【2026年最新】食品輸入の手続きと流れ|食品衛生法・検疫・通関の全ステップを解説
海外から日本に食品を輸入するには、食品衛生法に基づく厚生労働省(検疫所)への届出・審査を経た上で、税関での通関手続きを完了する必要があります。食品は人の口に入るものであることから、日本の輸入規制は他の商品と比べても特に厳格です。残留農薬・添加物・成分規格・製造基準など、クリアすべき要件が多岐にわたります。
規制を知らずに輸入を試みると、検疫所での検査で引っかかって貨物が保留される、最悪の場合は廃棄・積み戻しを命じられるなどのリスクがあります。さらに繰り返し違反が生じた品目・製造者は「命令検査」の対象となり、以降の全ロットに対して日本側が費用負担する検査が義務付けられます。これは輸入ビジネスに深刻なコスト負担をもたらします。
本記事では、食品輸入の全体像を「輸入届出→検疫→通関」の3ステップで整理し、各段階での具体的な手続き・必要書類・よくある落とし穴をわかりやすく解説します。初めて食品輸入に取り組む方にとっての入門ガイドとして、また既に輸入している方の手続き確認としてご活用ください。
この記事でわかること
- ・食品輸入の全体フロー(届出→検疫→通関の3ステップ)
- ・食品衛生法に基づく輸入届出の手順と必要書類
- ・検疫所での審査・検査の種類と対応方法
- ・残留農薬・食品添加物の規制と事前確認の方法
- ・食品輸入でよくある失敗とその回避策
▼【2026年最新】食品輸入の手続きと流れ|食品衛生法・検疫・通関の全ステップを解説
1. 食品輸入の全体フロー
食品輸入の3ステップ概要
日本へ食品を輸入する際の基本的な流れは大きく3つのフェーズに分けられます。第1フェーズは「輸入前の準備と届出」で、製品情報の収集・成分確認・届出書類の作成・FAMSSへのオンライン届出を行います。第2フェーズは「検疫所による審査・検査」で、書類審査を中心に、必要に応じてサンプル検査が実施されます。第3フェーズは「税関での通関」で、検疫所の合格通知を受けた上で関税・消費税の納付と通関申告を行い、貨物を国内に搬入します。この3フェーズが完了して初めて食品を日本国内で販売・流通させることができます。
Digima~出島~には、藻類由来のサプリメントをマレーシアから輸出する事業者からの相談が寄せられることがあります。サプリメント・健康食品の場合、成分によっては医薬品医療機器等法(旧薬事法)の適用可否の判断も必要になることがあり、食品衛生法の枠内で輸入できるのか、特定保健用食品や機能性表示食品の届出が必要かどうかを事前に整理することが重要です。このような多制度が交差するケースでは、専門的な知識を持つ通関業者や薬事コンサルタントへの相談が不可欠です。
関係する法令と主管省庁
食品輸入に関わる主要法令として、まず食品衛生法(主管:厚生労働省)があります。食品の安全性確保を目的として、成分規格・製造基準・添加物・残留農薬等を規制します。次に植物防疫法(主管:農林水産省)で、生鮮野菜・果物・穀類などの植物体に対して病害虫の侵入防止を目的とした検疫を行います。家畜伝染病予防法(主管:農林水産省)は生鮮肉類・乳製品等の動物由来食品に適用されます。関税法(主管:財務省・税関)は税率の適用・関税の徴収・輸入申告手続きを管轄します。これらの法令が食品の種類によって複合的に適用されるため、初回輸入前の法令整理が非常に重要です。
輸入実績・過去の違反履歴の重要性
食品衛生法の運用において、輸入しようとする食品・製造者の過去の違反履歴は重要な判断材料となります。厚生労働省は輸入食品の違反事例をウェブサイトで公表しており、違反が繰り返された品目・製造者には命令検査が課されます。命令検査下にある食品は輸入者が全ロット検査費用を負担した上で合格しないと輸入できないため、輸入交渉の前にサプライヤーの過去の違反状況を確認しておくことが重要なデューデリジェンスの一つです。
2. 食品衛生法に基づく輸入届出の手順
FAMSS(食品等輸入届出システム)の利用
食品等輸入届出は、厚生労働省が提供するFAMSS(Food and Animal Medicine Safety System for Surveillance)を通じてオンラインで提出します。FAMSSには輸入者または通関業者がIDを取得してアクセスし、届出書を作成・送信します。届出の送信後、検疫所の担当者が書類を確認し、問題がなければ「審査終了通知」が届きます。この通知が税関での輸入申告に必要な書類の一つとなります。FAMSSは24時間利用可能ですが、実際の審査は検疫所の業務時間内に行われます。
届出に必要な書類と情報
輸入届出書には製品名(日本語・外国語)・原材料・製造者名・製造国・食品の種類(コード)・輸入数量・製造方法の概要などを記載します。届出と一緒に提出が求められる添付書類として、製品のラベル・成分表・製造工程表・試験成績書(残留農薬・添加物等の検査結果)などがあります。特に初めて輸入する品目の場合は、成分規格への適合を証明する書類を充実させておくことで検疫所からの確認照会を減らし、審査をスムーズに進めることができます。
飲料メーカーが複数国への輸出(またはその逆、複数国からの輸入)を行う場合、各国固有の規制・申請書類・表示基準に個別対応する必要があります。Digima~出島~に寄せられた事例でも、飲料の輸入に際して各国の規制対応で支援が求められるケースがあります。日本への輸入であれば食品衛生法の要件が基準となりますが、ラベル表示(アレルゲン・原材料名・内容量・賞味期限の日本語表記等)についても食品表示法に基づく表示基準を満たす必要があります。
届出のタイミングと事前相談
輸入届出は貨物の到着前に行うことが推奨されており、貨物が検疫所のある港・空港に到着した時点で届出が完了していることが理想的です。ただし検疫所によっては事前相談窓口を設けており、初めて輸入する品目や判断が難しい食品については相談を受け付けています。特に機能性を標榜するサプリメント・健康食品・新しい素材を使った食品などは、食品として輸入できるか否かの事前判断が重要です。不明な場合は最寄りの検疫所や厚生労働省の相談窓口に問い合わせることを強くお勧めします。
3. 検疫所での審査・検査の種類と流れ
書類審査・組織検査・命令検査の違い
検疫所における審査には大きく3つの区分があります。書類審査は提出された届出書と添付書類の内容を確認するだけで合格となるもので、定型的な輸入食品の大部分はこのルートで処理されます。審査終了まで通常1〜3営業日程度かかります。組織検査(モニタリング検査)は輸入食品の安全監視を目的に抜き打ちで実施される検査で、どの輸入者にも対象となる可能性があります。貨物からサンプルが採取されて検査機関で分析されるため、結果が出るまで貨物を保留しなければならない場合があります。
命令検査は、過去に違反実績のある品目・製造者・原産国に対して課される全ロット強制検査です。命令検査の対象に指定された食品は、検疫所に登録された検査機関での試験に合格しなければ輸入できません。検査費用は輸入者が全額負担するため、コスト面での大きな負担となります。命令検査は違反が継続しない限り解除される仕組みになっており、厚生労働省のウェブサイトで対象品目・製造者の一覧が確認できます。
検査にかかる期間とリードタイム管理
書類審査のみで完了する場合は数日以内に審査終了通知が得られますが、組織検査や命令検査が発生した場合はサンプル採取から検査結果が出るまで1〜3週間程度かかることがあります。特に残留農薬の全農薬一斉分析は検査項目が多いため時間がかかります。食品輸入ビジネスでは、このリードタイムを織り込んだ在庫計画・発注計画を立てることが重要です。定温保管が必要な食品や鮮度が命の生鮮食品では、検査期間中の保管コストと品質劣化リスクも考慮する必要があります。
不合格時の対応と廃棄・積み戻し
検査の結果、食品衛生法の基準に不適合と判定された場合、輸入者は当該貨物を廃棄するか積み戻す(輸出国に送り返す)かを選択しなければなりません。廃棄の場合は廃棄費用が輸入者の負担となり、積み戻しの場合は輸送費を再度負担する必要があります。いずれの場合も貨物の代金や輸送コストは回収できないため、規制への適合確認を事前に徹底することが大きなリスク回避策です。特に新規サプライヤーからの初回輸入は、少量でテストインポートを行い規制適合を確認してから本格輸入に移行することを推奨します。
4. 残留農薬・食品添加物の規制と事前確認
ポジティブリスト制度と残留農薬基準
日本では2006年から「ポジティブリスト制度」が施行されており、食品中の残留農薬に関して「基準が設定されていない農薬等については一律基準(0.01ppm)を超えて農薬が残留する食品の流通を原則禁止」としています。これは従来の「規制のある農薬のみ対象」から「全農薬を対象」とする大幅な規制強化です。輸入食品については、日本の残留農薬基準が輸出国よりも厳しいケースが頻繁にあります。輸入交渉の際には、サプライヤーに農薬使用履歴の開示を求め、日本の基準値との照合を行うことが不可欠です。
基準値は作物の種類と農薬の種類の組み合わせで異なります。厚生労働省の「農薬・動物用医薬品の残留基準値の検索システム」では、特定の食品に対する特定農薬の基準値をオンラインで確認できます。万全を期すためには、現地の認証機関や国内の公認検査機関で残留農薬の試験を実施し、全項目が基準値以下であることを証明する試験成績書を取得することをお勧めします。
食品添加物の許可制度
日本の食品添加物規制は「指定制度」を採用しており、使用が認められる添加物は厚生労働省が指定したもの(指定添加物)、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物の4種類に限定されます。海外では普通に使用されている添加物が日本では未指定で使用できないケースが少なくありません。特に欧米で広く使われる保存料・乳化剤・着色料の中には、日本の指定リストに含まれないものが存在します。
加工食品を輸入する際は、原材料リストに記載されている全添加物が日本の許可リストに含まれているかを確認する必要があります。さらに指定添加物であっても、使用量・使用目的・対象食品に関する「使用基準」が定められており、基準を超えた使用は違反となります。たとえばソルビン酸(保存料)は使用できる食品の種類と最大使用量が食品ごとに細かく規定されています。輸入前に製造者から全成分の詳細な規格書を入手し、日本の基準との照合を行う作業が必要です。
生鮮食品・動物由来食品の特別規制
生鮮野菜・果物・穀類の場合、食品衛生法の手続きに加えて植物防疫法に基づく植物検疫が必要です。植物検疫では病害虫の侵入防止を目的とし、検疫有害動植物が発見された場合は消毒処置または廃棄・積み戻しが命じられます。また特定の農産物は輸出国政府が発行する植物検疫証明書の添付が必要です。肉類・乳製品等の動物由来食品は家畜伝染病予防法に基づく動物検疫の対象であり、口蹄疫・BSE等の感染症リスク国からの輸入は厳しく制限または禁止されています。うさぎなど生体動物の輸入の場合、食品衛生法の枠ではなく動物検疫の手続きが中心となることも、Digima~出島~に寄せられた相談から見えてきます。
5. 通関手続きと注意点・業者選定のポイント
食品の通関手続きの流れ
検疫所から審査終了通知(または検査合格通知)を受けた後、輸入者(または通関業者)は税関に輸入申告書を提出します。申告書には品目・数量・課税価格・関税率などを記載し、インボイス・パッキングリスト・B/L・検疫所通知書などの書類を添付します。税関による審査・検査を経て、関税・消費税等を納付した後に「輸入許可」が下りて貨物が国内搬入可能となります。食品の場合、輸入申告前に検疫所の合格通知が必要なため、税関と検疫所の手続きを並行して進める工夫がリードタイム短縮に有効です。
関税・EPA/FTA活用のポイント
食品の関税率は品目によって大きく異なります。一般に農産物は工業製品より関税率が高く、コメ・小麦・砂糖などは数十%の高関税が課されています。一方でEPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)を活用することで関税率を大幅に引き下げ、またはゼロにできる場合があります。たとえばASEANや東南アジア各国との間には包括的なEPAが締結されており、原産地規則を満たす食品には特恵関税率が適用されます。原産地証明書の取得・提出など追加書類が必要になりますが、コスト削減効果は大きいため積極的な活用を検討すべきです。
通関業者・輸入代行業者の選定
食品輸入に不慣れな企業が最初に直面するのは、手続きの複雑さと必要書類の多さです。こうした課題に対応するために、食品輸入に精通した通関業者や輸入代行業者の活用が効果的です。通関業者は税関手続きの専門家ですが、食品衛生法の届出サポートまで対応できる業者と、あくまで通関業務のみ担当する業者があります。初回輸入の場合は食品衛生法対応から通関まで一貫してサポートできる業者を選ぶことが安心です。業者選定の際には、輸入しようとする食品カテゴリ(加工食品・生鮮・サプリメント等)の取扱実績、検疫所との連絡体制、緊急時の対応力などを確認することをお勧めします。
また食品表示に関しては、輸入後に国内で販売する際に食品表示法に基づく日本語表示への改訂が必要です。アレルゲン(特定原材料7品目)の表示義務・栄養成分表示・原産国表示・賞味期限の記載方法など、表示要件は細かく定められています。輸入前に表示設計を完成させておかないと、輸入後に改めてラベル貼り直しが必要になり、時間とコストの無駄が生じます。
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 食品を日本に輸入するには何が必要ですか?
食品を日本に輸入するには、厚生労働省(検疫所)への食品等輸入届出が必須です。届出書類の作成・提出、検疫所での書類審査・必要に応じた検査を経て合格通知を受けた後、税関での通関手続きを経て国内に持ち込めます。食品等輸入届出を行わずに輸入した場合は食品衛生法違反となるため、初めて輸入する際は通関業者や専門家のサポートを受けることを推奨します。
Q2. 食品衛生法の輸入届出はどのように行いますか?
食品等輸入届出は、厚生労働省が運営するFAMSS(食品等輸入届出システム)を通じてオンラインで提出します。届出書には製品名・原材料・原産国・製造者・輸入数量等を記載し、必要に応じて成分規格適合を証明する書類(成分表・試験成績書等)を添付します。届出は通常、貨物が輸入港に到着する前に行うことが推奨されています。
Q3. 検疫所での検査はどのような種類がありますか?
検疫所の審査には書類審査・組織検査・命令検査の3種類があります。書類審査は届出書類の確認のみで合格となる最もシンプルなルートです。組織検査は一定の割合でサンプリングされる定期的な検査です。命令検査は過去に違反事例があった国・製品・製造者に対して課せられる義務的な検査で、合格するまで輸入が保留されます。
Q4. 残留農薬の基準はどのように確認すればよいですか?
日本の残留農薬基準は食品安全委員会・農林水産省・厚生労働省が連携して設定しており、農薬ごと・食品ごとに上限値(MRL)が定められています。基準が未設定の農薬については一律基準(0.01ppm)が適用されます。厚生労働省の「農薬等のポジティブリスト制度」の検索システムで具体的な基準値を確認できます。輸入前に生産者・製造者から農薬使用履歴を取り寄せ、日本基準への適合を確認することが重要です。
Q5. 食品添加物の規制で特に注意が必要なものは何ですか?
日本の食品添加物規制は世界的に見ても厳しい水準にあります。特に輸入食品で問題になりやすいのは、日本では未許可の添加物が使用されているケースです。保存料・着色料・漂白剤・発色剤などが日本の許可リストに含まれているかを事前に確認する必要があります。また日本で許可されていても使用基準(使用量・使用食品の種類等)を超えている場合も違反となります。
Q6. 食品の通関に必要な書類は何ですか?
食品輸入の通関に必要な主な書類には、インボイス・パッキングリスト・B/L(または航空貨物の場合AWB)・食品等輸入届出書・検疫所合格通知書(厚生労働省通知)があります。原産地証明書(EPA・FTA適用時)や植物検疫証明書(生鮮農産物の場合)が必要なケースもあります。書類不備があると通関に時間がかかるため、事前に通関業者と必要書類を確認しておくことが重要です。
Q7. 生鮮食品と加工食品で手続きは違いますか?
生鮮食品(野菜・果物・肉類・魚介類等)の場合、植物防疫法・家畜伝染病予防法に基づく検疫が食品衛生法の手続きとは別に必要です。農林水産省所管の植物検疫所・動物検疫所での検査が加わるため、加工食品よりも手続きが複雑になります。加工食品の場合は主に食品衛生法の届出・審査のみで対応できますが、原材料の原産地や製造工程に関する書類の整備が必要です。
7. サポート企業紹介
Digima~出島~には、食品輸入手続き・輸入通関・食品衛生法対応の専門支援企業が多数登録しています。食品等輸入届出の代行・サプライヤーへの規格書要求サポート・残留農薬検査の手配・食品表示の設計支援まで、輸入ビジネスの立ち上げから継続運用まで一貫してサポートできる専門家をご紹介することができます。「何から始めればよいかわからない」という初めての方から、「特定の品目でつまずいている」という方まで、お気軽にご相談ください。
累計28,000件以上の支援実績を持つDigima~出島~に、ぜひご相談ください。
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