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不動産会社の外国人向け賃貸販促ガイド|訪日・在留外国人を集客し入居につなげる方法

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在留外国人は412万人と過去最多を更新し、賃貸市場の主要な借主層になりつつあります。一方で賃貸人の約6割が外国人入居に拒否感を持つのが現状です。不動産会社・管理会社・オーナー向けに、審査と家賃保証会社の使い分け、多言語対応の優先順位、集客チャネル、入居後のトラブルを防ぐ受け入れ体制までを実務ベースで解説します。

日本に暮らす外国人は、2025年末時点で412万5,395人。前年末から35万6,418人増え、初めて400万人を超えました(出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)。増加率は9.5%で、日本の人口が減り続けるなかでこの層だけが伸びています。
それにもかかわらず、外国人の入居に拒否感を持つ賃貸人は約6割にのぼります(出典:令和3年度国土交通省調査)。空室に悩みながら、伸びている需要を自ら手放している状態です。
この記事では、賃貸仲介会社・管理会社・オーナーの方に向けて、外国人入居者を獲得するための実務を整理します。市場の読み方から、審査と保証の組み立て方、どこで見つけてもらうか、そして入居後にトラブルを起こさない受け入れ体制までを、公的資料をもとに解説します。

この記事でわかること

  • ・在留外国人412万人の内訳と、賃貸ニーズが生まれている層
  • ・「訪日外国人」と「在留外国人」で必要な打ち手が分かれる理由
  • ・連帯保証人を立てられない入居希望者への審査と保証の組み立て方
  • ・母国語で探している人に見つけてもらうための集客チャネル
  • ・国土交通省が14言語で公開している契約書式と生活ルール資料の使い方

1. 外国人入居者市場の現在地

在留外国人412万人と、賃貸ニーズの実像

まず押さえておきたいのは、412万人という総数の内訳です。このうち特別永住者は26万6,896人で、残る385万8,499人が中長期在留者にあたります。賃貸住宅の借主として想定すべきなのは、この中長期在留者の層です。
在留資格別に見ると、最も多いのが永住者の94万7,125人。次いで技術・人文知識・国際業務が47万5,790人、留学が46万4,784人、技能実習が45万6,618人と続きます。注目すべきは特定技能で、39万296人と5番目の規模ながら、前年から10万5,830人増えており増加数では全在留資格の中で最大です(出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)。
この構成は、求められる住まいが一様でないことを示しています。永住者は家族向けの広さと長期入居を求め、留学生は駅からの距離より家賃を優先し、単身向けの小さな部屋で十分というケースが多くなります。一方、特定技能や技能実習で来日する方は、受け入れ企業が寮や社宅として一括で借り上げる形が中心です。個人客としてではなく法人契約の需要として現れる点が、他の層と大きく異なります。

国籍別では中国が93万428人で最多、次いでベトナムが68万1,100人、韓国が40万7,341人、フィリピンが35万6,579人と続きます。ここで見落とせないのが増加数の内訳です。ネパールが6万7,949人増、インドネシアが6万6,245人増、ミャンマーが4万7,993人増と、南アジア・東南アジアからの伸びが際立っています。英語と中国語だけを用意していれば足りる時代ではなくなりつつある、ということです。

「訪日」と「在留」で打ち手は分かれる

不動産の集客を考えるとき、「訪日外国人」と「在留外国人」を同じ枠で捉えると施策がぶれます。両者は、そもそも適用される法律が違うためです。
観光目的で短期滞在する訪日客は、賃貸借契約の相手になりません。宿泊させるには旅館業法の許可を取るか、住宅宿泊事業法にもとづく民泊の届出が必要になります。民泊には年間の提供日数が180日以内という上限があり、これを超える運用はできません。所有物件を訪日客に向けたいのであれば、賃貸ではなく宿泊事業として設計することになります。
これに対して、就労や留学で中長期滞在する在留外国人は、日本人と同じく賃貸借契約の当事者です。在留カードで在留資格と在留期間を確認でき、住民登録もされます。賃貸仲介・管理の本業として取り組むべきなのは、明確にこちらの層です。
その中間に位置するのがマンスリーマンションやサービスアパートメントです。数か月単位の出張者、入国直後でまだ住民登録や銀行口座の手続きが済んでいない方、赴任前に住まいを決めきれなかった駐在員などが利用します。入国直後のつなぎ需要を押さえておくと、そのまま通常の賃貸契約につながることも少なくありません。自社がどの滞在期間を取りに行くのかを先に決めることで、必要な許認可も、用意すべき物件も、広告を出す場所も自ずと決まります。

2. なぜ外国人に部屋が決まらないのか

保証人・審査のハードルと家賃保証会社の使い方

需要があるのに成約に至らない最大の理由は、貸す側の不安です。令和3年度の国土交通省調査によれば、外国人に対して約6割の賃貸人が拒否感を持っています。高齢者と障がい者に対する約7割よりは低いものの、子育て世帯に対する約2割と比べれば明らかに高い水準です(出典:令和3年度国土交通省調査。日本賃貸住宅管理協会の会員187団体への調査)。
実務上、最初につまずくのが連帯保証人です。来日して間もない方に、日本国内に住み一定の収入がある連帯保証人を求めるのは現実的ではありません。ここを埋めるのが家賃債務保証会社で、国土交通省の賃貸住宅標準契約書にも「家賃債務保証会社型」と「連帯保証人型」の2種類が用意されています。外国人入居者を扱うのであれば、保証会社型を標準として運用を組んでおくほうがスムーズです。
制度面も後押しに変わりました。2025年10月1日に改正住宅セーフティネット法が施行され、外国人は省令で「住宅確保要配慮者」として位置づけられています。この改正では、国土交通大臣が一定の基準を満たす家賃債務保証業者を認定する制度が新設されたほか、居住支援法人などが安否確認や見守り、福祉サービスへのつなぎを行う「居住サポート住宅」の認定制度も始まりました(出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度」)。
審査で見るべき点も整理しておきましょう。重要なのは国籍ではなく、在留資格・在留期間・勤務先または在籍校・収入です。在留カードで在留期間の満了日を確認し、契約期間との関係を押さえておけば、更新時期に合わせた案内もできます。判断基準を社内で言語化しておくことが、担当者ごとのばらつきをなくす第一歩になります。

言語対応は「内見前」と「契約時」で必要な深さが違う

多言語対応というと「全部を翻訳しなければならない」と身構えてしまいがちですが、実際には場面ごとに求められる精度が違います。ここを分けて考えると、投資すべき範囲がはっきりします。
内見前の段階で必要なのは、間取り・家賃・立地・入居可否といった条件が伝わることです。ここは機械翻訳や写真、簡単な英語でも十分に機能します。むしろ日本人にも分かりにくい初期費用の内訳(敷金・礼金・仲介手数料・保証委託料・火災保険料)を、金額と目的をセットで示すことのほうが効果的です。「家賃の何か月分が最初に必要か」を先に伝えるだけで、後の食い違いは大きく減ります。
一方、契約時の重要事項説明はまったく性質が異なります。ここで誤訳が生じると、契約の有効性そのものに関わります。翻訳アプリで済ませてよい領域ではありません。
そこで活用したいのが、国土交通省が公開している「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」です。日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・ネパール語・タイ語・インドネシア語・ミャンマー語・カンボジア語・タガログ語・モンゴル語の14言語で整備されており、入居申込書、重要事項説明書、賃貸住宅標準契約書、定期賃貸住宅標準契約書、事前説明書、終了通知書、希望条件や入居審査必要書類のチェックシートまでが収録されています。
公的機関が用意した書式をそのまま使えるため、自社で翻訳を発注する必要はありません。まずはこのガイドラインを社内の標準書式として採用するところから始めるのが、最も費用対効果の高い一手です。

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3. どこで見つけてもらうか:集客チャネルの選び方

検索・ポータル・SNS・コミュニティの使い分け

受け入れ体制を整えても、見つけてもらえなければ問い合わせは来ません。外国人入居希望者の探し方は、日本人のそれとかなり違います。
まず押さえるべきは法人ルートです。特定技能が前年から10万人以上増えている以上、その多くは受け入れ企業を通じて住まいを必要としています。受け入れ企業、監理団体、登録支援機関に対して「複数戸をまとめて借り上げられる物件がある」と伝えるだけで、1件ずつ個人客を集めるより効率よく成約につながります。留学生についても同様で、日本語学校や大学の留学生課、寮を持たない専門学校が有力な窓口になります。個人客より先に、送り出す側に営業をかけるのが近道です。
個人向けでは、母国語での検索を意識します。ベトナム語やネパール語で「日本 賃貸 外国人可」にあたる語句を検索する人に届くよう、対応言語・保証会社の利用可否・初期費用の目安を書いた多言語のページを用意しておきます。大手ポータルサイトの外国語版に物件を掲載するのも有効ですが、掲載しただけで問い合わせが来るわけではなく、「外国人可」の表示が明確に出ているかを必ず確認してください。
そして最も効くのが国籍ごとのコミュニティです。同郷のSNSグループや先輩からの紹介は、日本人が想像する以上に影響力があります。1人の入居者に丁寧に対応すれば、同じ職場や学校の仲間が続けて訪ねてくる。この連鎖が起きるかどうかが、外国人賃貸の収益を左右します。
あわせて、国土交通省が公開している「外国語が話せる不動産店一覧」への掲載も検討してください。公的なリストに載ることは、探している側にとって安心材料そのものです。

4. 入居後のトラブルを防ぐ受け入れ体制

生活ルールの伝え方と多言語ツール

拒否感の根っこにあるのは、入居後のトラブルへの不安です。しかし実際に起きる問題は、ごみの分別と排出日、生活音、退去時の原状回復の3つにほぼ集約されます。いずれも日本独自の慣習が背景にあり、悪意ではなく「知らなかった」ことが原因です。であれば、伝え方を整えるだけで大半は防げます。

ごみについては、自治体ごとに分別区分も収集曜日も違います。多くの自治体が多言語版の分別ガイドを配布しているので、入居時に該当自治体のものを渡すのが確実です。生活音は、木造や軽量鉄骨の壁の薄さ、深夜の入浴や洗濯機の使用、床に直接座らない生活様式との違いなどを、具体的な時間帯とともに示すと伝わります。

最も金銭トラブルになりやすいのが原状回復です。退去時にいくら請求され得るのかを、入居時点で説明しておくことが唯一の予防策になります。国土交通省は「賃貸住宅を退去する時の原状回復のポイント」や「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト」を公開しており、入居時と退去時に同じ様式で室内の状態を記録できます。
このほかにも、「大家さん、不動産事業者のための外国人の受入れガイド」「部屋探しのガイドブック」「外国人のための賃貸住宅入居の手引き」、動画教材の「外国人住まい方ガイド」が用意されています。文字を読むのが負担な方には動画のほうが届きやすく、渡す資料を相手に合わせて選べることが強みです。
そのうえで、入居時の説明内容は「入居の約束」チェックシートなどの書面で確認を取り、記録として残します。口頭のみの説明は、後から双方の記憶が食い違ったときに何の助けにもなりません。手間に見えて、結果的に管理コストを下げる投資になります。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. 在留外国人は今どれくらいいますか?

出入国在留管理庁の発表では、2025年末時点の在留外国人数は412万5,395人で、前年末から35万6,418人(9.5%)増え、初めて400万人を超えました。このうち賃貸住宅の主な借主となる中長期在留者は385万8,499人です。

Q2. 訪日外国人に部屋を貸すことはできますか?

観光目的の短期滞在者は賃貸借契約の対象になりません。短期滞在者に部屋を提供する場合は旅館業法の許可、または住宅宿泊事業法(民泊)の届出が必要です。民泊は年間の提供日数が180日以内に制限されます。数か月単位の滞在にはマンスリーマンションが使われます。

Q3. 外国人の入居を断る大家さんはどれくらいいますか?

令和3年度の国土交通省調査では、外国人に対して約6割の賃貸人が拒否感を持っていました。高齢者と障がい者に対する約7割よりは低いものの、子育て世帯に対する約2割と比べると高い水準です。裏を返せば、受け入れる側に回るだけで競合が少ない市場ということでもあります。

Q4. 連帯保証人を立てられない外国人にはどう対応しますか?

家賃債務保証会社を利用するのが一般的です。国土交通省の賃貸住宅標準契約書には「家賃債務保証会社型」と「連帯保証人型」の2種類が用意されています。2025年10月に施行された改正住宅セーフティネット法では、国土交通大臣が認定する家賃債務保証業者の制度も始まりました。

Q5. 契約書類の多言語版はどこで入手できますか?

国土交通省の「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」が14言語で公開されており、入居申込書・重要事項説明書・賃貸住宅標準契約書などの書式が収録されています。日本語のほか英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語などに対応しています。

Q6. 外国人入居者とのトラブルで多いのは何ですか?

ごみの分別と排出日、生活音、退去時の原状回復の3つが代表的です。いずれも日本独自の慣習が背景にあり、悪意ではなく知らなかったことが原因になりがちです。入居時に母国語の資料で説明し、書面で確認を残しておくことで大半は防げます。

6. まとめ

在留外国人は412万人を超え、日本の人口が減るなかで唯一伸び続けている借主層です。それでも約6割の賃貸人が拒否感を持っているということは、受け入れる側に回るだけで競合の少ない市場に立てるということでもあります。
やるべきことは4つに整理できます。

1つ目は対象の切り分けで、賃貸の本命は訪日客ではなく在留外国人だと定めること。永住者・留学生・特定技能では求める住まいがまったく違い、特定技能は法人契約の需要として現れます。
2つ目は保証の設計で、連帯保証人ではなく家賃債務保証会社を標準に据え、審査は国籍ではなく在留資格・在留期間・収入で判断する運用に切り替えます。
3つ目は入口の確保です。個人客を1件ずつ追うより、受け入れ企業・監理団体・登録支援機関・日本語学校といった送り出す側に営業をかけるほうが早く、そこから同郷コミュニティの紹介が連鎖します。
4つ目は受け入れ体制で、ごみ・生活音・原状回復の3点を入居時に母国語の資料で伝え、書面で記録を残しておきます。

そして、契約書式も生活ルールの資料も、国土交通省が14言語で無償公開しています。自前で翻訳を発注する必要はありません。既にある道具を使うところから始めてください。

7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介

「Digima〜出島〜」には、厳正な審査を通過した優良な海外進出サポート企業が多数登録しています。

外国人入居者の獲得は、多言語の物件情報の整備、契約書式の運用、受け入れ企業や教育機関へのアプローチ、入居後のサポート体制づくりまでが一続きになっています。外国人対応や多言語マーケティングに実績のある企業に相談することで、自社の商圏と物件の性格に合った進め方を無駄なく決められます。
「まず何から手をつけるべきか」「自社の物件で外国人の受け入れは現実的か」といった段階のご相談でも構いません。無料でご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

参考文献

・出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
 https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00062.html
・国土交通省「住宅セーフティネット制度 ~誰もが安心して暮らせる社会を目指して~」
 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000055.html
・国土交通省住宅局「新たな住宅セーフティネット制度について」(2024年3月)
 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001728267.pdf
・国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」
 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000017.html
・国土交通省 民泊制度ポータルサイト「民泊制度とは」
 https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/index.html

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