海外進出で使える補助金・助成金の探し方|活用のメリットと制度の種類をわかりやすく解説
海外進出には多額の資金が必要になります。市場調査、現地法人設立、人材派遣、販路開拓、マーケティングなど、動くべき項目を数え上げればキリがありません。資金繰りへの不安は、海外進出を検討する企業にとって常に大きな壁として立ちはだかります。こうした資金面の負担を軽減してくれるのが、国や地方自治体、独立行政法人などが提供する「補助金」や「助成金」の制度です。返済不要の資金を活用できれば、自己資金だけでは手が届かなかった取り組みにもチャレンジできるようになり、海外進出全体のハードルがぐっと下がります。ところが実際には、そもそもどんな制度があるのか分からない、どうやって探せばよいのか見当がつかないという声が多いのも事実です。本記事では、海外進出で活用できる補助金・助成金の基本から、代表的な制度の種類、そして効率よく探すための視点までを、わかりやすく解説していきます。
この記事でわかること
- ・補助金と助成金の違いと基本的な仕組み
- ・海外進出で補助金・助成金を活用するメリットとデメリット
- ・経済産業省・厚生労働省・自治体・独立行政法人の代表的な制度
- ・補助金・助成金を活用する企業の実際の割合と推移
- ・リサーチ過程で得られる副次的な気づきの価値
▼海外進出で使える補助金・助成金の探し方
1. 海外進出を支える補助金・助成金の基本
補助金・助成金とは
補助金と助成金は、どちらも国や地方自治体、公的機関が企業の特定の取り組みを支援する目的で交付する資金です。返済不要である点が金融機関の融資と大きく異なり、企業にとっては非常にありがたい資金源となります。
海外進出に関連する制度は、市場調査や現地視察の費用を補助するもの、展示会・商談会への出展費用を支援するもの、人材育成や雇用を後押しするもの、IT化や設備投資を支えるものなど、支援の切り口は多岐にわたります。自社の取り組みと合致する制度を見つけられれば、プロジェクト全体の資金負担を大きく軽減できます。
補助金と助成金の違いを理解する
「補助金」と「助成金」という言葉は似ていますが、実務上はいくつかの違いがあります。
第一に、提供主体が異なる傾向があります。補助金は主に経済産業省系の機関から提供されることが多く、助成金は厚生労働省系の制度として用意されることが一般的です。
第二に、審査の厳しさに違いがあります。補助金は予算に枠があり競争率が高いため、事業計画書の完成度や加点要件の有無によって採択・不採択が決まります。一方で助成金は、要件を満たしていれば比較的受給しやすい制度が多く見られます。
第三に、申請のタイミングが異なります。補助金は公募期間が決まっており、その期間内に申請しなければなりません。助成金は随時申請が可能な制度が多いため、タイミングを気にせず取り組めます。
第四に、支給額の規模にも違いが見られます。補助金は数百万円から数千万円規模の大きな金額が支給されるケースが多く、助成金は比較的小ぶりながら分割受給が基本です。
2. 補助金・助成金のメリットとデメリット
メリット
補助金・助成金を活用する最大のメリットは、やはり資金負担の軽減です。自己資金や借入だけで賄うのが難しいプロジェクトでも、公的資金のサポートを受けることで実現可能性が高まります。
また、返済義務がないため、事業が期待どおりに立ち上がらなかった場合でも、返済プレッシャーに追われることがありません。これは精神的にも経営判断の自由度という面でも、非常に大きな意味を持ちます。
加えて、国や自治体から採択されたという事実そのものが、取引先や金融機関に対する信用力の向上につながります。公的機関に事業性を認められた企業というブランディング効果は、見えにくいながらも確実なリターンをもたらします。
さらに、補助金・助成金を活用することで、本来は実施をためらっていた新しい取り組みにチャレンジできるようになり、結果として事業機会の拡大やリスク分散にもつながります。
デメリット
一方で、補助金・助成金には注意すべきデメリットもあります。
最大の課題は申請手続きの煩雑さです。事業計画書の作成、各種添付書類の準備、場合によっては事業計画の妥当性について面接審査を受けることもあります。社内リソースが限られる中小企業にとっては、この申請プロセス自体が大きな負担となりかねません。
補助金は競争が激しいため、採択されない可能性も十分にあります。準備に時間をかけたのに不採択という事態は珍しくなく、申請のリスクを念頭に置いておく必要があります。
使用目的にも厳しい制限があります。補助金・助成金は特定の用途にしか使えないため、自由度の高い資金として当てにすることはできません。また、実績報告書の提出や数年にわたる事業状況の報告義務があり、受給後も一定の事務負担が続きます。
3. 代表的な制度の種類と特徴
海外進出に関連して活用できる補助金・助成金は、提供主体ごとに大きく4つに分類できます。
経済産業省系の制度
経済産業省が提供する制度は、海外販路開拓、新規事業創出、イノベーション推進などを目的とするものが中心です。海外展示会への出展費用やマーケティング調査費用を支援するものが多く、海外ビジネスに直接関連する制度が豊富に揃っています。中小企業庁やJETROを通じて公募される制度も多いため、これらの機関の情報を定期的にチェックしておくと良いでしょう。
代表例として挙げられる「IT導入補助金」では、最大100万円、最低でも20万円程度を受け取ることが可能です。海外販路開拓に向けたITツール導入の初期費用を抑えたい場合に活用を検討したい制度のひとつです。
厚生労働省系の制度
厚生労働省系の制度は、雇用の安定、人材育成、労働環境の改善などを目的としています。海外進出に伴う人材確保や研修費用を支援する助成金も用意されており、現地展開を担う人材投資への後押しとして活用できます。
条件を満たせば比較的受給しやすい制度が多いため、申請にかかる手間と受給額を天秤にかけて、積極的に活用を検討する価値があります。
地方自治体の制度
都道府県や市区町村が独自に実施している支援制度も見逃せません。特定の産業分野に特化していたり、地元企業の海外展開を重点支援する制度があったりと、地域色が強く出る傾向があります。
自社の所在地や工場立地の自治体が公表している支援制度を一度洗い出してみることをおすすめします。国の制度と組み合わせて活用することで、より手厚い支援を受けられるケースもあります。
独立行政法人・政府関連金融機関・財団の制度
JETRO、中小機構、JICAといった独立行政法人や、日本政策金融公庫をはじめとする政府関連金融機関、民間の財団法人なども、それぞれ独自の支援制度を提供しています。これらの機関は補助金だけでなく、専門家派遣、情報提供、融資、出資など多面的なサポートを展開しているため、資金面以外のメリットも期待できます。
4. 海外進出企業の2割以上が公的制度を活用
Digima〜出島〜に寄せられる海外進出相談のデータを見ると、海外進出の資金調達方法として「公的機関からの助成金・補助金」を挙げる企業の割合は、ここ数年で着実に増加しています。
実際のデータを追うと、資金調達として公的制度を挙げた企業は2020年度に15.6%、2021年度に19.6%、2022年度には23.4%まで上昇しており、海外進出企業の2割以上が公的資金を活用している状況がうかがえます。
一方で「自己資金のみ」と回答する企業も依然として全体の77.5%を占めており、多くの企業は補助金・助成金を併用するかたちで資金計画を立てているのが実態です。自己資金だけに頼るのではなく、使える制度はしっかりと使うというスタンスが、海外進出を現実的に前進させるうえで重要なポイントとなります。
5. リサーチ過程で得られる「新たな気づき」
補助金・助成金のリサーチには、実は資金獲得以上の副次的な効果があります。
制度の内容を調べる過程で、自社がまだ知らなかった支援機関や、活用していなかった公的サービスの存在に気づくことが少なくありません。こんな制度があったのか、この分野ならこういう支援が受けられるのかという発見が積み重なり、海外進出プロジェクト全体の設計図が自然とブラッシュアップされていきます。
また、補助金・助成金の申請には事業計画書の作成が欠かせないため、申請プロセス自体が自社の事業計画を見直す絶好の機会にもなります。第三者の審査員にわかりやすく説明するために要点を整理していくと、自社の強みや課題が改めて浮き彫りになり、経営戦略の再構築につながるケースもあります。
こうしたセレンディピティ(偶然の出会いから得られる気づき)は、補助金リサーチを単なる「お金探し」で終わらせない、隠れた価値と言えるでしょう。
6. よくある質問(FAQ)
Q. 補助金と助成金はどちらが受けやすいですか?
一般的には助成金のほうが受給のハードルは低めです。要件を満たしていれば採択される制度が多いためです。補助金は競争が激しく、事業計画書の完成度次第で採択・不採択が決まります。
Q. 海外進出に使える代表的な補助金は何ですか?
経済産業省系の「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」、JETROが実施する海外展示会出展支援、中小機構の販路開拓支援などが代表例として挙げられます。自社の業種と取り組み内容に応じて検索してみましょう。
Q. 補助金の申請は自社だけで進められますか?
制度によりますが、書類作成の負担が大きいため、中小企業診断士や行政書士、専門のコンサルタントに依頼する企業も多くあります。申請実績を持つ専門家のサポートを受けることで、採択率を高められます。
Q. 補助金が採択されなかった場合のリスクはありますか?
金銭的な損失は発生しませんが、準備にかけた時間とリソースが無駄になるリスクはあります。不採択を前提に複数の資金調達手段を並行して検討しておくと、いざというときに困りません。
Q. 自治体の制度と国の制度は併用できますか?
併用可能なケースもありますが、制度ごとに規定が異なります。併用の可否は各制度の公募要領に明記されていますので、事前に必ず確認しましょう。
7. 優良な海外進出サポート企業をご紹介
補助金・助成金は、海外進出の資金面を支える強力な味方です。しかし、制度の種類は非常に多く、自社にどれが合うのかを見極めるには相応の情報収集とノウハウが必要になります。申請書類の作成にも専門的な知見が求められるため、独力で進めるには限界があるのも事実です。
「Digima〜出島〜」では、補助金・助成金の活用をはじめ、海外進出のあらゆる段階に対応した優良な支援企業を無料でご紹介しています。資金調達の相談から、事業計画の作成支援、現地パートナーの探索まで、ワンストップで頼れる専門家にアクセスできる環境を整えています。
海外進出の資金計画でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
この記事が役に立つ!と思った方はシェア
海外進出相談数
27000
件突破!!
最適サポート企業を無料紹介
コンシェルジュに無料相談































