【2026年最新】Digima海外進出白書から読む進出国ランキングの推移|業種別・相談内容別データを徹底解説
「海外進出白書」とは、海外ビジネス支援プラットフォーム「Digima〜出島〜」に実際に寄せられた相談案件データをもとに、Digima〜出島〜編集部が毎年編纂している一次情報レポートです。単なるアンケート調査ではなく、年間数千件規模の実際の相談内容そのものを集計している点が特徴で、「どの国に」「どの業種の企業が」「どんな目的で」進出を検討しているかという、実務に即した生のデータを把握できます。本記事では、2021-2022年版の白書データを起点に、その後の国際情勢の変化(チャイナプラスワンの定着、ASEAN・インドの存在感拡大など)を踏まえた進出国ランキングの推移、そして他記事ではあまり扱われない「業種別内訳」「相談内容別内訳」の変遷にフォーカスして解説します。代表的な進出企業の事例や国別の特徴について詳しく知りたい方は、あわせて「日本企業の海外進出ランキング」の関連記事もご参照ください。
この記事でわかること
- ・「海外進出白書」とは何か、一次データとしての価値
- ・海外進出国ランキングの経年推移|2021年度版から2026年にかけての変化
- ・業種別にみる海外進出検討企業の構成とその変遷
- ・相談内容別にみる海外進出ニーズの変化(販路拡大・会社設立・貿易実務など)
- ・白書データを自社の海外進出戦略にどう活かすか
▼【2026年最新】Digima海外進出白書から読む進出国ランキングの推移|業種別・相談内容別データを徹底解説
1. 「海外進出白書」とは|Digima〜出島〜が蓄積した一次データの価値
海外進出に関する統計には、経済産業省の「海外事業活動基本調査」のような公的統計もありますが、これらは主に大企業・上場企業の現地法人データが中心になりがちです。これに対して「Digima〜出島〜 海外進出白書」は、中堅・中小企業を含む実際の相談案件ベースのデータであるという点に独自の価値があります。
2021-2022年版の白書は、2021年4月から2022年3月までの1年間にDigima〜出島〜へ寄せられた海外ビジネス相談約4,000件と、500社超を対象にしたアンケート(進出企業・進出支援企業の双方から回収)をもとに編纂されました。「どの国の人気が上昇・下降しているか」だけでなく、「どんな業種の企業が、どんな目的で相談に来ているか」まで踏み込んで集計している点が、他の統計にはない特徴です。
- データソース:Digima〜出島〜に寄せられた実際の相談案件(年間数千件規模)
- アンケート対象:進出企業・進出支援企業の双方、500社超
- 特徴:大企業に偏りがちな公的統計と異なり、中堅・中小企業の実態も反映
2. 海外進出国ランキングの経年推移|2021年度版から2026年にかけての変化
2021-2022年版の白書によれば、進出国人気ランキングは1位アメリカ、2位中国、3位台湾、4位ヨーロッパという順位でした。特に注目すべきは、アメリカが前年の2位から1位に浮上し、台湾・ヨーロッパも前年度から順位を上げていた点です。ASEAN域内ではシンガポールがトップ、僅差でフィリピンが続き、ベトナムは前年度の抑え込み(相談急増)の反動もあって大きく順位を落としていました。
- アメリカ(前年2位から上昇)
- 中国
- 台湾(順位上昇)
- ヨーロッパ(順位上昇)
- シンガポール(ASEAN内トップ)
- フィリピン
- ベトナム(大きく減少)
- タイ
- マレーシア
- 香港
このランキングが示していたのは、米中対立の長期化による地政学リスクを背景に、企業が中国一極集中を見直し、アメリカ・台湾・ヨーロッパ・ASEANへと関心を分散させ始めていた過渡期の姿です。この傾向はその後も継続・加速しており、2026年にかけては「中国+1(チャイナプラスワン)」がもはや一時的な動きではなく定着した経営方針として根付き、タイ・ベトナム・インドネシアといったASEAN主要国に加え、世界最大の人口を抱えるインドへの関心が白書データ全体でも存在感を増しているのが直近の傾向です。重要なのは、中国への関心が消えたわけではなく、「新規投資は抑制しつつ、既存の取引・拠点は維持する」という役割分担型の相談内容が増えている点で、これは単純な順位の上下だけでは見えてこない、白書の自由記述データを読み込むことで初めて見えてくる変化です。
3. 【業種別内訳】海外進出を検討する企業の業種構成とその変遷
2021-2022年版の白書における業種別の相談割合は、卸売・小売業が30%超と最大を占め、IT・通信業が13%(前年10%から増加)、製造業・サービス業がそれぞれ10%超、飲食業が約4%という構成でした。
- 卸売・小売業:30%超(最大構成比)
- IT・通信業:13%(前年10%から増加)
- 製造業:10%超
- サービス業:10%超
- 飲食業:約4%
ここで注目したいのは、IT・通信業の割合が年々拡大していた点です。背景には、越境ECやSaaS型サービスなど「現地に大規模な物理拠点を持たずに市場参入できる」ビジネスモデルの普及があり、これはコロナ禍以降の非対面・デジタル完結型のビジネス拡大とも符合します。2026年時点でも、この傾向はさらに強まっているとみられ、製造業のような設備投資を伴う進出に比べて、IT・通信業やサービス業はより機動的に複数国へ同時展開するケースが増えています。また、国別に業種構成を見ると差異も顕著です。例えば中国向けの相談では卸売・小売業の比率が全体平均よりもさらに高い一方、会社設立・登記代行や税務・会計といった「拠点設立」関連の相談は全体平均より少なく、「販路拡大先としては有望だが、拠点設立先としては最適とは言えない」という傾向が白書データからも読み取れます。
4. 【相談内容別内訳】販路拡大・会社設立・貿易実務...相談ニーズの変化
相談内容別の内訳をみると、2021-2022年版では「販路拡大(営業代行・販売代理店探し)」が最多、次いで「海外進出コンサルティング」、「輸出入・貿易・通関」(12%、前年8%から増加)、「海外会社設立・登記代行」という順でした。
- 販路拡大(営業代行・販売代理店探し):最多
- 海外進出コンサルティング
- 輸出入・貿易・通関:12%(前年8%から増加)
- 海外会社設立・登記代行
「輸出入・貿易・通関」関連の相談が前年から大きく増加していた点は、サプライチェーンの見直し(特定国依存からの脱却)が、現地法人設立という大掛かりな意思決定の前段階として、まず貿易実務面の相談から始まるケースが増えていたことを示唆しています。この傾向はその後も続いており、2026年にかけては地政学リスクの高まりを受けて、拠点を一つに絞らず複数国に分散させた調達網を構築したいという相談が、白書の自由記述データの中でも目立つようになっています。単純な「会社を作りたい」という相談だけでなく、「まずは貿易実務の体制を整えてから拠点設立を検討したい」という段階的なアプローチを取る企業が増えている点は、白書の相談内容別データを時系列で追うことで初めて見えてくる変化です。
5. アメリカ・中国という二大市場の存在感とその変遷
アメリカへの進出動向については、2021-2022年版の時点で「依然として好調な経済」「政権交代」を背景に相談件数が増加していました。業種特性としては卸売・小売業の比率が高いことに加え、IT・通信業の比率が全体平均よりも高いことが特徴で、実際の相談例としても「新規事業部での新サービスのリリースに向けた事前登録ユーザー獲得とLP作成、Web広告配信、営業代行を希望」といったデジタルマーケティング関連の内容が目立ちました。
中国への進出動向は、前述の通り「販路拡大先としては有望だが、拠点設立先としては最適とは言えない」という認識が相談内容に表れていました。具体的には「中国の富裕層へのテレアポ業務」「法規制確認」「連絡先リスト入手」「営業代行」(IT・通信業)といった、新規の現地法人設立を伴わない形での市場攻略を志向する相談が多く見られました。この構図は2026年にかけてもおおむね継続しており、むしろ越境EC・SNSマーケティングを活用した「拠点を持たない中国市場攻略」はより一般的な選択肢として定着しています。
6. 白書データを自社の海外進出戦略にどう活かすか
白書データの最大の価値は、単一年の順位だけでなく、複数年の推移を追うことで「一時的なブームなのか、構造的なトレンドなのか」を見極められる点にあります。例えば、ある国・業種の相談件数が単年で急増していても、翌年以降も継続して増加しているかを確認することで、自社が参入を検討する際のタイミングやリスクをより正確に判断できます。
自社の海外進出戦略を検討する際は、以下のような観点で白書データを参照することをおすすめします。
- 自社と同じ業種の相談がどの国で増えている/減っているかを確認する
- 検討している国で「拠点設立」と「販路拡大」のどちらの相談が多いかを確認し、進出形態の参考にする
- 単年のランキングだけでなく、複数年の推移をみて一時的な動きか構造的な変化かを見極める
- 白書データはあくまで相談時点の動向であるため、最新の個別相談・専門家の意見も併せて確認する
7. よくある質問(FAQ)
Q. 「海外進出白書」と経済産業省の「海外事業活動基本調査」は何が違いますか?
経済産業省の調査は主に大企業・上場企業の現地法人データが中心であるのに対し、「海外進出白書」はDigima〜出島〜に寄せられた中堅・中小企業を含む実際の相談案件データをもとにしている点が異なります。より実務に即した生のニーズを反映しているのが特徴です。
Q. 2021-2022年版の白書で進出国ランキング1位だったのはどこですか?
アメリカが前年の2位から1位に浮上しました。2位は中国、3位は台湾で、台湾・ヨーロッパは前年度から順位を上げていました。
Q. 業種別にみて、海外進出相談が最も多い業種は何ですか?
2021-2022年版の時点では卸売・小売業が30%超と最大の構成比を占めていました。次いでIT・通信業、製造業、サービス業が続き、IT・通信業の比率は年々拡大する傾向にあります。
Q. 中国は海外進出先として今後も人気があるのでしょうか?
新規の拠点設立という観点では慎重な企業が増えている一方、販路拡大先としての相談は引き続き多く寄せられています。「拠点は他国、販路は中国」という役割分担型の相談が白書データでも目立っています。
Q. 相談内容で「輸出入・貿易・通関」が増えているのはなぜですか?
特定国に依存しないサプライチェーンの構築ニーズが高まっており、現地法人設立という大きな意思決定の前段階として、まず貿易実務面から相談を始める企業が増えていることが背景にあります。
Q. 白書データはどのように自社の進出検討に活用すればよいですか?
自社と同じ業種の相談動向や、検討国での「拠点設立」と「販路拡大」のどちらの相談が多いかを参考にしつつ、単年の数字だけでなく複数年の推移を確認することをおすすめします。最終的な意思決定の際は、専門家への個別相談もあわせて行うとよいでしょう。
8. 優良な海外進出サポート企業をご紹介
今回は「Digima海外進出白書」として、進出国ランキングの経年推移や業種別・相談内容別の内訳データをご紹介しました。
「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。当然、複数の企業の比較検討も可能です。
「自社の業種での海外進出相談の傾向を詳しく知りたい」「白書データを踏まえて進出先候補を絞り込みたい」「貿易実務の体制整備から相談したい」……といった、多岐に渡る海外進出のご質問・ご相談を承っています。
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