『海外ビジネスで必ず役立つ【売れる英語】講座』《中編》

商談プロセスごとに必要な英文フレーズをまとめた、大澤裕氏(ピンポイント・マーケティング・ジャパン代表)の新刊『海外/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語』(ダイヤモンド社・2017/9/14発刊)が、海外でのセールスや交渉に携わるビジネスパーソンの間で話題になっています。
本連載『海外ビジネスで必ず役立つ【売れる英語】講座』では、前・中・後の3回に渡って、同著からの抜粋記事を掲載。中編となる今回は、『販売パートナー候補への質問』『価格交渉』の2つのテーマについて解説します。
提供:『海外/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語』(ダイヤモンド社・2017/9/14発刊)
1. 第3講義『販売パートナー候補への質問』
様々な角度からの質問を
販売パートナー候補との面談では、いろんな情報を引き出す事ができます。彼らもオフィシャルに商流にいれてもらうために、「我々はこんな知識がある。だからぜひ我々を使うべきだ。」と積極的に教えてくれるからです。
まず聞きたい事は「この国で本当に自社製品が売れるだろうか?」という事でしょう。いろんな角度から質問しましょう。
■1. 現地での可能性を探るための質問
・What is the sales potential of the product or service in this country ?
この国でのこの製品・サービスの販売可能性はどれくらいですか ?
・Why do you think our product has potential in this country ?
なぜあなたは、この国で我々の製品に可能性があると思われるのですか?
・We’re thinking of a retail price(end user price)around $150. Do you think this is acceptable ?
我々は小売(エンドユーザー)価格として150ドルぐらいを考えているのですが、受け入れられるでしょうか?
■2. 競合に関する質問
・Are there any competing products in this country ?
この国で、競合となる製品はありますか?
・Do you know roughly how much those competing products sell for ?
その競合製品の価格はだいたいご存知ですか ?
・If there are any complaints about the competing products, what are they ?
その競合製品に対して不満があるとしたらどういった点ですか ?
■3. 必要な改良・認証についての質問
・What elements have the most influence on potential customers: price, quality, brand name, service, credit terms, advertising ?
潜在顧客に最も影響を与えるのはどのような要素ですか。価格、品質、ブランド名、サービス、支払い条件、宣伝 ?
・What cultural differences will we need to keep in mind ?
我々が心しなければならない文化的差異は何ですか ?
・Do you know of any certification mark we should have in order for us to sell this product ?
この製品を売るために取るべき認証マークはありますか ?
現地で競合(関連)製品を扱っている販売代理店が持っている情報は、その国に販路を持とうとしているメーカー・商社にとっては、最高のヒントになります。
一通りのディスカッションが終わったら、「この後、一緒に食事でもどうですか?」などと誘ってみてもよいでしょう。信頼を得られれば、そっとその国の競合メーカーが抱える問題点を教えてくれたりもします。
先にあげた適切な質問をすると同時に、自分たちが持っている情報や考えも開示して、まずは信頼関係を築きましょう
2. 第4講義『価格交渉』
常に最適な答えを用意しておく
例えば展示会でブースに立ち寄った方に製品説明をして、その方が価格の話を出して来たら、それは相当に真剣に製品の購入を考えている事の証です。
そんなチャンスにも関わらず、「この国に売るのは初めてなので、価格表を持っていません」などと言うと、相手は一気に白けてしまいます。場合によっては「真剣でないなら展示会に出展するな」などと気分を害されてしまうかもしれません。
少なくともドル表示の大雑把な価格表ぐらいは用意して商談に臨みましょう。
■お客様からの質問
質問
・Could you give me a rough estimate for this product if we buy 100 units ?
もし我々が100個買った場合の大雑把な見積もりをいただけますか ?
回答例 1
・I would say $10,000 as a rough estimate.
回答例 2
・This is the price list for this country. Prices are calculated at an exchange rate of ¥110 to the dollar and change according to exchange rate fluctuations.
これがこの国での価格表です。為替レートを1ドル=110円として算出していますので、為替の変動によって変わります。
回答例 3
・This sells for $100 in Japan. In this country, I think the price would be around double that. This is just a ball park figure though.
日本では100ドルで売られています。おそらくこの国ではその倍ぐらいの価格になると思います。大雑把な数字ですが。
上記の「回答例 3」における、“Ball Park Figure”という英語表現は、野球場サイズの数字、つまり大雑把な数字の事です。米国でよく使われます。
値段を聞いて相手がウーンというような顔をしたら、以下のような質問をするのもよいでしょう。
・What do you think about our prices compared with those of competing products ?
競合製品の価格と比べて弊社の価格をどう思われますか?
・When you purchased last time, what was the price range?
以前に購入されたときは、どれぐらいの価格帯でしたか?
さらに直截的に聞いてもよいかもしれません。
・Could you tell me your budget range ?
どれぐらいの予算か教えてもらえますか?
ひとつ憶えておくと良いのは、エンドユーザーにしてもディストリビューターにしても、できるだけ安い価格で買いたいのは当たり前だということです。そもそも相手が「高いね」と言ってくるのは想定の範囲内なのです。そのようなケースを想定して、常に最適な答えを用意しておきましょう。
・We believe this is quite a reasonable price.
我々はこれが極めて適正な価格と信じています。
・It’s true that the price is double the competitor’s price, but the lifespan is more than three times longer, and the performance is excellent.
確かに競合企業の製品と比べれば、価格は2倍しますが、寿命が3倍以上ある上に性能がよいからです。
さらにプッシュする場合は以下の表現になります。
・In addition, you will see a sharp decrease in regular maintenance.
その上、定期的なメンテナンスも激減します。
・We will supply you with our machine at the lowest possible price.
我々は機械をあなたに可能な限りの最低価格で供給します。
仮に価格交渉が折り合わなかったときも、そのまま「はい」と引き下がらずに、なるべく多くの情報を得るようにしましょう。
・I understand that it is difficult for you to purchase at our price at this point.
現時点での我々の価格では購入は難しいとのご意見で承知しました。
・For our reference, could you tell us how much we would need to lower the price for you to consider purchasing ?
ご参考までに、どのぐらいまで下げれば、ご購入を検討いただけるか教えていただけますか?
・Is there anything other than price that concerns you at this point ?
現時点で価格以外に気になる点はありますか?
価格交渉はもっともセンシティブな問題です。色々な表現を駆使して(…といっても難しい英語は不要です!)、積極的に質問をしましょう。
次回で最後の講義となる後編では、『頻繁に言うのは避けた方がよい英語表現』について解説します。
提供:『海外/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語』(ダイヤモンド社・2017/9/14発刊)
■大澤 裕 (おおさわ ゆたか)
株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン代表取締役社長。これまでに、経済産業省研修所、JETRO、中小企業大学校などで多数の講演を行う。著書に『中小企業が「海外で製品を売りたい」と思ったら最初に読む本』(ダイヤモンド社)。
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株式会社セカラボ
海外進出をゼロから伴走、包括的にサポート
私たちセカラボの正式名称は「セカイ・マッチ・ラボ」です。
「セカイ」=世界各国での事業活動
「マッチング」=最適なパートナーとの取引
「ラボラトリー」=調査と分析にもとづいた活動
という理念です。
世界各国での事業活動において何よりも重要なのは、
調査と分析に基づいた活動と最適なパートナーとの取引であると考える私たちが「セカイ・マッチ・ラボ」の理念のもと、海外進出企業のサポートをします。
「ミッション=伴走」
海外進出支援の現場では、多くの企業から「何から着手したらよいのか、何が必要不可欠なのか?がわからない」という相談を受けます。
調べても色々な情報があり、どれが自社にマッチしたものなのかも判断できないというのがこれまで多くの企業から聞いている相談の中でもダントツで多いものです。
私たちは、海外進出支援という立場としてどんなサポートが企業にとって意義があるのかを学習していく中で、"伴走する"ということが役割だと結論づけました。
「言ってくれれば手伝いますよ」というスタイルではなく、
「何が必要かを一緒に考えましょう」というスタイルでなければ、本当の支援にはなりづらいため、一緒に考え、一緒に行動するというスタンスを大切に考えています。
「BtoB 進出ソリューション」
私たちがBtoB海外進出・新規事業展開に必要不可欠だと考えるのは下記の3つです。
◇俯瞰を担当するプロジェクトマネジメントの存在
進出企業(主観)でもなく、現地企業(客観)でもない第三者である私たち(俯瞰)がこの立場を担います。
プロジェクトに必要な要素を俯瞰視野でも見ることはとても重要です。
「どうしたいか、したくないか」という当事者の考えとはまた別に「どうすべきか、すべきでないか」という考えにより、プロジェクトのズレ・モレを軽減・解消することができるのもプロジェクトマネジメントならではの役割です。
◇各国各分野の専門家・専門企業の協力
海外進出は、対象とする国を熟知する人・企業や必要となる対応分野におけるプロフェッショナルの存在により、安定した事業推進が実現します。
私たちのGlobal CxO Partnarsにより、専門力と現地対応力の安定した進出計画・事業推進が可能となります。
◇現地取引先企業との連携・協力関係
対象とする国で成功したければ、現地の企業との取引・連携・協力関係が必要です。
特にBtoBは、現地企業との相性・関係がそのまま事業成功に繋がると言っても過言ではありません。
私たちのサポートの根底には、これらの必要不可欠な要素を補うことにあります。
「BtoC 進出ソリューション」
私たちがBtoC海外進出・新規事業展開に必要不可欠だと考えるのは下記の3つです。
◇俯瞰を担当するプロジェクトマネジメントの存在
進出企業(主観)でもなく、現地消費者(客観)でもない第三者である私たち(俯瞰)がこの立場を担います。
プロジェクトに必要な要素を俯瞰視野でも見ることはとても重要です。
「どうしたいか、したくないか」という当事者の考えとはまた別に「どうすべきか、すべきでないか」という考えにより、プロジェクトのズレ・モレを軽減・解消することができるのもプロジェクトマネジメントならではの役割です。
◇各国各分野の専門家・専門企業の協力
海外進出は、対象とする国を熟知する人・企業や必要となる対応分野におけるプロフェッショナルの存在により、安定した事業推進が実現します。
私たちのGlobal CxO Partnarsにより、専門力と現地対応力の安定した進出計画・事業推進が可能となります。
◇現地消費者の行動を理解するためのマーケティング活動
対象とする国で成功したければ、現地の消費者の行動・心理を理解することが必要です。
特にBtoCは、現地のターゲットとするペルソナの行動・心理に対する理解と歩み寄りがそのまま事業成功に繋がると言っても過言ではありません。
私たちのサポートの根底には、これらの必要不可欠な要素を補うことにあります。
■事業内容
◇海外進出総合支援
◇日本進出総合支援
◇新規事業開発支援
◇海外事業再編支援
◇海外ビジネスベンダー選定
◇海外ビジネスマッチング
◇海外販路開拓事業
◇海外ビジネス総合代理
◇その他、上記に付帯する業務 -
MRKS International LLC / マークスインターナショナル合同会社
20年以上の実績をベースに、インドネシアに特化して支援。日本人が実稼働している現地拠点と各分野のプロが、確実に迅速にインドネシア進出をサポートいたします。
インドネシアに特化した進出コンサルティングファームです。東京とインドネシア・ジャカルタに拠点があります。
マッキャンエリクソン / 電通 / J. Walter Thompsonなどで20年以上にわたり、国際マーケティングに従事した代表が、インドネシアにてデジタルマーケティングの会社を設立運営の後、東京とジャカルタにおいてコンサルティング会社を設立し日本企業様のインドネシア進出を多面的に支援しております。
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【個別サービス】
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