ポッドキャスト・マーケティングでアメリカ進出を成功させる方法

アメリカでは、企業が差別化を図り顧客とのエンゲージメントを強化するための手段として、音声配信サービス「ポッドキャスト(Podcast)」に注目が集まっています。
ポッドキャストは単なるエンターテインメントとしてだけでなく、効果的なマーケティングツールとしても利用され始めています。ポッドキャストの特徴やリスナーを理解し、上手く活用することで、アメリカで効果的なコンテンツマーケティングが可能になるでしょう。
本記事では、アメリカにおけるポッドキャストの活用手順やプロモーション施策、さらに今すぐポッドキャストをコンテンツマーケティングに活用できる方法まで詳しく解説します。企業がポッドキャストをどのようにマーケティングで活用し成功を収めるか、その秘訣に迫ります。
▼ ポッドキャスト・マーケティングでアメリカ進出を成功させる方法
1. なぜアメリカでポッドキャストマーケティングが人気なのか?
アメリカでポッドキャストが人気となっている理由の一つは、車社会にあります。一部の州や地域を除き、一人一台の車が必要です。そのため、免許を取得できる年齢になると多くの人が免許を取得し、高校生でも車で通学を始めています。
車での通学や通勤中は、本を読んだり新聞を読んだり、スマートフォンをチェックすることができません。その代わりに、ラジオや音楽、オーディオブックなどがエンターテインメントとして利用されてきました。ポッドキャストは、こうした運転時間に耳だけで楽しめるコンテンツとして急速に人気を博しました。
さらに、アメリカのポッドキャスト業界からはインフルエンサーも誕生しています。人気のあるポッドキャスター(Podcaster)は、商品開発やブランドの立ち上げ、有名ブランドのショーや人気スポーツの観戦など、これまでセレブリティーの特権とされていたイベントにも参加するようになりました。これにより、若い世代から憧れの存在となるポッドキャスターが続々と登場しています。
1-1. ポッドキャストとは?
ポッドキャストは、音声配信サービスであり、誰でもラジオのような音声番組をオンラインで配信できるプラットフォームです。その名前は2005年にAppleの「iPod」と「Broadcast」を掛け合わせて生まれました。当初はiTunesの一部機能として提供されていましたが、2018年に独立したアプリとなり、現在のサービスが開始されました。
1-2. ポッドキャストなら他のマーケティングと差別化ができる
アメリカのマーケティング活動には、SNSの活用が有効とされています。Instagram、TikTok、YouTube、X(旧Twitter)などを利用して自社の商品やサービスを宣伝する企業が多く、費用対効果も良いため、積極的に取り入れたい手法です。
しかし、多くの企業がSNSマーケティングを活用する一方で、消費者は日々大量のマーケティングコンテンツに触れることで興味が薄れたり、マーケティング目的のコンテンツであると気づいて無視するようになっています。
そこで最近注目されているのが、ポッドキャストを活用したマーケティング戦略です。ポッドキャストは、リスナーとの深い関係を築きやすく、独自のコンテンツを提供することで他のマーケティング手法との差別化を図ることができるでしょう。
2. ポッドキャストの基礎知識
ポッドキャストとは、アプリを通して配信されている音声コンテンツです。配信ジャンルは様々で、ニュースや教育、言語学習、時事ネタなどから、コメディーや雑談、ニッチなジャンルの深掘りなど多岐にわたる番組が存在しています。
世界中どこからでも聞くことができ、さらに誰でも配信することが可能となります。
2-1. アメリカで大流行しているポッドキャストの実態とは?
日本ではまだ認識が広がりつつありますが、アメリカではポッドキャストはすでに大流行しています。日本でいうInstagramやTikTok、YouTubeと同じくらい広く認知されています。
Statista社のデータによれば、2022年にはアメリカの成人の80%がポッドキャストを認識しており、2023年には約7,000万人が利用しています。この数はさらに増加し、2029年までに1億1,000万人を超えるリスナーに達すると予測されています。
ポッドキャストはもはやニッチなメディアとは言えません。この予想が現実になれば、日本の総人口とほぼ同じ数のリスナーに向けてマーケティングを行うことが可能となるでしょう。
引用:U.S. Podcasting Industry - statistics & facts(Statista)
出典: 人口推計(2023年(令和5年)12月確定値、2024年(令和6年)5月概算値)(2024年5月20日公表)(総務省統計局)
2-2. アメリカ市場におけるポッドキャストの利用実態
アメリカでポッドキャストを認識しているユーザーは非常に多く、実際に利用しているユーザーも全体の62%に及びます。今後も成長が見込まれるこの業界には、さまざまな企業が進出しています。進出方法としては、企業がポッドキャスト番組を作成する方法や、ポッドキャスト中に差し込まれる音声広告の活用、既存のポッドキャスト番組とのコラボやスポンサー提供などがあります。
音声広告を活用することで、人気の番組やターゲット層が聴いている番組で広告を流し、多くのリスナーから注目を集めることが可能です。また、自社に合う既存番組とコラボして商品やサービスを紹介してもらったり、番組のスポンサーとしてブランドを紹介する方法も有効です。
3. ポッドキャストを活用する4ステップ
音声メディアの特性を活かし、ターゲット層に直接アプローチできるポッドキャストは、他のマーケティング手法と比べても高い可能性を持っているでしょう。ポッドキャストを活用することで、ブランドの認知度を高め、顧客との深い関係を築くことができます。
今回は、ポッドキャストを効果的に活用するための4ステップについて詳しく説明します。
【ステップ1】概要欄を作成する
はじめにリスナーの利便性を向上させるために、ポッドキャスト番組の各エピソードに概要欄を作成しましょう。
概要欄には、自社商品やサービスの有用性を伝える見出しや文言を含める必要があります。また、リスナーにエピソードの簡単な要約を提供し、重要なポイントを強調しましょう。さらに、すでに公開されているエピソードのURLを内部リンクとして概要欄に追加すると、より効果的です。
【ステップ2】複数のエピソードを用意する
複数のエピソードがあることで、リスナーの興味を引き続けられます。関連性があり魅力的なポッドキャストエピソードは、リスナーにおすすめされやすいためです。
しかし、おすすめされたエピソードが面白くても、自社のポッドキャスト番組内にエピソードがひとつしかない場合、リスナーが番組をフォローしたりリピートする可能性は低くなります。
リスナーからの否定的なコメントやネガティブなレビューを避けるためにも、3〜5つのエピソードを事前に準備しておくことが望ましいでしょう。
【ステップ3】インフルエンサーを起用する
インフルエンサーは特定の分野で高度な専門知識を持ち、すでに熱狂的なファンを獲得しています。インフルエンサーが自社商品やサービス、ブランドに共感してくれた場合、彼らの専門性やファンがポッドキャストを盛り上げてくれるでしょう。
特に、ポッドキャストのトピックに関連するインフルエンサーの場合、親和性が高くなり、ポッドキャストのフォロワー増加や商品の販売促進に繋げることが可能です。
【ステップ4】有料のWeb広告を出稿する
Webサイトへのトラフィックを誘導するには、有料のWeb広告が必要不可欠です。有料Web広告は、SNSプラットフォームや検索エンジンの検索結果に掲載されます。
ユーザーがSNSや検索エンジンでWeb広告からポッドキャストを発見した場合、新規リスナーとなる可能性が高めてくれるでしょう。
出典:Podcast Marketing Get to know 13 reasons to use a podcast(Send Pluse)
4. ポッドキャストのリスナーを増やすプロモーション施策【3選】
ポッドキャストを成功させるためには、質の高いコンテンツを提供するだけでなく、効果的なプロモーション施策も必要です。
今回は、ポッドキャストのリスナーを増やすための具体的なプロモーション施策を3つご紹介します。
ポッドキャストの認知度を高め、より多くのリスナーを獲得することができるでしょう。
【施策1】メールマーケティングを活用する
顧客にポッドキャストのリスナーになってもらうために、保有しているEメールリストにニュースレターを送信しましょう。リスナーになりそうな顧客を設定している場合、そのセグメントに向けたニュースレターを送るのも有効です。
エピソードが更新されるたびにニュースレターで告知することで、番組のリピート視聴やフォローに繋げることができます。メールマーケティングはポッドキャストのプロモーションとして非常に効果的な手法です。
【施策2】SNSを活用する
Instagram、TikTok、Facebook、X(旧Twitter)などは、新規リスナーにリーチするのに最適なSNSプラットフォームです。
各SNSプラットフォームの特徴に合わせたポッドキャストに関するコンテンツを作成し、投稿しましょう。SNSユーザーは新しいコンテンツに興味を示す傾向があるため、注目されているポッドキャストには特に興味を持ちやすいです。
さらに、プロモーション活動に十分なリソースがある場合、SNS広告の活用も検討してみてください。SNS広告を利用することで、ターゲットグループに効果的にリーチし、より多くのユーザーにポッドキャスト番組をプロモーションすることができます。
【施策3】Giveaway(プレゼント)キャンペーン
Giveaway(プレゼント)キャンペーンは、リスナーを急速に増やすことに効果的です。
リスナーが興味を持つ商品やサービス、ブランドの売れ筋商品などを無料で提供することで、キャンペーン応募者はポッドキャストを視聴し、UGCも期待することができるでしょう。
新規リスナーが興味を示すGiveaway(プレゼント)キャンペーンにするため、ポッドキャストのコンテンツに関連した、魅力的で利便性のある商品やサービスを提供する必要があります。
さらにGiveaway(プレゼント)キャンペーンの参加方法には家族や友人、同僚や知人などにポッドキャスト番組の共有を条件とすると良いでしょう。
たとえば、Instagramを利用したGiveaway(プレゼント)キャンペーンの場合、公式アカウントのフォロー後、コメント欄におすすめしたいフォロワーを2名タグ付けすると応募完了といった条件にすると多くの潜在的なリスナーへリーチすることが可能となります。
出典:Podcast Marketing Get to know 13 reasons to use a podcast(Send Pluse)
5. アメリカでのポッドキャスト活用なら「オンラインアシスタント/Emily.」にお任せください
アメリカで話題のポッドキャストをコンテンツマーケティングとして活用する方法をご紹介しました。これらの作業は英語で行う必要があり、アメリカ市場やトレンドを把握することもポイントになるでしょう。
現地で働く人材やパートナーがいない場合、これらの業務は非常に難しくなります。しかし、そのような場合は現地のオンラインアシスタントを活用するのがおすすめです。
「オンラインアシスタント/Emily.」では、アメリカ在住の日米バイリンガルのアシスタントが、貴社のアメリカ進出ををしっかりサポートします。日常的なノンコア業務から専門的な業務まで、マニュアル化できる作業は幅広く対応可能です。
アメリカ現地のアシスタントは、日本企業での勤務経験も豊富で、日本の社会についても深く理解しています。そのため、日本企業とのスムーズなコミュニケーションを提供できます。
アメリカのポッドキャスト業界やコンテンツマーケティング、SNSマーケティングにご興味のある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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