC市場規模の割合」のことです。この定義は経済産業省によるもので、同省の電子商取引に関する市場調査に記載されています。

この調査ではEC化率の算出対象をBtoC-ECにおいては物販系分野のみとしていますが、これはインターネットを通じた提供を前提としているデジタル系分野や、ファーストフードなどのネット予約ができない分野を除くことで正確なEC化率を算出するためです。

また、BtoB-ECにおいては業種分類上、『その他』以外とされた業種」とされています。

EC化率の計算方法とは

ではEC化率はどのように計算するのでしょうか？

EC取引総額÷全ての商取引総額

EC化率を求める式は上記のようになります。

EC化率とはEC取引総額を全ての商取引総額で割った数値であり、例えばEC化率が低いと、実店舗の取引が盛んな国や地域であることがわかります。日本のEC化は世界的に見ると低いと言われていますが、これはコンビニなど24時間営業の店舗が近くにあるため、ECを活用する必要がない生活環境であることが一因となっています。

2. なぜ中国のEC化率を知ることが重要なのか

中国事業の戦略やプランニングの指標として「中国のEC化率」を知っておくことは重要

前項ではEC化率と計算方法について解説しました。では、なぜ今、中国のEC化率について知ることが必要なのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックの影響によって、世界中の人々が巣ごもり生活をせざるを得なくなったのは記憶に新しいところです。その中でECの需要は一気に増え、EC化率は世界的に増加することとなりました。

今後の中国EC市場を見極めるためにはEC化率を知ることが必要不可欠であり、EC化率を知ることは中国で事業を展開する際の戦略にも非常に役立つことなのです。

【2022年版】世界の「EC化率」と「EC市場規模」をわかりやすく解説

3. 中国のEC化率とEC市場規模

ここまで、EC化率とは何か、なぜ知る必要があるのかについて解説してきました。この項では中国のEC化率と市場規模について理解を深めておきましょう。

世界のBtoC-EC市場規模は2020年では4.28兆USドルであり、同年のEC化率は18.0%となっています。世界の市場規模のうち、もっとも多くを占めるのが中国なのです。

中国のEC化率

気になる中国のBtoCにおけるEC化率は、経済産業省のレポートによれば2020年時点で44.0％。

経産省の調査では2019年の中国のEC化率は36.6％となっているのに対して、野村総合研究所が天猫傘下の研究機関と共同で行った調査においては2018年のEC化率が18.4％となっており、調査によっては数値が異なることもあるようですが、日本のEC化率が8％程度であることと比べると、どちらにせよ中国は日本よりもかなりECが盛んな国であることがわかります。

前述したように日本にはコンビニなど24時間買い物できる環境が整っているためにEC化率が低くなるという要因もあるため、数値が高いから優れている、低いから劣っているということではありません。

EC化率は国やその文化、さまざまな背景によって変わる数値であると認識しておくとよいでしょう。

中国のEC市場規模

経済産業省の調査によると、中国のEC市場規模は2020年には2兆2,970億USドルとなっており、世界一の市場規模です。これは2位のアメリカの３倍近く、3位のイギリスの12倍以上という圧倒的な規模であり、しばらくは中国の圧倒的1位が揺らぐことはなさそうです。

※画像出典元：
「令和３年度電子商取引に関する市場調査報告書」（経済産業省）

中国越境EC市場に参入するための「6つの方法」

4. 中国の越境EC市場規模

2021年の中国越境EC市場規模は1,773億USドル

前項では中国の強大なEC市場規模について解説しました。中国市場に参入することを考えるなら、中国の越境ECについても知っておきたいですね。まずは中国の越境EC市場規模について確認しておきましょう。

経済産業省の調査によると、2021年の中国における越境EC市場規模は1,773億USドルとなっています。これは2020年と比べて17.4％増えた数値で、2023年には中国の越境EC市場規模は2,209億USドルになると予測されています。

※画像出典元：
「令和３年度電子商取引に関する市場調査報告書」（経済産業省）

越境ECとは？オススメ「海外EC 10サイト」を徹底比較！【2023年版】

「越境EC」とは何か？日本企業が出店・出品しやすい世界で人気の「海外の越境ECサイト」とは？それらの「市場規模」は？ …本稿では基本的な解説に加えて、2023年版の「海外で人気の越境EC 10サイト」を徹底比較！それぞれの越境ECサイトを利用するメリットや、それらの市場規模についても詳しく解説します。海外における代表的な越境ECサイトとしては、アメリカの「Amazon」や中国の「天猫商城」などが挙げられますが、当然このような越境ECサイトは、北米や中国はもちろん、東南アジアの新興国でも日常生活の買い物手段として普及しています。新型コロナ感染拡大を背景に、世界的に〝巣ごもり消費〟が拡大した背景もあり、世界中でオンラインショッピングが定着しています。その結果、全ての日本企業にとって「越境EC」事業という海外ビジネスがより身近になっています。今回は中国、アメリカ、インド、台湾、韓国、タイ、シンガポール、香港の人気ECサイトをご紹介。各国の人気ECサイト情報に加えて、「越境EC市場の最新傾向」「越境ECサイトの種類」「EC物流」についても解説します。

5. 中国の越境ECを知るための3つのポイント

ここまで中国のEC化率や市場規模について解説してきました。中国が世界一のEC大国であることがおわかりいただけたでしょうか。

この項では、中国の越境ECを知るためにおさえておきたい3つのポイントを解説していきます。

ポイント① 中国における越境ECサイトのシェア率

中国のECサイトといえば天猫（Tmall）が有名ですが、越境ECサイトのシェア率1位もやはり天猫（Tmall）です。

＜中国における越境ECサイトのシェア率ランキング＞

1位：天猫（Tmall）36.8％
2位：網易考拉（Kaola.com）27.4％
3位：京東（JD.com）13.9%
4位：唯品会（vip.com）8.3%
5位：Amazon 4.3％

上記の企業のうち、Amazon以外は全て中国の企業です。4位までのシェアを足し込むと86.4％となり、上位４社だけで越境ECサイトのシェア率8割以上を占めています。

※画像出典元：
「令和３年度電子商取引に関する市場調査報告書」（経済産業省）

ポイント② 中国越境ECユーザーの年齢層

中国において、越境ECを利用するユーザーの年齢層についても見ておきましょう。

中国越境ECユーザーでもっとも多いのが25歳から34歳であり、34％が越境ECを利用しています。次に多いのが35歳から44歳で21％、45歳から54歳の17％と続きます。

中国のインターネット普及率は2021年時点で71.6％となっており、モバイルユーザーが多いのが特徴です。スマホ慣れしているデジタルネイティブ世代が越境ECを多く利用していると考えられます。

65歳以上の利用者はほぼいない、という結果が出ていますが、実態は少し異なります。65歳以上の消費者が越境ECを利用したい時、家族や知人友人に代行しているというデータもあるため、年配のユーザーは越境ECを間接的に利用しているようです。

※画像出典元：
「令和３年度電子商取引に関する市場調査報告書」（経済産業省）

ポイント③ 中国越境ECユーザーの決済方法

中国の越境ECユーザーが利用する決済方法としては、アリババグループが提供するキャッシュレスサービスアリペイ（ALIPAY）とクレジットカードが一般的であり、利用者の43％がALIPAY、42％がクレジットカードを利用しています。

次に多いのは中国銀聯で37%となっています。この調査は複数回答となっており、多くのユーザーが複数の決済方法を利用していることがわかります。

※画像出典元：
「令和３年度電子商取引に関する市場調査報告書」（経済産業省）

6. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

御社にピッタリの中国進出サポート企業をご紹介します

世界一のEC大国である中国は、日本企業の進出先としても根強い人気の国です。越境ECは現地に拠点を置かずとも海外市場に参入できるため、利用する企業も年々増加傾向にあります。

中国に限らず、海外へ展開する際には綿密な情報収集が必要不可欠です。商品や市場に関する調査はもちろん、EC化率から今後の市場展開を予測して戦略を立てることも重要です。

市場予測や情報収集は無理に自社で行おうとせず、早い段階で現地事情に詳しいプロに相談するのが成功の秘訣です。特に中国でのビジネスは商習慣や文化の違いだけでなく頻繁に行われる法改正についても知識が必要であるため、専門家の手を借りるとよりスムーズに進めることができます。

専門コンシェルジュへの無料相談サービスでは、中国をはじめとした海外進出に関するお悩みやご質問、さまざまなお困りごとについてお聞きし、ぴったりの専門家をご紹介します。お気軽にご相談ください。

『Digima〜出島〜』には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。

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（参照文献）
・「令和３年度電子商取引に関する市場調査報告書」（経済産業省）

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