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海外進出ではまず何をすればいいのか? | 『海外進出白書(2018-2019年版)』より

掲載日:2019年07月02日

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日本企業2,776社の海外進出動向についてまとめた『海外進出白書2018-2019年度版』より、【2018年度・海外進出企業の実態調査】を発表します!

自社の商品・サービスを海外展開するにあたって、他の海外進出をしている日系企業の状況を知ることは、今後の海外進出戦略および事業計画を策定するにあたっての、もっとも有益な情報収集のひとつです。

今回のテキストでは、「海外進出を検討している企業の担当者」に実施したアンケートをもとに、海外進出企業の実態を浮き彫りにしていきます!

1. 海外進出企業の実態調査

進出先の選定理由やプロセス、体制、予算は?

『Digima〜出島〜 海外進出白書 2018-2019年版』第2部では、「海外進出を検討している企業の担当者」へアンケートを実施、海外進出企業の実態を浮き彫りにしていきます。

第2部最初の質問は、「進出先の国を決めた理由」です。日本企業は進出先の国に何を求めて、海外進出を検討しているのでしょうか? まずは下記のグラフを御覧ください。

<進出先の国を決めた理由は?>
白書_02_01 (1)

最も多かった回答は、昨年同様「市場規模の大きさ」で、6割近くを占めています。また、大きな変化があった項目は、「人件費の安さ」で、34%から22%と減少しました。それぞれ、簡単に考察していきます。

「海外進出白書」では、2015年版から、海外進出のニーズの変化を捉えてきました。「生産拠点」としての進出から、「販路拡大先」としての進出という変化です。この変化はもはや決定的で、多くの企業が海外の市場開拓を意識しています。

そうした「販路拡大」を考える際には、市場規模や市場の成長性といったことが重要なファクターとなります。市場規模の小さなところや成長性の低い市場では、成功しても事業としてのインパクトが小さくなってしまいますし、小さな市場規模を奪い合うことになり、成功そのものが難しくなるからです。

もちろん、どれくらいの規模を大きいと見なすかは業種によって様々でしょう。一般的に、一人あたりのGDPが3,000ドルを超えると購買力があるとされていますが、自社製品・サービスの顧客層を元に市場調査などを行い判断する企業が多いようです。

第1部の進出先国ランキングで、毎年中国・アメリカという市場規模の大きな国が上位となることからも、多くの企業がその国の「市場」を見て進出を決めていることが伺えます。2015年から続く、「海外進出=販路拡大」という傾向は、今後も続いていくでしょう。

また、第1部でも取り上げましたが、インバウンド客に触れることで自社製品やサービスなどへのニーズを目の当たりにし、海外市場に大きな可能性と重要性を見出す企業も少なくないようで す。

世界各国の賃金が上昇中

さて、次に「人件費の安さ」が減少した理由ですが、こちらは単純に各国の賃金が上昇していることが挙げられます。

<世界の賃金上昇率>
白書_02_02 (1)
出展:2016年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査 『8.賃金(1) 前年比昇給率』

現在、各国の賃金上昇の幅には差があり、いくつかのブロックに分かれます。3%前後の上昇率のブロックが、香港や台湾、シンガポール、韓国です。4~6%程度のブロックが、タイ、マレーシア、フィリピン、中国といった国々です。

そして、カンボジアやベトナム、インドネシア、バングラデシュ、ミャンマーなどは8~10%のブロックです。人件費が安い国の上昇率が高いのは一目瞭然で、こうした上昇率を見ると、長期的に「人件費の安さ」による進出メリットが薄れていくことは明らかです。そのため、今後も「人件費の安さ」を理由とした進出は減っていくでしょう。

もちろん、国際競争力が求められる時代に置いて、「人材」は重要な経営資源です。賃金の上昇は、多くの企業にとって人材が確保しにくくなっていくことを示唆しています。そうした中、「海外人材の活用」は依然として広がっていくでしょう。つまり、コスト削減ではなく、リソース確保としての海外人材の活用が主流となっていくのです。

また、昨年より「その他」の回答の割合が増加しました(9.3%→14.6%)。内容を詳しく見てみると「市場の成長性」という回答が多く、「市場規模の大きさ」に通づるものでした。その他、「人脈がある」「政府機関プロジェクト(ODA)が多いから」といった回答があり、そのきっかけは多様化していっているようです。

日本企業の課題として「国内市場規模の縮小」「国内人材のコスト高騰」「取引先からの要請」が改めて浮き彫りになりました。今後の日本企業の戦略としては、上記3つの課題にどう取り組んでいくかが大きなカギとなってくるでしょう。その解決策の大きな助けとなるのが「海外進出」と言えます。

2. 海外進出ではまず何をすればいいのか?

もっとも多かった回答が「現地視察」で全体の64%

<海外進出を行う上でまず何をしましたか?(複数回答可)>
白書_02_03 (1)

もっとも多かった回答は「現地視察」で、実に64.6%の企業が選択しました。また、「インターネット・書籍による情報収集」という項目も60%以上の企業が選択しています。そして、「セミナーへの参加」が続き、調査や相談、実務などの項目が続いていきます。

「現地視察」の割合が高い背景には、航空券の容易かつ安価な取得が可能になってきたこと、そしてアテンドサービスの充実などから、海外現地視察のコストが低減傾向にあることも挙げられるでしょう。しかし、なん といっても海外ビジネスにおける「現地視察」の重要性の高さを示していると言えます。

国内でのセミナーや専門家への相談、インターネットでの情報検索や、市場調査の結果だけでは得られない「生の情報」を現地視察では得ることが可能です。また、足を運んだことにより「生きた人脈」を得られることも重要なポイントです。以上のことから、進出検討段階において「現地視察」は必須のプロセスと言えるでしょう。ただし、「生の情報」や「生きた人脈」を得るためにはノウハウが必要です。

例えば、「生の情報」でいえば、デスクリサーチなどでは得ることのできない、実際のスーパーマーケットや小規模店舗での商品の取り扱われ方の違いなどが挙げられます。そうした点を見極めるためには、現地の専門家の助けが必要でしょう。漫然と現地に赴き、市場を眺めるだけでは得られない情報を得るため、専門家のサポートを求める企業も増えています。そのため、「Digima~出島~」でも視察アレンジサービスとして、そうした専門家の知見を活用しながらオリジナル視察ツアーを企画するサービスを提供しています。

「海外の展示会・見本市」への参加も有効な施策

また、「展示会への参加」も有効なようです。海外進出を検討する際には、自社の製品・サービスのニーズを把握することは不可欠です。そのための市場調査や相談、そして海外視察があると思いますが、4分の1以上の企業は、「展示会への参加」によって、そうしたニーズを把握・創出しようとしているようです。

というのも、「展示会や見本市への出展」は、限られた時間やコストの中で海外進出をするために、大変有効な方法であると言えます。国内の展示会や見本市と同様に、海外の展示会や見本市も、業種ごとに分かれており、同業者が集まって展示を行います。来場者は一般消費者ではなく、その業界のバイヤーであることが多いでしょう。

また、展示会/見本市では、当然のことながら現地の企業や、別の国の企業も出展しています。現地市場の縮図になっているため、他社のブースを見ることによって、その国の市場を掴むことにも役立つのです。



もうひとつ注目したいのが、2割以上の企業が「現地人材の採用(現地人)」を行っていることです。

ビジネスの成否を決めるのは「ヒト」です。そうした中で、進出先に親しみがあり、機微に敏い現地人材を初期の段階から活用していくことには大きなメリットがあります。こちらも実際に現地で雇用し、現地スタッフとして活用することはもちろん、日本国内で雇用し、海外事業の中核を担うスタッフとして活躍してもらうというケースも増えています。まだまだ割合は少ないですが、海外進出を検討する企業には強くおすすめをしたい手法と言えます。

その他、初期段階で現地拠点を設立している会社もいたり、現地WEBサイトの制作や日本人従業員の教育・グローバル人材の採用を始めている会社もいます。自社の海外進出事業の進捗具合と照らし合わせ、参考にしてみてください。

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「Digima~出島~」では、毎年サービスに寄せられる進出相談と、海外進出企業ならびに、海外進出支援企業を対象に実施したアンケートをもとに、『海外進出白書』として、前年度の傾向と今後の予測を立てたレポートを作成しております。

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この記事を書いた人

鷲澤 圭

鷲澤 圭

株式会社Resorz

大手出版社での書籍編集者を経て、2012年株式会社Resorzに入社。企画営業、メディア運営業務に従事する。2015年、「Digima〜出島〜」編集長に就任。

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