日本企業の海外進出拠点ランキング|国別割合・進出形態・目的を徹底分析
日本企業の海外進出は、過去10年以上にわたって右肩上がりで拡大し続けてきました。外務省の海外在留邦人数調査などを基にした統計では、日本企業の海外拠点数は7万5,000拠点を超える規模にまで到達しており、海外進出はもはや一部の大企業だけの選択肢ではなく、中堅・中小企業にとっても視野に入る現実的な戦略となっています。では、これほど多くの日本企業はどの国に、どのような目的で進出しているのでしょうか。国別・地域別のランキングを追っていくと、日本企業の海外進出の全体像と、そこに込められた戦略的な狙いが見えてきます。本記事では、日本企業の海外拠点数を国別・地域別に整理しながら、ランキング上位国の特徴と、企業が海外進出を選ぶ2つの主要な目的について解説します。自社の海外進出戦略を考えるうえで、同業他社や日本企業全体がどの方向に向かっているのかを知ることは、判断の精度を高める重要なインプットになります。
この記事でわかること
- ・日本企業の海外拠点数の全体像
- ・地域別に見た拠点分布と前年比の動き
- ・国別進出ランキングのトップ12
- ・前年比で伸びている国・減っている国
- ・海外進出の主要な2つの目的(市場開拓型・生産移転型)
- ・主要進出国の特徴と戦略的ポジション
▼日本企業の海外進出拠点ランキング
1. 日本企業の海外進出拠点の全体像
日本企業の海外拠点数は、統計時点で7万5,531拠点に達し、前年比では3,711拠点の増加(約5.2%の伸び)を記録しています。過去5年間では約18%(11,752拠点)もの増加を見せており、海外進出が日本企業全体にとって長期的な潮流となっていることがわかります。
拠点の内訳を見ると、現地法人企業が36,499拠点(前年比+1.9%)、本邦企業(日本企業が直接運営する拠点)が5,347拠点(前年比+4.4%)、区分不明が33,685拠点(前年比+9.1%)となっています。現地法人を設立する本格的な形態に加えて、駐在員事務所や支店といったさまざまな形での進出が混在しているのが実情です。
2. 地域別に見た日本企業の進出動向
アジアが全体の約7割を占める
地域別の拠点分布を見ると、圧倒的な存在感を示しているのがアジアです。アジアには52,860拠点があり、全体の約70%を占めています。前年比でも6.4%増と高い伸びを示しており、引き続きアジアが日本企業の海外進出の最重要地域であることが確認できます。
北米・西欧は安定的なシェア
北米の拠点数は9,417拠点で全体の約12.5%、西欧は5,833拠点で約7.7%となっています。両地域とも前年比ではプラスを維持していますが、アジアほど伸びていません。すでに多くの日本企業が進出済みの成熟市場として、新規進出よりも既存拠点の強化フェーズに入っていると見ることができます。
アジア・北米・西欧の3地域を合計すると全体の約97%に達し、日本企業の海外進出はこの3極にほぼ集約されている構造が見て取れます。
前年比で伸びた地域
前年比増加率の高かった地域を見ると、アフリカが約7.7%増(57拠点増)、中米が約7.4%増(96拠点増)、アジアが約6.4%増(3,187拠点増)、東欧・旧ソ連が約4.5%増(69拠点増)となっています。絶対数ではアジアが圧倒的ですが、成長率で見るとアフリカや中米といった新興地域の動きにも注目する価値があります。
3. 国別進出ランキング
国別に見ると、ランキング上位は以下のような顔ぶれとなっています。
第1位は中国で32,349拠点、全体の約43%を占める圧倒的な存在です。第2位は米国で8,606拠点(全体の約11%)、第3位がインドで4,805拠点(約6.4%)、第4位はタイで3,925拠点(約5.2%)です。
第5位以降はインドネシア1,911拠点(約2.5%)、ベトナム1,816拠点(約2.4%)、ドイツ1,814拠点(約2.4%)、フィリピン1,502拠点(約2.0%)、マレーシア1,295拠点(約1.7%)、シンガポール1,199拠点(約1.6%)、メキシコ1,182拠点(約1.6%)、台湾1,179拠点(約1.6%)という並びです。
中国が断トツの首位を走り、米国、インド、タイ、インドネシア、ベトナムといったアジア諸国が上位を占めている構図が鮮明です。欧州ではドイツが唯一トップ12に入っており、北米ではメキシコが製造拠点として存在感を示しています。
4. 前年比で見る成長著しい国
ランキングの絶対数だけでなく、前年比で伸びている国を見ると、日本企業の進出先トレンドがより立体的に浮かび上がります。
前年比で目立つ伸びを示したのは、タイの前年比+120%という驚異的な数字です。2,142拠点増えて3,925拠点に到達しており、タイへの進出が短期間で急拡大したことがわかります。次いで韓国が前年比+36%(250拠点増)、モンゴルが+31.9%(122拠点増)、アルゼンチンが+28.2%、カンボジアが+14.4%、ミャンマーが+10.3%、ベトナムが+7.6%、メキシコが+6.4%、インドネシアが+5.6%となっています。
一方で拠点数が減少した国も存在します。前年比のマイナス幅が大きいのは、ベネズエラの−30%、マレーシアの−4.9%、英国の−1.2%です。政治・経済の不安定さや、各国固有の事情が反映された結果と言えるでしょう。
5. 海外進出の2つの目的
日本企業が海外進出を決断する理由は、大きく2つに分類できます。
市場開拓型進出
ひとつは「市場開拓型進出」で、自社の商品やサービスを販売する新たな市場を求めて海外に出ていくケースです。国内市場が縮小するなか、購買力のある海外市場に販路を求めるこのパターンは、アメリカ、欧州、そしてアジアの中間層が拡大する国々を主な進出先として広がっています。
生産移転型進出
もうひとつは「生産移転型進出」で、コスト削減や生産能力の拡大を目的として生産拠点を海外に移すケースです。人件費の安い国を選んで工場を設立し、そこから日本や第三国に製品を輸出するスキームが代表的です。中国、タイ、ベトナム、インドネシアといったアジア諸国が主な受け皿となってきました。
この2つの目的は必ずしも排他的ではなく、実際には両方の狙いを同時に追求する企業も少なくありません。たとえば中国には生産拠点として進出した企業が、現地市場の拡大とともに販売拠点としての位置づけも強めていく、というような複合的な展開が一般的です。
6. 主要進出国の特徴分析
中国
人口約14億人、GDP世界第2位という圧倒的な規模を誇る中国は、「世界の工場」としての生産拠点と「世界最大級の市場」としての販売拠点という2つの顔を持っています。32,349拠点という数字は、中国が長年にわたって日本企業の海外進出の最重要国であり続けてきたことを物語っています。
近年は米中貿易摩擦や地政学リスクを受けてサプライチェーンの多元化が進んでいますが、中国市場そのものの魅力が失われたわけではありません。
アメリカ
3億人を超える人口と世界最大の消費市場を抱えるアメリカは、日本企業にとって常に最重要進出先のひとつです。トヨタやホンダといった自動車メーカー、パナソニックやソニーといった家電メーカーをはじめ、多くの日本企業がアメリカに拠点を構えています。
インド
現在の14億人から2030年には15億人、2050年には17億人に達すると見込まれるインドは、2040年ごろまで続く「人口ボーナス期」と豊富なIT人材を武器に、急速に存在感を高めています。人件費の優位性も大きく、日本国内と比較して約8割のコスト削減が可能というデータもあります。
タイ
前年比+120%という驚異的な伸びを記録したタイは、ここ数年で日本企業の進出先として急速に注目度を高めた国です。東南アジアのハブとしての地理的優位性、整備されたインフラ、そして「タイランド4.0」と呼ばれる経済発展計画のもとで、2036年までに1人あたりGDP13,000ドルを目指す高所得国入りを志向しています。
韓国
日本と韓国の貿易総額は一時期9兆円台を超え、韓国は日本にとって中国・アメリカに次ぐ第3位の貿易相手国です。地理的な近さと経済的な相互依存の深さから、日本企業の進出先としても安定した地位を保っています。
モンゴル
1992年に民主化した後、日本政府の支援を背景に進出が加速している国です。現地法人化した日本企業は約315社(2016年10月時点)に上り、暗号資産のマイニングに最適な地としても世界から注目を集めています。新ウランバートル国際空港の開港など、インフラ整備も進んでおり、今後の進出拡大が期待される市場です。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 日本企業の海外拠点数で最も多い国はどこですか?
中国で32,349拠点、全体の約43%を占めます。第2位は米国の8,606拠点、第3位はインドの4,805拠点と続きます。
Q. 日本企業の海外進出はアジアに集中しているのですか?
はい。アジアには全体の約70%にあたる52,860拠点があり、圧倒的な存在感を示しています。中国・インド・東南アジア諸国がその中核です。
Q. 前年比で最も拠点数が伸びた国は?
タイで前年比+120%という驚異的な伸びを記録しました。次いで韓国(+36%)、モンゴル(+31.9%)が続きます。
Q. 海外進出の目的にはどんなパターンがありますか?
主に「市場開拓型進出」と「生産移転型進出」の2つに分類されます。前者は販売市場の拡大、後者は生産コストの削減や生産能力の増強が目的です。多くの企業は両方を同時に追求します。
Q. インド市場の魅力は何ですか?
14億人の巨大市場、2040年まで続くとされる人口ボーナス期、豊富なIT人材、そして日本と比較して約8割節減可能な人件費などが主な魅力です。
Q. 拠点数が減少している国もありますか?
ベネズエラ(−30%)、マレーシア(−4.9%)、英国(−1.2%)などで減少が見られます。政治経済の不安定さや事業環境の変化が背景にあります。
8. 優良な海外進出サポート企業をご紹介
日本企業の海外進出は引き続き拡大基調にあり、進出先の選択肢も年々多様化しています。自社にとって最適な進出先を選び抜き、そこで着実に事業を軌道に乗せるためには、各国の事情に精通した支援企業との連携が不可欠です。
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