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日本企業の海外進出の推移|外務省の拠点数調査で見る国と地域の変化

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日本企業の海外進出の推移を、外務省の海外進出日系企業拠点数調査で解説します。拠点数の合計と地域別の推移、2024年から2025年に増えた国、製造業の海外生産比率、海外進出の相談の中身の変化を数字でまとめます。

日本企業の海外進出の推移は、外務省が毎年まとめている「海外進出日系企業拠点数調査」で追うことができます。海外にある日系企業の拠点は、合計が公表されている2021年10月1日時点で7万7,551あり、2017年以降は7万〜8万の水準で推移してきました。

拠点数の合計と地域別の推移、2024年から2025年に拠点が増えた国、海外生産比率の推移、海外進出の相談の中身の変化を、数字の読み方とあわせて解説します。

この記事でわかること

  • ・海外にある日系企業の拠点数の推移
  • ・地域別に見た拠点の増え方
  • ・2024年から2025年に拠点が増えた国
  • ・製造業の海外生産比率の推移
  • ・海外進出の相談の中身の変化と進出先の選び方

1. 日本企業の海外進出の推移|拠点数の合計

外務省の調査による海外の日系企業拠点数の推移

外務省の調査は、日本企業の海外支店、日本企業が出資する現地法人とその支店、日本人が海外で起こした企業を「拠点」として、在外公館ごとに毎年10月1日時点の数を調べています。合計の動きと、年ごとに比べるときの注意点を見ていきます。

拠点は7万〜8万の水準で推移

拠点の合計は、2017年が7万5,531、2019年が7万4,072、2020年が8万373、2021年が7万7,551でした。2020年に8万を超えたあと、2021年は少し減っていますが、大きな流れとしては7万〜8万の水準を保っています。この間、中国・米国・インドが上位という顔ぶれは変わっておらず、拠点の数そのものより、どの国で増えてどの国で減っているかに変化が表れています。

2022年以降は国ごとの数で比べる

2022年以降の調査結果は、国・地域ごとの数が表になっていて、全体の合計は載っていません。また、日系商工会議所の名簿や現地の公的な登録情報を使うなど、数え方を見直した国が年ごとにあり、その国には注記が付いています。そのため、2022年以降の推移は、前の年と同じ方法で数えた国どうしで比べるのが確実です。数え方を変えた国の増減を、そのまま進出の増減として読まないことが大切です。

出典:外務省「海外進出日系企業拠点数調査」(2026年11月確認)

2. 地域別の推移|アジアが約7割を占める

地域ごとの合計が表になっている2019年から2021年の調査で、地域別の推移を比べます。どの地域で拠点が増えたかを見ると、日本企業の海外進出の重心がどこにあるかが分かります。

アジアは5万拠点台で全体の7割前後

アジアの拠点は2019年が5万171、2020年が5万6,315、2021年が5万3,431で、全体に占める割合は68〜70%でした。2020年に大きく増えたのはアジアで、合計の増減の多くはアジアの動きで説明できます。中国とASEANの国々、インドに拠点が集まっており、日本企業の海外進出の中心がアジアにあることは、この3年を通じて変わっていません。

地域2019年2020年2021年
アジア50,17156,31553,431
北米9,8669,8789,827
欧州7,9598,1248,300
中南米2,9082,8722,803
大洋州1,2971,3381,337
中東961946926
アフリカ910900927
合計74,07280,37377,551

表の値は外務省の各年10月1日時点の調査結果です。

欧州は増え北米と中南米は横ばい

同じ3年で、欧州は7,959から8,300へと毎年増えました。北米は9,800台、中南米は2,800〜2,900台でほとんど変わっていません。北米と欧州はすでに多くの日本企業が進出している市場で、新しく拠点を増やすより、今ある拠点を大きくする段階にある企業が多いと考えられます。アフリカと中東は1,000に届きませんが、アフリカは2021年に増えています。

出典:外務省「海外進出日系企業拠点数調査」2019〜2021年調査結果(2026年11月確認)

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3. 国別の推移|2024年から2025年に増えた国

2024年から2025年に日系企業の拠点が増えたインド・インドネシア・マレーシア・フィリピン

最新の2025年調査と前の年の2024年調査を、前の年と同じ方法で数えた国どうしで比べると、拠点がはっきり増えている国が見えてきます。増えた国と、数字の扱いに注意が要る国を分けて整理します。

インドとインドネシアは1年で1,200以上増加

インドの拠点は2024年の5,205から2025年は6,485へ、インドネシアは2,409から3,643へと、どちらも1年で1,200以上増えました。マレーシアは1,643から1,934へ、フィリピンは1,630から1,888へ増えています。人口が多く国内の市場が伸びている国と、中国以外の生産拠点として選ばれている国の両方で拠点が増えており、日本企業の進出先がアジアの中で広がっていることが読み取れます。米国は9,639から9,584で、ほぼ横ばいでした。

中国の数字は数え方の変更に注意

中国の拠点は2024年の3万2,364から2025年は2万6,273と大きく減りました。ただし、2025年調査では中国の一部の公館が前の年と違う方法で数えており、この差をそのまま撤退の数として読むことはできません。帝国データバンクによると、中国に進出している日本企業は2024年に1万3,034社で、最も多かったころから約1,000社、1割ほど減りました。新しい投資を中国以外の国へ向ける企業が増えている一方、中国の市場向けの事業を続ける企業も多い状況です。

出典:外務省「海外進出日系企業拠点数調査」2024年・2025年調査結果(2026年11月確認),帝国データバンク「日本企業の『中国進出』動向調査(2024年)」(2026年11月確認)

4. 海外生産比率の推移|製造業は36%前後で高止まり

拠点数とは別の物差しとして、製造業がどれだけ海外で作っているかを表す海外生産比率があります。国際協力銀行が毎年行っている調査で、20年あまりの推移を見ると、海外進出の進み方の変化が分かります。

20年で28%から36%へ上昇

国際協力銀行の調査によると、海外に拠点を持つ製造業の海外生産比率は、2004年度の28.0%から2014年度には35.1%へ上がり、2024年度は36.1%でした。2010年代の半ばまでに大きく上がり、その後は35%前後で推移しています。海外売上高比率は2024年度に40.9%で、2年続けて過去最高を更新しました。海外で作る割合は落ち着いてきた一方で、海外で売る割合は伸び続けていることになります。製造業の現地法人の数や売上高は製造業の海外進出データはこちら。

作る拠点から売る市場への変化

海外生産比率が横ばいになったことは、海外進出の目的の変化とも重なります。人件費の安い国へ工場を移す動きは一段落し、現地の市場で売るため、または取引先の近くで供給するために拠点を置く企業が増えています。調査の対象は、原則として海外の現地法人を3社以上持ち、そのうち1社以上が生産拠点の製造業です。中小企業を含む製造業全体の数字ではない点に注意が要ります。

出典:国際協力銀行「わが国企業の海外事業展開に関する調査報告 2025年度 海外直接投資アンケート結果(第37回)」(2026年11月確認)

5. 海外進出の相談はどう変わったか

海外進出白書による相談の中身と相談先の国の変化

拠点数や生産比率は、すでに進出した企業の動きです。これから進出を考えている企業の関心は、Digima〜出島〜に寄せられる相談に表れます。2021年度と2025年度の相談を比べると、関心の向きの変化が見えてきます。

販路拡大の相談が16%から22.9%へ

Digima〜出島〜の海外進出白書によると、相談の中身で最も多いのは海外での販路拡大で、2021年度の16%から2025年度は22.9%に増えました。相談件数は2021年度が4,022件、2025年度が4,218件です。白書では、企業が海外に出る理由が「生産拠点」から「販路拡大先」へと移っていることを毎年確かめており、前の章の海外生産比率の動きとも合っています。

タイの相談が増え中国は下がった

相談先の国では、アメリカが2021年度の13%から2025年度は13.5%で、5年続けて1位でした。タイは4%から7.1%へ増え、中国は12%から8.6%へ下がっています。外務省の拠点数で中国が最も多いことは変わりませんが、これから進出する企業の関心は、アメリカやタイ、台湾などへ広がっています。白書の進出国ランキングの年度ごとの推移はこちら。

6. 推移のデータを進出先選びに使うには

推移のデータは、他の企業がどこへ向かっているかを知る手がかりになります。ただ、そのまま自社の進出先の答えになるわけではありません。自社の判断に役立てるための読み方を2つ挙げます。

増えている国は理由まで確かめる

インドやインドネシアで拠点が増えているのは、人口の多さと市場の伸び、中国以外の生産拠点を求める動きが重なっているためです。自社にとって同じ理由が当てはまるかを確かめることが、推移のデータを使う第一歩になります。売る市場を探しているなら現地で自社の製品を買う企業や消費者がいるか、作る拠点を探しているなら必要な人材と部品を集められるかを、国ごとに調べます。

拠点が多い国ほど競争も激しい

日系企業の拠点が多い国は、日本企業向けの支援や取引先を見つけやすい反面、同じ業種の日本企業との競争や、人材の取り合いによる賃金の上昇が起きやすい国でもあります。拠点が増え始めたばかりの国は、競争は少ないものの、支援の体制や情報が足りないことがあります。推移のデータで候補を挙げたら、自社の目的に合わせて2〜3か国に絞り、現地の状況を見て比べることが大切です。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 拠点数と海外進出している企業の数は同じ?

同じではありません。外務省の調査は「拠点」を数えているので、1つの企業が同じ国に現地法人と支店を持っていれば2拠点、複数の国に出ていれば国の数だけ拠点として数えられます。海外に出ている企業の数そのものを知りたい場合は、帝国データバンクの国別の進出企業数の調査や、ジェトロの海外進出日系企業実態調査の対象企業の数など、企業の数を数えた別の調査を使います。目的に合わせて、どの単位で数えた数字かを確かめてから使います。

Q2. 最新の拠点数はいつ分かる?

外務省の調査は毎年10月1日時点の数を在外公館が調べ、翌年に結果を公表しています。2025年10月1日時点の結果は2026年7月に外務省のページで公表されました。国別の拠点数はExcelの表で、2019年以降の各年の結果を同じページから取り出せます。数え方を見直した国には注記があるので、前の年と比べるときは注記を確かめてから使うと読み違いを防げます。

Q3. 中小企業の海外進出も増えている?

海外生産比率などの調査は大企業が中心で、中小企業の動きは別の調査で見る必要があります。Digima〜出島〜の相談では、海外での販路拡大の相談が増えており、工場を建てるより先に、代理店や越境ECで売り先を探す段階から海外進出を始める企業が多く見られます。規模が小さくても、売る市場を決めて小さく始め、手応えを見てから拠点を置く進め方が取りやすくなっています。

8. これからの海外進出をDigima〜出島〜に相談する

推移のデータで候補の国を挙げるところまでは、自社でも進められます。そこから自社の製品や事業に合う国を選び、進出の形を決める段階では、国ごとの実務の知識が必要になります。進め方ごとの違いを並べました。

項目自社で調べて決めるDigima〜出島〜に相談する
メリットデータの読み方が社内に残る候補の国で実績のあるサポート企業と話せる
向いている企業海外の担当者と調べる時間がある初めての海外進出で国も形も未定
かかる手間統計や現地情報の収集と比較自社の目的と条件を伝える
費用調査の人件費・渡航費紹介は無料(支援の費用は依頼先と決める)

Digima〜出島〜に相談するメリット

1つ目は、伸びている国の中から、自社の製品や事業に合う国をどう選ぶかという整理から始められることです。2つ目は、インドやASEANなど候補の国ごとに、進出の支援に実績のあるサポート企業を紹介してもらえることです。3つ目は、市場調査、販路の開拓、会社設立など、国を決めたあとの実務まで同じ窓口で相談できることです。データで気になった国があれば、その国が自社に合うかどうかから話を始められます。

▶︎これからの進出先の選び方をDigima〜出島〜に相談する

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