バングラデシュ人材はなぜ今注目されるのか|外国人採用の「国選び」で知っておきたい5つの理由
若手人材の採用難や慢性的な人手不足を背景に、外国人材・海外人材の採用を本格的に検討する企業が増えています。しかし、外国人採用で成果を出すためには、単に人材を受け入れるだけでなく、「どの国の人材を選ぶか」「来日前からどのように育成するか」「採用後にどう定着を支援するか」までを見据えた設計が欠かせません。
本記事では、外国人材採用の有力な選択肢として注目されるバングラデシュ人材に焦点を当て、若い人口構成、親日性、日本人と親和性の高い国民性、日本語習得のしやすさ、そして特定技能・技人国での採用可能性まで、企業が知っておくべきポイントを整理します。さらに、現地での日本語教育や来日前教育、受け入れ後の定着支援まで一貫して考えることで、採用後のミスマッチを減らし、長く活躍できる外国人材採用を実現するためのヒントを解説します。
▼ バングラデシュ人材はなぜ今注目されるのか|外国人採用の「国選び」で知っておきたい5つの理由
「国内で若手人材の採用がうまくいかない」「外国人材の採用に関心はあるが、どの国の人材を選べばよいか分からない」——いま、こうした悩みを抱える企業の経営者・人事担当者が急増しています。少子高齢化が進む日本では、業種を問わず人手不足が常態化し、外国人材の採用は「いつか検討すること」から「いま向き合うべき経営課題」へと変わりつつあります。
そのなかで、外国人採用の成否を大きく左右するのが「国選び」です。本記事では、外国人材のおすすめの国の一つとして近年注目を集める「バングラデシュ人材」を取り上げ、人口構成・親日性・国民性・成長意欲・日本語習得能力という5つの観点から、バングラデシュ人の採用を検討する価値を整理します。あわせて、特定技能・技人国といった在留資格の基礎や、来日前教育を含む受け入れ体制づくりのポイントまで、外国人採用の第一歩を踏み出すために必要な情報をまとめました。
なぜ今、日本企業は外国人材を検討すべきなのか
日本の生産年齢人口は減少を続けており、求人を出しても若手人材からの応募が集まらないという声は、もはや特定の業界に限った話ではありません。建設、製造、介護、運輸、自動車整備など、現場を支える業種ほど人手不足の影響を強く受けています。採用難はそのまま受注機会の損失や事業承継の停滞につながり、企業の存続そのものを揺るがしかねません。
こうしたなかで現実的な選択肢として広がっているのが、外国人材の採用です。国内採用だけでは確保が難しくなった若い労働力を、海外から、制度に沿って受け入れる動きが加速しています。重要なのは、外国人材 採用を「人手不足を一時的に埋める手段」としてではなく、「中長期の人材確保チャネル」として設計する視点です。だからこそ、どの国の人材と長く付き合っていくかという国選びが、採用戦略の土台になります。
外国人採用の「国選び」という視点
外国人採用で国を選ぶ際には、賃金水準や送り出しのしやすさだけでなく、(1)若く就労意欲の高い人材層が厚いか、(2)日本に対する感情が良好か、(3)日本の職場文化と相性のよい国民性か、(4)国として成長し、海外就労への前向きさがあるか、(5)日本語を習得しやすいか、といった観点を総合的に見ることが大切です。これらは採用後の定着率やコミュニケーションのしやすさに直結します。
この5つの観点でバランスよく高い評価ができる国の一つが、バングラデシュです。次章から、バングラデシュ人材をおすすめする理由を一つずつ見ていきます。なお本記事では、バングラデシュ人材を過度に美化するのではなく、具体的なデータと背景にもとづいて「検討する価値がある国」として紹介します。
バングラデシュ人材をおすすめする5つの理由
理由1:大きな人口ボーナスと、厚い若手人材層
バングラデシュは南アジアに位置し、人口は約1億7,500万人を超え、世界第8位の規模を誇ります。年齢の中央値はおよそ27歳と非常に若く、人口構成上、15〜64歳の生産年齢人口が全体の約66%を占めます。30歳未満の若年層が人口の大きな比率を占める「人口ボーナス」の只中にあり、これから労働市場に入ってくる若い世代が分厚いことが特徴です。
一方で、若年層(15〜24歳)の失業率は約9〜11%と高い水準にあり、「働く意欲はあるのに国内に十分な雇用がない」という若者が数多く存在します。そのため、条件が合えば海外での就労に前向きな若手人材が豊富です。日本国内で若手の採用が年々難しくなるなか、若く就労意欲のある人材層が厚いことは、バングラデシュ人 採用の大きな魅力といえます。
理由2:世界有数の親日国であること
バングラデシュは、アジアのなかでも屈指の親日国として知られています。日本と国交を樹立して以来、両国は長年にわたり良好な関係を築いてきました。その背景には、日本の政府開発援助(ODA)を担うJICA(国際協力機構)による継続的な支援があります。JICAは円借款として累計2兆7,000億円を超える資金を供与しており、近年バングラデシュは日本にとって世界有数の円借款供与相手国となっています。
首都ダッカで2022年に部分開業した同国初の都市高速鉄道「ダッカメトロ」も、日本の円借款によって整備されたものです。道路・橋・空港・電力など、暮らしを支える主要インフラの多くに日本の協力が関わっており、現地では日本への感謝や信頼が日常的に語られます。詩聖タゴールをはじめとする歴史的な交流の積み重ねもあり、日本製品や日本企業へのブランドイメージは非常に高く、「日本で働きたい」と考える人材が多いことも、バングラデシュ 外国人採用を後押しする要因です。
理由3:日本人と親和性の高い国民性
バングラデシュの人々は、温厚でまじめ、明るく、人との会話を大切にする人が多いといわれます。ここでいうまじめさは、単に「指示されたことを正確にこなす」ことにとどまりません。与えられた仕事に対して自ら考え、工夫し、行動できる人材が多い点は、現場で長く活躍してもらううえで大きな強みです。
特筆すべきはホスピタリティの高さです。困っている人に自然と手を差し伸べ、人間関係を重んじる文化が根づいています。和を大切にし、チームで助け合う日本の職場文化とも親和性が高く、外国人採用の現場でのミスマッチを抑えやすい国民性だといえます。
理由4:強い向上欲求と、成長国としてのポテンシャル
バングラデシュは、まさに変革期にある国です。多くの人が「国は良くなっていく」「自分たちの力で生活水準を高められる」という前向きな感覚を持っており、海外で働いてスキルや収入を高めたいという向上心の強い若者が数多くいます。
経済面でも評価は高く、米ゴールドマン・サックスが将来の有望な新興国として挙げた「Next11(ネクスト・イレブン)」にバングラデシュは含まれています。縫製業を中心とした輸出の拡大などを背景に着実な経済成長を続けており、世界的にも成長可能性のある国として注目されています。こうした上昇志向の強さは、仕事への意欲や成長スピードにも表れやすく、若手人材を採用したい企業にとって心強いポイントです。
理由5:高い日本語習得能力(ベンガル語と日本語の親和性)
外国人材の定着を左右するのが日本語コミュニケーションですが、この点でもバングラデシュ人材には期待が持てます。母語であるベンガル語は、日本語と同じく「主語→目的語→動詞」の語順(SOV型)をとり、文の組み立て方が日本語とよく似ています。さらに、日本語の助詞「を・に・から」に相当する働きをする語があり、相手との関係で言い回しが変わる敬語的な感覚も備えています。
英語話者が日本語を学ぶ際に苦労しがちな語順の違いという壁が低いため、他国の人材と比べても日本語学習への適応力が期待できます。来日前から日本語学習を進めておくことで、採用後のコミュニケーションや定着面のミスマッチを大きく減らすことができます。
採用時に関係する在留資格の基礎知識(特定技能・技人国)
外国人材を採用する際は、職種や本人の経歴に応じて適切な在留資格(ビザ)を選ぶ必要があります。なかでも代表的なのが「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)」です。
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特定技能:現場の人手不足が深刻な分野で、一定の技能と日本語力を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。対象は介護・自動車整備・飲食料品製造業など16分野に広がっており、2024年には自動車運送業・鉄道・林業・木材産業が新たに加わりました。特定技能1号では、技能試験に加えて日本語能力試験(JLPT)N4、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2相当以上の日本語力が求められます。
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技人国:エンジニアや通訳、海外取引・管理部門など、専門知識や語学力を活かす業務に就くための在留資格です。学歴や実務経歴などの要件があり、業務上はおおむねJLPT N2相当の高い日本語力が望まれる場面が多いのが実情です。
どの在留資格が自社に合うかは、職種・業務内容・人材の経歴によって変わります。制度は改正も多いため、採用を検討する段階で専門会社に相談し、自社の状況に合った受け入れ方を整理しておくと安心です。
バングラデシュ人材の採用を成功させるために押さえるべきポイント
「外国人材を採用すればすぐに人手不足が解消する」という考え方は禁物です。採用後に長く活躍してもらうためには、受け入れ体制を事前に整えておくことが欠かせません。特に次の3点は、採用前から準備しておきたいポイントです。
1. 文化・宗教・生活習慣への理解
バングラデシュはイスラム教徒が多数を占める国です。1日数回のお祈りや、ラマダン(断食月)、ハラールに配慮した食事など、宗教にもとづく生活習慣への理解が、信頼関係づくりの第一歩になります。お祈りの場所や時間に少し配慮するだけでも、働きやすさは大きく変わります。文化や生活面の違いを「対応すべき手間」ではなく「相互理解の機会」と捉える姿勢が、定着につながります。
2. 受け入れ体制と相談窓口の整備
住居の確保、行政手続き、銀行口座の開設、生活インフラの整え方など、来日直後の外国人材には不安がつきものです。社内に相談できる担当者を置き、困ったときにすぐ頼れる窓口があることは、本人にとって大きな安心材料になります。可能であれば英語などでも相談できる体制があると望ましく、結果として早期離職の防止にもつながります。
3. 日本語教育・来日前教育の重要性
コミュニケーションの土台となる日本語は、来日後にゼロから学ぶよりも、来日前から計画的に学習を進めておくほうが、採用後の立ち上がりがスムーズです。日本語教育を受けた外国人材であれば、現場での指示理解や報告・連絡・相談が円滑になり、職場全体の負担も軽くなります。来日前教育は、ミスマッチを減らし定着率を高めるための重要な投資といえます。
来日前から育てる——バングラデシュ現地での日本語教育という選択肢
私たちは、バングラデシュ人材を「紹介して終わり」にするのではなく、現地での人材育成・日本語教育から、来日前準備、来日後の就職前準備、就職後のフォローまで、一貫して支援できる体制づくりを進めています。
その中核となるのが、バングラデシュ国内での日本語学校の開校構想「Nihon Gateway Academy(2026年7月開校予定)」です。現地で日本語教育を行い、特定技能向けのN4コース、技人国向けのN2コースを想定した人材育成を通じて、来日前の段階から日本語力と日本での働き方への理解を高めていきます。これにより、採用後のコミュニケーションや定着面のミスマッチをあらかじめ減らすことを目指しています。
外国人材の紹介・派遣はもちろん、技人国・特定技能の両面での採用相談、在留手続きや受け入れ準備、待遇設計・教育体制・生活支援まで、外国人材が長く働ける環境づくりを一緒に考えられる存在でありたいと考えています。
まとめ:バングラデシュは「これからの外国人材採用候補国」
バングラデシュ人材は、
(1)若く就労意欲の高い人材層の厚さ
(2)世界有数の親日性
(3)日本人と親和性の高い国民性
(4)強い向上欲求と成長国としてのポテンシャル
(5)日本語の習得しやすさ
外国人採用の国選びで重視すべき5つの観点をバランスよく満たしています。
もちろん、採用を成功させるには、在留資格の理解、来日前を含む日本語教育、文化・宗教への配慮、受け入れ体制の整備が前提になります。これらをひとつずつ整えていけば、外国人材 人手不足という課題に対し、バングラデシュ人材の採用は十分に現実的な選択肢となります。自社の人材確保チャネルを中長期で考えるうえで、ぜひ検討候補に加えてみてください。
外国人材採用を検討している企業様へ
外国籍人材の採用は、「どの国の人材を選ぶか」「来日前後の教育や受け入れ体制をどう整えるか」で成果が大きく変わります。株式会社イマスでは、バングラデシュをはじめとする外国籍の採用支援を行っており、在留資格の選定から、来日前の日本語教育、受け入れ準備、定着支援までを一貫してご相談いただけます。「自社でも外国人材を採用できるだろうか」と少しでもお考えの企業様は、まずはお気軽にご相談ください。
出典
本記事で参照した主な統計・情報の出典は以下のとおりです(最終アクセス:2026年6月)。
・人口・年齢構成・生産年齢人口比率:Worldometer「Bangladesh Demographics」/外務省「バングラデシュ基礎データ」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bangladesh/data.html
・若年層失業率:World Bank「Unemployment, youth total (% of total labor force ages 15-24)」 https://data.worldbank.org/indicator/SL.UEM.1524.ZS?locations=BD
・JICAの円借款・日本との関係:JICA「バングラデシュとJICA -50年の道のりと今後の展望-」 https://www.jica.go.jp/information/blog/1525569_21942.html
・ダッカメトロ:JICA「バングラデシュ初の都市高速鉄道ダッカメトロ6号線が部分開業」 https://www.jica.go.jp/press/2022/20230117_32.html
・親日性の背景(タゴール等):在バングラデシュ日本国大使館 https://www.bd.emb-japan.go.jp/itpr_ja/01012020jp.html
・Next11:Euromonitor「The Next 11 Emerging Economies」(ゴールドマン・サックス提唱) https://www.euromonitor.com/article/the-next-11-emerging-economies
・ベンガル語と日本語の語順(SOV):Wikipedia「ベンガル語」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%AB%E8%AA%9E
・特定技能の対象16分野(2024年拡大):出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」 https://www.moj.go.jp/isa/content/930006033.pdf
・特定技能1号の日本語要件(JLPT N4/JFT-Basic):出入国在留管理庁(特定技能) https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/index.html
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