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ユーザー数6億人以上!世界最大のSNS「Wechat」の海外ビジネス活用法

掲載日:2018年02月05日

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スマートフォンを利用している中国人の多くは、「微信(Wechat)」というSNSを利用しています。現在では、中国だけでなく、全世界で6億人以上が利用しているとされています。本稿では、このWechatに焦点をあて、中国のスマホ事情やWechatの決済サービス、そしてWechatのビジネス活用法について見ていきます。

インターネットが著しく普及している中国。現在中国では、ネットユーザーが7億5400万人おり、全世界の利用者の5分の1が中国人ユーザーです。また、ほとんどのユーザーは携帯電話からインターネットにアクセスしています。その中でもスマートフォンの普及率は非常に高く、2016年度の北京では、全体の98%がスマートフォンを利用していることが分かっています(東京は、87%の利用率となっています)。そのような中国で、最も使用されているSNSのひとつが「Wechat」です。

   

1.「微信(Wechat)」とは?

全世界利用者6億人、「Wechat」とは?

「Wechat」について簡単に紹介します。Wechatは、SNSであり、社会インフラのような機能も果たしています。Wechatでは、メッセージの送信だけでなく、商品の購入、タクシーの手配や後述するモバイル決済、そして出会い系のような機能も備えています。最近では、試験的に身分証明書の発行もできるようになっていきています。LINEも似たようなサービスを追加してきていますが、すでにWechatは、中国では「生活必需品」になっています。

世界五大企業に仲間入りした運営会社「テンセント」

そのようなWechatの運営会社はどのような企業なのでしょうか。Wechatは、中国最大手IT企業の一つ、「(テンセント)」が運営しています。現在、アジアの企業で最も時価総額が高い企業として数えられ、2017年11月、2018年1月には一時、「Facebook」の時価総額を上回り、11月では約58兆7,700億円、1月では、約5,400億ドルの時価を付けました。また、Facebookを抜いた際には、世界五大企業(Apple, Alphabet, Microsoft, Amazonに次ぐ)として仲間入りを果たしました。

2.中国のモバイル決済における「Wechat」

キャッシュレス化が進む中国

中国では、あらゆるシーンでネットが活用されています。特に顕著なのは、モバイル決済です。日本銀行のレポートによると、都市部に住む中国人を対象にした調査では、約98%が過去3カ月でモバイル決済をしたという結果が出ています(日本は6%)。中国では、使用されているモバイル決済アプリは、主に2つあり、「Alipay(支付宝)」と「WeChat Pay(微信支付)」が挙げられます。前者は、ECモールの「天猫(T-mall)」を運営する阿里巴巴(アリババ)集団が提供しており、後者はテンセントが提供しています。

 

決済は、非常に簡単で、店に用意されている専用のQRコードを読み取るだけで決済が可能です。このような利便性から、多くのユーザーを獲得しています。

 

また最近では、「Wechat Pay」が国外のクレジットカードにも対応するようになったため、中国人のユーザーだけでなく、全世界のユーザーが利用できるような環境を整えつつあります。

 

年々観光客が増加している日本でも、訪日観光客に対応するため、ホテルやショッピングモール等で利用できるようになってきています。

3.企業はどのようにWechatを活用しているか

中国企業と日本企業では活用方法が異なる

 

そのような利便性のあるWechatですが、企業は、どのようにWechatでビジネスに生かしているのでしょうか。ビジネス活用法について、中華圏向けコンテンツ作成やデジタル広告配信を行っているノーツ株式会社代表取締役の近藤岳裕氏にお話をうかがいました。その中で、中国企業と日本企業ではWechatの活用法が異なっていることがわかりました。

■ 中国企業の活用法について

「現地企業では、Wechatの網羅的な機能をうまく活用しています。例えば、微信支付(Wechatpay)利用者を自社アカウントのフォロワーにしたり、自社のサービス利用者をWechat上に作ったグループチャットに招待し、そこでコミュニケーションを取ったり、宣伝活動をするなど。また最近ではミニアプリというWechat上で動くアプリ配信サービスもあり、自社アプリの配信をWechat上で行いサービス提供する企業も増えています。決済やECとの連携もそうですが、企業のコミュニケーション活動だけでなく、自社サービスの活動そのものもがWechat上で完結できる、そんな利用方法も今後は増えていくと思われます。」



■ 日系企業の活用法について

「現地法人を作って進出している企業を除き日本国内を拠点にしている企業では主にインバウンド関連の企業の利用が多い印象です。流通業界・ホテル・遊園地・旅行関連などが挙げられます。利用目的は、情報配信が主であり、キャンペーンの案内や新商品の告知、来日時に利用できるクーポンの配布などが多いです。最近では私立学校や専門学校のような学校法人も留学生誘致の為に、Wechatを利用している例もあります。」



■ 日系企業における現状の課題

「今後、日本企業としても中国企業のようにWechatを活用した展開を行っていく可能性もありますが、現状では3つの問題があります。

 

1点目は、日本企業が現地企業のようなWechatを活用した展開をしていくには現地の状況やWechatの活用に詳しい代理店や運用委託先を探す必要があり、実際の運用委託も含めるとコストが結構かかります。

 

2点目はWechat自体の利用が日本国内では多くないため、利用したい企業側で具体的な利用イメージが持ちづらい、というのがあります。そのため、代理店や運用委託を行う会社からの提案に対して、それが自社サービスのメリットになるのかどうかジャッジがしずらい、という点があります。

 

3点目はレッドオーシャンである、という点です。非常に大きな市場である中国の中で、中国人の生活に一番広く深く浸透しているサービス・アプリですので、中国企業はもちろん、世界中から大小様々な企業がアカウントを作り日常的にたくさんの情報配信や広告、サービス提供を行っています。

 

その中で如何に興味を持ってもらうような有益な情報を提供できるか、コミュニケーションができるか、というのはどんどん難しくなってきています。フォローはしているが、企業からの情報はほとんど見ずに、友人・知人とのコミュニケーション、決済、特定サービス利用のみ、という人も多いため、アカウントを作って情報配信すれば売れる、人気が出るということは決してありません。」

 

近藤氏のコメントの通り、現在、Wechatの企業アカウントは飽和状態となっており、その中でユーザーに対して効果的にアプローチすることが難しいことがわかります。費用対効果を考えると日系企業が中国企業のように網羅的にWechatを活用するには、まだ時間がかかるかもしれません。

4.まとめ

7億人以上いるとされる中国のネットユーザーですが、まだユーザー数が拡大する可能性は大いにあります。そのようなユーザーに対して、どのようにアプローチをしていくかが重要になってきます。現在、Wechatを運営している日系企業は情報配信だけで、ブランディングに力を入れていますが、今後は、越境ECに出店している企業では、そこで販売している商品を実際に購入してもらえるようなアプローチも考えることができます。また、中国人ユーザーだけでなく、他のユーザーにも適切にコミュニケーションがとれるようなマーケティングも考える必要もあります。
 

(参考)Wechatの登録の仕方

登録は簡単

最後に、Wechatの登録方法について見ていきます。登録方法は以下の通りです。

 

1.App storeまたはGoogle playよりWechatをインストール。

2.Wechatを開き、言語を選択し電話番号を入力(日本の電話番号は、+81に最初の0を取った番号)。

3.名前、IDを入力。

4.SMSを送信し、受信したコードを入力。

5.Wechatからのメッセージ受信画面が表示される(登録完了)。

 

登録は、非常に簡単なため、始めようと考えている方は、是非インストールしてみてください。

(参考文献)
・Bloomberg「中国テンセント、時価総額でフェイスブック抜く-世界5大企業入り」https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-21/OZRZVD6TTDS101
・人民網日本版「中国ネットユーザー7.51億人に 普及率54%」http://j.people.com.cn/n3/2017/0805/c94475-9251492.html
・Wedge Infinity「中国でキャッシュレス化が爆発的に進んだワケ」http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10450?page=2
・President Online「スマホ決済”日本6%中国98%”格差の理由」http://president.jp/articles/-/22419/
・日本銀行「モバイル決済の現状と課題」http://www.boj.or.jp/research/brp/psr/data/psrb170620a.pdf

(取材協力)
ノーツ株式会社代表取締役 近藤岳裕氏
会社情報:https://www.digima-japan.com/company/notes

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