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NIES(新興工業経済地域)とは何だったのか?その歴史と変遷を解説

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NIES(Newly Industrializing Economies)とは、「新興工業経済地域」と訳され、1980年代から1990年代にかけて急速な経済成長と工業化を遂げた一連の国々や地域を指します。

当初は特にアジアの「4小竜」と呼ばれる韓国、台湾、香港、シンガポールを中心に使用された用語で、これらの地域は高い経済成長率を記録し、先進国と発展途上国の間の新たなカテゴリとして、NIES(二ーズ)と呼ばれるようになります。

NIESに分類される国々は、輸出主導型の経済戦略、政府による産業政策の積極的な実施、高い教育水準と技術革新により、短期間で工業化を実現し、国際競争力を持つ産業を育成しました。これにより、これらの国々は世界経済における重要な役割を果たすようになり、経済成長の新たなモデルとして国際社会から注目を集めるようになったのです。

本稿では、NIESの定義とそこに属していた各国・地域の特徴。さらにはNIESの歴史的変遷と現状についてもわかりやすく解説します。

1. NIES(新興工業経済地域)とは?NIESが生まれた背景とは?

まずはNIES(新興工業経済地域)の定義と、この呼称および概念がどのようにして生まれたのかについて解説します。

NIES(新興工業経済地域)とは急速な工業化と経済成長を遂げた国・地域を指す

1980年代、ある特定の国々が顕著な経済発展を実現し、先進国と発展途上国の中間に位置する新たな経済グループとして認識されるようになりました。

NIES(ニーズ)とは、そんな急速な工業化と経済成長を遂げた国々を指す呼称であり、Newly Industrializing Economiesの略語となります。特に1980年代から1990年代にかけて、国際社会の舞台で頻繁に用いられた用語です。

もともとNIESは、アジアの「4小竜」と呼ばれる韓国、台湾、香港、シンガポールの4国を中心に、急激な経済成長を遂げた国々を指す言葉として用いられていました。

これらの国・地域は、高度な工業化、輸出主導型の経済戦略、そして国際市場への積極的な参入によって、顕著な経済的成長を実現。後に、この定義は中南米や欧州の国々(メキシコ、 ブラジル、ギリシャ、 ポルトガル、 スペイン、 ユーゴスラビア)も含むように広がり、経済のグローバル化とともにNIESという用語はさらに広範な意味を持つようになったのです。

NIES(新興工業経済地域)という呼称が生まれた背景

NIES(新興工業経済地域)という概念は、国際経済の中で新たな力として登場した、これらの国々の現象を説明するために生まれました。

1970年代の石油危機や、それに続く世界経済の変動期において、これらの国々は、革新的な経済政策と強固な産業基盤を通じて、安定した経済成長を実現。特に、製造業の高度化、外国直接投資の促進、技術革新への積極的な取り組みが、この地域の経済発展を加速させました。

さらに重要な歴史的背景がNIESにはあります。NIESと呼ばれる前、これらの国々・地域は、「Newly Industrializing Countries」を略したNICS(ニックス)と呼ばれていました。しかし1988年のトロント先進国首脳会議(サミット)で、香港と台湾の特殊な立場を考慮されたことで、NIESという呼称に変更されたのです。

その後、NIESの国々は国際貿易における役割を拡大し、世界経済において重要なプレイヤーとなったのはご存じのとおり。これらの経済的成功は、他の発展途上国にとって模範となり、NIESという概念は経済学者や政策立案者によって広く研究され、議論されるようになったのです。

2. NIES(新興工業経済地域)に属していた各国の特徴:アジア編

急激な経済の発展を遂げたNIES(新興工業経済地域)の国・地域は、それぞれが独自の産業構造とビジネス環境を持っていました。このセクションでは、その中でも特に注目されたアジアの「4小竜」ついて解説します。

アジア4小竜(韓国・台湾・香港・シンガポール)について

NIESの中でも、アジアの「4小竜」と称された韓国、台湾、香港、シンガポールは、1980年代から1990年代にかけて、その急速な経済成長と工業化で世界の注目を集めました。それぞれの地域が独自の強みを生かしながら、輸出主導型の経済戦略を推進し、短期間で経済的繁栄を達成した背景には、複数の共通要因と各地域特有の要素があります。

以下より4ヵ国・地域ごとに見ていきましょう。

韓国

韓国の経済成長は、重工業と輸出に重点を置いた政府主導の経済政策によって加速されました。鉄鋼、自動車、造船、電子機器などの産業が急速に発展し、これらの製品は世界市場で競争力を持つようになりました。また、教育と技術革新への強い投資により、高度な技術と熟練労働力を育成し、経済発展をさらに推進しました。

台湾

台湾は、中小企業を中心とした柔軟な産業構造と、政府による積極的な産業政策で知られています。特に、情報技術(IT)産業の発展に成功し、半導体やコンピューター関連製品の重要な供給源となりました。台湾の経済成長は、技術革新と国際貿易の拡大に支えられています。

香港

香港は、自由貿易港としての地位と、効率的なサービス業、特に金融と物流を中心に経済成長を遂げました。透明性の高いビジネス環境と国際的なビジネスハブとしての役割は、世界中の投資家や企業を引きつけ、経済の急速な国際化を促進しました。

シンガポール

シンガポールは、戦略的な地理的位置を活かし、港湾としての役割に加え、製造業、特に電子機器、石油化学、バイオテクノロジー産業の発展に成功しました。また、金融、貿易、物流の国際的な中心地としての地位を確立し、外国直接投資を積極的に誘致して経済成長を加速させました。



これらの「アジアの4小竜」は、政府の積極的な介入と政策支援、教育への投資、外国からの技術移転、そして開放的な貿易と投資政策を通じて、短期間で経済的繁栄を実現しました。

それぞれが直面した挑戦と困難を乗り越えながら、急速な工業化と経済の発展を遂げたこれらの国々は、世界経済における模範となり、後進国の発展モデルに大きな影響を与えることとなったのです。

3. NIES(新興工業経済地域)に属していた各国の特徴:中南米・ヨーロッパ編

続いては、NIES(新興工業経済地域)の範疇に含まれた中南米および欧州の国々について見ていきましょう。

1980年代に経済的躍進を遂げたことで注目されたこれらの国々の発展パターンは、前項で解説したアジアの4小竜とは異なる側面を持っていました。

メキシコ

メキシコは、1980年代に北米諸国との経済関係を深化させ、特に米国市場への輸出拡大を通じて経済成長を遂げました。北米自由貿易協定(NAFTA)の締結は、この傾向をさらに加速させ、製造業、特に自動車産業と電子機器の製造が大きく成長しました。

ブラジル

ブラジル経済は、資源豊富な国としての強みを生かし、農業、鉱業、そして後にはエネルギーセクターにおける成長を遂げました。また、国内市場の拡大と産業政策により、航空宇宙や自動車製造などの高度な製造業も発展しました。

ギリシャ・ポルトガル・スペイン

これら南欧の国々は、1980年代に欧州経済共同体(後の欧州連合)への加盟を果たし、経済の近代化と市場の拡大を経験しました。特に観光業と農業の近代化、インフラの整備が経済成長を支え、後には金融サービスや不動産への投資が活発になりました。

ユーゴスラビア

裂し複数の国家に)は、非同盟運動を背景に東西冷戦期において独自の社会主義市場経済を展開しました。自由度の高い経済政策と西側諸国との経済関係強化により、一定の経済成長を達成。しかし、1990年代の内戦により、その経済は大きな打撃を受けました。


これらの国々の経済発展は、地域によって異なる挑戦に直面しながらも、国際経済への統合を深め、国内産業の近代化を推進することで、目覚ましい成果を上げました。しかしながら、1980年代から1990年代にかけての経済成長は、後に多くの国で経済危機や構造調整の必要性をもたらすこととなり、発展の持続性や経済の多角化、そして社会的な課題への対応が重要な焦点となっていきました。

4. NIES(新興工業経済地域)の変遷と現状

NIES(新興工業経済地域)は、1980年代から1990年代にかけて急速な経済成長を遂げました。しかし、1997年に発生したアジア通貨危機を契機に、NIESという言葉は徐々にその使用頻度を減らし、国際経済の文脈では新たなグループが注目を集めるようになります。

最後のセクションでは、NIESの歴史的変遷と、新たな経済勢力としてのBRICSの登場について解説します。

アジア通貨危機を契機としたNIESの自然消滅

1990年代もNIESの一部である国々は経済成長を続けていましたが、1997年7月に発生したアジア通貨危機は、これら国々の経済に深刻な影響を及ぼしました。タイのバーツから始まったこの危機は、短期間で周辺国へと波及し、急速な経済成長を遂げていたアジア諸国の脆弱性を露呈しました。

この出来事は、NIESというグループが直面していた構造的な問題に国際社会の注意を向けさせ、その結果、NIESという呼称が以前ほど用いられなくなる一因となりました。

2000年代におけるBRICSの台頭

アジア通貨危機の影響が薄れるにつれて、国際経済の舞台では新たな勢力が注目を集め始めました。BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と呼ばれるこれら5ヵ国のグループは、2000年代初頭からその経済的影響力を増していきました。

これらの国々は、その巨大な市場規模、急速な経済成長、そして資源の豊富さにより、世界経済における重要なプレイヤーとしての地位を確立。BRICSの台頭は、国際経済における力のバランスの変化を象徴するものであり、新興市場と発展途上国の役割がより一層重要になっていることを示すものと言えます。

2020年代におけるNIESの現状

2020年代に入って、かつてNIESと称された国々はそれぞれ異なる経済的道を歩んでいます。一部の国々は高度な技術産業や金融サービスの発展に成功し、経済成長を維持しています。

一方で、アジア通貨危機の教訓を生かし、経済の多角化や内需の拡大に努める国もあります。また、環境保護や社会的包摂といった新たな課題への対応も、これら国々の重要なアジェンダとなっています。

NIESとしての枠組みは徐々にその重要性を失いつつありますが、これらの国々が直面する課題と達成してきた成果は、引き続き国際経済の文脈において重要な意味を持ち続けています。経済のグローバル化が進む中で、資源の持続可能な利用、環境保護、そして経済的不平等の是正は、これら国々だけでなく、世界全体の課題となっています。

現在の2020年代のNIES各国・地域の現状は、一言で語ることは難しく、各国が直面する独自の課題と機会のバランスを取りながら、それぞれが独自の道を進んでいます。

国際経済の文脈におけるこれらの国々の役割は変化し続けており、彼らの今後の動向は、グローバルな経済の健全性と成長にとって引き続き重要な意味を持っていると言えるでしょう。

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NIES(新興工業経済地域)という呼び名の背景には、急速な工業化、輸出主導型の経済成長、そして国際経済への積極的な統合という、共通の特徴が存在します。これらの特徴は、当時の世界経済の中で、今日につながる新たな発展モデルとして多くの注目を集めたのです。

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(参考文献)
・「新興工業経済地域 Newly industrializing Economies / NIES」ボランティアプラットフォーム
・「新興工業経済地域/NIEs」世界史の窓

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