日本企業が海外進出をするべき理由と課題 ~『海外進出白書 (2017-2018年版)』より~

日本企業が海外進出をするべき理由と課題について、日系企業2,589社の海外進出動向をまとめた『海外進出白書2017~2018年度版』から、ピックアップして解説します。
海外に進出するにあたって、日系企業がなぜ進出したのかを知りたい方は多いと思われます。同時に、海外進出の理由を知ることで、進出企業が感じている課題も見えてきます。
果たして日本企業が海外進出をするべき理由と課題とは? さっそくランキング形式でみていきましょう。
1. 日系企業が海外進出を決めた理由と課題とは?
進出には「市場規模の大きさ」を重視

進出先を決めた理由として、最も多かった回答は「市場規模の大きさ」で、6 割以上を占めています。
インバウンド需要で、以前ほど聞かなくなった「国内市場の縮小」ですが、それも東京オリンピックに向けた特需であるという意見もあり、依然として多くの企業が海外の市場開拓を意識しています。また、インバウンド客の自社製品やサービスなどへのニーズを目の当たりにし、海外市場に大きなチャンスを見出す企業も少なくありません。
進出国ランキングで、中国・アメリカという市場規模の大きな国が 1~2 位となり、成長性の高いベトナムなどの ASEAN 諸国がランキングの多くを占めていることからも、多くの企業がその国の「市場」を見て進出を決めていることが伺えます。
関連:「日系企業の人気海外進出先ランキング ~『海外進出白書 2017-2018年版』より~」
また、これらの国の進出業種を見ると、いずれも「卸・小売業」の割合が最も大きいことがわかります。2015年から続く「海外進出=販路拡大」の傾向は、今後も続くでしょう。
関連:「業種別でみる日系企業の進出先 ~『海外進出白書 2017-2018年版』より~」
次に「人件費の安さ」「自社製品・サービスのニーズがあったため」という理由が続きます。後者は、市場規模が大きくても、その市場にアプローチするために「まずは自社製品のニーズのあるところで始めたい」という意図が読み取れます。
その意図を踏まえると、インバウンドでの消費傾向を分析し、どの国の消費者がどのような製品を購入しているのかを明確にすることは、海外進出を検討する際に必要になってきます。
現在では、展示会や催事場でのテストマーケティングサービスや、比較的安価な市場調査サービスといった支援パッケージなどが増え、アプローチの手段が充実してきています。また、越境ECや現地ECモールへの出品からもニーズを探ることができます。
さて、「人件費の安さ」ですが、国際競争力が求められる現代では、コスト削減は重要な課題です。多くの企業にとって、人件費は大きなコストとなります。また、採用コストの増大も「海外人材の採用」に拍車をかけています。「人件費の安さ」と回答した企業は、進出先としてベトナムを中心にASEAN諸国を検討する企業が多いようです。
また、「取引先」に言及している回答も数多くありました。海外進出が活発になっている中、取引先との付き合いの中で海外進出が必要になるケースも増えています。
日本企業の課題として「国内市場規模の縮小」「国内人材のコスト高騰」「取引先からの要請」が改めて浮き彫りになりました。今後日本企業は、上記 3 つの課題にどう取り組むかが大きなカギとなってきます。その解決策の1つとなるのが、「海外進出」と言えます。
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